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スマゲ★革命 出張版スペシャル「スマートフォンで始まる『ドラクエ』の新たな冒険 後編」

2013-12-23 12:00 投稿

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スマホでゲーム、どうなる?

2013年12月19日に発売されたファミ通App iPhone No.12。その中でもとくに注目なのが、スマゲ★革命出張版のスペシャル対談。『ドラクエ』シリーズの生みの親である堀井雄二氏とスマートフォン版『ドラゴンクエストVIII』の藤本則義プロデューサーをゲストに迎えた本誌だけの独占対談となっている。本誌を購入していただいた読者だけでなく、より多くの読者の方に、この対談を読んでもらいたいという想いから、今回は特別に本対談の模様を2回に分けて“全文掲載”という形でお届け。後編にあたる今回は、”スマホ”がどのようにこれからのゲーム業界に関わってくるのかという注目の内容。

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ゲームの在りかたが変わった

安藤 話がちょっと変わるのですが、スマホのゲームは最近、最初からお金がかからないものが増えてきています。

堀井 そうですね。

安藤 そういう状況の中で、最近、2009年に堀井さんが小池一夫さん(※1)と対談をされている本を読んでビックリしたんです。対談の中で堀井さんが、「昔ゲームはタダじゃなかったから、おもしろいかどうかが重要だった。しかし、最近では無料で遊べる暇つぶしのような要素が入ってきて、ゲームの在りかたが変わってきたんですよ」っておっしゃっているんです。

(※1)小池一夫さん『子連れ狼』や『オークション・ハウス』など、多数のマンガ原作や小説などを手掛ける人物。堀井氏は同氏が後進育成のために解説した”小池一夫劇画村塾”の出身である。

堀井 そんなこと言ってましたか(笑)。

一同 (笑)。

安藤 4年前から基本無料のゲームの話題をされていて、そういったこともすでに意識されていたということが新鮮で、改めて現役感バリバリな方だなと思ったんです。

堀井 価格は非常に難しい問題ですよね。無料もしくは100円前後で遊べるゲームがたくさんある中で、数千円のゲームはすごく高く感じます。とは言っても『ドラクエⅧ』のような作品を最初安くして後からアイテム課金で、というのも……嫌な感じですよね。そうはしたくない。

安藤 そういう風潮はありますね。

堀井 いまはスマホのゲームのストアには有料と無料のカテゴリしかありません。本当は、数千円で一切アイテム課金がないプレミアム感があるゲームと、100円前後のカジュアルなゲーム、アイテム課金の無料ゲームといったような3つのカテゴリに分けられているといいかなとは思いますけどね。ユーザーさんにとってもわかりやすいですし、そういうカテゴリ分けがされれば納得感が出てくる。たとえば100円と2000円のゲームが同じ場所に並べられると、後者は人間心理としてやはり高く感じちゃいますよね。

藤本 アイテム課金のゲームは課金しないとエンディングまでいけなかったり、ゲームを進めづらくなったりしてけっきょくお金がかかることが多い。今回は『Ⅷ』ということで、お客様もどんなものなのか、どれくらいの価値があるものなのか、理解していただいているので受け入れていただけるかなとは思います。ただ、オリジナルタイトルで同じビジネスモデルは苦労するでしょうね。

堀井 知らないタイトルで2000円って言われると、スマホの世界だと「え、何それ?」って思っちゃいますよね。

安藤 一方で私は、昔家庭用ゲームで先に数千円のお金をいただく物作りをしてきて、いまは無料のものばかりを作っています。そこで感じるのは、最初にお金を払って後は遊び放題”というものもなくなってはいけないということなんです。

堀井 最初無料でお金を払わないと最後までいけないというのは、ストレスを感じて、それを理由にゲームをやらなくなる人もいると思いますよ。

安藤 そういう意味でも、堀井さんがおっしゃられている新しいカテゴリが必要というのは、大事なご意見だと思いました。映画も小説も最初に対価を支払って楽しむからいいものであって、無料にしちゃうとダメなものも存在すると思います。

堀井 映画1本観るのにだいたい1800円くらいで2時間。それに対して、スマホのゲームは2時間どころか何日も遊べたとしても1800円だとすごく高く感じてしまう。これはどういう感覚なんだろうなって不思議ですよね。

安藤 堀井さんが昔PCゲームを作られていた当時から考えると、ゲーム歴史の中でソフトの値段が高騰したり、安くなったり、いろいろな価格の変化も経験されていますよね。

堀井 価格に関しては、イメージがすべてかなと思います。実際の値段が高い安いではなくて、価格から感じるイメージ。人のイメージだからこそ、価格付けというのは非常に難しいなと思います。

