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アブナイ話題が続出! ソーシャルゲームのエースたちが、業界を赤裸々に語る【GREE Platform Summer Conference 2011】

2011-08-06 03:00 投稿

●ソーシャルゲームはどのくらい稼げているのか?

 GREE Platformにアプリを提供するパートナー企業を対象とした“GREE Platform Summer Conference 2011”が2011年8月5日に開催。セッションのトリを取る形で、パネルディスカッションの“Smartphoneソーシャルゲームの今後”が行われた。まずはその出席者を紹介すると以下の通り。

<モデレーター>

田中泰生氏(芸者東京エンターテインメント 代表取締役CEO )

<パネリスト>

椎野真光氏(セガ 第一CS研究開発部プロデューサー)

桑田一生氏(アドウェイズ 開発研究センターユニットリーダー)

安藤武博氏(スクウェア・エニックス モバイル事業部 プロデューサー)

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▲田中泰生氏(芸者東京エンターテインメント 代表取締役CEO )。

▲椎野真光氏(セガ 第一CS研究開発部プロデューサー)。

▲桑田一生氏(アドウェイズ 開発研究センターユニットリーダー)。

▲安藤武博氏(スクウェア・エニックス モバイル事業部 プロデューサー)。

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 セガ(『キングダムコンクエスト』)、アドウェイズ(『カイブツクロニクル』)、スクウェア・エニックス(『ケイオスリングス』、『ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争』)と言うと、これは田中氏が冒頭で明らかにしたように、現在スマートフォンの人気アプリランキング上位に連なるゲーム会社。となると、パネルディスカッションの中身は、当然各社の成功事例を聞くことがメインになる……かと思われたのだが、トークにアクセントを添えたのが、モデレーターである田中氏の一筋縄ではいかない司会ぶり。芸者東京エンターテインメントで数々のアプリを提供している田中氏だが、「自分が聞きたいことを聞く」というスタンスのもと、興味深い質問を連発。それに輪をかけてパネリストの皆さんもサービス精神旺盛なものだから、会話の中身は勢い本音トークに。「ここだけの話にしといてください」というコメントも飛び交ったような気もしないでもないが、ここはあえて気にしないことにして、パネルディスカッションの模様をつぶさにリポートすることにしおう。NGっぽいトークもあり、必読です!

 と、その前に、まずはパネルディスカッションで明らかになった、新発表を紹介しよう。スクウェア・エニックスの安藤氏によると、2011年8月4日に配信が開始されたばかりの『ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争』だが、無料でのアップデートを予定しているというのだ。「今週無理やりねじ込んだ『ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争』ですが、Retinaディスプレイに対応していないのが若干評判悪くて、対応すべく無料でアップデートします。操作系統も見直しまして、無料でバージョンアップしますので、皆さん2ヵ月くらいお待ちください」と安藤氏。ちなみに、安藤氏は当社のファミ通Appにて“スマゲ☆革命(仮題)”を今後連載予定。「スマートフォン業界に革命を起こすべく、とんがった内容の連載になる」(安藤氏)とのことなので、こちらもお楽しみに。以上、プチ宣伝でした!

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▲会場で紹介された安藤氏の写真。“スマゲ☆革命(仮題)”用に撮影したもの。革命を起こすということで「ナポレオンがいいのでは?」と担当編集者に提案されたところ、「一度『ベルサイユのばら』の衣装を着てみたい」(安藤氏)との思いから、この衣装になったとのこと。

 というわけで、本題のパネルディスカッションへ。まず田中氏がスマートフォンのランキングを見て思ったのが、そのあまりの夢のなさ。なぜならば、上位にはスクウェア・エニックスやセガ、カプコンなど、いわゆる“大手ゲームメーカー”に占められていて、中小メーカーの入る余地がないと感じられたからだ。「小さい会社はダメですか?」と嘆いた田中氏が、セガの椎野氏に問いかけたのは、セガのソーシャルゲームに対する予算。それに対する椎野氏のお答えは以下の通り。

