『キュービックスターズ』開発者インタビュー|育成の緩和とソロ向けコンテンツの充実で目指すは“ひとりでもおもしろく、みんなならもっと楽しく”

2023-07-03 19:00 投稿

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キュービックスターズ

リリース後の反響から今後の展望まで機体の情報が満載!

MIXIより配信中のアクションシューティング『キュービックスターズ』(以下、『キュビスタ』)。“モンストシリーズ”のキャラクターたちが展開する新たなストーリーが楽しめる作品として、2023年5月23日のリリース以来人気を博している。

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今回は本作のプロデューサーを務める園原聖崇氏(文中:園原)にオンラインインタビューを実施。リリースから1カ月が経過した現在のユーザーからの反応や直近のゲーム内施策、ハーフアニバーサリーに向けての展望など、さまざまなお話を伺った。

園P

リリース後の反響は?

――『キュビスタ』配信開始からおよそ1ヶ月が経過しましたが、ユーザーからの反応はいかがでしょうか?

園原: まだリリースから日も浅いのですが、多くの方に遊んでいただき、たくさんの反響をいただきました。本当にありがたく思っています。

中でもストーリーやキャラクターのセリフなど開発当初より力を入れていた部分に、より大きな反響をいただけたので、うれしい限りです。

本作では既存の『モンスト』キャラクターを起用しているのですが、「このキャラクターってこういう性格だったんだ」、「こういう話もするんだ」と、キャラクターの新しい魅力を発見できる点を高く評価いただいています。そのため「もっといろんなキャラクターを出してほしい」という期待の声がとても多くて、作ってよかったと思いますね。

――『モンスト』キャラクターの魅力を掘り下げていく点が評価されているわけですね。ゲーム性の面ではいかがでしょうか。

園原: ゲーム部分も想定していた以上に楽しんでいただけているようで、多くの叱咤激励をいただいています。

なかでも「思い入れのあるキャラクターをがんばって強化したい」という声が大きかったことから、素材クエストのブーストキャンペーンは早い段階で実施させていただきました。

――リリースして間もない時期からユーザーの声に機敏に反応されるというのは、かなりフットワークが軽い印象を受けます。

園原: キャラクターの特徴が攻撃などに反映されていることもあってか、自分が育てたキャラクターでクエストを進めていきたいという声がすごく多かったんです。そこでチームで議論し、すぐにキャンペーンを実施するよう決定しました。決まった次の日には開発会社に連絡し、そこから1週間程度で実施にこぎつけましたね。

「快適に遊びたい」という声をすごく多くいただいているので、そこは早い段階から議論して随時検討・変更しています。操作やUIに関する部分でも調整を行っています。

『キュビスタ』が生まれた経緯

――『キュビスタ』がどういった作品を目指して作られたのか、改めて開発経緯をお聞かせください。

園原: ゲーム性の部分に関しては、私が子供のころに体験した“いかだボート”での川下り体験が大きく反映されています。ボートに乗りこんだ者同士でオールを漕ぎながらゴールを目指していった体験をもとに、目的達成のためにみんなで声を掛け合いながら協力しあい、ワイワイと遊べるゲームを目指して作りました。

互いに声を掛け合う体験のためにジャイロ操作も盛り込みました。みんなで協力して遊べるバトルゲームを多くの人に体験してもらいたいと思い取り組んでおります。

――“いかだボート”での川下り体験が着想というのはおもしろいですね。それだけ園原プロデューサーにとって強く心に残る体験だったのでしょうか。

園原: そもそもなぜ“いかだボート”の思い出に行き着いたかというと、そこには「『キュビスタ』の前に手掛けた別のプロジェクトが長期化してうまくいかなくなり、頓挫してしまった」という背景があります。

それで新しい企画を考えるかすでに動いている別プロジェクトに参加するかを選ぶことになり、別プロジェクトへの参加希望を上司に伝えにいきました。ところが、「本当にほかのプロジェクトへ行きたいのか」、「本当は自分でゲームを作りたいのではないか」と問われて、週末のあいだ考えてから返答することになりました。

そこで「今まで自分の中で“みんなでワイワイ”した思い出とは?」と考えたところ、数ある体験の中から浮かび上がってきたのが“いかだボート”の想い出でした。目的達成のためにみんなで協力し、達成感が味わえた貴重な体験だったのですが「これをうまく表現できれば、いままでのモバイルゲームにはないものを作り出せるかもしれない」と思い至ったんです。

