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ファミ通App編集部

『アトリエ オンライン ~ブレセイルの錬金術士~』はこうして作られた。ゲーム開発と楽曲作りの裏話にフォーカス

2018-08-08 15:00 投稿

『アトリエ オンライン』を作った3人にクローズアップ

2018年7月6日にベータテストを終え、ファンからの期待がより高まっている『アトリエ オンライン ~ブレセイルの錬金術士~』。

2018年内にリリースが予定されている本作は、20年という長い歴史を持つ『アトリエ』シリーズ(コーエーテクモゲームス ガストブランド)のスマホ向け最新作となる。

今回は、そんな本作の開発を担当するNHN PlayArtプロデューサー池田康隆氏と、本作のBGM制作を担当したアーティストACEのおふたり(工藤ともり氏、CHiCO氏)にインタビューをする機会をいただいた。

なお、ACEのおふたりが作曲した『アトリエ オンライン』オープニングテーマソングのMVも公開されたので、それについても詳しく話を聞いてきたぞ。

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▲写真左より池田氏、CHiCO氏、工藤氏

『アトリエ オンライン』制作秘話

――まず、NHN PlayArtがコーエーテクモゲームスのIPである『アトリエ』シリーズを制作することになった経緯からお話しいただいてもよろしいでしょうか?

池田 僕は昔から『アトリエ』シリーズの大ファンだったのですが、あるときガストさんとお話をさせていただく機会がありまして、そこで「『アトリエ』シリーズのオンライン化をやりたいです!」と、提案というかお願いさせてもらったのがスタート地点ですね(笑)。

――ちなみにそれはいつごろの話だか覚えていらっしゃいますか?

池田 んー、もう4年以上前から企画書は提出させていただいていますが、具体的にいつだったかというのはちょっと覚えてないですね。

――4年前から! すごい熱量ですね。

池田 ただ、中々タイミングが合わず、動き出しは遅れてしまいました。でもこうして年内リリースというところまで来られたいま、本当にうれしく思っています。

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――本作はMMORPGのシステムを採用されていますが、『アトリエ』シリーズでMMORPGというシステムを採用した理由とは?

池田 プレイ時は最大5名になりますので、正しくはMOになるかもしれませんが、先にもお話した通り僕は『アトリエ』シリーズが大好きで。『アトリエ』シリーズの魅力である採取や調合といった要素について、自分で移動や採取などの操作をしたい、活かしたいという気持ちからですね。

――たしかに、採取と調合というシステムとの親和性は高そうですね。とくに採取の部分は、じっくり素材を厳選することも出来ますし。

池田 まさしくそんな感じです。僕が『アトリエ』シリーズをスマホでじっくりのんびり遊びたかったからと言ってもいいかもしれません(笑)。後は、僕が元々MMORPGを開発していたという経緯も影響しています。

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――歴史あるシリーズの開発をするというのは、たいへんなこともたくさんあったと思いますが、とくにたいへんだった部分はどこでしたか?

池田 いろいろありますが、とくにたいへんだったのは主人公を含めた主要キャラクターデザインの決定です。仰る通り『アトリエ』シリーズは20年という歴史を持つタイトルですが、シリーズ毎に主人公のデザイン、仲間、世界観がことなっています。さらに“錬金術士”という職業は、一般的に戦士や魔法使いなどと違って、デザインイメージが想像しづらく、「錬金術士はこういう服装!」という定義があまりないですよね。

そのため、コーエーテクモゲームスのガストブランドともいろいろと方向性を話し合いながらすすめましたが、主人公を含めて、服装のデザイン製作は本当に難しかったです。メインデザインを手掛けるtanuさんと、何テイク作ったかも覚えてませんよ(笑)。

――そう言えばそうですね。「錬金術士の服はこうでなくっちゃ!」というのはありませんね。

池田 でも、こうして完成したデザインは、きっと皆様にも納得していただけるものになったと思いますので、ぜひじっくり見てあげてください!

