【個人開発ゲームを斬る】『みんなクエスト2』父娘が作ったあのほのぼのRPGの続編
2015-08-05 17:59 投稿
『みんなクエスト』の続編
今回ご紹介する『みんなクエスト2』は、とある娘さんがお話を考え、絵を描き、それをパパさんを中心とした大人たちが、全力でサポートして完成させた、ほのぼのRPG『みんなクエスト』の続編です。
▼ひとまず『1』をチェックするなら
※【個人開発ゲームを斬る】『みんなクエスト』親子で作ったほのぼの本格RPG
「なんだ、身内で盛り上がって、また作っただけか。しかも有料かよ!」
そう思ってページを閉じようとした、あなた。確かにアイコンだけ見ると、そう感じるかもしれません。
しかし中身は、抑えるところをちゃんと抑えた、王道ど真ん中のRPGでございます!
“ゆうこちゃん”ふるさとへ
前作でいろいろあって仲よくなった“ゆうこちゃん”が、ふるさとへ帰ることに。それをみんなで見送ろう、というところからお話がスタートします。
ちなみにゆうこちゃんは、別の星のお姫さまなので、気軽に会いに行くことはできない悲しい運命(さだめ)。
基本操作は
画面に指を置いて移動したい方向にドラッグすると、その方向へ進みます。
“ビックリマーク”が出たら、“何かありますよ”のサイン。
画面タップで、目の前の人と話したり、落ちているものを拾ったり。とりあえず公園内にいる人々に、ひと通り話を聞いてみましょう。
どうやら、“わかと”くんは、ゆうこちゃんに恋をしてしまったようです。
「おれはゆうこちゃんとけっこんするはずだったのに!」
気持ちが抑えられないわかとくんは、ゆうこちゃんのUFOにコッソリ乗り込みます。それを見ていた“ぼうや”(主人公)も、気持ちが抑えられません。だって、ぼうやもゆうこちゃんに恋してしまったのですから。
わかとくんの後を追い、UFOに侵入。これぞ、若さ。
UFOは宇宙(そら)へ
ぼうやと、わかとくんを乗せ、UFOは宇宙(そら)へ。ふと、窓から外を見ると、タイトルロゴが現れ、スタッフの紹介が始まります。
これはまさかの、オープニングムービー! しかもかっこいい歌入り! これを見た瞬間
「あ、作った大人たち、本気や」
と、あらためて思いました。
ゆうこちゃんの星に到着
ゆうこちゃんの星に着き、広いお城の中をわかとくんと、しばらくウロチョロ。
すると、“おしっこ”にいきたくなってしまいます。
おしっこを我慢した状態では、のちに紹介するモンスターとのバトルに大きな影響を与えますので、トイレを見つけたらいきたくなくても、こまめにすませておきましょう。
なんだかんだとありまして
その後、なんだかんだとありまして、ぼうやとわかとくんは、とある理由で“しれんのやま”を目指すことに。城の外にはモンスターがうじゃうじゃいますので、その準備をしっかりとしましょう。
まずは、大発明家“パーセクはかせ”から、“パーセクフォン”という、こっちの世界でいう“スマホ”をゲット。
パーセクフォンで博士に連絡すると、冒険のヒントがもらえたり、全体マップを見ることが可能になります。
装備はひとりひとつ
つぎに武器や防具をお店で買うのですが、ひとりひとつしか装備できません。武器を装備すると防具はつけられず、その逆も然り。ふたりとも武器を装備すると、チームの攻撃力が上がりますが、守備力がガクッと下がります。
攻撃型か防御型か、はたまたバランス型か。
つぎの目的地に応じて変更するのが、攻略のコツかも?
“しれんのやま”へ
広いフィールドをてくてく歩き、“しれんのやま”へ。もちろんモンスターたちが、行く手を阻みます。
バトルは王道のターン制コマンドバトル。攻撃ターンはそれぞれのキャラクターにありますが、体力は共通になっているので注意。
バトルに使用できる“どうぐ”がかなり豊富で、“イモ”を食べて、すごくくさいオナラをして、モンスターを麻痺させたり、“辛い唐辛子”を食べて、炎を吐いたり。
娘さんの楽しいアイデアを、ド派手なエフェクトとともに、お楽しみください。
ボス登場
“しれんのやま”を登っていくと、エリアボス的なモンスターが。これがなかなか手強く、ふつうに殴りつけるだけでは大苦戦します。
そこで思い出してほしいのが、パーセクフォンのアドバイス。
エリアボスは“寒い”のが苦手。寒くて凍りつかせそうなどうぐは……?