安藤 ゲームの歴史そのものの堀井さんがおっしゃると重みがありますね。話題が変わるのですが、いち堀井雄二ファンからすると、スマホ向けに一から作られたオリジナルタイトルを遊びたいなと、どうしても思ってしまいます。いきなり新作の話は飛び過ぎかなとも思うのですが、スマホの電話やネットの機能などを使ったおもしろいアイデアなどがあれば、ぜひ聞きたいなと。というのも、『ポートピア殺人事件』では電話を使って謎を解くというアイデアが入っていて、スマホは電話機そのもの。そういうデバイスを使ったら「こういう遊びがおもしろいんじゃないんだろうか」というものはありますか?

堀井 すぐには思いつきませんよ(笑)。でも、スマホならではの遊びって絶対あると思うんです。いま『Ⅰ』から『Ⅷ』まで移植はしますけど、もともと家庭用ゲーム機で作ったものなので、多少無理しているところもあるんです。最初からスマホで作ろうと思ったら、まったく別のアプローチの作品ができるはずだと思います。

安藤 ファンとしては、難しいPCゲームをコマンドというアイデアなどを入れてポップにされてきたのが堀井さんだったので、同じようなことをスマホでやっていただけるとうれしいなと心から願っています(笑)。

堀井 (笑)。スマホのゲームって説明書がないので、わかっている人はわかるけど、わからない人はぜんぜんわからないという状態のものが意外と多いんじゃないかなと思うんですよね。とくにカードゲーム系。本当にライトの人は、「どうやって強化するの?」、「進化って何なの?」と。だから、スマホのゲームは、敷居が低いように見えて、じつはどんどんハードルが高くなっているんじゃないかなって思うときがあるんですよ。

安藤 スマホのゲームは敷居が低いと言われることが多いですが、おっしゃる通り確かにどんどんコアになっているかもしれません。

堀井 だから、同じようなゲームばかりになっちゃうんですよね。ヒットしたゲームの文法に合わせて作らないとユーザーに受け入れられないので、同じものになってしまう。

安藤 堀井さんのすごさのひとつは、「みんなもうわかってるじゃん」という点を「まだわかってないよ」という観点から、わかりやすくしてゲームの裾野をひろげて格段におもしろくされてきたところです。そんな堀井さんが「わからない人が多いのでは?」という言葉はすごみがありますね。

堀井 いま流行っているゲームですら、わからない人はまだたくさんいると思いますよ。そういう人たちは、流行っているゲームをやっても「わからないからいいや」って、2度とゲームに戻ってきてくれない。そうなるとゲーム業界が縮小するので、ゲーマーさんだけでなくて、本当にライトな人たちに向けたゲームが必要だと思います。

安藤 今回の『ドラクエ』シリーズは、そういう方々にもいいタイトルになりそうですね。

堀井 じつは世界的に言うと、日本はライトゲーマーが多くて、海外はコアユーザーが多いんですね。『ドラクエ』シリーズは、コアゲーマーだけでなく、たくさんのライトゲーマーの方々にも支えられてきたものなので、スマホを持っている方たちにぜひ遊んでもらいたいなと思っています。

スマホはゲーム機ではない

安藤 しつこいようですが、堀井さんの新作の話を少しでも聞けると、心ときめくんです(笑)。先ほど話した小池一夫さんとの対談では『ポートピア殺人事件2』の話をされていましたよね。

堀井 しましたね〜。

安藤 そういうコンセプトだけ、タイトル名だけでもワクワクするんですが、いま何かあたためているものはあるんですか?

堀井 スマホに関して言うと、スマホは触って操作するもの。触ることは調べることにつながると思うんです。だからじつはアドベンチャーゲームを作るとおもしろいんじゃないかなという気はしています。調べたい場所をカーソルを合わせて調べるのではなくて、ポンと押すだけで調べられて何かを発見したり、移動をしたり。インターフェースのことを考えると、深いアドベンチャーゲームがもしかしたらできるかもしれないなと。

安藤 アドベンチャーゲームは、堀井さんが『ポートピア殺人事件』や『オホーツクに消ゆ』などを出されて、一大ジャンルになりました。その後寂しい時期もありましたが、スマホを舞台にそういったジャンルが復活することもあるんじゃないかなと思いますね。

堀井 スマホで脱出ゲームなどはありますしね。

安藤 ありますね。ただ、スマホの脱出ゲームもまだわかりづらい側面はあるかなと。

堀井 敷居を下げれば、もっとハマってくれる人がいるんじゃないかなって思いますけどね。

安藤 ぜひ堀井さんに作っていただきたいです(笑)。先ほど、日本のゲーマーはライトな人が多いとおっしゃいました。『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』は、そういう意味で『スーパーライト』と付けられたのですか? ユニークな名前だなと思ったんですけども。

