イギリスの英雄アーサー王と聖剣・エクスカリバー【しゃれこうべが語る元ネタの世界 第1回】
2019-10-09 12:00 投稿
伝説の話をしようぜ!!
いやぁ、プロレスって、本当にいいもんですねぇ……。
皆さん初めましてorお久しぶり! ライターのしゃれこうべ村田です!
なんと今回はこのコラムで国内外のプロレス話を自由に書かせていただけるということd【編集(物理)】
???「のっけからトボけたこと抜かしてんじゃねぇぞ!!!」
こ、この懐かしい痛みは……!
まさかアナタは、『乖離性ミリオンアーサー』(以下、『乖離性MA』)の某コラムでアタクシのプロレストークをことごく妨害してきた鬼編集者……、編集U!!
編集U「俺だ」
編集U「ライター名が微妙に違うとかのツッコミもあるが……、とにかく数が多いな……!!」
伊達に4年そこらも書いていませんよ!!
本数多すぎてどこから読んだらいいかわからんわ、ってな方はね! 個人的にお気に入りな回をまとめたランキング回なんかもありますので、そちらをご参考にドゾドゾ!!
ってな茶番と宣伝はさておき、そろそろこのコラムについてのお話をば!
本コラムでは、さまざまなゲームでキャラクターや武器の名前が出てくる世界中の伝説や神話、おとぎ話などなど……、いわゆる“元ネタの世界”をご紹介していく、ってなものでございます!
そんなコラムの記念すべき第1回に扱います、そのネタは!
ゲームにマンガに映画、小説、ドラマだなんだと引っ張りだこな英雄・アーサー王! そして彼が持っていたとされる伝説の剣・エクスカリバーにしようじゃありませんの、と!
ちなみに本コラム、『乖離性MA』の運営さんのご厚意でキャラクターの画像を使わせていただく許可を得ましたので、人物のイメージ画像などもバンバン挿入していきますよ~ッ!
▼『乖離性ミリオンアーサー』のダウンロードはこちらから
【目次】
・ブリテンの英雄・アーサー王
・英雄の誕生にいわくアリ
・アーサー、王となる
・アーサー王、折れる
・次回は騎士のお話!
ブリテンの英雄・アーサー王
う~ん、前置きが長かった。
編集U「お前のせいだけどな」
HAHAHA! そんなことより本題に参りましょうや!
イギリスの英雄として世界に名をはせ、近年では日本でも知名度が上がりつつあるアーサー王!
無数の小国が争い、混沌としていた5世紀ごろのイギリス。かの地に現れて諸王を束ね、異民族による侵略を防ぎ、人々に平和をもたらした王……。
と、いうのがざっくりとしたアーサー王のプロフィールですね!
ずいぶん昔の存在ながら、いま現在でも大人気なアーサー王。しかし彼が実在したのかどうか、という議論はいまでも決着がついておらず、謎に包まれた存在でもあります!
編集U「まぁ、伝説の英雄とかって基本的に実話か作り話か怪しいところあるしな~」
伝説っていう時点で多少の脚色は入っているでしょうしね~。
ちなみにですが、アーサー王に関する伝説が活発に語られるようになったのは、意外にも12世紀ごろからだとか!
編集U「5世紀ごろの英雄の話が12世紀って、ずいぶん間が空いたな」
これもある意味伝説やら英雄譚やらにはありがちな話なんですが、アーサー王の伝説は当時のイギリス王権の正統性を主張するため、いわゆるプロパガンダ的に広められていったらしいですよ!
編集U「政治の道具だったか……」
……ま、まぁね! 強力な政治のパゥワーが働いたからこそ、散り散りに残っていた伝説がまとめられた、と言えなくもないですが!
しかし、アーサー王や彼を取り巻く騎士たちの冒険譚が魅力的だったためか、政治的な側面を抜きにしてもアーサー王の物語は人々に愛され、その結果、現在まで語り継がれていく伝説になる訳ですよ!
