『アイドルマスター シンデレラガールズ』初夏を彩る和のユニットの饗宴!ユニットツアー“ConnecTrip!”石川公演の模様をレポート
2024-06-17 00:07
2020-03-10 12:00 投稿
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アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ
『アイドルマスター シンデレラガールズ』の8周年を記念して制作されたショートアニメ『Spin-off!』は昨年から今年にかけて開催されたライブツアー、『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪』の名古屋公演にてPVが初お披露目となった。オリジナル展開の新作ショートアニメで、登場アイドルの1人として“的場梨沙”にサプライズでボイスが付くなど“アイドルマスター”の“プロデューサー”(以下ファン)に大きな話題を呼んだ。
『Spin-off!』は、多くの謎が散りばめられた世界観で、5人のアイドル達が活躍する作品。こちらは『アイドルマスター シンデレラガールズ』の劇中劇という設定だ。以下、公式の引用から作品のストーリーと登場キャラクターを紹介する。
©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
【ストーリー】
とある結婚式に突然乗り込んでくる4人組の女の子
彼女たちは、花嫁を連れ出し車で逃走する…
突然の出来事に戸惑う花嫁
「何が起きてるの?それにあれは誰!?」
花嫁を取り戻そうと追いかけてきた、
「誰か」との激しいカーチェイスと銃撃戦
「あなたを助けに来たの」
果たして、彼女たちの逃走劇の結末は・・・
【登場キャラクター】
シキ(一ノ瀬志希):CV.藍原ことみ
作戦の中核を担う天才児。車酔いには弱い
シン(佐藤心):CV.花守ゆみり
華麗なテクニックを持つドライバー。精神的にもチームの頼れる存在
チトセ(黒埼ちとせ):CV.佐倉 薫
「世界」に疑問を持たず、結婚式を迎えた花嫁
ナオ(神谷奈緒):CV.松井恵理子
運動神経抜群で機械いじりも得意。汚い言葉を使うが仲間想い
リサ(的場梨沙):CV.集貝はな
とある事情で成長の止まった花嫁の親友
本作を手掛けたのはTVアニメ『宝石の国』や『BEASTARS』の制作をはじめ、様々な劇場作品やOVA作品にも参加しているアニメ制作会社“オレンジ”だ。今回は同社のスタッフで『Spin-off!』の制作プロデューサーとして参加している安藤次郎さんにインタビューを敢行。制作の経緯や、裏話、発表後の反響などを伺った。
――安藤さんが今回の作品に関わる事になった経緯を教えてください。
安藤次郎さん(以下、安藤):弊社にバンダイナムコエンターテインメント(以下、BNE)さんから、音楽ベースの劇中劇みたいなものを作っていただきたいというお話があったんです。企画として3つほどテーマが上がりまして、僕が関わる事になったのはその中からこの企画で行こうと決まったところからですね。
――企画に携わる事になった時にはどう思いましたか?
安藤:『アイドルマスター シンデレラガールズ』というコンテンツはもちろん知っていたのですが、僕自身は “765プロオールスターズ”の13人で止まっていまして。まずは基礎的な知識を入れなければと、TVアニメの『アイドルマスター シンデレラガールズ』を観るところから始めました。
――ゲームの方も?
