願いが叶う!?　少年の霊がさまよう廃病院で始まる恐怖のかくれんぼ『夕鬼 -Yuoni-』【Steamハック：第13回】

デモ版だけど満足度の高いホラー体験

“ツンって知ってる？”

お見舞いに来ると約束した友だちとの再開を願うも、それを叶えることなく少年は絶命。

その想いを残したまま廃病院と化した地は、心霊スポットとして噂されるようなってしまう。

Steamハック：第13回目の今回紹介する『夕鬼 -Yuoni-』は、わけあって言葉を発することが苦手な少女が、半ば強制的に同級生たちと廃病院を訪問。

噂の霊が徘徊する院内で奇妙な出来ごとに巻き込まれていく探索ホラーのデモ版だ。

息を止めて身を隠しながら霊に気づかれることなく人形を使った奇妙な儀式を完遂しよう。

霊が徘徊する院内で恐怖のステルス体験

廃病院のいちばん奥にある病室で儀式を行い、それが成功すると“ツン”という少年の霊が出現。

“夕鬼”という遊びの誘いに応じると何が起きるという噂を検証するため、5人の仲間は順にチャレンジするのだが誰1人ツンに出会えず戻ってくる。

最後に残された主人公の少女は、何も起こるはずがないと信じながら渋々院内の探索を開始するのだ。

少年の霊を呼び出す儀式の工程は“ひとりかくれんぼ”を連想させるものがある。

万が一、霊の提案する“夕鬼”というかくれんぼに負ければ、一生その遊びに付き合わなければならない。

音に反応する霊に気づかれないよう息を止め、ロッカーの中やベッドの下に隠れてうまく回避していこう。

赤いノイズのようなものを発する姿なき霊は鼻歌を歌ってみたり、どこにいるかと無邪気に呼びかけたりとまさに子どもそのものだ。

しかし、プレイヤーを発見すると見上げるほどの長身に変化。

うまく隠れない限り、どこまでも追いかけてくる。

ツンのほかにも半透明でステルス状態に近い霊や巨大な目玉に無数の手が群がるおぞましいものなど、さまざまな特性をもつ脅威がどこかに潜んでいる。

主人公につられて息を止めてしまうような緊張感。

音を立てることが怖くなる没入度の高いステルス体験だった。

気になるストーリーと製品版への期待値

本作には“ツン”とその儀式に挑む子どもたちのほか、その中心にいる主人公の幼少期など、ステージの各所で世界観を知るための回想シーンが描かれる。

とくに、コミュニケーションの苦手な少女を形成するにいたった両親や祖父と思われる男性との過去。

複雑な家庭環境を描くフラッシュバックはとても悲しくつらい。

今年の夏にリリース予定の製品ですべてが明かされるのか。

さらなるホラー体験とストーリー展開にも注目したい作品だ。

P.N.深津庵
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