『ガンダムコンクエスト』4周年記念特別企画開発者インタビュー

2017-12-22 15:00 投稿

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ガンダムコンクエスト

『ガンコン』4周年記念インタビュー

2017年12月10日でサービス開始4周年を迎えた『ガンダムコンクエスト』(以下『ガンコン』)。その4年にわたる運営におけるキーパーソンであるバンダイナムコエンターテインメントのプロデューサー・川嶋康師氏と、元開発ディレクター木原卓氏にこれまでの4年の振り返りと今後の展望をお伺いした。

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【右】
バンダイナムコエンターテインメント
プロデューサー
川嶋康師氏(文中:川嶋
【左】
元開発ディレクター
木原卓氏(文中:木原

『ガンコン』4周年の歩み

――おふたりの『ガンコン』との関わりとは?

川嶋 私は2014年3月から担当者として『ガンダムコンクエスト』にかかわっており、現在はプロデューサーとして、『ガンコン』の開発・運営にかかわる全体方針を決めています。

木原 私は2014年8月に開発チームに入り、2017年6月中旬まで、開発ディレクターを担当していました。川嶋さんとお話して決定した方針にしたがってアップデート内容やカード性能を調整するなど、ゲームの質を担保する立場でした。

川嶋 これまで4年間、この体制でやってきましたが、方針で揉めたことはないですね(笑)。随時打ち合わせを行い、必ず毎週顔を合わせて打ち合わせをしていました。もちろんそれ以外のやり取りもしていますので、かなり意思の疎通はできていると思います。

――4周年を迎えてお気持ちは?

川嶋 スマホアプリの中でも、運営期間が長いタイトルになりました。シーズンが変わるごとに戦い方が変わってゲームの面白さもガラッと変わるところが、長期間の運営が実現できている理由のひとつかなと思います。加えて、プレイヤーの皆さんが、変化にしっかり反応してくださり、独自の楽しみに方を考えていただけていることも、重要なポイントだと感じています。

木原 4周年、本当にうれしいです。チーム一同全力で取り組んできましたし、プレイヤーの皆さんに支えられた結果だと思います。『ガンコン』の方針として、今遊んでおられるお客様を大事するという点を重視しており、それを受け入れていただけたのではないでしょうか。

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――4年間続けられたのはゲームの魅力が大きいですよね。

川嶋 『ガンコン』はじっくり戦略を練りこむことによって、戦い方がものすごく幅広く奥も深い点で、数ある『ガンダム』のゲームのなかで存在感を示すことができていると思います。多くのプレイヤーが対戦する戦争の要素はリリース時点でかなり完成された仕組みになっていました。裏を返すと非常に複雑でさまざまな要素が絡み合っており、気軽に手を加えられなかったというのが実情です。プレイヤーの皆さんからも多数のご意見をいただいており、チーム内でも議題として話し合っておりました。

木原 手を入れられなかった部分は山ほどあります。とくにバトル周りに注力しすぎたあまり、戦争や内政などバトル以外の部分は、理想どおりにはアップデートできていないと考えています。

川嶋 アクションももう少しテコ入れしたかった要素のひとつですね。4人同時の協力プレイができるのは、ガンダムゲームの中でも珍しいです。それが2013年12月にリリースされているということ自体が、挑戦的なものでしたが、機体の追加以外で大きな変化は出せていないですね。

木原 アクションの改良案としては、対人戦なども検討しておりましたが、やはり製品としてのクオリティを担保するためには人員と時間が必要なため、直近の課題でもあった、バトル面の強化や充実などを優先的に対応していました。

――4年間で印象に残ったイベントなどはありますか?

川嶋 私はやはり、大会を軸にしたリアルイベントを開催できたのが一番印象に残っています。強豪プレイヤーを招いたリアルイベントは、スマートフォンのガンダムゲームとしては初の試みでした。

木原 私も印象に残っているのは大会です。お客様の熱量を直接感じられましたし、実際に行ってみて必要なことも見えましたので。ただ、大会関連で色々とご迷惑をおかけした点は反省でいっぱいです。

川嶋 「バトルを用いた大会をゲーム内に実装できないか?」と相談し始めたのは2015年2月で、実現までに約1年かかりました。

――昨今esportsが話題になっていますが『ガンコン』は、早い段階から大会に取り組まれていたんですね。

川嶋 そもそも対戦がゲームのキモでもあるので必然的にそうなった形です。

木原 闘技場-対戦の機能が実装されてから、お客様の間で大会が行われているのは存じておりましたし、開発チームでも定期的に大会を開催しており、同じ場に集まって遊ぶ『ガンコン』のバトルの楽しさはチーム一同体感していたので、仕組みとして導入したいと常々考えていました。

――ガンコン王はものすごく盛り上がりますよね。

川嶋 第二回ガンコン王選手権は、東京流通センターで本選を行いました。モニターの前で盛り上がる『ガンコン』ブースを見て、多方面から「スマホアプリでこんなに熱くなるのか?」という声や、問い合わせをいただきました。

――リアルイベントというと欠かせない存在になったのがガンコン応援団ですが、どういった経緯でスタートした企画ですか?