編集U「でもアーサー王自身のエピソードはそんなに多くないんだよな?」
アーサー王の伝説、と聞いてイメージするよりは少ない印象ですね~。
大筋としてはアーサー王の誕生から彼がアヴァロンの島に消えるまでを描いていますが、エピソードの大半は彼を取り巻く騎士たち、いわゆる“円卓の騎士”たちの冒険譚なのです!
ちなみにですが、円卓の騎士は文献によって12人とも50人とも、はたまた150人や300人とも言われており、アーサー王同様に細かい部分は謎に包まれていますね!
編集U「300人座れる円卓ってどんだけデカいんだ……」
伝説ですからね! 仕方ないですね!!
さておき、意外と少ないとは言え、それでもアーサー王に関するお話は十分豊富!
ひと口にすべてを語るのは無理ゲーもいいところですので、今回は彼の誕生から王になるまで、そして聖剣・エクスカリバーを手にするお話をご紹介ですよ!
英雄の誕生にいわくアリ
昔々、アーサー王が生まれる少し前のこと。
小国を治める王たちのなかに、ウーサー・ペンドラゴンと呼ばれるひとりの王がいました。
編集U「そういや、ペンドラゴンってのもアーサー王とセットでよく聞くよな」
ペンドラゴンはあくまでウーサー(あるいは彼の兄)に付けられた称号であって、原典だとアーサー王を指してペンドラゴンと呼ぶことはないんですけどね!
さておき!
ウーサーは隣国の王・ゴルロイスの妻であるイグレインを見初め、彼女を我が物にしたいという思いを抱くようになります。
すると、ウーサーに仕えていた(そしてのちにアーサー王を助けることになる)魔法使い・マーリンは、トンでもない計画を立てました。
この計画は上手く進み、ウーサーはイグレインを手中に収め、その後の戦いでゴルロイスの命も奪うと、正式に彼女を自分の妻として迎えたのです。
編集U「外道っぷりがすごい」
D4C(Dirty Deeds Done Dirt Cheap)、“いともたやすく行われるえげつない行為”……、ってね……!
編集U「パロディネタはいいんだよ!!!」
マジカル寝取り計画によってまんまとイグレインをゲットしたウーサーですが、このときにイグレインのお腹に宿った子どもが、のちのアーサー王だったのです。
しかし、ウーサーがイグレインを寝取ってから妻として迎えるまでには時差があり、正式な結婚の前に子ができていた、というのは隠しておきたい事実でした。
そこでマーリンは赤子のアーサーを引き取り、彼をウーサーの部下に養子として預け、身分を隠したまま育てることにします。
ちなみに、このときに預けられた家の実子、アーサーの兄的なポジションとなったのが、のちのエピソードにもいろいろと顔を出すケイという男!
編集U「あぁ、あの調子に乗ってはボコられることに定評のある」
誰が呼んだか、円卓のサンドバッグ!(※呼んでません)
アーサー、王となる
さてさて、一般市民としてケイ兄さんにアゴで使われながら、のんびり暮らしていたアーサー。
一方で彼の父親であるウーサーは病に倒れます。公式には子がいないことになっている王が倒れたとあり、国は新しい王を求めてざわつきます。
そこで、ウーサーの腹心でもあったマーリンは、とあるお触れを出しました。
王国内の教会に置かれた大きな石、その上に置かれた金床(鍛冶屋が使う台座的なやつ)、その金床に刺さったひと振りの剣。
この剣を抜いた男こそ、つぎの王である、と。
編集U「マーリンが用意した剣とか出来レースの予感しかしないんだが」
そこはご安心! こちらの剣はなんか唐突に出現したものらしいですから!
編集U「何それ怖い」
別パターンだと、剣の台座部分に「この剣を抜いた者、王となるべし」的な文言が刻まれていたとか、マーリンではなく当時大きな権力を持っていた教会がお触れを出した、とかになっていますね!
どのみち剣がどこから湧いたのかは謎ですが!
編集U「何それ怖い」
まぁほら、伝説ですから……!
