【新作】ひとの姿をした幻獣たちと送る異国の街のノベルゲーム『コルヌ・コピア -不思議の住む街-』

ちょっとだけ不思議でやさしい物語

フランスの美術学校に留学して半年、日本人のコウタはとある事情から住居や貯金を失ってしまう。

そんなとき手に入れたのが、住み込みの家庭教師を募集するアルバイトのチラシだった。

崖っぷりの人生で始まる『コルヌ・コピア -不思議の住む街-』は、募集先に向かう駅で出会う角の生えた女の子と獣の耳を持つ男の子との交流を中心に、さまざまな不思議な体験をしていく童話のようなノベルゲームだ。

簡単な選択肢で展開する長編ノベル

留学も半年が過ぎたというのにフランスの言葉になれず、挙句の果てには住居や貯金も失い不安でいっぱいな主人公のコウタ。

彼が握りしめていたのは“住み込みの家庭教師募集。人間社会の常識に富む方、求む”と書かれたちょっと変わった内容のアルバイト広告だった。

「大丈夫、まだ希望がある」

目的地“コルヌ・コピア”に向かう電車を待つ彼は、自分に言い聞かせて大きく深呼吸をして座り込む。

この先どうなってしまうのか、不安でいっぱいだった彼の前に現れたのが、思わず2度見したくなる不思議なふたり組の男女だったのだ。

獣耳の男の子ハティと角の生えた女の子のリン。

彼らの目的地もコウタと同じ“コルヌ・コピア”で、移住するために日本からやって来たのだという。

本作はおもに彼らを中心に描かれるノベルタイプで、さまざまな選択肢を重ねて関係性を深め、この不思議な世界を旅していく。

リンの口から出る“ふしぎけもの”という聞きなれないフレーズ。

明らかに人間とは異なるものたち集まる“コルヌ・コピア”にたどり着いたコウタは、彼らを相手に家庭教師のアルバイトを始める。

好奇心旺盛でちょっと抜けたところのあるリンや、人間社会に対する知識を持つハティなど、さまざまな“ふしぎけもの”と過ごす生活の中で、人間に対する複雑な感情を抱く彼らと向き合っていこう！！

個性派揃いのふしぎけものたち

フランスの片田舎にある小さな街“コルヌ・コピア”は比較的治安がよく、気候も穏やかで過ごしやすい土地だ。

そんな場所に多く集まっている“ふしぎけもの”とは、神話や伝説などに出てくる不思議な力を宿した獣のこと。

フェンリルのハティや麒麟のリンを筆頭に、ユニコーンのアルマやケット・シーのシャルルなど、おなじみの幻獣たちがさまざまな姿になって登場する。

イタズラと女の子が大好きなシャルルはコルヌ・コピアのまとめ役だが遊んでばかり。

そんな彼の補佐役を務める蛇龍（ナーガ）のカドルは雑務を華麗にこなすが、めっぽう料理が苦手でおっとりタイプ。ふたりの関係性はとてもユニークで見ていて空きない。

また、古くからコルヌ・コピアに住むアルマは“ふしぎけもの”たちの世話係でアルバイトの募集主。頼りがいのあるお姉さんで、コウタが人間と知ったうえで雇ってくれるのだ。

彼ら“ふしぎけもの”はそれぞれ耳や角、尻尾など何かしらの部位が人型の際に露見するのだが、本来人間はそれを認識することができない。

しかし、どういうわけかそれが見えているコウタ。

その理由は何なのか、彼自身の生い立ちと“ふしぎけもの”との深いつながりも本作の見どころだぞ!!

いつでも好きな章を回想できる便利機能

本作は読み進めることを基本にしたノベルで、シチュエーションの変化などでこまめに章が切り換わっていく。

現在公開されている“プロローグ”は約2時間で終えることができるのだが、十分満足できるボリュームでたくさんの体験が詰め込まれている。

そこで注目したいのが、細分化した物語をいつでも回想できる“章選択”という機能だ。

また、好きなタイミングでセーブすることはもちろん、最大40個までファイルを作成し、お気に入りのものを保護することもできる。

続編がいつリリースされるかは不明だが、これ以降が有料であっても即買いしたくなる良質なアドベンチャーノベル。

むしろ、このボリュームのプロローグを無料で楽しめるなんて贅沢な話なので、興味がある人はぜひ、速攻でダウンロードして“ふしぎけもの”たちが集まるコルヌ・コピアを訪れてもらいたい!!

P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら

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