【DQMSL】『ドラクエモンスターズ スーパーライト』2024年1月31日でサービス終了 “オフライン版”へのアップデートを予定
2023-10-24 13:28
2019-07-17 16:00 投稿
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ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト
スクウェア・エニックスより配信中の『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』(以下、『DQMSL』)は5周年半を迎え、アップデートによりさらなる盛り上がりを見せている。
今回は、そんな本作を手掛けるプロデューサー柴貴正氏(文中:柴)、『DQMSL』運営プロデューサーである千葉直人氏(文中:千葉)に加え、『ドラゴンクエスト』シリーズを手掛けてきた堀井雄二氏(文中:堀井)、『ドラゴンクエストモンスターズ』シリーズプロデューサーである犬塚太一氏(文中:犬塚)という豪華メンバーにインタビューを実施。
インタビュアーは、『DQMSL』公式生放送“らいなま”にも出演しているゲーム実況者のアール氏が務めた。本記事にて、インタビュー時の様子をお届けしていこう。
――アール まずは、『DQMSL』のリリースから5年半の振り返りなどをお聞きしたいと思います。『DQMSL』をリリースするに至った経緯からお聞かせください。
柴 当時のソーシャルゲームは、育てて戦う、また育てて戦うというサイクルが基本でした。これって、モンスターズでもできるんじゃないのっていうところからはじまりました。ただ、初期の構想ではバトルと成長しかなかったので、移動の概念も入れたいよねって話になっていきました。
堀井 最初はスマホだからワンタップでダンジョンに行けたほうが移動していくよりも操作性がいいんじゃないかって話があったりして、そこからけっこう変わったよね。
犬塚 たしか、開発初期はボタンを押してただステップを押すだけの、古い形のゲームになってた記憶があります。
柴 移動が十字キーだと面倒なので、スマホに合った操作感にしようという流れでスマホゲームへの落とし込みを決めていきましたね。
――アール 開発するまでの構想期間はどれくらいかかったのでしょう?
柴 構想期間とはちょっと違う形になっていまして、開発を担当しているCygamesさんはまずゲームを作ってきてくれるんですよね。さまざまな試作品を持ってきてくれて、その中からいいものを選ぶような形を取っていました。試作品の中には、ちびキャラのモンスターが出てきて戦う、『半熟ヒーロー』みたいなのもあった気がします。
犬塚 あー、ありましたね。とにかく多くのパターンがあった思い出があります。
柴 多くの案があった中、最終的には「ふつうに『ドラゴンクエスト』をやったほうが楽しくない?」ってなりました。だいたい1年くらいはバタバタ準備していました。
堀井 そんな感じで開発して、やっとリリースをしたら、マジにいろいろと凄かったよね。
柴 宣伝とか告知もなしで夜中にいきなり公開したら、一気に50万~100万DLいったんです。当時としてはそんな数値は想定外だったので、当然キャパオーバーになってしまいました。Cygamesさんとしてもまだスマホアプリは模索中だったので、お互いにたいへんでした。スマホアプリ黎明期のミスは、一通りやっていましたね。
――アール リリース当時はさまざまな問題もありましたが、そういった内容は堀井さんの目にはどう映っていましたか?
堀井 僕はネットとかで情報を見ていたので、あわてて柴くんに連絡して、大丈夫かっ?と。
柴 僕らよりも早く記事が上がっていることに気が付いたりしますよね。堀井さんからしたら怒りたくなるようなこともあったと思うんですけど、優しく伝えてくれるので本当にありがたいです。
――アール リリースからしばらくして公式生放送“らいなま”が柴さんも含めて4名の出演者でスタートしたわけですが、堀井さんは生放送についても監修をしているのでしょうか?
堀井 僕はゲームの立ち上げ時はあれこれ突っ込みを入れるけど、それ以降は基本的にお任せしています。もちろん、炎上したら文句は言うけどね(笑)
――アール 出演者のひとりである広橋涼さんをオファーした理由はどういったものになるのでしょう?
柴 おしゃべりがメチャクチャおもしろい方なんですよね。でも、MCっていろいろ話題を引き出していくのが大切なんですけど、彼女はまったく引き出してくれないんですよ。そしてゲームのこともぜんぜん知らなくて、最近になってようやくiPadを買ったレベルなんです。
――アール 独特の空気感を持っている方ですよね。
柴 “らいなま”では謝罪をいろいろやってきたんですけど、彼女がいると和みます。そもそも記念すべき1回目から謝罪をする番組だったんですが、広橋涼さんがいるといい雰囲気になるんですよね。3回目くらいまでは広橋涼さんがゲームをやってこないから視聴者に怒られてたんですが、4回目からは視聴者が諦めてスタイルが確立しました。
――アール 続いて、ゲームの中身についての話ですが、魔剣士ピサロを実装した経緯を教えてください。ピサロってモンスターなの? という意見もありましたが。
犬塚 じつはピサロは、当初コンシューマーの『ドラゴンクエストモンスターズ』シリーズで出そうという話がありました。堀井さんとも相談したんですけど、この外見で配合には使えないという話になり一度は没になっています。ただ、『DQSML』であれば配合ではなく転生なので、出してもいいだろうと。
――アール ピサロを育てられるとなると、反響も大きかったのではないでしょうか?