川嶋 2014年くらいからさまざまなアプリゲームが動画で広告を出す流れができていました。その動画はゲーム内容を紹介するPVというよりは、ゲームの楽しさをゆるい雰囲気で伝える、いわゆる「○○をやってみた」という内容のもので、『ガンコン』でもそんな企画をしようとなったのが発端です。『ガンコン』はすごく奥が深いので、「多人数が対戦する戦争のゲームです」と、ひと言で言ってもおもしろさを十分には伝えきれないのではないかと考えていました。そこで初心者の目線で少しずつ成長していく様を、連載という形で動画にしてみようということになりました。

――初心者目線で語る役割がガンコン応援団だったと。

川嶋 そうですね。『ガンダム』のシリーズが好きで、ゲームをしっかりプレイしてくれる人という条件で検討し、がっつきたいかさん、川西ゆうこさんなど、今もゲームを一緒にもりあげてくれているみなさんに出演していただきました。それが2015年2月です。彼らは『ガンコン』の中でしっかりと存在感をしめすことができていると思います。

木原 2016年から新しく加わった鈴木さん・甘莉さんも含め、みなさん戦争Lv100以上で、正直ここまで遊んでくれると思っていませんでした(笑)。

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▲”熱闘!ガンコン道場”を行った、川西ゆうこ(中)、甘莉花奈子(左)、鈴木南名子(右)の3名。

――これまでの運営や施策で苦労したことはありますか?

木原 苦労したことではないですが、開発チーム内で一番ゲームに触れていたいと考えていたので、戦争やイベントなども全てに参加していました。プレイを始めてから戦争も出撃回数分、全て出撃していますし、もはや生活の一部、いや、大部分を占めていまして、ガンコンと共に過ごしてきた、充実の3年間でしたね(笑)。恐らく遊んだことのある方には共感いただけると思うのですが、新シーズン開幕後は、編成だけで週末が終わりました(笑)。自分で性能を決定して、理解していても、手持ちのカードは限られているので、やっぱり時間はかかりましたね(笑)。

川嶋 大会を開催しようという企画の流れの中で、某テレビ番組のようなスタイルで運営したいといったのですが、「みたことないです・・・」といわれてジェネレーションギャップとともに、共感できる例えの難しさを感じました。

プレイヤーを引き付ける魅力とは?

――『ガンコン』のユーザーさんの年齢層はどのような分布になっていますか?

川嶋 そもそも『機動戦士ガンダム』は1979年放送開始ですので、子供のころに視聴されてたファンの皆さんは30代、40代だと思います。そういった、作品のファンの方たちが多い印象です。

木原 『ガンコン』はシステム的難易度が高いというのもあり、年齢層は他のスマホアプリよりも高くなっていますね。一方で『ガンダム』の作品は詳しくないけど、ゲーム性から選んでいただいて遊んでいる方も多くいらっしゃる印象です。

――ゲーム性に惹かれて遊んでいる方人が多いですね。IPものでも珍しいケースだと思います。

木原 とはいっても、『ガンダム』ファンの方にも喜んでいただけるように描き下ろしのイラストにもこだわりをもち、時間をかけて作っています。

――ちなみに参戦作品・機体はどのように決定されていますか?

川嶋 それは打ち合わせの中で決めていて、作品が偏らないように平等に取り扱うという方針にしています。

木原 基本の流れは勢力ごとに時代を追って機体を追加していくという方針ですので、さまざまな機体がまんべんなく登場するようにはなっています。

――『ガンコン』のすごいところはPvPがメインにもかかわらず、初期の機体の活躍期間が長いところですよね。運営型のタイトルですと基本的にインフレ傾向にあるとは思うのですが、『ガンコン』はシーズン1の機体が長く使われていたり。

木原 基本的にはの機体も1年以上使えるような設計を意識していました。せっかく手に入れた機体がすぐに使えなくなってしまうのは悲しいですし、覚醒値が最大で10というハードルの高さもありましたので。中には半年~1年後のアップデート等で輝くことを想定していたカードもあります。とにかくバトル部分には多くの時間を費やし、こだわりました。

――覚醒機体のメリットなどはユーザー主導で広まった印象もあります。ユーザーによる分析がすごいのも『ガンコン』ならではだと思います。

木原 運営が4年間続いた要因として挙げられるのですが、しっかり戦略を練ることが好きなプレイヤーの方が多いゲームだと思います。また、バランスを取りつつも、後で何か発見があるような幅を持たせる作り方をしています。

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――機体やパイロットのステータスが多く、戦闘の要素が深いという点も長く愛されている理由ですね。

木原 パラメーター勝負にしてしまうと、数字をインフレさせるしかないのですが、そうすると息が短くなってしまいます。長期的に使えるカードを作る場合、勝負の軸を増やすという方向で調整することになり、とにかく難しくなってしまうんです。

川嶋 ゲームの奥深さが、ルールの難しさにつながっている部分は理解しており、「わかりやすくするためにはどうすればいいか?」は、大きな課題だと感じています。

ユーザーとともに成長する『ガンコン』

――運営する上で、意識していること、長く運営するコツはなんでしょう?