無事、ラスボスを倒すと物語は急激に加速していくのですが、ここから先は皆さんのiPhoneでお楽しみいただくとしまして、制作された“SevenStudio”さんに、いろいろ聞いてみました。
Q1.前作『みんなクエスト』からかなり時間が経ってますが、あらためて前作リリース後の周りの反応や、お子様の反応/変化などありますか?
おかげさまで、いまでもたまに感想をいただきます。
そのたびに娘にも伝えています。
やはり褒められるとうれしいようです。
Q2.そして、今作『2』なんですが、作ろうと思ったキッカケは? 前回のインタビューでは、娘さんは前作リリース後、“プランクトン図鑑”に夢中になったとのことですが。
キッカケというキッカケは明確にはありませんでした。なんとなく始まった感じです。
娘は、前作完成後も『みんなシリーズ』の絵や漫画をたくさん描き続けていて、その中でも“ゆうこ”というキャラクターがお気に入りでして。
“ゆうこ”は娘の中では絶対的なヒロインで憧れの存在でもあるわけです。
その“ゆうこ”を中心としたお話で新しいものが作れないかと、ぼんやりと考え始めたのがキッカケといえばキッカケになるのかなぁと思います。
“ゆうこ”は前作にも、公園にチョイ役で出てたので、「やるなら『みんなクエスト』の続編だな!」
……という感じでそこからはトントン拍子でお話の大枠はできました。
同じく、前作で公園にいた“わかと”くんも、ぼうやのライバルで、ゆうこちゃんを取り合うという明確なポジション設定が娘の中にあったので、この“わかと”と、“ゆうこ”と、“ぼうや”の3人を主役にすることになりました。
ちなみに“プランクトン”はいまでも好きです。
クラゲや珊瑚の幼生であるプランクトンに関して大学生と対等に会話するほどです。
後半に聞いたこともないような名前のプランクトンが敵として出てきますよ(笑)。
Q3.将来はプランクトン博士ですね! 制作期間はどれぐらいでしょうか?
昨年の2月からなので、約1年半ですね。
本業が忙しかったのと、入院とかしたのでかなり時間かかりました。
苦労したのはデバッグですね。前作のような一本道ではなくて、ゲームの後半、自由な順番で進められるようになっているので、その辺のデバッグがいちばん大変でした。
あと、ボリュームです。前作の倍近くのマップ数やストーリーになっているのでその物量にうんざりしたこともありました。
Q4.結婚という“愛”の要素が冒頭から入っているんですが、これはどなたの案なんでしょうか? お父さまはドキドキでしょうか?
“愛”っていうほどのものでもなくて、確かに“ぼうや”も“わかと”もゆうこちゃんがスキなんだけど、幼い子どもが軽々しく言う“ケッコン”なんです。
ゲーム内の大人たちもそういうレベルで受け止めてます。
さっきも書きましたが、これは娘の“ゆうこ”をとりあう“ぼうや”と“わかと”のライバル関係の設定が背景にあったので、それを今回の冒険の“動機”として使わせてもらいました。
Q5.深読みしすぎました! 前作より、「ここがパワーアップした!」というアピールポイントをお願いします!
まず、見た目にもすぐわかるのが“フォント”です。
この2年で娘の字はメキメキ上達し、県の書写展で“特選”を取るほどの腕前になってしまいました。
正直、フォントを作るのはめんどいので、前作のままにしようかと思ってたのですが、娘がどうしても新しくしろとゴネるので、全部作り直しました。
子どもらしさは失ってしまいましたが、本人(娘)が満足しているから、まぁ、いいかという感じです。
あと、音楽です。今回は40曲以上も入ってます。そして“歌”も多いです。
前作はエンディングだけだったのですけど、今回は歌が4曲、あと“おんがくのまち”の村人が歌う短い歌が9曲入ってます。
村人が歌うという設定は娘のアイデアで、それは文字で表現しようとしていたのですが、音楽担当のRUYさんのアイデアで、全部に曲と歌をつけてくれました!
