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『忍者ロワイヤル』のいままでとこれからを骨の髄まで語りつくす【CEDEC 2011】

2011-09-07 00:02 投稿

●『忍者ロワイヤル』はまだ完成したものではないと思っている

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 2011年9月6日〜8日の3日間、神奈川県のパシフィコ横浜・国際会議センターにて、ゲーム開発者の技術交流などを目的としたCEDEC(コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス) 2011が開催されている。

 本記事では、Mobage(モバゲー)を運営するディー・エヌ・エーによる協賛セッション“忍者ロワイヤルの今までと今後”と題したセッションの模様をお届けする。スマートフォン版Mobageを代表するソーシャルゲーム『忍者ロワイヤル』について、ディー・エヌ・エーのソーシャル事業本部 ソーシャルゲーム統括部スマフォSG部 SP企画グループの徳丸祥之介氏、佐藤大悟氏の講演内容をチェック!

 始めに登壇したのは、『忍者ロワイヤル』のプロジェクトリーダーを務める徳丸氏だ。「Mobageで人気の『ロワイヤル』シリーズの忍者版であり、同シリーズのゲームの仕組みをiOS、Androidアプリで実現。ngCoreを使ったネイティブアプリです」と、まずは本作の概要について語った。続けて、『忍者ロワイヤル』の立ち上げからリリースまでの流れ(下記)を紹介。

・2010年10月……テーマ決定・企画検討

・2010年11月……開発着手

・2011年5月12日……Android版リリース

・2011年8月11日……iOS版リリース

 このスケジュールの中で、Android版からiOS版のリリースまで若干の期間が空いていることにお気づきだろうか? この期間、プロジェクトではどんなことをしていたのかと言うと、「2011年6月上旬までは、Android版で間に合わなかった機能を追加でリリースしていました。中旬になってiOSへの対応を視野にいれて、クライアントの変更なしでミッションを追加していく仕組みを構築していた」(徳丸)とのことだ。

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 つぎにアプリを作る過程について。そもそもなぜ“忍者”をテーマにすることになったのかと言えば、『ロワイヤル』シリーズのゲーム内容との親和性があることに加えて、「海外展開を視野に入れたときにも通じるテーマだった」と徳丸氏。実際に企画を検討していくにあたり、(『忍者ロワイヤル』はスマートフォンだが)フィーチャーフォンのソーシャルゲームと検討方法は変えていないという。しかしアプリの開発については、「何も変えなかったのかというと変えている」(徳丸)。具体的には、ネイティブベースのアプリならではの特徴の活かしたゲーム作り、せっかくのアプリだからこそブラウザではできない楽しみかたを検討したと語った。ネイティブベースのアプリならではの検討とは? 徳丸氏曰く、単に横持ち向けの画面にするといった表現ではなく、ユーザーがマイルームに入ったときに、ほかのユーザーに仕掛けられたバトルの結果などをビジュアル的な演出として表現するということをひとつの例に挙げた。徳丸氏はこの表現を採用したことにより、「ユーザーがバトルの結果をより意識しやすくなり、武器や防具が売れるひとつの要因になっているとも考えられる」とした。

 また、『忍者ロワイヤル』ではスラッシュ(斬る)とタップ(手裏剣)で敵を攻撃するスマートフォンならではの操作性が盛り込まれているが、それについて徳丸氏は「ライトなアクション性を『ロワイヤル』のシステムと融合させた。当然ソーシャルゲームですのでキャラクターのパラメーターで勝敗が決まりますが、スラッシュとタップという操作性により多少テクニックでカバーができます」とコメント。この操作性のおかげか、ほかの『ロワイヤル』よりもユーザーどうしのバトルの仕掛け合いが多いことを明かした。

 もうひとつ、ソーシャルゲームではミッションを実行するためにキーを押し続ける作業があり、単純だと思う人も少なくないだろう。『忍者ロワイヤル』でも、ミッション時はアイコンをタップし続けて進めていくわけだが、「それでは変化がないと思っていた」と徳丸氏。そこで、ミッション中にスペシャルミッションと呼ばれるミニゲームを導入することで、ユーザーを飽きさせない工夫をしたと語った。ただし、スペシャルミッションをおもしろいと感じるユーザーがいる反面、「難しい」、「ゲーム内イベント中は時間をスペシャルミッションに取られるので邪魔」と、その意見も賛否両論であるとした。

 それらのユーザーの意見を考慮し、今後は極力簡単にしてより爽快感を与えつつ、ユーザーにとってうれしい報酬を増やすなどして、スペシャルミッションに意味を持たせていく考えを明らかにした。さらに、ミッション中に回るスロットの追加機能も課題だと徳丸氏。その課題とは、ミッションの作業化と、ミッション中のソーシャル性の不足だ。この解決策として、ミッションスロットの出目にさらなるバリエーションを持たせ、ユーザに作業と感じさせない追加要素を検討しているという。また、ミッションのソーシャル性についても、ミッション中にほかのユーザーと遭遇し、仲間申請や挨拶が行えたり、既存の仲間に何かしらの作用ができるアイデアを固めている最中とのことだ。

 徳丸氏は「『忍者ロワイヤル』はまだ完成したものではないと思っているので、アプリとしての機能を活かした要素を追加して、ユーザー満足度をより高めて生きたい」と力強くコメントし、続いて登壇する佐藤氏にバトンを渡した。

●プライドを捨てて(ソーシャルを)学ぶ姿勢がないとダメ

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 徳丸氏のバトンを受け取った、『忍者ロワイヤル』のエンジニアである佐藤大悟氏は、挨拶代わりにスクリーン上でデバッグ機を介して映像出力されている『忍者ロワイヤル』をプレイし、受講者にそのゲーム内容を紹介。その際、「開発者よりの話になりますが、(スクリーンに映っているゲーム画面は)デバックメニューが出ているので、カットシーンのテストの確認などができるから便利です。クイックにクライアントからの修正に対応できます」と説明した。

 つぎに『忍者ロワイヤル』の開発にも活用されているエンジン“ngCore”について触れ、実際に使ってみた感想を「よく“どうなの?”という声を聞きますが……まぁふつうに使えます(笑)」と佐藤氏。“本当にワンソースでiOSもAndroidも動くのですごい”、“国内端末での検証も抜かりなし”、“多解像度に対応”とその利点を挙げた。そのほか、アプリの容量の軽量化を図る際に、佐藤氏が実際に使っているというオススメツールもいくつか紹介されたり、「電車でつり革に掴まりながら遊びたいから縦持ちの画面にしたい」、「(ngCore専用の統合開発環境)ngBuilderを使いたい(※『忍者ロワイヤル』は同環境が整っていないときに開発されたものだから)」など、エンジニアとして今後『忍者ロワイヤル』で改善していきたいことを語っていた。

 最後に佐藤氏は、「ソーシャルゲームがこの先進化しないなんてことはありえない! コンシューマーゲームの技術がある人はいまこそチャンス。ソーシャルゲームだからと、家庭用ゲームを作っていたときのようなプライドを持っている人は、その考えを捨てて、ソーシャルゲームについて学ぶ姿勢がないとダメです」と、開発者に向けてメッセージを送った。

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