千葉 多くの人によろこんでいただけたと思います。
犬塚 性能的にも、かなり強かったからね。
――アール 『DQMSL』でしか登場していない、オリジナルの魔王“魔王オムド・レクス”も出てきましたよね。
堀井 魔王も品切れになっちゃうと困るし、バーゲンセールもしたくないということで、オリジナルの魔王が出てきてもいいのかなと。
柴 ピサロの流れで、男前の魔王にしました。“とくぎ”が時を反転させるというものだったので、ゲーム性にも影響していったと思います。
――アール ゲームバランスを崩しかねない難しい“とくぎ”だと思うのですが、調整には苦慮したのではないでしょうか?
千葉 ずっと同じ戦いかたをしていると飽きてしまうので、定期的に新しいギミックを入れたいという話はしていました。結果としてバランスも崩れず、いい環境になったのかなと。
柴 ちょうど同時期のタイミングから対戦ゲームとしてキッチリしはじめて、バトル的に奥深くなっていったと思います。
――アール 『DQMSL』と言えばコスプレや、変わったCMもやってきましたよね。かなり予算のかかっていそうなものもありますが、CMはどういった経緯で決まっていくのでしょうか?
堀井 何枚かコンテを見せていただいて、その中からいいと思ったものをチョイスしています。
――アール かなりぶっ飛んだ内容のものも多いですが、ちゃんと堀井さんのチェックが入っているんですね。
柴 堀井さんから「くだらないねぇ」って言われたときはだいたいオーケーです(笑)。
――アール 今度のバージョン6では新しい試みが入っているとお聞きしましたが、詳細を教えていただけますか?
堀井 じつは魔王よりももっと強い、超魔王が目玉になります。
千葉 わかりやすく強くなったと感じられるようなモンスターに仕上がっていますよ。
――アール 『ドラゴンクエスト』と言えば魔王ですから、ユーザーも魔王をリスペクトしていますよね。魔王は強くても仕方がないという空気感は感じます。
千葉 本作では魔王は特別なモンスターとしてこれまでも調整をしてきました。今回も特別な存在として、超魔王を出したいと堀井さんに打診しています。
――アール 犬塚さんも超魔王については聞いていましたか?
犬塚 早い段階で伝えられましたね。事前案だと竜王♀みたいなのもあったけど、堀井さんに絶対嫌だって言われていちばんシンプルに強くなる形を選んでいます。
――アール 超魔王は変身するという噂を聞きましたが、本当ですか?
犬塚 過去作でも、魔王は途中で変身するというお約束のようなものがありました。ユーザーも魔王にはそれを望んでいるんじゃないかなと。
千葉 超魔王と呼ぶ以上は、従来と違うテイストを入れたいと思っていました。そこで、バトル中に変身するという形を取っています。
――アール りゅうおうは能動的にバトルの途中で変身できるという形でしょうか。
千葉 魔王によって、変身する条件を変えていこうと思っています。例として、HPが一定以下になったら変身するなども考えています。
――アール ユーザーに「これこそ『ドラゴンクエスト』だ!」と思ってもらえそうな内容ですね。
千葉 まさにそこを目指しています。たとえば、ハーゴンが倒されたときにシドーが出てくるようなものにしたいです。
――アール なるほど。そして事前に聞いた話だと、この場で堀井さんにチェックしていただきたいものがあると伺っていますが。
千葉 そうなんです。超魔王の“???”を今度出したいのですが、現在イラストを2パターン用意しています。堀井さん、この場で確認していただければと思うのですが……。
堀井 前回チェックしたときより、こじんまりさがなくなったね。うん。いいよ。ただ、目はこっちを睨みつけて欲しいかな。とにかく超強い感じでお願いします。
千葉 ありがとうございます!
