
スクウェア・エニックスはスマホもソーシャルも本気! 2大プロデューサーが最新作と今後の展望を語る
2011-09-15 21:15 投稿
●有料アプリで300万ダウンロード

東京ゲームショウ2011の初日(2011年9月15日)にスクウェア・エニックスブースのメガシアターで“スマートフォン&ソーシャルコンテンツ発表会”が行われた。既報のとおり、専務執行役員の原口洋一氏から“SQUARE ENIX MARKET”の発表が行われ、さらにモバイルゲーム開発の中核を担うプロデューサー2名、時田貴司氏と安藤武博氏が登壇し最新作と今後の展望について熱く語った。
スクウェア・エニックスホールディングス専務執行役員の原口洋一氏からは同社のスマートフォン事業の現状から話があった。それによると現在iOS向けアプリは30本配信し、有料アプリのみで300万ダウンロードを達成しているとのこと。反面Androidアプリは現状1本のみの配信と寂しい現状であるが、その理由については「まずは日本のマーケットを優先したかったということと、海賊版などが横行する現状のセキュリティーの脆弱性を考慮した」(原口)とのことだ。
しかし、いよいよこの冬に満を持してAndroid向けのマーケット“SQUARE ENIX MARKET”をスタートさせることが決定。日本の主要3キャリアでこの冬オープンを予定しているとのこと。タイトルなどの情報に関しては既報を参照してほしい。また、自社マーケットをオープンさせたあとにはAndroid Marketにもタイトルを投入していくようだ。
ソーシャルゲームに関してもこのTGS以降は数週に1本のペースで新作を投入するという。GREEでは、こちらも発表されたばかりの『エンペラーズ・サガ』を配信予定であるほかに、iOS版『ケイオスリングス』の体験版も配信予定。同社とは協力関係を築けていると報告。
このようにスマートフォン、ソーシャルゲームともに一定の成功と着実な発展を試みているスクウェア・エニックスだが、今後の指針について原口氏はこう語った。「フィーチャーフォンからスマートフォンへ軸足を移し、落としきりゲーム以外にFree‐to-play、Micro Transacsionの比率を上げていきたいと思います。そして日本マーケットだけでなく世界に目を向けていきたいです」。●最新作は“アンリアルエンジン”採用

続いて登壇したモバイル事業部の時田貴司氏は“SQUARE ENIX MARKET”への投入タイトルのひとつ『ファイナルファンタジー レジェンズ 光と闇の戦士』を紹介。本作はフィーチャーフォン向けに開発されたシナリオ配信型のRPG。先日NTTドコモ版が完結を迎え、現在までに100万ダウンロードを達成している同社の人気タイトルで、今回のスマホ化に際してはグラフィックを大幅に強化しているという。ちなみに本作はAndroid向けアプリオンリーということではなく、iOS版の配信も予定されているとのこと。配信は2012年予定。

そして時田氏からはもう1本! こちらはオリジナルタイトルの『DEMONS’SCORE』。発表会で確認できたのはスクリーンショット1枚のみだったが、時田氏によると「コンシューマーに負けないタイトルです。アンリアルエンジンを使ったハイエンドなグラフィックに注目してください」とのことだ。グラフィックに関しては折り紙つきのスクウェア・エニックスが、アンリアルエンジンを使ってどれほどの映像に仕上げてくるのか、いまから楽しみでならない。こちらも2012年に配信予定でiOSでも開発を行っているとのこと。

●スマートフォンはゲーム機です

時田氏と同じくモバイル事業部でプロデューサーを努める安藤氏。「えらい人(原口氏)がスーツでビシっと話してくれたので、僕は現場の視点でこれまでの取り組みをお話したいと思います」と語り始めた。
スクウェア・エニックスのスマートフォンアプリへの取り組みはじつは歴史が深い。2006年のiPodに搭載されたクリックホイール用アプリのころから取り組んできているのだ。連綿と試行錯誤を繰り返し、「ついにそれが結実したと感じられたのが『ケイオスリングス』です」(安藤)。
同作が配信されたのが2010年4月。以降、日本を含む15ヵ国のランキングで1位を獲得するなど大成功を収めた。2011年4月には続編の『ケイオスリングス オメガ』が配信。8月には両作をフルボイス化のアップデートを行うなどとにかく動き続けてきた本シリーズ。その動きはまだまだ止まらない。11月にはコミカライズ、さらに最新作『2』の配信も控えている。
ここで安藤氏はPSP(プレイステーション・ポータブル)から『ファイナルファンタジー タクティクス』の移植に成功した事例をあげ、「スマホはゲーム機です」と力強く宣言。「いまでは携帯端末でもリッチでおもしろいものが作れるというのが開発陣の共通認識になっています」(安藤)。
「もちろんFree‐to-play、Micro Transacsionもやります。でも落としきりアプリでもちゃんと作って値付けをしてやっていきたい。『ケイオス』で高めの値段設定をして成功したことは、アップルにも評価してもらっていますから」(安藤)
ではソーシャルゲームについて安藤氏はどう考えているのか。スクウェア・エニックスではグリーブースで『ナイツ オブ クリスタル』を出展している。安藤氏は「『ナイツ オブ クリスタル』はSNSゲームがどんなものかわからないから作ってみようというところからスタートしました。でも本当にわからなくてずっと悪戦苦闘してきて……、そのおかげでようやく僕らもいろいろわかってきました。ずっと育て続けた甲斐があって、先日のグリーのカンファレンスでは25本の表彰タイトルのひとつに選出されるまでになりました」(安藤)。
iOS、ソーシャルと取り組んできた安藤氏とスクウェア・エニックスがつぎに見据えるのはAndroid。「『ケイオスリングス』のような3Dグラフィックのゲームをサクサク動かすことができています」とAndroid端末で動く『ケイオスリングス』を初披露。
さらにここで現在安藤氏が手がけている『拡散性ミリオンアーサー』のムービーが流されたが、その模様はこちらの記事でチェックしてほしい。ここまでマシンガンのように言葉を発してきた安藤氏。最後に“今後の話。”としてこれからの展望を語り始めた。「これまでのゲーム作りって、なにをやるかに焦点がおかれていたんですよ。たとえば『ドラクエ』をやるのか『FF』をやるのか、みたいな。これからはそうではなくて、“誰とやるか”を重視してプロデュースしたいと思っています」(安藤) その言葉を裏付けるのが、『拡散性ミリオンアーサー』の参加スタッフたち。音楽に前山田建一(ヒャダイン)氏、シナリオに『とある魔術の禁書目録シリーズ』の鎌池和馬氏、カードイラストに50名以上のデザイナーが集まる超豪華布陣となっているのだ。
現在安藤氏のチームでは約5本のタイトルを進行しているのだそう。しかもオリジナルタイトルの比率が多いという。
「僕のまわりではつねに発明のようなことが起こっています。『拡散性ミリオンアーサー』のようなタイトルが日々生まれている。オリジナルと言ってもカジュアルなものはほとんどありません。コンシューマーゲームライクなものを目指しているんです。たとえSNSゲームであれ、落としきりのゲームであれ、そういうリッチさは必ず入れていきたいんです」(安藤)
さらに熱を帯びた安藤氏は「これまでケータイのゲームは、コンシューマーからモバイルに移植する一方的な流れしかありませんでした。でもいま逆の流れが起きようとしています。時田みたいな人間がモバイルにきたこともひとつ象徴的なことだと思います。これからのスクエニのスマートフォンタイトルには大いに期待してくれて構いません。これからもよろしくお願いします」と発表会を締めくくった。
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