PCで人気を博した泣きゲー『キラ☆キラ』がiPhoneに登場！　もう涙が止まりません

2012-04-15 18:00 投稿

●文化祭のために組んだ急造バンドの成功。そこから思いがけない恋が始まる!?

本作は、PCで発売され、プレイステーション2にも移植されたノベルタイプのアドベンチャーゲーム。

主人公の前島鹿之助は、かつてはインターハイ級のテニスの腕前を持ちながら、とある事情からテニス部を辞め、彼女にもフラレて、少々憂鬱な日々を過ごしている少年。

幼なじみの姉貴分との縁で籍だけ置いていた第二文芸部の廃部が決まり、部員たちは文化祭で最後の花を咲かせようと、バンドを組んでステージでライブをやることを決める。鹿之助もバンドのメンバー(ベース)として参加することになって──という、学園生活とバンドライフを通じて生まれる仲間との絆、さらには恋愛模様を描いている。

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ヒロインとなるのは、主人公とバンドを組むことになった3人の少女。

鹿之助のアルバイト先で偶然知り合った元気娘の椎野きらり(ボーカル)。

資産家のお嬢様で、淑やかな美人だが病弱な少女、樫原紗理奈(ギター)。

鹿之助の幼なじみで、ひとつ年上だが、とある事情から留年している部長の石動千絵(ドラム)。

ステージで目立つようにガールズバンドということにしたため、鹿之助も女装させられる(しかも、けっこう似合う)というハプニングはあったものの、文化祭でのライブは大成功。余勢をかって、4人は夏休みにオンボロワゴンに乗って全国のライブハウス巡業の旅に出かけるのだが……。

▲向かって左から、千絵、きらり、紗理奈。タイプは違うものの、3人とも性格もルックスも◎な娘たち揃い。

▲これが鹿之助の女装姿。ちなみに女装名は｢前島鹿子ちゃん｣……って、そのまんま過ぎ!?

●｢キラキラと輝く今｣は、失ってからは二度と取り戻せない！

500MBオーバーの大容量だけあって、本作はビジュアルのイベント絵も豊富だし、ヒロインたちは全員フルボイスでよくしゃべる。バンド活動がテーマだけあって、BGMはある意味非常に重要だが、そちらもかなりクリアーな音質で、プレイ環境としては非常に好条件が揃っていて、もとのPC版と比べてほぼ遜色ない。

しかしながら、ここであえて言おう。｢明るく楽しい学生バンド物｣だけを求めて本作をプレイすると、思わぬしっぺ返しを喰らう、と。

もちろん、｢明るく楽しい｣部分がないわけではない──というか、前半から中盤にかけては、ほぼそういったカラーで占められていると言っても間違いではないだろう。

しかし、絆を深めて一歩ヒロインたちの事情へと踏みこむと、それまで見えなかった彼女達の抱えているさまざまな問題が主人公に見えてくる。それらは、お金だったり人間複雑な家族の問題だったりと、学生である主人公には解決しづらいものばかりだ。

それはある意味、ままならない社会の縮図。青春の光と影なんてカッコいい言葉では片付けられない、ビターな選択を主人公に強いることもある。

もっとも、だからこそ、主人公がヒロインを思い、どんな選択をとったかが重要になる。必ずしも完全無欠のハッピーエンドとは限らないが、それでも考えぬいたうえでの選択なら、悔いのない結末を迎えられるはずだ。

▲文化祭までの期間限定のお祭り騒ぎだと思っていたバンドが、いつの間にかかけがえのない居場所に。

▲明るく楽しいスクール＆ミュージックライフ！　……と見せかけて、じつはヒロインたちは、かなりヘビィな事情を背負っていたりする。


▲脇を固める男性キャラクターたちの個性もポイント。バンド活動の先輩の殿谷や鹿之助の悪友・村上たちとの何気ない会話も、逆に学生時代っぽいリアリティーを演出している。

■基本操作

本作は、いわゆるサウンドノベルと同様、画面全体に一連のメッセージテキストが表示され、画面をタップすることでメッセージを読み進めていく。選択肢が表示された場合は、自分が選ぶほうをタップすればよい。ダブルタップで、メニューの呼び出し。右フリックで既読スキップ、左フリックで強制スキップ、下フリックで履歴表示ができるので、プレイ時に適宜利用するとよいだろう。