安藤:そうですね。まず自分が作品に興味を持つには“シンデレラガールズ”でも担当アイドルを見つけるところからということで、僕は仙台出身なので“早坂美玲”推しになりました。
――改めて作品の事を伺いたいと思いますが、まずあの世界観はどういったものなのか?制作側が考えている設定みたいなものが聞ければと思います。
安藤:なんとなく皆さんわかっていると思うんですが、現実とは違う別の世界です。“マスター”っていう別の存在がいて、あの5人はその人が管理する世界に存在しているわけです。そして、“チトセ”以外の4人は自分の意志でマスターの管理を抜け出していて、チトセを管理されている状況から解放したいと思っている。
――面白いですね。いわゆるメタ構造になっているんですね。
安藤:そうですね。ただ、説明がなくいきなり誘拐シーンから始まるので観てる側は気づきづらくなってる訳です。その辺は、実は設定として色々と前日譚があったりするんですが……。
――それは非常に気になりますね。
安藤:ここはちょっと秘密なので、語れないところでして勘弁してください(笑)。まずは冒頭部分のシーンですが、“チトセ”が結婚式で“アップデート”されそうになったので、そこから助け出しているという話なんです。アップデートって、要は成長による価値観の上書きなんですよね。例えば、小学生の時に初恋を経験して感情がアップデートしていく。結婚式っていうのも1つのアップデートになりますかね。そこに4人が花嫁である“チトセ”をさらいに行ったと。
――なるほど。そうすると、あの追いかけてくる花嫁軍団は更新プログラムみたいな感じでしょうか。
安藤:実はアップデートを止めた5人を花嫁軍団が修正しようとしに来ているんです。花嫁軍団が放った攻撃が当たってしまうとアップデートを止める前に戻ってしまうみたいな。
――花嫁を追いかける花嫁軍団というのはなかなかシュールですよね(笑)。
安藤:最初は婦警さんのデザインだったんです。仮面をつける設定も監督から提案されたアイデアで、初期の段階では顔が隠れててのっぺらぼうのようなデザインでした。
――デザインも落書きみたいなギャグっぽい感じだけど、あれが大量に襲ってくるっていうとむしろ怖いですよね。
安藤:知らないものを追いかけてくる恐怖感が仮面を使うことで出てくるんです。
――あの最後のシーン、“120億fps”っていう数字も凄いなと。
安藤:現実ではありえない数字かなと。ありえない速度を超えることで現実に戻れるという設定です。
――現実に戻ったといっても、観ている側からするとやっぱり二次元の世界だというのが面白いです。
安藤:どう捉えるかというのは観ている人次第かなと思っています。メタ構造としても捉えられるけど、もしかしたら誰かの夢オチかもしれない。あのシーンの後、5人がどうなったかは語られていないので、観る人の想像によっていくらでも解釈できるんですよね。
――あの後、どうなったかという設定はないんですか?
安藤:それに関していえば、膨らませようと思えばできますが、今回の『Spin-off!』という企画としてはあの東京駅のシーンで完結になります。
――ファンの間でも、“的場梨沙”のボイス実装は驚いたと思いますが、劇中に登場するアイドルについては、どのように決まったんですか?
安藤:今回の作品については、アイドルが役を演じている劇中劇なので、BNEさんの方で候補を何名かいただき、脚本を作っていく中で台詞や動きに合ったアイドルに決めていきました。
――今回は、楽曲もかなり重要な要素ですよね。
安藤:歌についても最初の時点で話がありました。今回の楽曲についても『アイドルマスター シンデレラガールズ』の楽曲を手掛けられている“日本コロムビア”さんだったので、僕らの方からは変に口出しせずに全部お任せしようとなりました。ただ、今回は先に映像が作られていて、それに合わせて曲を作っていただきました。
――曲のテンポ感がすごくマッチングしてましたね。
安藤:アニメーションとのシンクロ率が凄かったんですよね。曲のアップダウンがアニメに合わせて流れていて、終盤の全員がハンドルを握って「いっけー!」という声に合わせて、楽曲も一気に盛り上がっていって終わるというシーンでもうやられました。正直な話、この曲だけでも売れるなと思ってしまったぐらい興奮しました。そこに今回参加してもらったサウンドエディターの勝俣まさとしさんが、生っぽい音を付けてくださって、ダビング時の段階で鳥肌が立ちました。
――メタ構造的な物語に生音を使う事でギャップというか、より作品を際立たせている感じですよね。
安藤:美術監督の中島理さんも監督とセッションしてくれて、どうしたら映像に異次元的なイメージが出せるか、そこからループ的な世界観をデザインされてます。
――確かに、背景の建物が妙に平面的だったり、のっぺりして閉塞感があるというか。
安藤:高速道路の看板とか観てもらうとわかるんですけど、北海道から沖縄とか。
――ありましたね。「凄い雑!」って思いましたけど、絶対わざとだろうしと思って…。
安藤:北海道と沖縄って絶対繋がってないじゃないですか。そこが異世界っていうのを強調しているポイントの1つですよね。最初の美術とかをよく観てもらうとわかるんですが、ドットがあるんですよ。色々散りばめられて、ヒントが隠れているんですね。でも、それをどんどん消していく。
――消していく?
安藤:消していくというよりは、元に戻すといった感覚なのかな。最初はそういう違和感とか異世界的なエフェクトを強めにつけておいて、徐々にフラットに戻すみたいな感覚ですね。
――製作期間についてはどうでしたか?
安藤:期間については、他プロジェクトと比較してもそんなに違和感はないかなという感じでした。ただ、『アイドルマスター』シリーズが非常に長いコンテンツになっています。その中で、今回は既存のものとは違い型を破ったものを作りたいと思ったんです。その“型を破る”という部分をどこまでやっていいのか、そこに一番労力と時間がかかったかなと思います。
――スケジュールは厳しかったということですか?