椎野 いわゆる小さなオンラインゲームを作るのと、ほぼ同じ予算です。(社内審査を通すのは)それでもけっこうたいへんだったのですが、なんとか通せたな、くらいの規模です。うちみたいな、割と大きな会社はスピード感では勝てないので、1発1発弾をしっかりと込めて売っていきましょうみたいな傾向は強いかもしれないです。

 それに対して、田中氏は「それは子ども相撲大会に白鵬が出てくるようなものですね」と発言して会場を笑わせつつ、引き続きアドウェイズの『カイブツクロニクル』に対しては「空気を読まずに言いますが、はっきり言って大したゲームじゃないなと(笑)。ボタン連打のフィーチャーフォン的な感じで、同じ開発者として“これはすごい”と感じることがない。それにも関わらず三強の一角にいるのが不思議で、何か秘密があるのではないかと思うのですが……。本当のことを言いましょう!」と毒舌トーク。それに対する桑田氏のお答えは以下の通り。

桑田 「(『カイブツクロニクル』が)なぜ売れているんだ?」とはみんなから言われるのですが、正直なところ僕自身にもよくわかりません。僕は、フィーチャーフォンのゲームはプレイしていなくて、どちらかと言うと『ディアブロ』に代表されるPCゲームをよく遊んでいました。ディアブロ』のシンプルな感じをどうやったら、もっと手軽にできるかという要素を、唯一『カイブツクロニクル』には入れています。スマートフォンはちょっと年齢層が高いので、そこに向けて何をやればいいかというと、ファミコン時代の楽しさを落としこむこと。それが唯一成功している秘訣かなと。あとは運とタイミングです。昨年の8月から作ったので、SAP(ソーシャルゲームを提供するメーカー)の中では最速だったんじゃないかなと。

 ちなみに、『カイブツクロニクル』の開発は、10人くらいのスタッフが4〜5ヵ月かけて作ったとのこと。ただし、中国で作っていたので人権費はあまりかかっておらず、合計1000万円前後だったのだとか……。それに対して田中氏は「安いですね!」とひと言。と、お金の話が出たどさくさに紛れて(?)、田中氏の口からは、禁断の売上を聞く質問が飛び出した。「会場からプレッシャーを感じたので……オフレコで」と田中氏は言い訳をしておりましたが……。「そんなの答えるわけないじゃん!」と記者は密かに思ってしまったのだが、パネリストの皆さんの率直なこと! そのへんの率直さがソーシャルゲーム業界の空気感なのか?とも思ってしまうのだが……。で、各人のお答えは以下の通り。

椎野 具体的な数字は言えないのですが、日本の売上が圧倒的に多くて、6〜7割が日本。あとは海外です。いままでの日商の最高がワールドワイドで600〜700万のあいだですね(「ならすと月1億ですね」と田中氏がツッコミを入れる)。

桑田 会社から「値段は言うな」と言われているので、自分の口からは言えないのですが、“TechCrunch”の記事に書いてあります(⇒記事はこちら)。(田中氏から“200万です”とのご指摘あり)。その数字はアベレージで出せるところまで来ました。しかも、Android版もやっておりまして、こちらのほうは4桁に到達しようとしていまして、合わせてがんばって5桁を目指そうと思っています。

 と、安藤氏の順番になって、田中氏が口を挟む。というもの、ご存じの通り、スクウェア・エニックスのアプリにおけるビジネスモデルは、現在主流となっている“フリー・トゥー・プレイ”のアイテム課金ではなく、“売り切り”型だからだ。ほかの2社とはビジネスモデルが違う。というわけで、田中氏は「どれだけ売ればiTunesでトップが取れるのか?」と質問。まるで楽屋裏トークのような質問に対する安藤氏のお答えは以下の通り。

安藤 だいたいの目安なのですが、150万〜200万円で、日本では1位を取れます。アメリカはもうちょっと上がって、400万円くらいないとトップは取れないかもしれないです。僕らがデータを取ったときに比べてマーケットが広がっているので、変わってきているかもしれませんが、だいたいの目安にしてもらえればと。