マーリンの言葉を受け、国中の力自慢たちが剣を抜こうとしますが、剣はピクリとも動きません。
剣の近くを通りかかったケイも挑戦してみますが、やはり抜けません。
しかし、ケイといっしょにいたアーサーが剣を握ると、まるで何事もなかったかのように、剣はあっさりと抜けてしまったのです。
まわりに誰もいなかったのをいいことに、ケイはアーサーに剣を戻すように言います。
そして改めて自分が剣を抜き、ちゃっかり新しい王の座に着こうとしたしたのです、が。
金床に戻された剣はケイが握っても微動だにせず、やはりアーサーにしか引き抜くことはできなかったのです。
剣を抜いたことが認められ、15歳という若さにして王となったアーサー。
若すぎる王に反対する者は多く、彼がじつは先王・ウーサーの息子であるという事実をマーリンが公表しても、近隣国の諸王を含めた大半はアーサーを王として認めようとしません。
しかしすべての騎士が反対した訳ではなく、アーサー王の仲間となる者もいました。
そしてここから、若きアーサー王と彼を取り巻く騎士たちの、戦いと冒険の日々が幕を開けるのです。
~ To Be Continued… ~
……と、これがアーサー王の誕生から王になるまででございますよ!
編集U「んで、このとき抜いた剣があのエクスカリバー」
で は な い の で あ る 。
編集U「あれ、そうだっけ?」
そう! ここで抜いた剣の名は、一説によればカリバーン!
エクスカリバーはカリバーンに“前の”とか“外の”的なニュアンスを含む“Ex”を足した名前なんじゃないか、なんて説もありますね!(カリバーンの後に所有した剣なので“Ex”より“Post”のほうが合ってるような気もしますが)
ってことで、アーサー王の剣がいかにしてカリバーンからエクスカリバーに変わったか、そのへんのお話もしちゃいましょう!
アーサー王、折れる
アーサーが王となってまだ日が浅いころ、アーサー王の宮殿にとある騎士の従者と名乗るひとりの若者が現れます。
彼の言葉によると、彼の主は森の泉のそばにいる騎士に敗れ、命を落としたというのです。
どうか主の仇を討ってくれないか、という言葉に対し、宮殿にいた騎士たちが我こそは、と立ち上がり、アーサー王と同い年の青年・グリフレトットも声を上げます。
「王よ、どうか私を騎士に叙し、この冒険に挑ませてはいただけませんか!」
その意気やよし、とグリフレットの望みを叶えたアーサー王。
「命を落とすことだけは許さぬ」と生還することを約束させると、グリフレットを森の騎士のもとへと派遣しました。
……が、グリフレットはなんとワンパンで重傷を負わされ、命からがら宮殿に帰ってきたのです。
編集U「貧弱ゥー!」
グリフレットの名誉のために言っておくと、彼はアーサー王伝説で最後まで生き残る数少ない騎士のひとり!
そんな彼がワンパンされてしまったのは、単純に若さゆえの過ちという訳ではなく、相手が悪かった!
森にいた騎士というのが、アーサー王伝説の序盤における最強の一角・ペリノア王だったのです!
グリフレットが宮殿に帰ってこれたのは、ペリノア王が彼に温情をかけたからでもあるのですが、アーサー王は血にまみれた仲間の姿に怒り心頭。
速攻でペリノア王の前にやってきたアーサー王は、馬上で槍を構えてぶつかる槍試合に挑みます。が、あっさり馬から落とされてしまいます。
ならばと立ち上がってカリバーンを引き抜くと、馬上から相手を倒しても名誉にならず、とペリノア王も馬から降りて剣を構えました。
互いの剣が激しくぶつかり、火花を散らしましたが、幾度目かの衝突にて、ペリノア王の一撃はカリバーンを砕き折り、アーサー王を組み伏せます。
「お前が生きるも死ぬも、私次第だ。お前が臆病な敗北者として降参しなければ、私の剣がその首を落とすぞ」
剣を折られたアーサー王は悲嘆に暮れながらも、堂々と答えました。
「死というものが……、それがやってくるものなら、喜んで迎えよう。
臆病者としてお前に降参し、恥をさらすぐらいなら、私は死を選ぶ」
編集U「負けてるとは言え男前な態度だな……!」
よかろうと頷いたペリノア王がアーサー王の兜をはぎ取り、その首に剣を振り下ろ……してしまうと伝説が終わってしまうのです、が!