安藤:いえ、期間を絞ってもらったからこそ、やりたい事が固まったという事はあります。終着点である名古屋公演というのがあったので、そこはずらせないなと。
――ライブ終了直後からの配信でしたからね。
安藤:やらなきゃいけない期間があって、進んでいく方向が決まったなというのはありますね。
――スタッフはどのようにして決まったんですか?
安藤:僕が関わった時点で、脚本と監督とキャラクターデザインは決まっていました。それ以外は僕が一任された形ですね。今回、監督を務めた吉邉尚希さんは色々なアニメのオープニングなどショートムービーの監督や制作をされてた方なんですが、5分を超えるアニメーション作品の監督はあまり慣れていらっしゃらないとお聞きしておりましたので、コミュニケーション能力が高く、年齢が近い方々に作業をお願いしました。
――今回、とくに気になったのがキャラクターデザインですが、どういった経緯であのデザインになったんでしょうか。
安藤:既にTVアニメのキャラクターデザインがイメージとして強かった。一方で、ゲームの方のデザインもあって、あれぐらいのベクトルの変化だったら許されるのかなという指針はありました。では、実際どうするのかというと、まったく違うイメージのデザインに変えるか、今までのものとほぼ同じデザインにするかのどちらかでした。前者でスタートしたんですが、物語や世界観が出来上がっていく中で、僕自身がアニメオタクでもあるので、自分がどこまでセーフと思えるかというラインもあったんです。一先ず、当初計画していた頭身サイズの変更は活かしました。“シキ”とか“シン”なんかは顕著なんですが、全員、1.5頭身ぐらい上がっていると思います。現実に近い頭身にしたのが、デザインとしては一番強い変化ですね。
――現実の世界に飛び出すというストーリーとの繋がりも感じますよね。
安藤:そうですね。顔のデザインについては、やっぱりあんまり変えない方がいいかなという判断になりました。ちょっと大人っぽくしてるところはあって、精神的な変化を反映しているというか。あの世界では、“リサ”と“チトセ”は同い年という設定ですからね。
――老成感みたいなものというか…。
安藤:元のデザインだと、幼さが強いですよね。ファンとしては“的場梨沙”であって欲しいというのは僕もわかるんですが、劇中劇の中の“リサ”は色々あって精神的には年を取っているので、正直、キャラクターデザインの方に苦労をかけたなと思いました。
――作品の中で安藤さん的にこだわったポイントはありますか?
安藤:お気に入りのシーンとしては、ミサイルを避けるところで、ドライブテクニックを見せてちょっと得意げになってる“シン”とかですかね。あとは“チトセ”が“リサ”に対して年を取ってない疑問をぶつける時に水彩画のような静止画になるところとか。物語の切り替わりでメリハリをつけたのはこだわりかな。監督のコンテを見た瞬間にこれは活かしたいと思いました。現場でもいいよねってなって、楽しく作りましたね。そういう現場の楽しさ、雰囲気を絵に落とし込みたくて、それを一番大事にしたというのがポイントですね。
――メリハリという意味では、あの短時間の間で目まぐるしく物語が動きますよね。その中で、アクションシーンもあれば静止画もあって。
安藤:こだわりは美術のライティングです。バスのシーンとか、ディテールはすごく細かいんですよ。3Dで全部作っているのに、美術を乗せています。
――どういうことですか?
安藤:バスは中も含めて全部CGで作ってるんです。で、中のテクスチャに美術で描いてるんですね。その上に、影とかをレタッチして入れています。
――全部?
安藤:車内は、全カットです。カットから美術までの工程だけで2ヶ月くらいかな。
――それは、凄い!
安藤:よくよく見ると、車内のディテールって影とかを付けるビフォーアフターで相当印象変わると思います。一個の美術ですよね。美術的にバスを作ったんです。
――苦労した点はどうですか?
安藤:最後の実写背景ですよね。アニメでも実写背景を使った作品があったりしますが、すごく難しいんです。
――具体的には?
安藤:基本的にキャラクターが浮いてしまう。それに撮影するのも大変で……。あの背景は実際にスタッフと早朝4時ぐらいに東京駅の前に行って、人がいなくなった瞬間に撮ったんですよね。監督とか、実写VFX担当の人とかも一緒にロケハンしました。
――早朝から集まって!? 大変ですね……。
安藤:しかも一回で決まるわけもなく……。何度も人いないタイミングでカットのPANタイミングを意識して撮影していただきました。幸運なことに当日晴れてて、1日で撮影は終わりましたが(笑)。
――なぜ東京駅だったんですかね?