 それに対して、椎野氏が「それは無理です」とひと言。いまでは日本市場でも150万円の売上ではトップは取れないらしい。それに続けて安藤氏は、自社アプリのビジネスモデルについて語る。

安藤 『ケイオスリングス』については、旧態依然とした売りかたですが、それでも昨年の4月くらいまではいけたんです。でも、いまはランクを見てもらうとわかるのですが、TOP10中6タイトルくらいは“フリー・トゥー・プレイ”のタイトルになってきている。やっぱり“売り切り”のものを見ていると、限界点が見えてくるんです。そのへん連載(“スマゲ☆革命”)で書こうかなと思っていたのですが、私たちは1800円いただいているじゃないですか。けっこう「高い!」と言われるのですが、よく考えると安いんです。『ファイナルファンタジータクティクス』なんかも、もともとパッケージは5000円くらいしますから。スマホ版は3分の1くらい。かといって、スマホ業界はコンシューマーの3倍あるわけではないので。“売り切り”で安くなってしまって、(業界を)スポイルしかねないということもある。

 “フリー・トゥー・プレイ”のゲームに高い可能性を感じている安藤氏だが、「いよいよスクウェア・エニックスも“フリー・トゥー・プレイ”のゲームを投入するのですか?」との田中氏の質問には、「じつは“フリー・トゥー・プレイ”のゲームも作っているんですよ」と安藤氏。その上で、スクウェア・エニックスに関しては、“フリー・トゥー・プレイ”と“売り切り”の両方で行くという戦略を明らかにした。iPhone版は高めの金額設定でも、ある程度結果を出しているが、「そんなことができているのはスクウェア・エニックスさんだけですよ」とアップルの人に言われたというエピソードを紹介した安藤氏は、なぜスクウェア・エニックスのアプリが高めの金額設定にしているのかを教えてくれた。

安藤 いいゲームなのに安く売ってしまうとダンピングになってしまう。そこを何とか食い止めたくて、高く値段をつけているんです。それでも、安いなあというのはあるのですが。おととしのゲームショウで、ゲームロフトさんやエレクトロニック・アーツさんに「安すぎる」と苦言を呈したのですが、いいものを115円で売ったらいけなくて、いいものにはちゃんとした値段をつけるべきなんです。誰かが価格競争を始めたら、お客さんにとっては安いほうがいいに決まっているじゃないですか。それを突き詰めると“フリー・トゥー・プレイ”でいいということになってしまう。うちとしては、価格が取れる限りは“売り切り”で勝負させていただきます。まあ、“フリー・トゥー・プレイ”は絶対にやっていかないといけないと思っていますが……。

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●アプリとブラウザどちらを重視するのか?

 ここで質問の内容ががらりと変わり、「アプリソフトとブラウザソフトのどちらに重点を置くのか?」という、ある意味しごくまっとうな質問に。それに対する皆さんのお答えは以下の通り。

椎野 基本は全方位ではあります。私は割とヘビーな方向でモノを作ったりするのですが、一方で、会社としては、ブラウザソフトも作っていますし。私個人としては、重めのものを伸ばして世界に食い込みたい。エレクトロニック・アーツなどの大手と勝負したいですね。

桑田 弊社はベンチャーなので、選択を集中しないといけない。アプリを作りましょうとなると、敵が一気にスクウェア・エニックスさんだったり、セガさんだったりになる。いまから追いかけても勝ていので、ではどうするかというと、大きな会社を買うか、がんばるかの二択になる。まあ、どっちも選択できないので、技術として身につけやすいところからやっていこうかなという感じです。いちばんの利点は、ウェブで作れば、AndroidとiPhoneという垣根がほとんどなくなることです。ひとつのソースで一挙に責められるので、ウェブで展開します。

 桑田氏の発言に田中氏も大いに共感したようで、「ウェブは僕らのような弱小会社にはいいと思いますね」(田中氏)とコメント。そして、「ストロングスタイルのスクウェア・エニックスさんは?」ひと言。ここでいう“ストロングスタイル”とは、大手メーカーならではの王道的な戦略のことを指すと思われる。

