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業界を動かすトッププロデューサーが集結! その思考が明らかに【GREE Platform Summer Conference 2012】

2012-08-04 00:20 投稿

●ソーシャルゲーム業界の先頭集団を走るプロデューサー陣の熱い想いに迫る!

GREEのプラットフォームでアプリを提供するメーカーを対象に、技術交流や情報交換などを目的として実施される“GREE Platform Summer Conference 2012”が、2012年8月3日に都内にて行われた。半期に1度開催され、今回で4回目の実施となるこちらのカンファレンスでは、グリーの関係者による 講演会や開発会社によるパネルディスカッションなどが行われ、GREEというプラットフォームの現状をうかがう上で、絶好の機会となっている。本記事では、その中からパネルディスカッション”業界を動かすトッププロデューサーの思考”の模様をお届けする。

パネルディスカッションは、安藤武博氏(スクウェア・エニックス)、今泉潤氏(gumi)、兼吉完聡氏(KONAMI)という名だたるプロデューサー陣をパネリストに迎え、モデレーターの吉田大成氏(グリー)を交えて”ヒットを生み出す条件”や”おもしろさの定義”など、興味深いテーマについて語られていった。

▲グリーの吉田大成氏。

最初に吉田氏から出されたのは、“ヒットタイトルを生み出すのに必要な3箇条は?”というテーマ。まず安藤氏に話が振られると、「3箇条でまとめられるかと言うと、そんなに簡単なことではないんですが……」と、ゲームを売ることは非常に難しいと前置きしたうえで、「ひとつは、時代を切り取れるかどうか?」(安藤)。予算やプラットフォームなど、そのゲームが時代を切り取っているかどうかを考えるのが重要とのこと。ふたつ目は“何か刺さる仕掛けを1点用意する”こと。この点については、「いろいろ仕掛けた上で、そのゲームで何がユーザーに刺さるか? その1点が届けられるかが大切です。いま、多くのゲームにはその1点がないと思うし、逆にヒットしているタイトルにはある。最近のソーシャルゲームは、側だけを変えて中身が同じゲームでもいいかもしれないけど、そのブームはもう終わります。家庭用ゲームでは、つぎに誰が何を発明するかで一喜一憂してきましたから、それを心掛けています」と安藤氏は語った。そして最後の条件は、「“心の底から世界のナンバーワンになる!”と言い切れるかどうか」(安藤)だという。世界を獲るためには、しっかりとした座組みを整える必要があり、その座組みがなければ「世界を獲る」と言うべきではない。だからこそ、その座組みを用意したうえで、ナンバーワン発言を発することが条件だとした。

▲スクウェア・エニックスの安藤氏。

続いて今泉氏は、「僕はもともと映像業界の出身なので、いつもモノ作りの際はドラマ制作の経験を活かしています。その中で条件を挙げるとすると、“コンセプト”、“パッケージ感”、“情熱”です。まず、モチーフを決めてコンセプトは何かを考え、その上でパッケージ感を考える。そして、“これがいちばんおもしろい!”、“この作品を愛せる!”という情熱という名の魔法が開発メンバーひとりひとりにかかったとき、ヒットタイトルが生まれると思っています」と持論を展開。それについて「『任侠道』もそのようなプロセスで作られたんですか?」という吉田氏の質問に対して、今泉氏は「よくテレビや映画を観ていて、画面からスタッフの情熱やおもしろさがにじみ出ていることがわかる場合があると思うのですが、『任侠道』もそのような感覚で、開発スタッフどうして“ああでもないこうでもない”と意見と情熱を取り込んで作りました」とコメントした。