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――では、開発でいちばんこだわった点はどこですか?

池田 現状、まだ手を入れるべき箇所は多数残っていますが、RPGとしての遊びやすさは、けっこうこだわっているかと思います。とくに弊社は、幅広い層に楽しんでもらうための開発基準があるので、原則わかりやすくすること、遊びやすくすることが徹底してチェックされます。

今回、調合のシステムをシンプルにした理由もそこにあります。最近のシリーズの調合に慣れてしまっている人には少し物足りないかと、評価は分かれるところだと思うのですが、本作はシリーズを知らない人でも気軽に遊べるものにしたかったので、まず入り口は極力シンプルにしようと心がけました。

しかし特性の継承や特性Lvのランクアップといった、ファンなら必須だと思うコアなやりこみ要素は、忘れずに盛り込んでいます。

気になるリリース日とその後の展開

――ずばり、リリース日は決まっているのでしょうか?

池田 一応決まってはいますが、まだ発表は控えさせてください。ただ年内予定であることは変わっていないので、期待をしていていただければと! 東京ゲームショウ前後でいいアナウンスが出来ればと思っています。

――それではリリース後の展開予定についてはお聞きしてもよろしいでしょうか?

池田 まずマップ拡張と合わせてシナリオの追加キャラクターの追加は必ずやっていきますし、レジェンドキャラという形でロロナやマリーを初めとする、シリーズの歴代主人公たちを毎月数体ずつ実装していく予定です。また季節イベントなどもいろいろ考えています。

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▲マリー(写真左)、ロロナ(写真右)

――では、コラボの予定などは入っていらっしゃいますか?

池田 先だって「何とコラボしたいですか?」というアンケートをクローズドベータテスト時に実施させていただきましたので、まずはそれを参考にさせていただこうと思っています。でもとりあえずは、シリーズ本家とのコラボをやっていくことになると思います。

――まだリリースされていないのにこんなことを聞くのもアレですが、リリース後のアップデートで追加していきたい機能などはありますか?

池田 いろいろありますよ! たとえばクローズドベータテストでは実装していなかった“見た目装備”の機能、パーティ編成をしやすくする仕組み、マルチプレイがより遊びやすくなる機能、それに“錬金術試験”みたいな感じで自分の成績がわかるランキングボード機能は開発環境では実装済みです。

そのほかでは、成長クエストや強化クエスト、ボイス対応、より調合がしやすくなるアイテムガイドなども正式サービスに向けて実装準備中です。

それ以外では、マルチプレイ時しか登場しないボスモンスター、アイテム、リーダーキャラしか入れないマルチプレイ専用のダンジョンなども予定しています。あとは、スマホゲームとして気軽に短く楽しめる、遊びやすいダンジョンも入れたいです。

――おお、ではリリース後のビジョンもバッチリですね!

池田 やりたいことだらけですね(笑)。

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――エンドコンテンツについては、どのようなビジョンをお持ちでしょうか?

池田 上記でも少し触れましたが、いま想定しているのは、パーティーのリーダーしか参加できないリーダーズダンジョン、マルチプレイでしか出現しないモンスターやボス、そしてそこから手に入る素材。そんな感じで考えています。

ほかには“錬金術士試験”という何回もくり返し挑戦でき、報酬が得られるコンテンツや、闘技場を活用して疑似PvPのようなことが出来る場所もエンドコンテンツとして設ける予定です。

――『アトリエ』シリーズでPvPというのは斬新ですね。

池田 はい。PvPといっても殺伐としたものではなく、『マリーのアトリエ』の武闘大会や、『ロロナのアトリエ』の闘技大会みたいな雰囲気を想像してもらえるといいのかなと思います。戦う相手は何もほかのプレイヤーキャラクターに限らなくてもいいと思っていますし、あのキャラクターと戦いたいって思ったら、そのようなシチュエーションをい作れたらと思います。

そこは、お客様の動向を見ながらコンテンツ内容をどうするかを考えます。あくまでも「PvPも作れなくはないよ」という程度と認識していただければと。

『アトリエ』らしい曲とは何か?

