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稲船敬二氏、土田俊郎氏がソーシャルゲームを切る!【TGS2011】

2011-09-17 20:00 投稿

●稲船氏、遠藤氏、土田氏……豪華メンバー揃い踏み!

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▲来場者に“スマートフォンを持っている人?”、“ソーシャルゲームをやっている人?”と質問していた遠藤氏。思った以上に手を挙げた人が多く、「これならアウェイ感なく話ができそう(笑)」とコメント。

 2011年9月15日より開催中の東京ゲームショウ2011。開催3日目、グリーブースのステージイベントで、有名プロデューサーによるパネルディスカッションが開催。“有名プロデューサーがソーシャルゲームを切る”と題し、comceptの稲船敬二氏、グリーの土田俊郎氏が、パネリストとしてソーシャルゲームをバッサバッサと切りまくった!?

 今回、モデレーターを務める遠藤雅伸氏(日本デジタルゲーム学会 理事 研究委員長)から出された最初のテーマは、“コンソールゲームとソーシャルゲームの違い”について。このテーマはソーシャルゲーム関連のセッションでは、かならずと言っていいほど出る話だ。これまでも多くのクリエイターたちがその違いについて発言してきたが、稲船氏、土田氏はどう答えたのか?

「僕は昔、あちらのホールに大きなブースを構えているカプコンに在籍し、ファミコンの時代からゲームを作ってきました。その中で、さまざまなゲームの歴史があり、いま新しくソーシャルゲームという時代が来ています。長年、ゲーム業界でいろいろな変化を見てきたので、ソーシャルゲームだからという違和感はありません。コンソール同様に、おもしろいことやっていければいいと思っています」(稲船)

「私は、かつてあちらにブースがありますスクウェア・エニックスにおりました。在籍中は、コンソールということで長く遊べるゲームを作ることを意識してきました。でも、ソーシャルゲームって、空いた時間にちょっと遊ぶゲームの作りかたをしますので、新しくゲームの可能性を広げてくれる気がしています」(土田)

 続いて遠藤氏から出されたのは、両氏とも家庭用ゲーム開発の経験があるということで、「コンソールゲームを作るときに大切にしていることは?」。これについて稲船氏は、「世界観やキャラクターの背景にある性格をしっかり企画することを大事にしています。キャラクター性は、ゲームシステムと同じくらい重要です。世界観、キャラをしっかり立てることで、そのコンテンツがゲームだけではなく、アニメや映画などのメディア展開につながることもあるんです」とコメントし、「コンソールは開発コストが高いので、ゲームの売り上げだけで回収するのが難しい。だから、いろいろな展開が考えられるような企画作りを大切にしています」(稲船)と続けた。一方、「自分の場合、『フロントミッション』のような、どちらかと言うとコア向けのタイトルを作ってきましたので、兵器の重量感だとか、大砲を撃ったときの空気感だとか、マニアックなファンでも納得できる表現を大事にしていましたね。それと『ファイナルファンタジーX』のシステム構築を担当していたこともありました」と土田氏。プレイヤーが“自分だから倒すことができたんだ!”という感情を起こさせるようなバトルの作りかたも大切にしていたそうだ。

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 家庭用ゲームとソーシャルゲームは、プレイ時間のサイクルも異なる。この“プレイ時間に対する意識”についてが、つぎなるテーマだ。まず「コンソールゲームを作るときは、総プレイ時間を考えます。アクションゲームでも10〜20時間遊べるものにしたい。そのためには、20時間の中でどこに強弱や起承転結を入れ込むか考えながら、時間割りを作ります。プレイ時間については、ソーシャルゲームとは明らかに意識するところが異なりますね」と、さまざまなアクションゲームを手がけてきた稲船氏がその考えを示す。対して、シミュレーションやRPGなどに携わってきた土田氏の意見は、「そのゲームのオープニングからエンディングまでの間に、プレイヤーが戦闘する回数がどれだけになるかをまず把握します。そして、すべての回数が同じような展開では飽きられてしまうので、一定の回数を過ぎたら何かしら新しい変化を起こして、つねに飽きさせない工夫をしていました」という。具体的には、ある段階で魔法を覚えたり、仲間が追加されたり、という変化をプレイヤーがゲームを進めていく過程で盛り込んでいくことだそうだ。両氏の意見に共通しているのは、“決まったプレイ時間の中で、どう変化を入れ込むかを考える”こと。遠藤氏も「この意識は、なんとなくソーシャルゲームの作りに似ているところもありますね」とコメント。これを受けて、稲船氏も、「ソーシャルゲームは時間の制限を感じながら作るものだと思います。短いプレイ時間でいかに気持ちを完結させるか? そのためにはどうすればいいのか? コンソールゲームの開発とは違う頭脳を使うので、すごく刺激的で楽しい」と語った。

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 稲船氏、土田氏へのつぎなるお題は“ソーシャルゲームの魅力”。「ロビーに入ってほかのプレイヤーに声をかけて“さぁ行くぞ!”という感じの気合いの入ったオンラインのつながりかたではなく、気軽な感覚で力をいれずに人とつながれるところでしょう」(稲船)、「やはりゲーム機ではなく、モバイル、スマートフォンというつねにネットにつながっている端末で楽しめるのは、開発者としても魅力的」(土田)と、どちらも根本にある魅力は“人とのつながり”と主張。土田氏は続けて、「ソーシャルゲームに携わる前は、友だちと顔をつき合わせていっしょに遊んだり、攻略方法について語らうのが楽しかった。それがソーシャルゲームに関わるようになり、仲間の誰かが自分のためにゲームの中で活躍してくれたら、その人の顔は知らなくても親近感が沸くし、逆に自分が活躍してお礼を言われると気持ちがよかったり」と、そういった感情を含んでいるのがソーシャルゲームのコミュニケーションだという。土田氏のこの発言に「土田さんのおっしゃるとおり、日本人はソーシャルゲームのような協力プレイは向いていると思いますね。誰かに何かをしてもらったから、何かしてあげたい。コンソールゲームのように、さきに進みたいと思うコンティニュー感じゃなく、誰かのために何かをしてあげたいコンティニュー感が、ソーシャルゲームにはあると思いますね」と、稲船氏も共感した様子だった。

 最後に、“ソーシャルの今後と問題点”について。今後は、スマートフォンなどの端末も進化し、それに合わせてコアなゲームからライトゲームまで、さまざまなコンテンツがソーシャルゲームとして登場するはずだ。稲船氏は今後についてよりも、むしろ問題点について言及。「日本の通信環境をどうにかしてもらいたいですね。地下鉄に乗っているときに、べつに電話はしないからソーシャルゲームで遊ばせてほしい。韓国では、電車でもずっとネットワークがつながっている。これでは日本は勝てない。ただ単にハードやゲームの性能だけじゃない部分の不満が解消できないと」とコメント。「確かに、私も地下鉄から地上に出た瞬間にソーシャルゲームをプレイするという習慣でした(笑)。でも、それが習慣になっているのってよく考えたらよくない。ソーシャルゲームは、つながることが重要なので、つながらない状況を極力無くしてほしい」と同意見のようだった。

 そして今後について、「コンソールとかソーシャルとか切り分けて考える時代じゃない。ゲームはゲーム! みんなが状況に応じて楽しいゲームで遊んでもらえればいいし、クリエイターも作ればいい。へんな対立関係を作らず、いっしょになって新しいゲームを生み出し、皆さんに喜んでもらいたい」と、稲船氏から熱いメッセージが送られた。

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