安藤 ほかのところができなくて、僕らだけのできることを突き詰めて行ったらストロングスタイルがいちばんわかりやすいと思ってやっています。結論から言うと、両張りで、ブラウザもやるしアプリもやります。どちらかがどちらかを駆逐する……という話ではなくて、おそらく“どちらも”ということになると思うので。ストロングスタイルから言うと、アプリはよりコンシューマーライクな作りかたになっていって、そこにマネタイズが入ってくる。コンシューマーのいいところと、最近のソーシャルゲームのマネタイズのいいところが集合した感じになると思うんです。一方で、ブラウザも今後はストロングスタイルになる可能性がある。Flashで3Dがバリバリ動くようであれば、ブラウザがプラットフォームになり得るのではないかと。ブラウザでトリプルエータイトルが出てくる時代がいずれ来るかもしれません。

 ちなみに“ネイティブアプリ”(特定のプラットフォーム向けに特化したアプリのこと)に関しては、更新する必要のある部分に関しては、htmlで作って、ゲームのリッチな部分は“ネイティブ”で作って……と振り分けるとのこと。それは「期間限定のイベントをやりたいから」とのことで、そういうことに取り組んでいるメーカーは現状スクウェア・エニックスだけだそうだ。スクウェア・エニックスが。いかにアプリコンテンツに対してきめ細かいサービスを提供しようとしているかがうかがえる。

●アップルの担当さんとは仲よくしておいたほうがいい!?

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 さて、iPhoneにおいては、iTunesに対するランキング依存度が高いことはご存じの通り。さらに、“インバイト(招待)”により顧客獲得のためにかかる単価が下がるとも言われている。果たしてスマートフォンにおいてはどう取り組むのか? そのへんに対する取り組みは、アドウェイズに1日の長があると思われるのだが、前座的な扱いで聞かれた椎野氏は「肌感覚で言えば、少なくとも『キングダムコンクエスト』については、ランキング依存度が高いです。アドウェイズさんがやっておられるような“インバイト”はやり切れていません」とひと言。さらに、安藤氏も「僕らはストロングスタイルでだいぶいやらしい感じになっていますが、すごくありがたいことに、スクウェア・エニックスということで注目度がありますので、それほどマーケティングにお金をつかわなくても、告知ができているというラッキーな状況にあるんです」(安藤氏)と率直にコメント。「いやらしい」との田中氏のつぶやきが聞こえたりもしたが、それがまさにスクウェア・エニックスやセガなどの大手メーカーのメリットで、中小メーカーは大手と組んで、大手のいいところを利用することで、ステップアップをするといった手もあるのではないかと……安藤氏は提案する。

 そこで田中氏がパネルディスカッション前の楽屋トークを披露。「私は聞いてびっくりしたのですが、iPhoneのバナーは担当の方がタワーレコードのフライヤーのノリで好きなアプリを紹介するので、彼らと仲よくしておいたほうがいいというんですよ」というのだ。もちろん発言主は安藤氏。田中氏の発言に対し苦笑しながらコメントする。

安藤 言ってしまっていいかなあ(笑)。あそこのバナーって商売ではないので。もちろんちゃんとした審査機構があるようなのですが、ある程度担当の方とのリレーションを重視していまして。それをわかりやすい言葉で言うと「仲よくしておいたほうが、よかろう」というところですね。とは言え、仲よくしていればいいというわけではなくて、iOSのアップデートとかでも新機能が追加されたりするわけですが、そういうものにいち早く対応して、「アップルのiOSのバージョンアップにけっこう付いていっているよ」という状態で仲よくしないと、まとまる話もまとまらない。単純に仲よくすればいいという話ではないです。

 ちなみに、椎名氏によるとアップルの“レコメンド”は各地域の担当がいるので、各担当とコミュニケーションを取るなり、エージェントを経由すると大きいかもしれないが、それでもコアが必要とのこと。それに対し田中氏は「あまりに大人のビジネスということで、参考にならないので、アドウェイズさんに。どうやって集客を促すのですか?」と促した。