――では本作で作曲をなされたACEのおふたりにもお話を伺っていきたいのですが、本作で使用される楽曲はすべておふたりが製作されているのでしょうか?

工藤 そうですね。現在進行形でBGM関連はすべてふたりで制作しています。

――ちなみに、全部で何曲くらい作曲されているのでしょう?

CHiCO いまのところ、全部で34~35曲くらい。ゲームミュージックでよくある、ループものではない曲はオープニング曲含めて2曲ですかね。いまも増え続けていますよ

――ちなみに、今回楽曲製作を依頼されたとき、いかがでしたか? 20年という重みのあるシリーズですが。

CHiCO 最初にお話をいただいたときは、「めちゃおもしろそう!」と(笑)。過去作の楽曲も素敵なものばかりですし、作曲のイメージを膨らますための資料をいただいたときも、ただただワクワクでいっぱいだったのですが……。

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工藤 あぁ……。ね?(笑)。

――どういうことでしょう?

CHiCO 発表イベントに参加させていただいたときに、ファンの方の熱量を浴び、その重みを知ってびっくりしました。歴史あるタイトルであり、たくさんのファンの方がいらっしゃることは知っていたのですが、皆さんの熱量を肌で感じて、見事気負ってしまいました(笑)。

工藤 胃薬を買う量が明らかに増えましたから(笑)。

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工藤 20年の重みというのは、やっぱりすごいです。このような歴史あるシリーズに携わらせていただき、本当に光栄に思っています。

――『アトリエ』シリーズの楽曲は、曲調はケルトミュージックを採用しているものが多いですが、『アトリエ』シリーズの楽曲を作曲するうえで、難しいと感じたシーンはありましたか?

工藤 当初はケルトテイストを入れた楽曲ではなく、リアルケルトミュージックであり、且つフィールドやイベントなどさまざまなシーンでも映えるよう、メロディーがはっきりした曲、というオーダーでした。

ただその上でいまあでの『アトリエ』シリーズの雰囲気はあったほうがいいかと思いまして、そのバランス加減は本当に何度も試行錯誤しました。

今回の作曲ではケルト楽器をふんだんに使っているのですが、作曲自体はケルトとはちょっと違うものになるよう工夫しました。それこそケルトミュージシャンが「こんなの弾いたことないよ!」と感じてもらえるように。結果、いままでにないような感じに出来上がったと思います!

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――CHiCOさんはいかがでしたでしょうか? “『アトリエ』シリーズの曲を作る”ということに際して意識した点などはありますか?

CHiCO 今回私たちがとくに意識したのは、ゲームをプレイしているときに感じられるリアリティというか、その世界をリアルに感じられる世界観への説得力というか、曲によってそういったシンパシーにも似た感覚を得てもらえるようなものを作ろうということでした。ポップな曲もいいのですが、もっとアイリッシュ感、ケルト感を出していくことで、この世界に自然と浸ってしまえるものになるよう強く意識しました。

誰にも真似できない!? 尋常じゃない曲作り

――今回、MVで歌われている曲なのですが、こちらはどういったイメージで作曲されたのでしょうか?

▲『アトリエ オンライン』オープニング曲『金色のレシピ』。作詞作曲:ACE、歌:花守ゆみり

工藤 池田さんと最初に打ち合わせした時に歴代の曲を聞かせてもらったのですが、どれもすごく純粋でいい世界観だなと感じました。なので、僕もそこに沿うような、王道路線の楽曲でOPのテーマを作ろうと。

CHiCO でも、1度作り直しているんですよね(笑)。最初にふたりで考えて作った曲が、なんかどうにも腑に落ちなくて。言葉にはしにくいんですけど……。それで、池田さんにお願いして作り直させてもらいました。

またふたりで考え直して、工藤くんが楽曲のたたき台を作って。そうしてイントロが出来上がったら、これまで腑に落ちなかった部分が急にスッキリした感じになって「これだ!」と!

