開発期間わずか1年!? レシプロ機と美少女にこだわった『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』開発キーマンを直撃

2019-04-11 00:00 投稿

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荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!

『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』インタビュー

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バンダイナムコエンターテインメントより、2019年2月13日に配信されたアプリ『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』。本作はテレビアニメ『荒野のコトブキ飛行隊』を題材にした作品で、アニメ放映中にアプリをリリースするというかなり珍しい取り組みを成功させたことで話題を集めた作品だ。

リリース後も、本作の肝となるレシプロ戦闘機による空戦をシミュレーションで完全再現している点、各戦闘機のモデリング。そんな戦闘機を操縦する可愛らしいパイロットたちにも注目が集まっていき、3月上旬には200万DLを突破済みという勢いにのるタイトルとなっている。

ファミ通Appではそんな本作の開発サイド5名に直撃。本作リリースまでの激闘や、こだわりのポイントなどを伺った。

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伊藤翔平氏(文中:伊藤
(バンダイナムコエンターテインメント 『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』プロデューサー)
西村徳朗氏(西村
(QualiArts クリエイティブ基盤グループ TAチーム)
海老沼宏之氏(海老沼
(QualiArts 3DCGディレクター)
渡邉俊光氏(渡邉
(QualiArts エンジニア)
吉田将人氏(吉田
(QualiArts 『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』ディレクター)

アニメ放映中のリリースが必須目標

――最初に、サービス開始後のユーザーの反応についてお伺いしてもよろしいですか?

伊藤 2019年2月13日に本作をリリースさせていただきまして、もっとも大きかった反響は”TVアニメの放送中にゲームが配信されたこと”です。

――アニメ放送中にアプリがリリースされるというのは、御社のタイトルの中でもかなり早いですよね?

伊藤 とても早かったです。

『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』は、開発メンバーをはじめ、多くの方に協力していただいた結果、TVアニメの放送中にリリースすることができました。これまでを振り返ってみても本当に大変だったのひと言に尽きますね。

――リリースのタイミングもキッチリ決めていたんですか?

伊藤 決めていました。ただ、アプリ配信には何が起こるかわからないので、お客さんに伝えられると判断できるまで予告をするのは避けました。アプリ配信の前週にAbemaTVで特別番組を放送しましたが、あのタイミングがお客さんに伝えられると判断できたタイミングでした。そして、実際にアプリを出せたことで「TVアニメ放送中にゲームって出せるものなんだ!?」という驚きを皆さんに感じてもらえたと思っています。リリース後の反響としては、アニメ本編のダイジェストストーリーが収録されている点、グラフィック演出の美麗さを評価いただけたと感じています。サプライズとして入れたVR演出や登場キャラクターのかわいさなど、ポジティブな意見を多くいただけております。おかげさまで早くも200万超のダウンロード数となり、手ごたえを感じています。

 

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▲VRをもう一度見たいという方は、“メインストーリー”の一番下、“スペシャル”から改めてVRシーンをチェックできる。

――タイトなスケジュール含め、開発で苦労された部分などをお聞きしてもよろしいですか?

吉田 苦労話はたくさんあります(笑)。何から語りましょうか?

伊藤 設定に関する部分も苦労しましたね。

吉田 アニメ側も制作途中という段階でゲームの開発をスタートしていたので、わからないことも多かったです。「この設定ありますか?」と聞くと「それはまだ作っていないです」というケースもありました。アニメはアニメで必要な部分を優先的に制作していくので、僕らで独自に生み出していく設定なども含めて、ひとつずつ進めていったんです。一年で開発・リリースすることができましたが、駆け抜けた一年だったなと思います。

――ゲーム内のシナリオ開放もアニメに合わせていたじゃないですか。そういった点も含めて、リリース後も気を抜けなかったのでは?

吉田 リリース後も、アニメに併せて展開したことも新しいチャレンジのひとつです。結果、皆さまにそれが受け入れられているというのはホッとしつつも、常にプレッシャーと隣り合わせでした。

――ユーザーとしては、やはりアニメの放送中がひとつの大きな盛り上がりのピークになると思います。その1番盛り上がっているタイミングで、並行してアプリも楽しめるというのはすごくいいですよね。

伊藤 アニメの放送タイミングに連動して、アプリゲームというインタラクティブに遊べるものがあるというのは、ほかではなかなか味わえない体験かなと。アニメの内容をリアルタイムな遊びとしてゲームに落とし込めたのは、斬新な体験になったかと思います

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レシプロ戦闘機を現代に再現

――ゲームのウリやポイントを改めてお伺いしてもよろしいですか?