安藤:現実世界に戻ってくるっていう設定とコンテもあって、でも場所はなかなか決まらなかった。普通に考えるんだったら、ライブ会場に帰ってくるとか…。
――確かに、『アイマス』っぽくはなりますよね。
安藤:ただ、今回、チームとしては、そこはあえて差別化を図った方がいいとの判断になりました。ライブ会場に帰ってきちゃうと、途端にそれまでの設定やメタ構造感みたいなものが意味を失っちゃうんです。劇中劇として作っていたのに、突如、『アイドルマスター』に戻っちゃうというか。それだと物語として弱いですよね。
――ここからは、厳しい話になってしまうんですが、発表された直後に一部の静止カットがネットに上がって、“微妙”という声も見られました。
安藤:素直に言うと、CGキャラクターの弱みですよね。流れで見ると気にならないんですが、1枚絵のセルで「めちゃくちゃ自信あります!」とは言えないのが現状です。キャラクターデザインとか、CGモデルの作り込みがどれだけできるかで、そこが変わってくると思ってもらえるとありがたいです。
CGって、動いてないとのっぺりとして見えるんです。極力動きを付けてるんですが、バス車内のシーンでは動きが少ないので、CG感が出るのはある程度は仕方ないのかなと思っています。そのキャラクターのセルっぽさを消すためのモデルを作るというのは現状の課題ですね。ファンの人たちが見た時に、「このモデル可愛いな」と思ってもらえるものが、CGで作れたらそこの目標は達成かなと。
――流れというか、動きや芝居の動作として観ている中ではあまり気になりませんでした。
安藤:演じている動きにほぼリソースを使いましたね。表情も場所によってはいいシーンがあると思います。もちろん、ライブ映像を作るんだったら話は違います。可愛くなかったらお客さんは観ない。もちろん僕も見ません(笑)でも、アクションストーリーってなるとアクションシーンに目が行くんですよね。それが止め絵になった瞬間は表情に集中する。そうなった時に違和感が出るんですよね。セル画でも崩れみたいなものがあるんですが、CGでも起こりうるんです。CGではそういうのが起きないと言われることが多いんですが……。
――決してそんなことはないぞと。
安藤:そんなことはないんです。皆、頑張ってやってるんですけどね。普通に作ったらグチャグチャな顔なんですよ、粘土細工みたいな。それが、この角度になったらこの顔になるという映像にするために、相当の労力を使ってます。
――そう考えると、5分強のアニメでも大変ですね。
安藤:もうね、5分ていうのが長いなって、違う意味で思いましたね(笑)
――完成後の話を伺いたいんですが、ぶっちゃけ満足度で言うとどれくらいですか?
安藤:そうですね……。70%ぐらいですかね。
――70%ですか。意外と、辛口評価ですね。
安藤:先ほど、苦労したという話はしたんですが、CGの弱みを消し切れなかったところはやっぱり悔しいですね。
――完成度はもっと上を目指したかったと。
安藤:もちろんです。決して満足をしているわけではないんです。“オレンジ”が目指している完成度としてはまだ足りていないですね。
――時間があればもう少し完成度は行けたと思いますか?
安藤:いや、それはもう言い訳になっちゃいますよね。与えられた時間の中でいいものを作るのが仕事であって、与えられた時間の中でどのように制作を進めていくか、どう完成させるか。今回のもので、もちろんできうる限りのことはしましたが、それ自体に満足している訳ではないです。
――まだ課題はあると。
安藤:僕の最終的な課題は、CGモデルにおける“可愛い”の追求です。“かっこいい”はアクションを付けたりして、ある程度は満足度の高いものが作れると思います。でも、“可愛い”は誤魔化しがきかない。CGモデルでアップになったりした時、どう見えるかという。
――誰が見ても可愛いCGって好き嫌いの境界ですもんね。
安藤:常にグレーというか。難しいところだからこそ、やらなきゃいけないし、そこでやれないと作画さんに追いつけないですしね。今回ももっと追及したかったのはあります。CGに残されている課題点は多いです。作画でも難しい部分ではありますが、そこをクリアできた時に、今回の作品ももっと上に行けるんじゃないかなと。
――反響はどうでしたか?