柴 これやらせなしですからね。いつもこんな感じです。
――アール 今回見せていただいた超魔王の登場などコンテンツの広がりを見せていますが、今後どういった風になっていくのか、未来の展望をお聞かせください。
柴 すでに“スーパーライト”じゃなくて“スーパーヘビー”だと言われたりもするほどコンテンツが増えているんですけど、より快適にしていくこともトレンドとして考えています。よく堀井さんからも「面倒くさいからやらねーよ」、って言われることがありまして。現行のシステム内でやりやすくなるものは、ドンドン取り入れていく必要があると感じています。
途中から本作をはじめた人でもやりやすく、加えてこれまで支えてきてくれた方が求めているものを確実に追加していきたいですね。新しい斬新なものを入れ込むよりも、求められることを確実に追加していくことが正しいと考えるようになりました。そういった意味では、超魔王は新しすぎない範囲内で喜んでもらえるシステムになっているのではないかと。
――アール 『ドラゴンクエストモンスターズ』を手掛けてきた犬塚さんから見て、今後の『DQMSL』へのアドバイスやノウハウなどはありますか?
犬塚 コンシューマーと違いスマホアプリは独特の間合いがあるので、今後はよりシンプルさが求められるのかもしれません。
堀井 あんまりタッチさせるのもプレイヤーが辛くなるので、どこかはオートにしないといけない。でも触れたらそれはそれで楽しいという風にしないとダメだよね。
犬塚 オンラインの『ドラゴンクエストモンスターズ』は、『DQMSL』に預けていきたいです。
――アール 犬塚さん、柴さんで今後の展開についての相談などはされるのでしょうか?
犬塚 週一で会ってはいますけど、そんなにしないですね。柴とは古い付き合いで、チャラチャラしてる割に意外とゲームのことを真面目に考えているので任せています。
柴 真面目にやらないとお客さんにも、これまで『ドラゴンクエスト』に携わってきた人にも失礼ですからね。そのぶん、難しく考えすぎて堀井さんに引き戻されることはよくあります。
犬塚 堀井さんは不思議なことにユーザー目線がぶれないんですよね。ユーザー側の視点に立って、的確なアドバイスをくれます。
――アール 堀井さんがユーザー目線を維持し続けているとのことですが、何か工夫されていることはありますか?
堀井 ユーザー目線に立てるのは生まれつきですね。理解しにくいことを、どうすればわかりやすくなるかを思いつくのが超得意です(笑)
柴 しかもコストをかけずに、わかりやすくする手法を思いついてくれるんですよね。
――アール 開発者の立場になるとクリエイターとしての視点と、ユーザー目線が混じることはないのでしょうか?
堀井 あまりないですね。自分が作ったゲームであっても、プレイしているときはユーザーの目線になっています。自分で作っておきながら、プレイしていると面倒くさいなと思うこともあったりして。クリエイターとして作って、ユーザーとして遊んで、作り手のエゴをなくすようにしています。
――アール これまで開発した中で作ってみたけどイメージと違った、という印象的な作品はありますか?
堀井 進める前に頭の中でシミュレーションしてしまうので、作品という大きな括りでは、ないかもしれません。
――アール 開発段階で精査してしまうと。
堀井 はい。以前ゲームをリアルにしようとして、山を歩く時のスピードを遅くするというアイデアが出たことがありましたが、面倒くさいだけだと思って止めました。
柴 僕らはそういうことをやってしまいがちですよね。
堀井 タンスの中を開けるのだってリアルじゃないけど、そのほうがいいじゃんみたいな。逆に今度はそれを逆手にとって「泥棒!」って言わせてみたり。
――アール 現在、ゲームはリアルになっていますが、そういった中でフィクションとのバランスを取るのはクリエイターとしては難しいのではないでしょうか?
堀井 省略の美学という、余計な繋ぎや説明セリフをバッサリ切っちゃって、とにかく短くしようという考えかたなんですね。ドラマ的にも「今日はいい天気ですね」ってセリフに対して、「そうですね」とは受けのセリフは必要なんです。「俺は悲しいよ」とか、すぐに次の話題にしてしまう。会話の受け答えが多少リアルじゃなくても、不要な部分を切り捨てて、テンポをよくしていく。ゲームのシステムも、その考えかたです。
犬塚 以前堀井さんにセリフはどんなものがいいか聞いたら、とにかく短いのがいいと言われましたね。
――アール そういった考えかたは、これから『ドラゴンクエスト』を作る人にも受け継いでほしいですか?
堀井 受け継いでくれていると思います、ある程度は。感覚的にわかりやすいものになっています。
柴 『DQMSL』も、導入の部分は手短になるようにすごい手直しをしていただきましたね。長い説明とかは全部カットされました。
堀井 全部わからせなくてもいいから、わかった気にさせればいい。そうすれば安心してプレイできて、そのうち本当に理解してくれるので。チュートリアルが長いとそれだけで面倒になってしまいます。はやくゲームをプレイさせてくれ!と(笑)
柴 だからこそ、どのタイトルも『ドラゴンクエスト』になっていますよね。必ずどのタイトルも最初の1~2時間の部分を見てくれるので。
――アール ここからはユーザーからの要望や改善点など、今後の展開についてお聞きしていきます。まず最初に、討伐モンスターのドロップ率について改善予定はありますか?
