『ヴイアライヴ』定点観測-44：それぞれの個性が滲み出る三者三様の課題ショート動画【アイマス日記第298回】

各自の持ち味をしっかりアピール！

バンダイナムコエンターテインメントが展開する『アイドルマスター』シリーズ関連の話題を取り上げる『アイマス日記』。

『ヴイアライヴ』定点観測では、バーチャルな姿で活動するアイドル候補生・灯里愛夏さん（以下、愛夏さん）、上水流宇宙さん（以下、宇宙さん）、サラ・レトラ・オリヴェイラ・ウタガワさん（以下、レトラさん）を、真のアイドルに育て上げるプロジェクト『ヴイアライヴ』について記録していく。

担当：東響希

『ヴイアライヴ』では、毎月アイドルに必要な様々なテーマの講義を行い、課題にチャレンジする公式レッスンが行われている。今月のテーマは自己プロデュースということで、自己PRをするためのショート動画の作成が課題となった。ショート動画はそれぞれが2本ずつ制作される予定で、1本目は月末の公式レッスンの前に、そして2本目は月末の公式レッスン中に公開される予定だ。すでに1本目の動画はアップされているので、それぞれの内容について触れてみたい。

まず、前提として3人の動画に共通のBGMで、イラストレーターでVtuberとしても活動しているしぐれういさんの“粛聖!! ロリ神レクイエム☆”が採用されている。同曲は、しぐれういさんが“しぐれうい（9さい）”という設定で、ロリボイスで歌い上げるいわゆる電波ソングだ。発表自体は2022年にリリースしたオリジナルアルバムだが、昨年9月に公開されたMVが20日足らずで再生数1000万回を超え、YouTubeやTikTokなどで歌ってみた動画やダンス動画も流行ったため、一気に注目が集まった楽曲である。

そして、しぐいれういさんと言えば、『アイドルマスター シャイニーカラーズ』の“黛冬優子”のソロ曲“SOS”のMVのイラストも担当しており、自ら歌ってみた動画でカバーするなどアイマスと縁があるクリエイター。今回はその代表曲を候補生たちが自分たちのショート動画に落とし込んでいる。

愛夏さんのショート動画は、持ち味である表現力を生かした内容。これまでの配信の中でも、歌関連では曲に合わせた声色と雰囲気で世界観を感じさせる歌唱を披露。3Dモデル実装で見せたダンスにおいても習っていたバレエの要素を盛り込み、華やかで優雅な表現を見せてくれた。そして、このショート動画では“粛聖!! ロリ神レクイエム☆”を普段の可愛い声で強烈な歌詞を歌うギャップから、少年、儚げな少女、お姉さん、ロリボイスと次々に声色を変化させながら畳みかけてくる。まるで、別人が歌っているかのような変化を見せており、愛夏さんの幅広い表現力が楽しめる。

宇宙さんのショート動画は、なんと自作の切り抜き動画である。昨年12月に発売されたインディーズホラーゲーム『自撮』を実況プレイした際の一幕を得意のイラストを使い、SEやテキストも駆使して短いながらもしっかりとした切り抜き動画を作った。楽曲とは一見関係ないように思えるが、4歳の頃の回想として小さい頃の宇宙さん・“ロリずるこすも（4）”が登場しており、歌と同じロリキャラ合わせである。その内容としては、おしりと押し入れを聞き間違えたというエピソードで、すまし顔や困り顔、立ち上がってお尻をさすっている“ロリずるこすも”の可愛らしさにほっこりするショート動画である。

レトラさんは、得意の歌を生かしたショート動画。内容的には愛夏さんと近いところではあるが、こちらはさまざまな歌いかたのジャンルを見せてくれている。まずは、ハム系、いわゆるハムボイスと言われる声を使った歌いかた。調べてみると、子供向けアニメである『とっとこハム太郎』の主人公“ハム太郎”の声が出典のようだが、くぐもったような独特の萌え声である。続けて、レトラさんがおそらくいちばん得意な、クールで力強く、がなりも聞かせたロック調。そして、先日解禁されたばかりの個人衣装で歌う清楚感溢れる表現から、幼稚園児衣装を使ったロリボイスと次々に変化。最後は、？？？？となっているが、和服のイラストを使い演歌っぽく締めており、いわゆるオチになっている。さまざまな歌のテクニックで楽しませてくれる動画だが、どの声が良いかコメントして欲しいとひと言入れており、“プロデューサー”がただ高評価するだけでなく、感想を語らせるまでフォローしてる点もなかなかうまい。

自己PRポイントがしっかり盛り込まれつつも、それぞれの感性で独自の仕上がりを見せたショート動画は、テンポ感も良く初の自作とは思えないクオリティである。月末の公式レッスンで公開されるもう1本の動画がどのようなものになるか、今から非常に楽しみである。

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