堀井 家庭用ゲームの『ドラクエモンスターズ』がどっぷりモンスターを育てるのに比べ、こちらのほうは、かなり切り取った感じのゲーム性だったので、じゃあ『スーパーライト』にしようって(笑)。

安藤 少しだけ開発途中のものを触らせていただいたのですが、間口は広いのに『ドラクエモンスターズ』特有の奥深さを感じられる作品でした。やり込み要素もあるのに、『スーパーライト』と冠しているあたりが、『ドラクエ』らしいなと。

堀井 ありがとうございます。今まさに、スタッフ一同、試行錯誤しながら開発を進めているので、楽しみにしていてほしいですね。

安藤 楽しみにしています。あともうひとつ驚いたのが、MMORPGの『ドラクエⅩ』をクラウドゲームとしてタブレットで遊べるという発表。これも新たなチャレンジですよね。

堀井 MMORPGはスマホでゲームを遊んでいる人たちにとって、反対側にあるものじゃないかって思うんです。逆にそういう人たちに、えっ、スマホでこんなこともできるの?」という驚きを感じてもらいたいという想いでいます。

安藤 『ドラクエ』がMMORPGになるだけでもインパクトは大きかったのに、サービス開始から1年半で一気呵成にタブレットでも遊べるようになるスピード感は、いい意味で期待を裏切られたというか、本当に大きな驚きがありました。

堀井 『Ⅹ』はチャレンジの意味合いが強いです。『Ⅷ』はUIも含めてスマホに特化したらどうなるのか、というチャレンジ。『Ⅹ』はクラウドゲームにしたらどうなるのか、というチャレンジ。同じスマホで動く『ドラクエ』ですが、そこに込められた意味合いは別な方向性ではありますね。

安藤 新たなチャレンジを一気にやられているご多忙な状況で聞きづらいのですが、『ドラクエ』シリーズの続編は今後も当然出ると思います。単純にデバイスのスペックだけを考えると、続編をスマホでも家庭用ゲーム機でも同時期に遊びたいと思うのがファンの心理。でも作り手としては、入力デバイスがぜんぜん違うので、ひと筋縄ではい
かないだろうなということも理解しています。そのうえであえてお聞きすると、今回ナンバリングタイトルがスマホで出たので「続編もスマホで出る可能性はあるのかも?」と期待するのですが。

堀井 そう簡単な話ではないと思います。続編の『Ⅺ』をスマホで、という話は現段階では”ない”です。スマホで続編を出すには、まだ乗り越えなければいけないものがたくさんあると思っています。

安藤 現段階で「続編はスマホで出ない」。この言葉、やはり重みがありますね〜。一方で、僕らはいまスマホを主戦場としてゲームを作っているので、「スマホはゲーム機なんだ」ということを自分に言い聞かせて仕事をしている部分もあるんです。今回お話を聞くと、堀井さんのお考えがハッキリとわかった気がします。

堀井 スマホはスマホで、ゲーム機ではないですよね。ゲーム機の代わりになるものではなくて、スマホしか持っていない人たちに何を提供するか、ということだと思うんですよ。

安藤 歴史を作ってきた方が、「スマホはゲーム機ではない」とおっしゃることは、とても説得力があります。それを踏まえたうえで、『ドラクエ』シリーズがスマホで一気に展開されるというのは、ゲーム業界にとっても大きな動きと言えそうですね。イメージだけで言うと、『ドラクエ』シリーズはゲーム業界の重鎮タイトルで、一見保守的な感じがしますが、じつはチャレンジ精神の塊なんだなというのがひしひしと感じられました。

堀井 今回発表した一連のスマホの展開は、”ゲーマーじゃない人たちにもゲームを遊んでほしい”というのがいちばんの想いです。『ドラクエ』シリーズは本格的なゲーム。過去にシリーズ作品を遊んでいただいた方にはもちろん、初めてシリーズをプレイする方もぜひ遊んでいただきたいですね。まだ自分の中ではスマホで本格的なゲームを遊んでもらえるのか、という明確な確信はないのですが、『ドラクエ』のような遊びがスマホのユーザーの方たちにとってありかなしか。これも新しいチャレンジだと思っています。

ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君

ジャンル
RPG
メーカー
スクウェア・エニックス
配信日
配信中
価格
2800円[税込](追加課金なし)
対応機種
iOS6.0以上. Android 要件 4.0 以上

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