ここでマーリンが待ったをかけた(あるいは魔法でペリノア王を眠らせた)、おかげでアーサー王は一命をとりとめるのでした!
剣も心も折られたアーサー王を連れ、マーリンは森の奥にある湖へと彼を導きました。
すると湖からは白く美しい腕が伸びており、その手には見事な剣が握られているではありませんか。
呆気にとられているアーサー王のもとに、湖の中から“湖の乙女”が現れ、彼にその剣を与えたのでした。
ちなみに、『乖離性MA』ではこの湖の乙女をニムエとしていますが、伝説上の湖の乙女はほかにもヴィヴィアン、エレイン、ニニューなどのさまざまな名が与えられていたりします!
その名前の多さや、殺害されたはずの湖の乙女がその後別のエピソードで登場したりすることから、“湖の乙女”とは異界の住人を指す言葉である、という風な解釈もされていますね!
湖で新たな剣、つまりは聖剣・エクスカリバーを手にした後、アーサー王とマーリンはつぎのような問答を交わします。
「王は剣と鞘では、どちらがお好きですかな」
「それはやはり、剣だろう」
「そのお答えはあまり賢くはございませんな。というのも、鞘のほうが剣の10倍も価値があるからです。
この鞘を身に着けていらっしゃるあいだ、あなたは血の一滴をも失うこともありませんし、重傷を負うようなこともないのですから」
そう、エクスカリバーの鞘は所有者が傷つかなくなるというチート仕様なのでした。
聖剣による庇護もあり、アーサー王はその後数々の冒険を生き抜いていくのです。
~ To Be Continued… ~
編集U「でもアーサー王も最期には倒れちゃうんだよな?」
いかにも! マーリンの助言に従って肌身離さず鞘を持っていたアーサー王でしたが、とある冒険のなかで鞘は奪われ、どこかの湖に深く沈められてしまうのですよ!
この鞘を奪った相手である魔女・モーガン、そしてその冒険もおもしろいのですが、さすがにもう尺がパンパンもパンパンなのでね! こちらはまたの機会に!
次回からは騎士のお話!
ってェことで、アーサー王のお話でございましたよ!
おまけの豆知識を加えておくと、カリバーンが刺さっていた金床ですが、こちらは鍛冶技術を象徴している、なんて話もありますね!
鍛冶技術を制するものが戦いを制する、すなわち王となる、みたいな解釈もあるとかなんとか!
編集U「金床に剣が刺さってるってけっこう意味不明だからな……!」
調べるまでは誤訳か何かかと思いましたね! 当時の挿絵とかでも思いっきり金床が描かれていましたけど!
さて、本コラムは(多分)毎週更新となりまして! 次回は誰をやるのかって話ですが!
アーサー王と言えば円卓の騎士、そして円卓の騎士と言えば! 最高の騎士と言われた男・ランスロットでございましょう!
アーサー王に仕えた最高の騎士にして、王国の崩壊にも大きく絡む皮肉な立ち位置の騎士、その生い立ちやらアーサー王の妻・グィネヴィアとの関係などについてお話ししていきますよ!
そいでは次回更新まで、しばらく、しばらく!
文/しゃれこうべ村田(@SRSWiterM)
参考文献
ベルトゥロ,アンヌ(1997)『アーサー王伝説』(村上伸子訳) 創元社.
マロリー,トマス(2004)『アーサー王物語』(井村君江訳)(第1巻) 筑摩書房.
最新記事
この記事と同じカテゴリの最新記事一覧
【#コンパス】上方修正を受けたステリアが総合首位を獲得!全ヒーロー使用率&勝率ランキング
2024-09-06 19:09【#コンパス】ハロウィンイベント開催!限定グッズやイメージメニューが登場|“#コンパスカフェ”最新情報まとめ
2024-09-02 18:14【フェスバ】『フェスティバトル』公式ストアでお得にジュエルを購入しよう!
2024-08-30 20:30