伊藤 プロデュース側からのこだわりは3つあります。1点目は元の題材、”水島努監督作品の表現という部分。この点に関してはかなり突き詰めていて、こだわった部分ではあると思っています。2点目が”レシプロ戦闘機による空戦”というあまり身近に感じないジャンルでゲーム化できたことです。戦闘機による空戦といえば弊社は『エースコンバット』シリーズがありますが、レシプロ戦闘機での空戦という点は、本作ならではのこだわりであり売りのひとつです。最後のひとつは、その戦闘機とも関連性が深い”キャラクターの表現”です。純粋にキャラクターが可愛いという一点においても、本作はトップクラスのクオリティになっていると思っています。元々のアニメ題材の再現、レシプロ戦闘機の空戦、可愛らしいキャラクターという三者相まって『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』は魅力的な作品になったと考えています。

吉田 開発側としてのこだわりは大きく括ると2種類あります。まずは”ゲームでしかできないこと”をやることです。後は”伊藤Pが企画したTVアニメとの同時期連動を実現する開発・運用をする”という部分です。前者に関してはいろいろあるのですが、大きな要素が、パイロット目線のVRが見られることと、格納庫でカメラを自由に動かして飛行機を眺められることで、これらはゲームならではですね。

伊藤 格納庫の戦闘機は本当にカッコイイですよね! 後者に関して補足すると、TVアニメで登場した直後に、エリート興業がゲームにも登場するイベントを実施しましたし、3月31日から開催していたイベントでは、アニメの最終決戦をモチーフにしたイベントを実施しました。

 
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――本作での戦闘機のこだわりについても詳細をお伺いできますか?

伊藤 企画側からすると、本作は題材がレシプロ戦闘機であるという点がありました。このレシプロ戦闘機というジャンル、じつは私は『荒野のコトブキ飛行隊』に携わるまで零戦(ゼロセン)ぐらいしかしりませんでした(笑)。そもそも参考文献や映像資料が非常に少なかったんです

――映像や写真は残っていそうなイメージなのですが……。

伊藤 映像が残っている機体もあるんですが、じつは音が後付けになっていたり、映像もモノクロで機体の色の詳細もわからないんです。この点に関しては、アニメ側のミリタリー設定を担当されている二宮茂幸さんに、ゲーム側の監修もしていただきました。たとえばゲームだと戦闘機入手時、何もデザインされていない状態で登場します。あれは当時の工場出荷時の色を再現しています。この点に関して少し解説しますと、物資がそもそも不足している戦争末期に生み出された機体だったりしますので、ペンキが足りないからとりあえずありもので塗りたくった……みたいなね。そんな話を二宮さんからアドバイスいただきまして、ゲームに落とし込んだ所はこだわりとウリのポイントだと思っています。

吉田 深い話をするとどこまでも行けてしまうだけに難しいですね(笑)。とりあえずこの点……戦闘機に関しては西村が頑張ったので彼の方から話してもらいましょう。

西村 そうですね……やはり過去とは言え、実在していたものですので、飛行機好きな方、レシプロ戦闘機が好きな方が、ゲームの戦闘機を見たときに納得していただけるものを目指しました。そのうえで、ゲームとしても見栄えするように、質感の調整やディティールも徹底的に作りこみました。

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――モデリングはアニメと同じものを使っているのですか?

吉田 アニメは非常に高解像度で作っていまして、そこまでのハイポリゴンはゲームでは使えないんです。スマホアプリということで、スマホ向けにポリゴン数やテクスチャの枚数を減らしたものになっています。元となるモデリングは、アニメ本編の制作会社であるGEMBAさんに作っていただいております。

西村 その後、アニメ用の構造のものをゲームで扱いやすい構造に我々のほうで整形しまして、そちらを渡邉のほうに渡して、環境の中でしっかりと質感が出るように調整をして進めさせていただきました。