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桑田 “インバイト”は確かに入れているのですが、新規ユーザーの2〜3割くらいしかなくて、あとはもう全部ランキングからの入りになっています。『カイブツクロニクル』単体では、無料ランキングだとなんとか100位以内に食らいついているくらいで、そちらからの入りは期待できない。おもに、トップセールスの2位から入っています。あとTwitterで“『カイブツクロニクル』いっしょにやりませんか?”つぶやいている人が多いのですが、これは何をやっているかというと、アプリ内につぶやくボタンを置いているだけなんです。これもリリース1日前に置いてみたのですが、ボタンがあると人は押すみたいで(笑)。一時期“『カイブツクロニクル』おもしろいね”というTLが並んだことはありました。

 「効果があるかないかはわからないけど、とりあえず置いてみよう。効果がなかったら広告費をかけよう」という、“とりあえずやってみよう”という方法論は、まさにこの業界ならではなのかも。さらに「他人を巻き込む仕組みは、大前提として用意しておかないといけない」(桑田氏)とのことだ。ちなみに、ショップもほとんど意味のない存在というAndroid市場では、アドウェイズは自社の“AppDriver(アップドライバー)”という広告によってダウンロード数を増やしているのだとか……。「気になる方は、アドウェイズまでご連絡ください」とのことです

●ずばり、今後のAndroid市場はどうなるのか?

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 では、ド直球の疑問だが、今後Androidはどうなのか? 業界のトップクリエイターたちはこう語る。

椎野 Androidはビジネスにならないという話もありますが、価格が整備されてないだけ。数字だけはiOSを凌ぐ勢いなので、確実に、確実にAndroidは来ると思います。iOSと同等の売り上げになったときに、ちゃんとそこにセガのコンテンツがあるようにしていきたい。『キングダムコンクエスト』に関しては、Android対応ができていないので、そこを急がないといけないかなと思っています。

桑田 Android単体で言うと、僕はどうなるかわからないです。ただ、ウェブで作っているとAndroidの移植はそんなにお金をかけないでいけるので、とりあえず対応しておけばいいかなと。ビジネスになるかどうかよりも規模の問題で、弊社くらいの規模ならそんなに大きな売り上げは必要ではないんですよ。赤がでない程度にサービスを続けられれば問題ないかなと思っているので、とりあえず対応しておけば、芽が出るかもしれないし、出ないかもしれないし……というベンチャースピリットが重要かなと。

安藤 いま、『ケイオスリングス』をAndroidに移植して動かしてみているのですが、意外といいんですよ。新鮮なんです。私は、iPhoneラブな人間なんですけど、「Androidいいなあ」と思います。とくにGalaxyで動いているのを見ると。ポリゴンを機種ごとに最適化するように作られているので、解像度が高いとよりパキパキに見えるので、GALAXY S IIのほうがキレイに見えたりすることがあるんですよ。あと、Androidは本体のストレージ容量が少ない。容量が大きなアプリに関しては、SDカードに入れないといけないという状況になるのですが、SDカードに入れると、読み込みスピードがめちゃくちゃ早くなるんです。マップの読み込みスピードなどがiPhoneよりも早くなって、すごく快適に遊べる。端末によってはiPhoneよりも軽い端末もあるので、ふつうにゲームプラットフォームとして、Androidの可能性はあるのかなと。

 ただ……と安藤氏が心配するのは、Androidマーケットが超カオスであることだ。海賊問題がけっこうあるのでは? と安藤氏。iPhoneに比べてコピーガードの必要性が高まるのでは……と、安藤氏は指摘する。「ミドルウェアメーカーさんは、絶対にハッキングできないシステムを作ったら、絶対に売れると思いますね」(安藤氏)とのことだ。

 と、トークもたけなわながら、残り時間もあとわずか。そこで、ここが“GREE Platform Summer Conference 2011”の会場であることを思い出したかのように、田中氏は、今後の各社の根幹を担うであろう戦略「グリーと組んでいくのか、それとも単独でやるのか?」という質問を投げかけた。各社の答えを聞いてみよう。