川嶋 新たなレアリティの解放等、単純なインフレを起こすものはしないことにしています。

木原 たとえばシーズン11で追加されたバディシステムも、単純に強くするのではなく、スキルの○○強化【○○犠牲】のような、リスクが大きい分、リターンも大きいという思想に基づいています。

――シーズン2ではアレックスの回避、シーズン3ではステイメンの支援攻撃部隊など一世を風靡した編成が存在しましたが、それらの対策というのは意図的に出されていたんですか?

木原 一強で誰もが同じ編成というのは面白くないですので、随時トレンドが変化していくような設計していました。自信を持って完璧だとはとても言えませんが、色々なトレンドが生まれ、編成のバリエーションが出せたと思います。トレンドの流れは、カードの流通量にもよりますので、難しいですね。バディシステムの機体ですと”SR プロヴィデンスガンダム”は当時の私の中でかなり強い機体として出したつもりなのですが、最初の評判はイマイチながら、ガンコン王などで一気に広まった印象です。情報の広めかたや、伝え方は受け手であるプレイヤーの皆さんの思考を想像しつつ、工夫する余地がまだまだあると思います。

――ガンコン王ですべて同じ機体、同じ編成といったこともなかったですね。

木原 バディシステムの機体が出たからといって、強い編成には必須とはならないバランスを意識していました。とはいえ、リリースタイミングで活躍の場所が少ない新カードがあったことは、大変申し訳なくおもっています。そのために、適宜情報修正を実施しておりました。

川嶋 4年間の運営で培われた、このバランス感覚がすさまじいと思います。逆に、リリースのタイミングで機体が強すぎるような見え方がされてしまい、多数のご意見をいただいたという例もあります。機体の扱い方や組み合わせなどの公開は運営が提示しすぎるものでもないと考えていますので、みなさんが考える楽しみを奪ってしまいかねず、非常に悩ましい問題です。

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――ユーザーが一から考えるのが面白いところのひとつですよね。

木原 そういった意味でガンコン王選手権はプレイヤーのみなさんのおかげで、機能していたと思います。大会の後は戦場での編成レベルがかなり上がっているんです。大会用に調整された方も多いですし、強い編成と戦って真似したという方も多いのだと思います。

川嶋 ちなみに、編成がどのように浸透しているかというのは皆さんの使っておられる掲示板やブログ、SNSからけっこう拾っています。

木原 直接ご意見いただく場合も多いですね。先日もかなりのボリュームがある資料をいただきました。チームですべて拝見しておりますし、私も拝見する機会がえられたので、コメントしてチームに渡しています。プレイヤーの方の年齢もあるかとは思うのですが、前向きな意見や改善提案をいただくことが多いです。

川嶋 そうなんですよ。いただいた資料も、とても見やすく作られており、大変ありがたかったです。「もっとガンコンを楽しみたい」というお気持ちがとても伝わりました。いろいろな施策をした際に「ここはこう直した方がいい」、「ここは楽しかった!」という意見があれば見える形で伝えていただきたいです。SNSなどでどんどん発信していただけると今後の運営に活かしやすいです。『ガンコン』ではいろいろな課題があることは理解しているのですが、ゲームとしての面白さを損なわせず、バランスもとりつつ改善を目指しています。

――ユーザーさんの書き込み等はチェックされているとのことですが、ガンコン王の日程の変更などもそのひとつでしょうか?

川嶋 今回の大会スケジュールは「このくらいの頻度で開催すれば中だるみがなく楽しんでいただけるのでは?」という考えのもと発表させていただいたのですが、早すぎるという声を第二回ガンコン王決定戦の本選開場で数多くいただきました。イベント終了後からすぐに検討しなおし、全体の意見を把握するためにアンケートも取り、今回の結論に至ってます。プレイヤーの皆さんのご意見・ご要望は非常に大切に考えており、みなさんとうまくコミュニケーションをとる方法はないかと常に考えております。ご意見のメールや、SNSなど目に見えるところでご意見を発信していただけるのは、とてもありがたいです。

――最後に今後の展望を教えてください

木原 私は2017年6月に離れてからは見ている状態ですので、1プレイヤーとして『ガンコン』を楽しませてもらっています。同じ同盟・勢力・戦場でなくても、誰かと集まって遊ぶと他の人の遊び方から意外な発見があったりしてとても楽しいので、可能であればお試しください。今後は驚きのバトルが大会や戦場で見られることを1プレイヤーとして期待しております。

川嶋 シーズン15のアップデートで追加したような新しいルールや、コロニーレーザーなどの施設は戦争に変化をつけることができたと考えています。常に進化しているゲームですので、リリース初期に遊んでおられた方にとっても全く違った楽しみをご提供できていると思います。もちろん、今楽しんでいるプレイヤーの皆さんにも、新しい遊びが提供できるよう検討してまいりますので、今後とも『ガンダムコンクエスト』をよろしくお願いいたします。

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ガンダムコンクエスト

対応機種iOS/Android
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ジャンルシミュレーション
メーカーバンダイナムコエンターテインメント
配信日配信終了
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