――エンジン音などもこだわりがあるんですよね。

伊藤 ”レシプロ戦闘機が出す音”についての資料が乏しく、映像資料はあっても音は後付けのものだったりしました。また、エンジンが新しいものに載せ替えられてしまっていて、中身が別物=当時のものとは音が違うものになっている……という事態もありました。開発途中、ここが一番の難所だったと記憶しています。でも、恵まれていたのは戦闘機の専門家が社内に居たことです。『エースコンバット』シリーズのブランドディレクターの河野一聡さんに相談したところ、『エースコンバット7』のサウンドにも携わったバンダイナムコスタジオのサウンドチームを紹介していただいたんです。

――近いところに、専門家がいたと。

伊藤 はい。そこからはサウンドチームの方とのやり取りが始まりましたレシプロ戦闘機に搭載されるエンジンのスペックを送り、「何気筒ならこういう音が出るはずだ」みたいな専門的な知見から音を作ってもらいました。こうした専門家の助力も得まして、音に関してもリアリティがあるものになったと思います。

――車とかバイクでも、エンジンとマフラーで音がガラッと変わりますもんね。

伊藤 まさにそれと同じで。それがプロペラ機の音となったら、正直正解がわからない点もあるんです。エンジンのスペックからどんな音が出るかを予想するという本当に専門家でないとわからない部分でしたので、そこが実現できたのは助力頂いたチームのおかげです。

吉田 メニューの設定からBGMとキャラボイスを1に設定していただくと、戦闘機の音に集中して聞くことができます。ぜひSEを最大にして聞いてもらいたいです。戦闘機ごとにすべて音が違いますので。

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――そうなんですね。ちなみに、アニメでは戦闘機って話が進むたびに増えていましたが、そういった機体もゲーム内に反映されていくのですか?

吉田 アニメ終盤でイサオが乗っていた震電は、3月31日からのイベントの登場に合わせてゲーム内に実装しました。ちなみに、震電は牽引式ではなく、推進式っていうプロペラが後ろにある珍しい機体なんです!

――ほかにもイベントで富嶽戦が予定されていますが、あれは実在しなかったけど、構想があった大型爆撃機ですよね?

伊藤 そうです、プロデューサーレターで掲載させていただきました。アニメだと10話に出てきた幻の大型爆撃機で、アニメ登場時「うわぁ、富嶽だ」「飛んでる富嶽、初めて見た」みたいなことで騒がれていました。ゲームでもイベントで富嶽と戦うイベントを7月に導入予定です。アニメ10話で富嶽が出て、直後にゲーム内でもお知らせを出していくことで、皆さんの期待に応えていければと。

吉田 ここから実装するに当たって苦労するのが西村・海老沼・渡邉を含め開発メンバーなんですが(笑)。

伊藤 7月って書いちゃってますからね(笑)。これは“同盟のみんなと”という形で濁していましたが、同盟戦になります。

――同盟戦ですが、レイド戦のようなイメージになるのでしょうか?

吉田 レイドとは違います。同盟のメンバーで楽しく遊べるような形を目指していて、そういうゲームデザインになるよう進めています。自分のペースで同盟の力を借りながら、お互いメリットがあるものを目指して開発中です。

――どういった形になるのか楽しみにしています。

吉田 富嶽に関しては部位破壊みたいなものを実装想定しています。左の発動機と右の発動機と上の機銃と後ろの機銃。これを全部部位破壊できるようにしたいと考えていたり……。アニメでもナオミが部位を狙い撃ちするシーンなどがありましたし。あれをゲームでやりたい!って伝えました……まだ実現できるかはわかりませんが、乞うご期待です!

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AUTOで繰り広げられる空戦は難しいロジックが仕込まれまくり!?

――本作の戦闘シーンについてお聞かせください。

伊藤 1対1でのドッグファイトではなくて、あくまで分隊vs分隊、編隊vs編隊しかりで、戦況の把握をしやすくするために、平面での戦闘を俯瞰して見る形を採用しました。各機体それぞれが役割を持って空戦に望み、オートで戦闘をくり広げるという形になっています。

――編隊の中で、それぞれが2組を組んで戦っていますよね。

伊藤 ですね、6人の編隊が3つのツーマンセル分隊で飛び、前衛と後衛と言う形で編隊飛行をしています。

吉田 戦闘では、ドッグファイトをシミュレーションで実行していて、出撃した後は勝敗が決するまでオートで戦います。編成面で見ると、キャラクターのパラメータと戦闘機のパラメータを足し合わせた数値が算出されるのですが、これが「空戦中の戦闘機にどのような動きを取らせるのか?」という部分に関わってきます。パラメータに変化が生じれば、空戦中の動きに変化が生まれるようになっているんです。

――前衛・後衛という配置も動きに関わりがあるのでしょか?