安藤:最初の心境としてはやっぱり怖かったですね。今までになかった『アイドルマスター』ですからね。それはもう、気が気ではなかったです。僕は残念ながら、名古屋の会場に行けなかったんですが、深夜に自宅に戻ってエゴサしてみたり(笑)。
――まぁ、ネット上はどうしても様々な意見が出ますよね。
安藤:ただ、先行配信していたAmazonさんでは凄い高評価をいただいて、実際に映像を見た人からの反響が良かったのでほっとしました。初期からのファンの人の意見が多くて、ここが良かったとか、次回やるならもっとこうして欲しいっていう前向きな評価が多かったですね。
――BNEさんはどういった反応でした?製作中とかどういったアドバイスがあったとか。
安藤:基本的に自由に作らせてもらいました。あるとすれば、“カレーメシ”の日清さんとか、“DAM”の第一興商さんとかのプロダクトプレイスメントぐらいでしょうか。あとは登場するアイドルのモデルを見た時に赤入れと、最初の段階で、脚本や台詞などについてのご意見はありました。
――ストーリーの部分とかにはとくに何も?
安藤:強いて言うならフェイシャル部分です。ここのアイドルのこの表情は変えて欲しいとか、写真カットの事務所NGみたいなものかなと(笑)。
――なるほど、いい例えですね(笑)。
安藤:アイドルですからね(笑)。完成後の反響も良くて、発表後にすぐ電話があって、丁寧に御礼のご挨拶をいただきました。僕の中では、BNEさんの満足度には到達できたのかなと思います。
――劇中劇という設定ですが、前日譚の話も含めて1つの作品としてシリーズ化の予定などはあったりするんでしょうか?
安藤:そういったものではなくて、アイドル達の別のステージを用意してあげるプロジェクトというイメージです。こんな世界観のアイドル達を観てみたいというか。
――あの6分というのが、長編シリーズの1シーンなのかと思ったんですよね。それこそ、“リサ”が“シン”たちと会うまでのストーリーもあるだろうし、もっと前の話で“シキ”や“ナオ”の物語もある。最後、自分たちが現実世界に脱出するってなった時に、“リサ”が“チトセ”も一緒に連れて行きたいとなった、という。
安藤:面白い解釈ですね。ただ、BNEさんの方でも企画段階ではそこまで大きい話にはなってないと思います。やっていく中で構成は膨らんでいる気はしていますが…。もし、仮に引き受けさせてもらえるという話であれば、個人的な予想では前日譚ではないと思います。あの5人が新たなステージに行った訳ですが、観ている側は、「じゃあ、自分の担当アイドルは?」となるじゃないですか。
――確かに、他のアイドルたちもいますね。
安藤:同じアイドルでずっと作っていくよりは、他のアイドル達に新しいステージを用意してあげたいですよね。それがシンデレラストーリーなんじゃないかな。それを作るのが、“オレンジ”なのか、それとも今回限りの企画なのかっていうのはBNEさんの判断になります。
――仮に安藤さんが作りたいと思うのは、別のアイドル達ですかね?
安藤:今回みたいなテイストで受け入れられたことも踏まえるなら、別の方向性も探れますよね。世界観が同じである必要もないし、スペースオペラみたいな話とか、設定は色々作れると思います。今回の『Spin-off!』を観て劇中劇を理解しているファンの方が増えてくれたのはありがたいですね。次を期待している皆さんにどういうものを観てもらおうかっていう着地点は見えたと思うんです。そこはもう、もし次があるんだったら頑張らせていただきますと。
――最後に締めとして、安藤さんの感想や今後のやりたい事を伺えればと思います。
安藤:今回はお仕事でアイドルをお預かりして演じてもらった側の人間なので、観ていただいた人に“オレンジ”に任せてよかったなと思ってもらえる作品になってたら嬉しいですね。次回の話に関してはまだわかりませんが、やれるとしたら精いっぱいやらせていただいて、もっと可愛く、出てくれるアイドルにも責任を持って作品づくりができればなと思います。
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CG制作の難しさやこだわり、スタッフ陣の熱量を感じられる濃厚なインタビューとなった。個人的にはシリーズ化して欲しいと思いつつも、安藤さんからもあったように他のアイドル達の新たなステージも観てみたい。この企画を切っ掛けに今後も新作アニメが作られ、アイドル達の新たな一面やボイスの実装など、積極的に展開されていけばと1ファンとして大いに期待するところだ。
対応機種 | iOS/Android |
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価格 | 無料(アプリ内課金あり) |
ジャンル | リズムアクション |
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メーカー | バンダイナムコエンターテインメント |
公式サイト | http://cinderella.idolmaster.jp/sl-stage/ |
公式Twitter | https://twitter.com/imascg_stage |
配信日 | 配信中 |
コピーライト | (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc. |
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