――『モンスト』キャラクターによる長編ストーリーは、過去に映画やアニメといった媒体で展開されてきました。今回はゲームという舞台で初めて長編ストーリーを扱うことになりますが、こうしたキャラクターとストーリーを取り扱うことになった経緯をお聞かせください。

園原: これは私がもともと『モンスト』チームにいたこともあったことが大きく影響しています。

『モンスト』のキャラクターって、表には出ない部分にも緻密に練られた大量の設定が用意されているんです。設定の一部分は“MONST DICTIONARY”などで触れることができるのですが、そこに記されていない設定などがとにかく大量にあります。そこで「それを眠らせておくのはもったいない」、「ぜひともそうした箇所もプレイヤーのみなさんに見ていただき、キャラクターの魅力をより感じてほしい」という想いが強くなり、自分の作品を通じてそうした部分を展開し、伝えていけたらと考え、ストーリーを採用しようと決めました。

――『キュビスタ』ではパンドラの箱が『モンスト』のキャラクターたちを吸い込んでしまい、それを助けるために中の空間に突入するという一風変わった導入からストーリーが展開します。こうした設定はどのように生まれたのでしょうか。

園原: 最初からストーリーや設定を考えていたわけではなく、アイディアを膨らませていくうちにこうなったというのが近いですね。

実装はされませんでしたが、『キュビスタ』の開発当初のバージョンには道中でキューブを獲得するとキャラの後ろに積み重なっていき、それを崩さないように攻略していくという、ジャイロ操作を生かしたバランスゲーム的な要素も入っていました。

大量のキューブが用意されている理由としては、パンドラの箱に災いが詰まっているという設定を利用しています。ひとつの災いとして「キャラが箱に吸い込まれてキューブ化する」というものを考え、それを物語の骨子として作りあげたという形です。バランスゲームの要素は開発を進めていく中で消えてなくなりましたが、そのときに生まれたパンドラの箱を使った設定は、ストーリーとして扱うことでもっと深掘りできそうだなと思ったんです。

そこから現行の「パンドラの箱の中にある未知の空間にはキューブになったキャラクターたちが散らばっている」という設定が加わり、この上にきちんとした物語を展開できるように整理していった結果、現在の『キュビスタ』の世界観が生まれました。ここに『モンスト』キャラの性格や思いを表現して組み込んでいくことで、太く長く物語を展開していくことが可能になったと思います。

⇒パンドラの設定解説はこちら!(MONST DICTIONARY)

ハーフアニバーサリーに向けてのテーマは“やさしいキュービックスターズ”

――現在見えている課題と、そこへの解決策についてお聞かせください。

園原: さまざまなご意見をいただいていますが、その中で我々としては遊びやすさに関する課題を大きく捉えております。

たとえば本作ではジャイロ操作をメインとしているのですが、ほかのゲームではあまり採用されていない特殊な操作なので、慣れていなくて扱いづらいという人も多いと思います。そのためバーチャルパッドでの操作をリリース当初から用意していたのですが、それを大きく周知するデザインにしていなかったこともあり「ジャイロ操作に慣れていないので遊びづらい」という意見を多く出る結果となってしまいました。

そこでリリース後のアップデートホーム画面にバーチャルパッドのON/OFFスイッチを表示するようにして、プレイすればすぐに切り替え方法がわかるように調整しました。こうしたプレイする上でわかりにくい部分については、今後も順次改修を行っていく予定です。

あとはクエストの順番や、ゲーム自体のわかりやすさについても今後改修が必要だと考えています。キャラクターの魅力については高く評価していただいているので、わかりにくさがゲームを楽しむうえで妨げにならないように整えていきたいですね。

――プレイしていれば必ず目に入る位置に切り換えボタンを追加するというのはシンプルで効果的な解決策ですね。ジャイロ操作とバーチャルパッドの割合はどの程度いらっしゃるのでしょうか。

園原: お問い合わせ内容から見てバーチャルパッドで遊んでいるプレイヤーも大きな割合を占めていますね。慣れている操作方法で遊びたいというのもあるでしょうし、ひとりで寝転がって遊んでいるときなどはジャイロより使いやすいというのもあると思います。

本作はマルチ推奨ではあるのですが、マルチ要素に偏らせすぎると「友達が集まらないからできない」というようにプレイのハードルが上がってしまい、より多くの人に遊んでもらえるゲームからは遠ざかってしまいます。ひとりでもおもしろく、みんなならもっと楽しく遊べるゲームを目指していきたいですね。