▲gumiの今泉氏。

では兼吉氏の条件はどうか? 曰く「弊社のクリエイターはしっかりとした仕事をするのですが、それが足かせになってソーシャルゲーム作りにおいてデメリットになることがあります。ソーシャルゲームでヒットする条件として、クリエイターの中でこだわってることを変えなければなりません。こだわりやゲームの仕組みの部分で、ユーザーが求めていないところにこだわってしまう傾向にあります。だからこだわりを変え、敢えてを仕様を削る勇気が必要だと思います」(兼吉)という。また、「ソーシャルゲームで苦労したのがスピード感。家庭用ゲームと承認のプロセスが違いますので、その部分を意識して工夫することも大切です。それから当たり前ですが、“おもしろい”モノを作ること。おもしろさとは何かを心の底から考えて、新しいことをやろうとするゲームがヒットすると思います。“おもしろさ”についてですが、『ドラゴンコレクション』は当初、モンスターとカードという、当時としてはいままで誰もやっていないところに目を付けたもの。プロデューサーとして、そういう点に目を付けられるかが重要です」と続けた。

▲KONAMIの兼吉氏。

●”おもしろさ”の定義

つぎのテーマは、兼吉氏のヒットするタイトルの条件にもあった、“おもしろさ”。吉田氏が「僕もソーシャルゲームを作ったとき、田中(良和社長)から“おもしろくない!”と言われたことがありました。僕はおもしろいと思っていることでも、企画が通らないこともありました」と発言すると、安藤氏が「吉田さんにとっての“おもしろさ”って何ですか?」と問いかける。それを受けての吉田氏の“おもしろさ”の定義はつぎのとおり。

「僕が思うのは、とにかく会話のネタになるかどうかですね。周りの人からチヤホヤされたいので、そのためには話のネタを持っているかが重要です。ネタがあれば話しかけやすいし、話しかけられやすい。だから僕は、人と付き合う上で盛り上がるネタになるかどうかが“おもしろさ”の定義です」(吉田)

では、逆に安藤氏のおもしろさの定義は何なのか? 「僕は昔、『疾走、ヤンキー魂。』というゲームを作ったんですが、これまで作ってきた中で、いちばん企画段階で盛り上がったゲームなんです。お互いのヤンキー論について語ったりして。そうやって開発チーム全体で“おもしろい”と盛り上がった作品が売れる場合もあるけど、一方でプロデューサーだけが最後まで“おもしろい”と思って貫いて作ったゲームが売れる場合もある。個人的には後者のほうがヒットしやすいと思っています。“おもしろさ”って、担当者が孤独に熱狂できるかどうかが重要です」(安藤)とコメントした。すると、“担当者が孤独に熱狂”という言葉を聞いた今泉氏が、「僕もスタッフからゲームの企画を持ってこられることがあるんですが、ダメ出ししたときに食らいついてくる人間の企画はおもしろいのかな、と思いますね。食らいつくってことは、そこまでの考えがあることだと思って採用する場合があります」と、担当の個人レベルでも、おもしろいと感じるものには可能性があると、安藤氏に賛同。当の安藤氏が「最初からみんなにOK、OK言われる企画は予定調和的なものだから、ユーザーもビックリしない。それより、身内にはあまり響かないモノがいいのかもしれません」とコメントすると、兼吉氏も「たしかに、反対される企画のほうがヒットすると思います。没頭して企画や仕様を書いていったほうが、尖ったゲームになるのは経験則上ありますね」と続けた。そして、おもしろい可能性を秘めたものから、そうでないものまで、現場のさまざまな企画を承認しなければならないのもプロデューサーという立場だが、「承認の際に意識しているポイント」(吉田)について、安藤氏と兼吉氏の考えは以下のとおり。

「その企画自体の、“おもしろさ”の部分についてアドバイスはしますが、最終的にその人間がどこまで熱い想いを持っているかを見ています。熱い想いがないと、仮に失敗したときに本人が納得感を得られないので」(兼吉)

「難しいですけど……今泉さんもさっきおっしゃられていましたが、企画についてダメ出しするなどの圧をかけたときに、跳ね返って来る、というのも重要だと思いますし、僕の場合だと、情熱を持ちすぎて突っ走るだけじゃなく、自分自身をふかんで見られるようなクールな面も必要かなと。気持ちは熱く、そして状況をクールに見られる人間とその企画は応援したくなりますね」(安藤)

●時代を切り取る視点を持つプロデューサー陣が考える、つぎに受けるジャンルとは?