千葉 ドロップ率はモンスターの強さや、クエストのボリューム感などを考えて調整しています。直近のイベントで不満の声があった事は認識しているので、今後何かしらの調整は入れていこうと考えています。特に討伐リストが終わった後にドロップ狙いだけでまわり続けるのは辛いと思うので、まわった分だけ何かしらもらえる形にしていこうかなと思っています。
――アール 最近はふくびきを引かなくても実用的なモンスターが入手できる環境になりましたよね。過去に登場したモンスターの復刻もやっていますし。
千葉 過去に出たモンスターを持っていないと不利になってしまうということがないように、復刻はしていきたいと思っています。
――アール コラボ装備の復刻を求める声も大きいと思うのですが……?
千葉 コラボにかんしては別枠で、我々の判断だけでできない部分でして。とはいえ、持っていないと不利にという状況にならないよう、べつの形を検討したいと思っています。
――アール ほかにも、最近モンスターの転生が増えてきて、素材不足についての意見もよく聞きますね。
千葉 対人コンテンツなどが増えて、育成以外で遊ぶ時間が増えてきたからこその意見ですね。育成の時間を減らせるように、転生素材の入手難度を下げたり、入手しやすい期間を作ることなどを検討中です。タマゴメダルや地図のLvMAXキャンペーンなどはその一環ですね。
――アール 本作はユーザーコミュニティも盛んですが、公式のほうからサポートをすることは検討していますか? プレイヤー間で大会なども開催されていますが、公式グッズを提供するなど。
柴 まず、コミュニティがないとゲーム内で不利になるという施策は取らないようにしたいです。その上でできることを検討したいですね。
千葉 皆さんに平等にならないといけないので、やり方を考える必要はありますが、コミュニティを盛んにするイベントなどは積極的にやっていこうと思います。
――アール オリジナルの魔王なども登場する『DQMSL』ですが、新しい要素に期待するユーザーも多いと思います。ユーザーとしては、『ドラゴンクエスト』の人間キャラへの愛着も大きいですよね。
堀井 『ドラゴンクエストライバルズ』とか、人間キャラが出る派生作品もありますからね。出しかた次第かな。
犬塚 『DQMSL』らしいやりかたなら、人間キャラが実装される可能性はあるのかもしれませんね。
柴 魔剣士ピサロのときもそうですけど、ちゃんと『ドラゴンクエスト』の背骨があって、お客様が喜ぶものであれば堀井さんは基本的にオーケーをくれますから。
堀井 僕自身も『DQMSL』の展開を楽しみにしているので、「こう来たか」と思えるようなものを期待したいですね。
千葉 ハードル上がりましたね……がんばります。
――アール これからまだまだ進化が期待できそうですね。では、最後にユーザーに向けてメッセージをお願いします。
千葉 6年目を迎えましたが、本作の楽しい部分というのは変わっていません。新しいモンスターを育てていく楽しみ、それを戦わせたいという思いは今後も大切にしていきたいと思っています。オフラインイベントも積極的にやっていこうと考えていますので、引き続き応援をお願いします。
犬塚 『ドラゴンクエストモンスターズ』シリーズとして、『DQMSL』はエースのポジションに位置しました。このまま多くのお客様を喜ばせる作品であってほしいと思っていますので、僕のほうも手伝えることはやっていきます。
柴 『ドラゴンクエストモンスターズ』シリーズは、対戦があることで深度の深い作品だと思っています。『DQMSL』は対戦ゲームで環境を変えていけるという作品になっていくので、その部分は尖らせていきたいですね。面倒くさいゲームはダメだとは考えていますので、その部分を大切にしながら6年目、7年目にチャレンジしていきたいです。
堀井 サービス当初はいろいろありましたが、現在はいい感じになってユーザーとして楽しんでいます。これから先どういう風に楽しませてくれるのか、ヒーローをどう扱うのか、ユーザーの皆さんも僕といっしょに楽しみましょう。
対応機種 | iOS/Android |
---|---|
価格 | 無料(アプリ内課金あり) |
ジャンル | RPG |
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メーカー | スクウェア・エニックス |
公式サイト | http://www.dragonquest.jp/dqmsl/ |
公式Twitter | https://twitter.com/DQMSL_OFFICIAL |
配信日 | 配信中 |
コピーライト | (C)2014-2018 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved. (C)SUGIYAMA KOBO Developed by Cygames, Inc. |
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