――今後のロードマップについてお聞かせください。

園原: ハーフアニバーサリーとなる11月までは開発テーマを「やさしいキュービックスターズ」として設定し、より『キュビスタ』が遊びやすくなるように進めていきます。

まずは始めたばかりのユーザーに向け、スタート直後の育成方法などをわかりやすくする改修を進めています。たとえばレッスン用のコンテンツを用意して、育成の仕方やゲームの遊びかたがわかる導線を用意するといった具合ですね。

また『モンスト』で言う新人ストライカー/先輩ストライカーのような要素も用意しています。招待した初心者プレイヤーが一定ランクに到達すると報酬がもらえるといったイメージです。

このほかにもお気に入りキャラクターを限界突破するためのピースを集められるコンテンツだったり、育てたキャラクターで挑めるソロ向けコンテンツ、新ボス戦なども早急に追加していく予定です。

その間もストーリーイベントやメインストーリーの開放、“幻想戦”の開放は定期的に進めていきます。ストーリーイベントでは先日開催されたネオイベントに続いて、この記事が出るころにはヤクモイベントが開催されているかと思います。

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▲6月27日の生放送でヤクモが登場するイベント【いつかきっと晴れるから】が発表された。

ヤクモが早くも『キュビスタ』に登場”

――ヤクモですか? 本家『モンスト』では今年の1月に実装されたばかりですが、もう『キュビスタ』にくるんですね!

園原: 6月28日のアップデートにてヤクモイベントがスタートし、新キャラクターとしてヤクモが追加される予定です。イベントストーリーの中ではヤクモに関係する敵勢力“十二聖者”に属する新キャラクターも出てくるので、ぜひ読んでみてください。ヤクモの設定を深掘りしながら、ヤクモがどういった理由で戦い、旅をしているのかを語るストーリーとなっています。

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園原: ストーリーのボイス収録では私も実際に立ち会い、担当声優の花澤香菜さんとヤクモの心境などを細かくすり合わせながら演じていただきました。

――『モンスト』にはほかにも多くの魅力的なキャラクターがいると思うのですが、このタイミングでヤクモが採用された理由などがあれば教えてください。

園原: もともとキャラクター選定では新旧織り交ぜて展開していく前提で進めていました。メインストーリーの登場キャラクターがアーサーやアリスなど『モンスト』初期に登場したキャラクター中心になっているので、そのぶんストーリーイベント側は比較的新しい人気キャラクターが中心になります。

そのうえで人気のあるネオやヤクモは、候補として早くから名前が挙がっていました。『モンスト』での実装後、キャラクターとしての人気が続いているタイミングで『キュビスタ』でも出していこうということから、今回のヤクモ実装となりました。

――ヤクモは獣神化にふたつの形態がありますが、『キュビスタ』ではどちらの姿で登場するのでしょうか。

園原: 獣神化1(大荒神武装)ですね。槍を使って戦う形態なので、ゲーム内でも槍を振るって攻撃したり、空から槍を降らせて攻撃したりします。キャラクター設定を攻撃に落とし込んでいくときに、よりゲームとの相性がいい方を採用しました。

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――ヤクモの関連キャラクターとしてスサノオやクシナダが設定されていますが、これらのキャラクターの登場はあるのでしょうか。

園原: そこに関してはヤクモ自身のストーリーと言うよりも、キャラクターの攻撃エフェクトなどの面で関係性を表現しています。なので、そうした面にもぜひ注目していただけると幸いです。

――敵対する新キャラクターの登場はおもしろいですね。今後そのキャラクターが『モンスト』側に逆輸入されることもあるのでしょうか。

園原: この新キャラクターについても『モンスト』側の担当者とやり取りしながらいっしょにデザインを作り上げていきました。いまのところ『モンスト』に登場する予定はないのですが、私個人としてはそうなってくれるとうれしいですね(笑)。

『キュビスタ』としては、『モンスト』キャラの設定にはあるものの語られていない部分をストーリーを交えてお出しするのがメインになりますし、それが強みだと認識しています。

――そのほか、ヤクモに関してここを見て欲しい注目ポイントなどがあれば教えてください。

園原: 『キュビスタ』では全キャラクター新たに衣装デザインを作り直しているのですが、ヤクモもその例に漏れず新衣装での登場となります。立ち絵も含めて新しいテイストになっているので注目してください。