吉田 そうですね、配置が変わるだけで、ゲームロジックが変わる仕組みになっています。

伊藤 戦闘機ごとにも旋回できる半径や速度などの目に見えにくい数値があって、そういう部分もシミュレーションに組み込まれていましたよね?

吉田 全部入れ込んでいます。

伊藤 ですので人間離れした軌道はとれないように制御しています。直角に曲がるとかはできないんです。普通の空戦ベースなので当たり前ですが。

――実現可能な動きをしているんですね。

吉田 “キュッ”と曲がることはできないのですが、パイロットの技術のような部分で“ハイヨーヨー”という戦闘機動もシミュレーションに入れ込んでいます。高度を少し上げて、速度を落とし、急旋回する仕組みです。お客様の中には「あれ?これハイヨーヨーしてない?」って気づいている方もいらっしゃいますね。これらを含め空戦シミュレーションには非常にこだわっています。

伊藤 レシプロ戦闘機での空戦って機銃がメインですので、遠くからミサイルロックオンでおしまいってわけにもいかない。とくに敵の後ろにつくドッグファイトをリアルに再現するにはこうだよねって部分は再現してもらっていますね。

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――なるほどです。ちなみにアニメには後ろに機銃がある機体も登場しましたが……。

吉田 複座式のやつですね、出ましたよね。ただ、ゲーム内では複座に関しては実装していないです。もし登場するとなると、複座用のゲームロジックも入れ込まないといけませんので……。

――なるほど、そのあたりは今後もバランス踏まえてという形になるんですかね?

吉田 ちょうどいま、彗星っていう複座式の機体を出すとしたら、後ろに乗って旋回機銃撃ちたいよねって話がでたりはしています。どうやってうまくゲームバランスを取って出すのか、検討はできるかな、と思っております。

伊藤 そもそも複座式になった場合、タンデム組ませる(1機に2人で乗る)のかという点もありまして……。パラメータ計算やバランスも含めて今後も考えていきたいと思います。ゲームならではの落としどころを見つけられるかどうかですね。

――ちなみに基本に立ち返るのですが、本作の編隊戦は6人vs6人が一度の戦闘での最大数という考えでよろしいでしょうか?

吉田 はい、大丈夫です。パフォーマンス都合もあり、画面上に合計12機までという形にしています。

伊藤 ただ、先に話題があがりました富嶽のイベント見たいなものが実装された場合は、敵側に1機増えたりとかはあり得るかも……という感じです。

吉田 まだ検証中で、まだ言えないことも多いのですが、今後のプロデューサーレターの情報をお待ちいただければと思います。

――承知しました。ほかにも戦闘描写でこだわった部分があればお伺いしたいです。

吉田 スキル発動時の戦闘機のアクションは、アニメーションとして入れ込んでいますので、その点は注目してもらいたいです。スキルの中でも回復とか強化効果を付与するものは、上向きにループするようにしています。相手の性能をダウンさせる弱化効果は下にループするようにしたり、地味になりがちな戦闘機の格闘機動から、なんとか落とし所を探って工夫しました。

海老沼 スキルに関してはアニメでの表現よりも若干アニメーションを強めに表現したくて、緩急をオーバーに作りこみました。というのもおとなしすぎると見た目的にも迫力が薄れてしまうので、迫力重視ですね。見たときに何かやっているなって伝わるような工夫の一環ともいえます。また、機体によって機銃の射出位置も違うので、薬莢がでる位置も機体ごとに変えていたりするんです。

――あ、そうなんですね。気が付きませんでした!

海老沼 意識して見ると「あっ、出てる」というのが見て取れると思います。倍速をオフにして、動画を撮って見てみるとわかりやすいかもしれません。

吉田 プロペラ裏の真ん中に機銃口があるのや、羽に取り付けられているものや、全部違いがあります。薬莢と機銃の仕組みもエンジニアが組み込んでいるので、全自動で動いてます。

――本当に細かい部分にこだわりと工夫があったんですね。

吉田 開発チームの細かいこだわりの部分、ぜひ目を凝らしていただければと思います。

キャラクターを増やし、世界を広げる!3Dで描かれたキャラクターもこだわりだらけ

――キャラクターは、リリース当初から大勢いましたよね。

伊藤 そうですね。コトブキ飛行隊も合わせるとプレイアブルキャラクターが30人です。

――この人数で行くとなったのは初期からの想定ですか?