冒頭、安藤氏のヒットの条件にあった“時代を切り取る”という言葉を借り、吉田氏が3人のプロデューサーに投げかけたのが「半年後、1年後を考えたときに、どういったジャンルが受けるのか? どこをポイントに見ているのか?」という質問。まず安藤氏は、「僕の主観ですが、スクウェア・エニックスって、いい意味でも悪い意味でも色眼鏡で見られています。『ファイナルファンタジー』のようにファンタジーな物語があり、登場人物がいて、それをドラマのように遊ぶゲームが楽しい会社というイメージ。そのスクウェア・エニックスが、(スポーツゲームが悪いわけではないという前置きがありつつ)『ウイニングイレブン』のようにスポーツゲームを出してもユーザーに“何やってんだ?”と思われると思う。それだけファンタジー色の強い会社になりつつあるんです。じつは今度、ギャルゲーを出すんですが、そこには“スクエニっぽさ”が感覚としてあるんです。そういった“ぽさ”が出せているかどうかが大切なので、ジャンルで縛りたくはありません。うちにはライトなゲームよりもリッチなゲームが求められています。ただ、兼吉さんが言うように“どこを切り捨てるか?”を考えないといけないと思います」との見解を示した。加えて、「じつはそういったことを度外視したオリジナルタイトルも1本作っています。それはかなりチャレンジしてます!」とアピールも忘れていなかった。

また、今泉氏は「チャレンジするゲームのジャンルを含めて、海外でもそうなのですが、皆さん勘違いされているのは、カードバトルゲームなら売れると思っていること。でも、それはカードだから、バトルゲームだからというよりも、マネタイズの仕組みがよくできているから売れているんです。それを踏まえて、今後はいままでのノウハウで培ったもので、その先にどうやって新しいチャレンジ、ジャンルをやっていけるかを考えていきたいですね」と返答。そして兼吉氏は「我々はプラットフォーやジャンルなど、こだわりなくイノベイティブなモノを作り、新しいことに挑戦したいと思っています。KONAMIは器用な会社でして、『メタルギアソリッド』のような重厚なゲームから、音楽系、スポーツ、ギャルゲーなど、さまざまなジャンルでヒット作を出せるのがウリだと思っています。そのKONAMIならではの器用さを活かして、新しいフィールドでもチャレンジャブルなモノを作っていきたいと思ています。スマートフォンもどんどん進化していくと思うので、その流れの中で、つぎに誰が新しいことを考え、そして作るかが重要だと感じます」とコメントした。両者とも、新しいモノへのチャレンジという部分で一致しており、それについて安藤氏も「新しいチャレンジは大事ですよね。カードやガチャがヒットするからって、みんながみんな同じゲームを作っていたら、エンターテインメントとしてヤバイ! ソーシャルゲーム業界って、ここ2年くらいでせっかく大きく盛り上がっているんだから、それをさらに盛り上げるためにみんなで新しいモノにチャレンジしないと本当にヤバイと思います!」と、熱く賛同していた。

最後に、登壇した3人のプロデューサーたちのメッセージをどうぞ!

「つねに新しいモノを作るのが、我々クリエイターの使命。これからも新しいイノベーションを作ります」(兼吉)

「gumiは海外拠点を広げ、海外を意識しています。ただ個人的には、もちろん海外も重要ですが、みんなが海外に目を向けているいま、国内に注力してみたい気持ちがあります」(今泉)

「引き続き、家庭用ゲームを作ってきた方々にソーシャルゲームの作りかたや運営のやりかたをお教えするなどのサポートをしていきたいですし、逆にソーシャルゲームだけを作ってきた方々で、家庭用ゲームのようなリッチなゲームの作りかたがわからないという方は僕に連絡してください。そうすれば、きっとすごいシナジーが生まれそうな気がします。そういう部分でサポートしたいと思います」(安藤)


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