そこからはインスピレーションを先行させて、鼻歌でサビを作りながら一気に仕上げました。

――ところで、池田さんはなぜ今回ACEのおふたりにご依頼されたのでしょう? 『アトリエ』シリーズというと、楽曲はほとんど内製に近い形で進められているというイメージだったのですが。

池田 その答えはすごく簡単で。昔『ゼノブレイド』をプレイしたときにACEのおふたりが作曲されたもの曲を聞いて、ひと目惚れしてしまったからですね(笑)。

――自分の好きなゲームに、自分の好きな人の曲を乗せたんですね。なんと豪華な(笑)。

池田 それと、いろいろな作曲家さんがいる中でも、ACEのおふたりは楽曲の作りかたが尋常じゃないと噂で聞いていたので、今回たくさんの楽曲をお願いするのなら、ぜひそれを見てみたかったという気持ちもあります。

――尋常じゃないというのは、どういうことでしょう?

池田 たとえば、「シナリオがこうなってるから、ここで流れる曲はこうしたほうがいい」とシナリオをベースに議論が出来るくらいシナリオを読み込んでくれたりとか、楽曲を変える度に生音でガチで再収録をしてくれたりと、とにかくひとつひとつの曲に本気で向き合ってくれるんです。時間はかかってしまいますが、それでもその時間に変えられないほどいいものを作ってくれるおふたりです。

――なるほど、尋常じゃないですね(笑)。

池田 ですよね(笑)。という背景があって、今回ACEさんにお願いをしました。いま思うと、おふたりにお願いしたのは本当に正解だったと実感しています。音楽に定評のあるガストブランドさんからも、ACEさんの楽曲にお墨付きをいただいたんですよ。

――しかし、毎回毎回、再収録も生音でレコーディングするというのはすごいたいへんそうですね。今回のMVでも生音で収録されているということですし。

CHiCO 今回のMVでも楽器はいっぱい使いましたよ! 笛だけでも15本くらい持ち込んで収録していただいているので、ぜひそこも注目してください。

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――え、ふたりで笛15本も使いこなしてるんですか???

CHiCO いやいや、ミュージシャンの方が演奏していただいています(笑)。

工藤 さすがに、そこまで尋常じゃないですよ(笑)。

一同 (笑)。

――では気を取り直して。最後にユーザーの皆さんに向けてひと言お願いします。

工藤 まず、本当にこんな素敵なタイトルに参加させていただいきうれしく思っています。皆さんに気に入っていただけるよう精一杯曲を作っていきますので、ゲームをプレイするときは、ぜひスマホのサウンドをオンにしてプレイしてください!

CHiCO 私たちはひとつの曲を完成させるまでに、何曲も作曲し、それをACE内コンペにかけてから、クライアント様にお渡しするという形をとっております。時間はかかってしまいますが、その分いい出来の曲がたくさんお渡しできていると思いますので、ぜひ音楽も含めて『アトリエ オンライン』を楽しんでもらえるとうれしいです!

池田 すいぶん長いこと開発させていただき、お待たせしている皆様には申し訳なさでいっぱいです。僕も『アトリエ』をずっと遊んできたひとりのファンなので、ちゃんと自分も遊んでいて「おもしろい!」と思えるものを出したいんです。

そしてもちろん、『アトリエ』を遊んだことがないという方にも「おもしろい!」と思ってもらえるものを作ろうと鋭意開発を進めております。現在は、リリースに向けて着々と準備を進めている段階にもなって参りましたので、もう少々お待ちください!

アトリエ オンライン ~ブレセイルの錬金術士~

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
このゲームの詳細を見る
ジャンルRPG
メーカーコーエーテクモゲームス ガストブランド/NHN PlayArt
公式サイトhttp://atelier-online.jp/
配信日2018年
コピーライト

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