伊藤 アニメの世界観という縦軸に加え、本作ならではの世界観を横軸で広げていきたかったんです。アニメのキャラで世界を再現するだけではなく、あの世界にはアニメの登場キャラ以外にも魅力的なキャラクターが大勢いるぞと。たとえば、コトブキ飛行隊以外のチームのひとつとして、ハルカゼ飛行隊というひよっこチームがいます。コトブキ飛行隊ってエースパイロット揃いですが、ハルカゼ飛行隊は駆け出しパイロットたちが描く友情・努力・勝利を始めとしたサクセスストーリーを楽しめるようにしています。ほかの町にも怪盗団・アウトロー・自警団など、世界を広げてくれる魅力的なキャラクターを配置することで、世界は各段に広くなったと思います。

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――どのキャラクターも、モデリングがとても可愛いらしいですよね。

吉田 我々は元々美少女の3D表現をウリにしていまして、メチャクチャこだわって作らせていただきました。

――キャラクター開発時の苦労話などありましたらお聞かせください。

西村 我々開発チームは、3Dで描くキャラクターのモデリングノウハウは一通り持ち合わせていました。そのうえで、コトブキ飛行隊という作品のキャラクターと、我々ゲーム側で考えたオリジナルキャラクターを同じ世界に違和感なく置いてあげるという部分は試行錯誤しましたね。ちなみに、カメラから見た顔の角度に応じて、女の子の3Dモデルが美しく見栄えするように適した形状に移行する技術も用いています。

渡邉 3Dのキャラクターを正面から見た時に可愛く見せようとすると、上や横から見たときに顔の形状が平らになりがちなんです。そのような、可愛く見えない角度を、可愛く補正する機能です。この機能を用いて、上からや斜めからといった様々なパターンで、いずれも可愛く見えるような調整は行いました。そして先ほどのプログラムが常にカメラの位置に対して発生するような仕組みが採用されています。この手の仕組みは言われないと絶対気づけない部分だとは思いますが、違和感なく可愛く見えるようにしています。

西村 アニメの場合、カットによって美少女たちの顔の形状を変形させることで、綺麗な形というものを生み出しているのですが、ゲームの場合カメラが自由に動いてしまうので、どこから撮影しても自動でうまく変形してくれるという仕組みが必要なんです。そこに関しては渡邉が頑張ってくれました。

――動きとか表情とかも工夫がなされていると?

渡邉 モーション側で実現したいことが多数ありまして。それを短期間で効率よく実現しなければなりませんでした。

海老沼 これまではモーションキャプチャを行って、それをキャラクターに流し込むという作業を行っていました。

渡邉 ただ今回に関しては共通で色々なモーションを各キャラクターに流し込んだ上で、表情も多種多様に対応したいといった要望がありました。このあたりの要件を実現することを目指しました。

――キャラの動きも差異はありますからね。

海老沼 キャラの性格差とかもあるので、最低でも5〜6パターンぐらい基本のモーションを用意して、男っぽいのとカワイイのと……みたいな振り分けを行って30キャラに入れ込んでいく手法を取っています。

渡邉 また、1回ターゲットを作成したら、同じモーションを身長違いで自由に流せるヒューマノイドという技術も使っています。

西村 キャラクターの体型をすべてユニークで作っているため、本来はモーションをキャラクター数に合わせて制作せざるを得ない状態になります。そこで効率化のため、モーションを共通で使う仕組みとしてヒューマノイドを採用しています。

渡邉 これまでの3Dモデリングでは、変化がある部分と言えばスケールのみで、腕や足といった長さの比率は同じだったんですね。でも本作ではそこをすべてユニークで作れるようになりました。

――話はガラッと変わるのですが、マイルームみたいな機能は実装予定だったりします?

伊藤 神の視点でちびキャラたちを見る機能みたいなやつですかね?

