『シャニマス』アイマスシリーズとしては2作目となる事務員主役の物語『事務的光空記録』【アイマス日記第310回】

2024-04-12 14:00 投稿

世界観がさらに広がるサイドストーリー

バンダイナムコエンターテインメントが展開する『アイドルマスター』シリーズ関連の話題を取り上げる『アイマス日記』をお届け。

担当:東響希

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『アイドルマスター シャイニーカラーズ』(以下、『シャニマス』)では、新作漫画『アイドルマスター シャイニーカラーズ 事務的光空記録』(以下、『ジムシャニ』)の第1巻が発売された。アイマスシリーズにおいては、各ブランドでもさまざまなコミカライズ展開が行われており、『シャニマス』では過去に“イルミネーションスターズ”を中心に描かれる漫画版『シャニマス』が発売されているほか、“ストレイライト”が主役の『アイドルマスター シャイニーカラーズ コヒーレントライト』も連載中。また、公式Xで連載されている4コマ漫画をまとめた単行本も続刊中だ。そんな中でも、今回の『ジムシャニ』は特に話題性が高い作品と言える。それは本作が、アイドルではなく事務員である“七草はづき”が主役なっている点だ。

事務員が主役と言えば、アイマスシリーズにおいてはその先駆けとなった『朝焼けは黄金色 THE IDOLM@STER』がある。こちらは、“765プロダクション”の事務員である“音無小鳥”が主役となっており、彼女の高校生時代のエピソードが中心だ。TVアニメ版などでも仄めかされていた謎の過去が明かされていく中で、彼女と深く関わりのある“765プロダクション”現社長の“高木順二朗”と、ライバルである“961プロダクション”社長、“黒井崇男”の関係性にも触れており、『アイドルマスター』の歴史を探るうえで、重要な作品となった。

一方、今回の『ジムシャニ』はゲームでは描かれていない“283プロダクション”のアイドルたちの活動も交えつつ、“七草はづき”が中心となってストーリーが展開する。“七草はづき”に関しては、同じ事務員でありながら、“音無小鳥”とは異なる部分として、ゲーム内においても現在進行形で非常に重要な人物だ。もちろん、“音無小鳥”も『アイドルマスター』では、なくてはならない人物ではあるが、現在では事務所の社長と古くから付き合いがあるというだけで完結している。一方、“七草はづき”に関しては、いまさら改めて説明することではないかもしれないが、妹である“七草にちか”がアイドルとして自分が働く事務所に所属している。ここだけでも、さまざまなエピソードがあるのだが、さらに直近で加入した“斑鳩ルカ”とは、妹や社長の“天井努”を含めて浅からぬ因縁があるため、今後の『シャニマス』全体のストーリー進行においても重要な役割を担っていく可能性が高い。その他の設定として、アイドルたちのレッスンサポートのほか、経理と事務周りも担当しているうえ、家計のために他のアルバイトもこなしているという凄まじいバイタリティの持ち主である。アイマスシリーズにおける事務員の中では、とくに設定が濃厚なキャラクターと言えるのではないだろうか。

第1話開始時点では、“ノクチル”がデビューしてはいるが、“七草にちか”のアイドルデビューに関してはまだ影も形もない。前述したように、ストーリーの軸は“七草はづき”となっているが、アイドルたちの活動に関するサイドエピソードも描かれる。ゲームの中だけではわからなかったアイドルたちの“七草はづき”への印象や、どういった関係性が築かれているのかを知ることができる。また、アイドルたちからは称賛を通り越して、心配されるほどのスーパーウーマンぶりも発揮されている。ラストには、ゲームでも衝撃的だったとあるシーンが描かれており、漫画版ではどのように物語が展開していくかも楽しみだ。

『朝焼けは黄金色 THE IDOLM@STER』は、『アイドルマスター』のエピソード0的な内容で、過去の物語によって作品の世界観が掘り下げられるという、いわば縦軸での展開である。これに対し、『ジムシャニ』は“七草はづき”からの目線で『シャニマス』の世界観を拡張する横軸の展開と言えるだろう。アイドル以外の人物がピックアップされることで、『アイドルマスター』の群像劇の部分にスポットライトが当たり、世界観をより深く楽しめるようになるので、こういった形の外伝ストーリーはぜひ今後も企画して欲しいところだ。

©Bandai Namco Entertainment Inc.

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