auスマートパス版『LINE』が9月3日配信 出会い系な使いかたはさせません!?

2012-08-30 19:01 投稿

●“auスマートパス”がさらに加速

2012年8月30日、渋谷ヒカリエにあるKDDIにて“auスマートパス”の今後の取り組みや戦略に関する発表会が行われた。スマートパス全体に関してをKDDI新規ビジネス推進本部長の雨宮俊武氏、新たに投入されるスマートパス版『LINE』に関してをNHN Japan執行役員/CSMOの舛田淳氏、カメラやスマホ、PCをシームレスにつないで画像を共有できる『guPix』に関してリプレックス代表取締役の直野典彦氏がそれぞれ登壇して語った。

KDDI
新規ビジネス推進本部長
雨宮俊武氏
NHN Japan
執行役員/CSMO
舛田淳氏
リプレックス
代表取締役
直野典彦氏

KDDI雨宮氏からは、“auスマートパス”の現状が発表された。同サービスは、2012年3月1日のサービス開始から169日目にして累計200万人の加入者を確保。田中氏も「皆様のおかげで本当にいいサービスとなってきて、ありがたく思います」とサービスの好評っぷりに頬を緩めた。ここでいくつかのデータを公開した雨宮氏。まず、auスマートパスの加入者の男女比率はほぼ同数で、年齢構成比も男女共に各世代で偏りなく広い世代に利用されていると発表。これはつまり、現在の数字はともかくとして、スマホを持っている人に“満遍なくいきわたる可能性のあるサービス”ということだ。

また、加入者200万人のうち約40万人が“うたパス”“ビデオパス”という上位サービスを利用しており、それらの1日平均利用時間も、“うたパス”が約 70分、“ビデオパス”が約60分と非常にアクティブだ。「こうしたデータをご覧になれば、お客様にしっかりと受け入れられているのがわかるはずです」 (雨宮)

ではなぜauスマートパスはこれほどよいスタートダッシュを切れたのか。雨宮氏はユーザーからの高評価のポイントとして、「月額 390円で使い放題」「アプリの安全性の高さ」「セキュリティ対策アプリがある」など、メリットとしていたポイントをユーザーがしっかりと評価してくれていると語った。また、 ユーザーが今後期待していることにも積極対応していくようで、とくに“アプリの充実”“クーポンの充実”“auクラウドの拡充”への対応に力を入れていく とのことだ。

▲“アプリの充実”への対応ではスクウェア・エニックスやカプコンなど大手ゲームメーカーの人気タイトルが配信されることを発表。

▲クーポンへの協賛メーカーもさらに増加。ユニクロ、ローソン、牛角など名だたるメーカーが参加してお得感もますますアップ。

“auクラウドの拡充”では、後述する『guPix』との連携を発表。各分野をしっかりと伸ばすことで、今年度は獲得ユーザー数を500万まで増やしたいと語って雨宮氏は発表を終えた。

●世界初の試み

NHN Japanの舛田氏からは、auスマートパス会員向けの限定アプリとして提供する『LINE au スマートパス版』について説明が行われた。『LINE』は、今では知らない人がいないほど広く利用されている無料のコミュニケーションアプリだ。サービス公開からわずか約14ヵ月で世界5500万人、国内では2500万人に利用されている。

今回auスマートパス向けの専用アプリを配信することについて、「このようなキャリアさんとの連携は、世界初です」と語る舛田氏。auスマートパス版の特徴は3つあり、そのひとつめが未成年者保護への取り組みだ。auスマートパス版では、未成年の利用者の場合、ID検索機能を自動で制限される仕様になっているようだ。「『LINE』は電話番号を交換している近しい間柄でやりとりを前提としているアプリだが、例外としてID検索で簡単にメッセージを送ることができます。この例外を使って、悪意をもった数少ない人が未成年者相手に出会い系のような目的でアプリを利用されていることに、早急に対処したいと考えました」(舛田)

年齢確認の仕組みは、『LINE au スマートパス版』を立ち上げた時に、簡易的な確認画面が表示され、その際にKDDIへ年齢確認を要求し、KDDI内部での確認が行われたあと、サービス提供の可否の結果が返信されるようになっているというもの。

気になるのは、『LINE』側が個人情報をキャリアから取得している点だが、「取得しているのは“一定の年齢に達しているかどうか”だけです」と懸念点を払拭する舛田氏。この判定でID検索の利用が制限されると、“探すこと”“探されること”の双方が行われなくなる。これにより、出会い系目的での利用者を撲滅したいとしている。