――それです、カワイイキャラクターが多い本作ですからホーム画面以外でも好きなキャラだけ集めて愛でられたらいいかなと。

吉田 確かに……ほしい!まぁ、開発期間がプラス半年ほどあれば行けたかもしれないですね。

一同 (笑)

伊藤 今後のアップデートの中でありえるかもしれません、可能性はゼロではありません。

――ゲーム内では、アニメで活躍するコトブキ飛行隊以外もプレイヤーからの人気が高いですね。

伊藤 Twitter等でユーザーさんの反応は拝見していますので、それぞれの飛行隊・キャラクターを好きになってもらえてとても嬉しく思っています。

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さらなる物語をゲームで補完していく

――アニメは最終話まで放送されましたが、本作の物語はまだまだ続いていくのですか?

伊藤 まだまだ続いていきます。世界を広げていきたいと考えています。

――ちなみに、アニメでは男性キャラも何人か登場していますが、今後ゲーム内に実装していく予定はあるのでしょうか?

伊藤 ユーザーの声の中でも、「アドルフォとフェルナンドを実装してほしい」という声は多いんです(笑)。コトブキ飛行隊の6人とは違うカッコよさを秘めていて……彼らへの要望も結構多い……となれば入れたいなぁとは個人的には思っています。中にはラハマの町長を出してくれって意見もありますからね(笑)。

――美少女だらけの編隊に渋い男がいるのも面白そうですね。

伊藤 先ほどお伝えした通り、世界を広げるという意味では彼女たちだけじゃなくてもいい。そういうところの出し方は検討していきたいところです。

吉田 その場合は大空のテイクオフボーイズに改名しないとかもしれないですね(笑)。

――しかも男性キャラともなると、3Dのモーションは別途で作らなきゃいけないわけですよね?

海老沼 そういえば、そうですね(汗)。

――取引画面にふたりが登場しなければモーション無しでも?

伊藤 いや、どうせだすならあのふたりとも取引したいでしょう。そういう夢が広がるゲームにできたらすごく良いなぁって思いますね。

吉田 ご要望に関してはたくさんいただいてますからね。

伊藤 今後も、お客様の要望に答えつつ、お客様の納得してくれるペースで拡張していければいいなと考えています。

――数々の貴重なお話の数々ありがとうございました。最後にひと言ずつコメントを頂ければと思います。

西村 今回はモデリング代表として来ましたので、キャラクターも戦闘機も凄く拘って作ってるので、プレビューなどを使ってジックリと鑑賞していただけたらうれしいです。

海老沼 アニメーションの観点からお話しさせていただきますと、酒場での各キャラクターのアニメーションをよく見ると、試験管やコインなど小道具を駆使したアクションを行っている子もいたりします。これに加えてストーリー中のアニメーションにも力を込めていますので、いずれもじっくり見て、楽しんでもらえたらうれしいです。

渡邉 最後のコメントで1点補足させて頂きます。本作の解像度なのですが、デフォルトが“高(推奨)”に設定されているのですが、その上の“最高”という設定項目が用意されています。実は戦闘機を格納庫などでじっくり観察する際はこちらに設定変更していただいた方が、よりきめ細やかに作り込んだ戦闘機を楽しんでもらえると思います。塗装の禿げ方とかも繊細に表現しています。もちろんキャラクターもより綺麗な状態で見ることができるので、バッテリーの消費が激しいという注意点に気を付けていただければ、こちらの設定で各モデリングをチェックしていただけるとうれしいです。

吉田 僕からは最高のクオリティで表現されたアニメに対してゲームも負けずにクオリティアップをこれから続けていきたいですね。そうして、アニメに寄り添う形でゲームを展開していければと思っています。これからの『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』にこうご期待!

伊藤 TVアニメとの同時期連動の次は、スピンオフアニメとゲーム軸を中心に、『荒野のコトブキ飛行隊』という作品を広げていければと思っています。そういう意味ではお客様の期待に沿えるもの、そしていい意味で期待を裏切るものをこれからさきずっと提供し続けられるよう励んでいきたいと思います。

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▲渡邉氏の語っていた部分のスクリーンショットを掲載。ここを最高にし、より繊細に描かれた機体や美少女たちをチェックしてみてほしい。

荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
このゲームの詳細を見る
ジャンルRPG
メーカーバンダイナムコエンターテインメント
公式サイトhttps://kotobuki-game.bn-ent.net
公式Twitterhttps://twitter.com/kotobuki_gamePR
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