前作同様、OP/EDテーマソングはRUYさんのユニット“OURCELL”のシングルとしてリリースされていますので、そちらもよろしくです!
⇒http://ourcell.net/discography/miracle-flight/
システム面もパワーアップしてます。前作で要望の多かった、いろいろなことに応えています。
たとえば移動中のフキダシだったり、セーブスロット増やしたり、ルーラ的なアレだったり……とにかくすべてにおいてパワーアップしてます。
新システムもあります。“パーセクフォン”というゲーム内スマホです。
これは地図を見たり、はかせにアドバイスを貰ったり、魔物図鑑だったり……。
冒険を助けるツールなのですが、ユーザー的にも、制作者側にも使い勝手のいい存在でした。
でも……いちばん自信があるのは“ストーリー”です。
父娘で一生懸命考えました。
今回は練りに練っていますし、長いです!
進めかたにもよりますが、エンディングまで8〜10時間はかかると思います。
あせらずに、ゆっくりと最後まで楽しんでほしいと思います。
Q6.キャラの移動に使う方向キーが、前作と違う仕様になってるのですが、これはユーザーの声を聞いたものでしょか?
前作を遊んでくれた人が、必ず口にする“操作性”……それに応えたつもりです。
あと、前作の発売後、とある飲み会の席で、ちょっと遊ばせてほしいって人がいて……。
その人が、コントローラーが表示されているのに、画面を一生懸命フリックして動かそうとしていたんですね。
そのとき、「ああ、いまはそれがふつうなんだな」って思ったんです。
それを見たときから、「これは変えないとイカン!」と思いました。
たしかに『ドラクエ』とか『FF』とか、スマホ版のゲームはそれがふつうなんですよね。
Q7.ボツデザインやボツアイデアなどありますか?
たっくさんあります!(笑)
技術的な問題や、容量的な問題で泣く泣く切ったものがけっこうあります。
公式ホームページに写真とか開発中のスクショとか原画とかたくさん載せてるので
そちらもぜひご覧ください。
▼公式ホームページ
http://www.7-st.com/mq2/
Q8.まだリリースして間もないですが、反響などいかがでしょうか?
これを書いている時点で、発売して3日ですけど……正直、前作ほどの反響はないなぁ、という感じです。
すでに遊んでくれた人は、とても喜んでいただいた旨の感想をいただいていますので、絶対におもしろいはずなのですが……(笑)。
発売記念キャンペーンで、期間限定で無料(※現在は通常価格120円)にした前作のほうが話題になっているようで……これは失敗したかなぁ……(苦笑)。
▼前作『1』はこちら
※【個人開発ゲームを斬る】『みんなクエスト』親子で作ったほのぼの本格RPG
前作を遊んでみて、気に入っていただいたら『2』も買ってね! って作戦だったんですけどね。
伸びてくるのは、これからなのかなぁ〜???
この記事の後の反応に期待します(笑)。
Q9.『3』も期待していいでしょうか?
いまのところはないですね。
娘がもうあんまり乗り気じゃない(笑)。
娘次第ですね。
Q10.最後に何かひと言、よろしくお願いします!
すべてにおいてパワーアップした『みんなクエスト2』。
自信作です!
前作をやった人はもちろん、前作を知らない人でも楽しめます! ぜひたくさんの人に遊んでほしいです。よろしくおねがいします!
どこか懐かしい、でもスマホ向けにしっかり作り込まれている『みんなクエスト2』。
ボリューム満点、たっぷり遊べますので、ぜひプレイてみてください!
■あぷまがどっとねっと (あぷまが) 「すべてのアプリにチャンスを!」との思いから、藤田武男氏が個人開発者が開発したアプリを中心に紹介している情報サイト。ほかでは見つからない“お宝アプリ”が“あぷまが”なら見つかるかも! ちなみにイラストは、あぷまがのマスコットキャラ、アイロニー。 ※あぷまがへのアクセスはこちらから |
みんなクエスト2
- メーカー
- SevenStudio
- 配信日
- 配信中
- 価格
- 360円
- 対応機種
- iPhone、iPod touch、iPad、iOS 7.1 以上
- コピーライト
- (C) 2015 SevenStudio GameWorks
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