ふたつめの特徴は、『LINE』のウリのひとつ、“スタンプ”の提供だ。『LINE au スマートパス版』では、オリジナルキャラクターとしてもぐらのトーマスとカエルのハルが用意され、ユーザーはこれを無料で使うことができるのだ。

特徴の3つ目は、auかんたん決済が利用可能なこと。通常の『LINE』ではGoogle Playによる決済のみとなっているが、『LINE au スマートパス版』に限り、auかんたん決済が利用可能になる。さらに、貯まったauポイントで有料コンテンツを購入することもできるようで、まさに“auスペシャル版”といった内容になっている。

また、このほかにも両社でさまざまな取り組みを考案中だそう。そのひとつとして2012年9月4日より『LINE』のなかで“au LINE公式アカウント”がスタートする。このアカウントからauユーザーに限らずさまざまな情報を発信していき、今後もサービスの連携を進めていく方針のようだ。

●写真撮影の新体験!

リプレックスの直野氏からは、新しい写真閲覧アプリ『guPix』に関する説明が行われた。『guPix』は、9月3日よりアプリ撮り放題に追加されるアプリで、“au Cloud”と連携したサービスを行えることが特徴だ。これにより、デジタルカメラからスマホ、PCまでをシームレスにつないで写真を閲覧することができる。

 

直野氏は、これからの写真体験を変える“3S”として3つのキーワード“Social(ソーシャル)”“Sync(シンク)”“Share(シェア)”を掲げた。『guPix』は、東芝から発売されている無線LAN機能付メモリカード“FlashAir”を使うことで、スマートフォンで撮影した写真とデジタルカメラで撮影した写真のそれぞれを“au Cloud”をつうじて、特別な操作をすることなく双方で閲覧することができるようになる。キーワードのひとつめ“Social(ソーシャル)”とは、デジカメで撮った写真をスマホ側の『guPix』でTwitterなどに投稿できるということだ。

ふたつ目のキーワード“Sync”については、多くの方がスマートフォンやデジタルカメラなど、複数の機器で撮影していると思われるが、『guPix』を使えばどの画像データがどこのデバイスに存在するかを考える必要がなくなるという。スマートフォンとパソコンに入っているアプリを起動すると、デジタルカメラやスマートフォンで撮影した画像をすぐに閲覧出来るのだが、その際にコピーやアップロードという操作を一切行わずにできる同期性の高さが“Sync(シンク)”。

最後のキーワードである“Share(シェア)”はKDDIで提供しているアプリ“フォトアルバム”を利用する。例えば『guPix』から保存した写真を選択し、あらかじめ実家との共有アルバムを作っておいた“フォトアルバム”に入れるとする。そうすると、離れた場所に住んでいる家族のもとに見せたい画像を簡単に送って共有することができる。今までインターネットに投稿しづらかったカメラで撮影した画像も『guPix』を使うことで簡単に投稿できるようになったのも大きなポイントのひとつだ。

多くの場合様々なデバイスで撮影、保存された画像データはデバイスごとに散らばっているのだが、『guPix』ではすべての写真のプレビューデータを自動で集約してくれる。この写真プレビューを『guPix』では“Magic Preview(マジックプレビュー)”と呼び、インターネットなどに投稿する際に適したサイズに自動で変換されキレイな画像データとして共有されるのだ。こうしたサービスが、auスマートパスの利用料以外は必要なく、しかも無制限に行うことができるということをauスマートパスの大きなメリットだと直野氏は語った。

▲発表会では実機による『guPix』のデモンストレーションも行われていた。

以上で発表会は終了となったが、最後に質疑応答での興味深い内容をピックアップする。

――他キャリアでもauスマートパス版のような展開をする可能性はあるのか?

舛田 今回はauさんからの提案で実現したことです。他キャリアでの展開も可能性は否定しません。ただ、現時点ではまったく未定です。

――auスマートパス(うたパス、ビデオパス含む)の事業目標は?

雨宮 auスマートパスは年内に500万人獲得できればと考えています。うたパス、ビデオパスに関しては、現在の比率(200万人中40万人が利用)を上回るようにできればと思います。

――取り放題アプリの数はどれくらい増えていくのか?

雨宮 毎月10~20を増やしていくつもりではいますが、一方的に増やすだけとは考えていません。クオリティーを重視しているので、増やす一方でクローズするタイトルもあります。トータルでは600~700くらいで安定させたいという考えです。

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