【新作】最凶心霊スポットに潜入!! 旧犬鳴トンネルを探るホラーアドベンチャー『犬鳴村 ～残響～』

触れてはいけない禁断の都市伝説へ

九州に実在する犬鳴峠といえば古くから心霊スポットとして知られている名所であり、新たなトンネルの開通によって閉鎖された1975年以降、“旧犬鳴トンネル”で多くの心霊体験が報告されようになる。

本記事で紹介する『犬鳴村 ～残響～』は、そんな有名心霊スポットを舞台にした映画『犬鳴村』の公式ホラーゲーム。

ウェブサイトやSNS、さらにはYouTuberらの手によって広く知られるようになったこの地に何があるのか。

“この先、日本国憲法通用せず”という看板が示す真相を求め、いざ恐怖の心霊スポットに潜入だ。

個性豊かな登場人物たちの目線で描く恐怖体験

旧犬鳴トンネルの手前に掲げられていたと噂される“この先、日本国憲法通用せず”という看板。

これは、もともと現地に肝試し目的で集まる人々や荒らし行為がくり返される現状に困っていた住人らが設置した“立入禁止”や“監視カメラ作動中”といったどこにでもありそうな看板が発祥であり、問題の文面はそれらをベースに噂として広まったものだといわれている。

そのいっぽう、1988年に実際に旧犬鳴トンネルで生きたまま被害者に火を放つ殺人事件が発生。

さらに、2001年には肝試しで来ていた少年らが死亡する交通事故が起こるなど、噂と事実が入り交じることで“犬鳴村”にまつわる都市伝説が拡散していった。

本作に登場する登場人物たちもそんな都市伝説を聞きつけ、問題の旧トンネルを訪れるというわけだ。

旧犬鳴トンネルに向かったまま行方不明になった弟を追う姉。絶世の美女がいると聞いて訪れてしまう男など、本作にはさまざまな事情を抱えた人物が登場する。

訪れる現場が共通しているので単調に感じるが、個性派揃いの登場人物のおかげで飽きることはない。

それどころか、クセの強い人物が多すぎて笑ってしまう。

ホラーゲームとして正解なのか不安だが、エンターテイメントとしては申し分ない。

思わず笑ってしまうことの多い本作だが、ちゃんとゾクッとしちゃうホラー要素も充実している。

鉄塔から落ちてくる女の霊やナタが刺さったまま追い掛けてくる少年。突然現れる脅かし系の体験はもちろん、霊障と直接対決に挑むミニゲームのようなパートもある。

本作の恐怖度は40％ほど、直球ホラーを期待しちゃうと肩透かし感があるが、ライト層向けと考えれば十分に恐怖体験を味わえるだろう。

犬鳴村を知る多彩な目録とARを使った侵食率

本作は登場人物ごとにパートが分かれており、クリアーすることでつぎの人物にバトンを渡していく。

その過程で体験した霊障やエンディング、アーカイブを閲覧できるのが“目録”という機能だ。

また、その身に起こった霊障の度合いに応じて“侵食率”が上昇。徐々に変化していく待機画面をARで楽しむこともできる。

侵食率が100％になるとどうなってしまうのかはプレイしてからのお楽しみ。

クリアーした人物であれば“物語選択”という項目から自由にリトライできるので、未回収のデータを探すのにも役立ててほしい。

ちなみに、映画『犬鳴村』とは直接のつながりはないが、臨場感を高めるのためにも1度は観ておくことをオススメする。

ネットでも話題になった噂の現場。

興味があるひとはぜひ、映画と本作を通じて都市伝説を追体験してもらいたい。

P.N.深津庵
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