あとはストーリーですね。なぜヤクモが戦うのか、ヤクモの世界観における舞台設定を花澤さんにナレーション付きで語っていただきました。ぜひ実際にプレイし、『モンスト』だけではわからないヤクモのキャラクター性に触れてみてほしいですね。

さらに音楽面では、KANA-BOONさんの楽曲『フカ』が『キュビスタ』のクエスト内で流れています。これはヤクモの世界観をもとに制作いただいたコラボ楽曲で、『モンスターストライク』にヤクモが登場する際(2023年1月)に公開されたスペシャルムービーでも使用されていました。ぜひ音を聴ける環境で楽しんでください。

限界突破の条件緩和でより育成を楽しめる環境に

――ストーリーイベント以外のアップデートはありますか。

園原: 直近のアップデートでの大きな変更点として、★4~★5の限界突破に必要なピースを大幅に減らして限界突破をしやすくしました。具体的には★3から★4への限界突破に必要なピース数が200ピース、★4から★5への限界突破に必要なピース数が300ピースへと調整されています。

お気に入りのキャラクターをとことん強くして使っていきたいという声を多くいただいているので、この調整もそこに向けたアップデートの一環ですね。

ただ大幅な緩和施策となるので、すでに調整前のレートで限界突破済みの方には、彗星晶をお返しすることで対応させていただきました。

――ここまで大幅に下げるのはかなりの決断ですね。どのような経緯があったのでしょうか。

園原: 限界突破の直接的なメリットとしてはステータスアップがメインになるのですが、ユーザーさんの視点から見ると★が増えることそのものにも価値があることがわかりました。頑張って育てたキャラクターをもっと極限まで強くしてあげたい、という考えかたですね。

我々としても好きなキャラをとことん育てて遊んでほしい、育てたキャラクターを使い込んでほしいという想いがあったので、限界突破も含めて育成をより楽しんでいただくためにこの調整を決定しました。

また今後はピースの入手手段も新たに増やしていこうとも考えています。こちらも実装されれば★5限界突破へのハードルがさらに緩和され、より育成を楽しんでいただけるようになると思いますので、積極的に好きなキャラクターの育成にチャレンジしてほしいですね。

――好きなキャラクターの限界突破を狙えるようになるのはうれしいですね。ほかの育成要素に関する変更はあるのでしょうか。

園原: スキルパネルに★5限界突破後に開放されるパネルの追加を検討しています。お気に入りのキャラクターを頑張って育てればどんどん強くしていけるように、キャラクターの育成に関しては今後随時アップデートしていく予定です。

――ストーリー展開について、すでにゴールは設定されているのでしょうか? またストーリー更新の頻度についてもお聞かせください。

園原: メインストーリーで巡る星の数やラスボスのキャラクターデザイン、物語のきっかけとなる事件の背景など、大枠の部分はすでに設定というレベルでは出来上がっている状態です。細かいテキストやステータスなどはまだ決まっていないので、それは今後ストーリーの進行にあわせて制作していく形になります。

メインストーリーの更新頻度は約3ヶ月おきの追加を予定しています。もっと速いペースでお届けしたい気持ちはあるのですが、しっかりと作りこんで胸が熱くなるものを届けていきたいと考えているので、少しお時間をいただければ幸いです。

――『モンスト』では他版権作品とのコラボが積極的に行われていますが、『キュビスタ』ではいかがでしょうか。

園原: 時期は明かせないのですが、コラボを行う構想そのものはあります。これまでの『モンスト』にはなかったようなコラボになるかと思いますので、期待してほしいですね。

――最後に、ファミ通App読者へのメッセージをお願いいたします。

園原: 『キュビスタ』を楽しんでいただき、ありがとうございます。ハーフアニバーサリーで大きなイベントを仕込んでおりますので、それまでに遊びやすく優しい『キュビスタ』を目指してまいります。

もちろん毎月アップデートを行い、イベントやさまざまなコンテンツの追加も予定していますので、今後も『キュビスタ』をよろしくお願いいたします。

▼6月27日配信公式番組“キュービックステーション”アーカイブ

キュービックスターズ

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
このゲームの詳細を見る
ジャンルシューティング
メーカーMIXI
公式サイトhttps://cubic-stars.com/
公式Twitterhttps://twitter.com/cubicstars_mixi
配信日配信中
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