椎野 スマホのソーシャルゲームは効きづらい。ウェブのFacebookのように“インバイト”が効くわけでもないので。うちとしては、グリーさんのようなプラットフォーマーさんと組むか、自社でやるのかは検討中です。いま状況を見ています。

桑田 昨年の8月から『カイブツクロニクル』の開発を始めたのですが、当時はプラットフォームがなかったので、仕方なく単独だったという事情があります。今後どうしようかというと、両方やろうと思っています。単独は単独でもちろんやるのですが、組んだメリットもあるので、そちらはそちらでやっていこうかなと。何がメリットかというと、プラットフォームと組むことで、もともとお客さんがいるところにうまく組み込んでいけるゲームがあるのかと思います。ただ、皆さんわかっていると思うのですが、これからすごい数のグリー向けゲームが出るんです。その中で、自身のゲームを売っていくことは難しいと考えると思うのですが、僕はマーケティング的な視点で考えるよりは、好きなものをどんどん作っていったほうが、あたったときに大きいのかなと。「どうやってプラットフォームとやっていくか?」というよりは、基本として「おもしろいものを持ってくる」という原点に立ち戻ったほうがいいのかなと思っています。

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安藤 シンプルに、どちらもです。グリーさんと組むこともあるし、自分たちでやるときもあります。グリーさんと組むときは、自分たちだけではできないメリットだとか、お互い頭を寄せ合って考えるときどれくらいポイントがあるか……ということです。フィーチャーフォンで実感したのは、グリーさんのコンサルティングは信用できるということです。以前『ナイツ オブ クリスタル』というタイトルをロンチさせたのですが、そのときはぜんぜんおもしろくなくてまったく売れなかった。それで、自分たちでノウハウを溜めながらコンサルをして、初めての経験だったのですが、V字回復をして、今回“優秀賞”をいただくまでになりました(⇒記事はこちら)。それは、グリーさんの力がないとできなかった。ただ、海外のOpenFeintに関しては、iPhoneの“ゲームセンター”もあり、きびしい状況かなと思っています。どこでお互いのストロングポイントを見い出せるか、掘り下げていかないと。独自にやっていくか、“ゲームセンター”でやったほうがいい、ということになってしまう。「組んで何ができるか?」次第ですね。

 ということで、パネルディスカッションも終わりに。最後に各クリエイターは、今後に向けての抱負を寄せてくれた。

椎野 間違いなくフィーチャーフォンの時代からスマートフォンの時代になります。とにかくいまは全力疾走のときなので、一気に行きたいと思っています。皆さんもいっしょにがんばって行きましょう!

桑田 うちみたいな会社は、体力もそんなにない状況下で、考えることはシンプル。「とにかく、おもしろいものを作っていこう」ということで進んでいます。「ソーシャルゲームはただお金がかかるだけ」みたいなことを言われるのですが、作っている側がそう思って作っていると、市場がどんどん腐って全員で死んでいってしまう。「おもしろいものを作る」ということを基本にやっていきたいなと。そこだけを考えています。

安藤 『ナイツ オブ クリスタル』も京都のサンアートさんという会社が作っているのですが、規模的にはアドウェイズさんよりぜんぜん小さい会社ですし、私たちはデベロッパーさんがいないと作れない。いま革命が起こっていると思うので、ゲームのテンポも昔のファミコンの時代に戻っていますし、作る規模はあまり関係ないかなと思っています。チャレンジ精神と、あとは思い切り。コンシューマーゲームを作っていた人たちにもこの世界に入ってほしいですし。あけすけに言えば、“表彰式”でも知らない会社ばかりが受賞していて、僕もすごい刺激を受けています。そういう勢いのある人たちと組みたいので、ぜひお声かけいただいて、おもしろいことができれば……と思っています。

 ある意味で、スマートフォン業界の勢いを感じさせるパネルディスカッションはこうして終了した。スマートフォンビジネスに取り組むクリエイターたちの苦労と、そして楽しさが伝わるセッションだった。

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