『ポケモンGO』のナイアンティックが振り返る2017年の歩みと新たなチャレンジ

2017-12-05 13:20 投稿

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Ingress Prime(イングレス プライム)

ふたつのARがもたらした人々への影響と成果

世界的大ヒットとなったAR(拡張現実)を使った位置情報アプリ『ポケモンGO』。

その基盤となる『Ingress』などを手掛けるナイアンティックが2017年12月4日、国内メディア向けにいくつかの情報解禁と合わせて今年を振り返る、日本法人設立2周年の記者説明会が行われた。

本記事では『ポケモンGO』が歩んだ1年と、『Ingress』の最新版『Ingress Prime』に関する開発陣の想い。

さらに、『Ingress』のアニメ化に関する情報など、ナイアンティックが目指す今後の展開をフリーライターの深津庵がリポートする。

▼『Ingress Prime』の詳細はこちら

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本記事のポイント
●これまでの歩みと新たなチャレンジを開発陣が語る
●健康につながるARの活用と成果を振り返る
●ナイアンティックと『Ingress』が歩む未来
●アニメ制作の発表で期待される『Ingress』の拡散

これまでの歩みと新たなチャレンジを開発陣が語る

今回の記者報告会にはナイアンティック日本法人社長の村井説人氏、アジア統括本部長の川島優志氏、アジア統括マーケティングマネージャーの須賀健人氏が出席。

村井氏はこれまでと変わらず冒険する楽しみ、外に出ることで生まれるコミュニケーションを深めてもらう。そうした場を提供するための開発環境が整ったこと、新しいチャレンジに挑んでいくことを宣言し、これまでの歩みを振り返った。

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▲ナイアンティック日本法人社長の村井説人氏。
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▲国内ではひさびさの開催となったXMアノマリー大阪では約6000人を動員。この数は2015年の“XMアノマリー証人”に近い数であり、当時から変わらず多くのプレイヤーが集まってくれたことに大きな意味があると須賀氏。
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▲『Ingress』を基盤にしている『ポケモンGO』のダウンロード数が8億を突破。さらに、トレーナーの歩いた総距離が太陽系を超える距離に達していることも明かされた。
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▲2016年には第2世代(金銀)のポケモンを導入、さらにレイドバトルを実装でこれまで以上の盛りあがりを作ることができた。その後、シカゴや横浜、鳥取を舞台にした大規模なイベントを開催。伝説のポケモンが登場することで、各地でコミュニティが生まれるきっかけになった。

『ポケモンGO』のプレイヤー層が高齢化しているという話題をよく耳にするが、これまで大規模なイベントなどに参加してみると、子どもから大人までその幅はとても広く、世間の噂がまったく異なるものだと感じている。

須賀氏も現場を訪れ、そうした光景をたくさん見てきていること、当初から変わらず多くの方に支えられていることがうれしいと語った。

また、鳥取で行われたイベントではわずか3日間で8万9千人が現地を訪れ、18億円の経済効果があったのだが、ナイアンティックにとってこのイベントには大きな意味があったと須賀氏。

その大きな理由のひとつが、鳥取県が主催してくれたという点だ。

地方に足を運んでもらうことで、その地域の価値を知り触れてもらう機会を生み出すことがナイアンティックの目的であり、今回も鳥取砂丘で『ポケモンGO』をしたということ以上に、鳥取を訪れてくれたという事実に大きな意味があるのだと話してくれた。

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▲地方を訪れるきっかけづくりに『ポケモンGO』や『Ingress』を使ってもらう。これこそナイアンティックが掲げる“ひとを外の世界に導く”というテーマであり、少しでも多くの方に新しい発見をしてもらいたいと須賀氏は語る。

健康につながるARの活用と成果を振り返る

花王が発表した“花王 くらしの研究”では、歩く、暮らし、こころ・体、3つのテーマにおいて、『ポケモンGO』をプレイしている方がとてもポジティブになったというデータを発表。

また、東京大学医学系研究科の調査では各超現実を使ったゲームが労働者の心の健康状態を改善させる可能性を示唆していることから、2017年はリアルワールドに多くの人々を導き、経済的なインパクトを起こすことができるという証明になったこと。

さらに、各プレイヤーの心や体の健康にもつながっていくのだと確信を持てた1年であり、2018年はさらに多くの方の心と体が健康になるよう尽力していく年にしたいと須賀氏は語った。

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▲こちらが“花王 くらしの研究”データ。ゲームといえば屋内と印象が強いが、ナイアンティックが仕掛けてきた『Ingress』や『ポケモンGO』といったARを使ったチャレンジが人々を屋外へと導き、3つのテーマで十分な結果を出すことができた。
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▲こちらは東京大学医学系研究科の調査データ。ここでは『ポケモンGO』に限定しているが、『Ingress』でも世界中のプレイヤーをポジティブにする結果が出されている。ARという技術が今後どのように活かされていくのか楽しみになるデータといえる。

ナイアンティックと『Ingress』が歩む未来

『ポケモンGO』の基盤である『Ingress』が、2018年に『Ingress Prime』として一新することがアナウンスされた。

これはマイナーアップデートや単なるバージョンアップではなく、正統進化のメジャーアップデートという内容で、従来のプレイヤーはそのデータを引き継ぎ、新たなAR空間でゲームを楽しめるというものだ。

川島氏によれば『Ingress Prime』を2018年のできるだけ早い時期にクローズドベータを行い、その後、現行の『Ingress』と『Ingress Prime』を一定のあいだ平行して稼働させつつ、メジャーアップデートで正式に移行させる予定だという。

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▲実際に『Ingress』と『Ingress Prime』を比較。今回の『Ingress Prime』は従来のサーバーからクライアントアプリにいたるまで書き直していると川島氏。

『ポケモンGO』と同じサーバーを活用することで、双方の開発がこれまで以上に効果的に進めていけるようになったこと。

また、クライアント部分に関してはunityを採用し、機能追加などにかかる開発期間も大幅に短縮できるようになったと川島氏は語ってくれた。

その後、UXデザイナーである石塚尚之氏みずから実機を使って『Ingress Prime』の詳細を披露。当日招待された各メディアに実機を渡し、個別にどのような進化を遂げているのか、現在の開発状況など多くの質問に答えてくれた。

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▲石塚氏による『Ingress Prime』の実演。モニターへの投影環境や照明の都合で1部不明瞭な点もあったが、一新したユーザーインターフェイスと機能に一同釘付けだった。

ナイアンティックにとって『Ingress』ははじまりのゲームでありコアになるもので、さまざまな実験、挑戦ができる存在。そこでの経験が『ポケモンGO』や今後開発するものに活かされていく。

それを成しえる地盤を作ってくれたのは、『Ingress』をプレイしてくれているエージェントのおかげだと語る川島氏は、2017年12月02日に台湾で行われたXMアノマリーで、『Ingress』をきっかけに結婚したエージェントのエピソードを報告。先月のXMアノマリー大阪当日に入籍したというエージェントなど、これまで多くの方がパートナーと出会い、人生そのものに影響を与えていると心からよろこんでいた。

5年ものあいだ『Ingress』を支えてくれたエージェント全員に感謝し、今後もその期待に応えていくことが使命であると川島氏は意気込みを語る。

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▲台湾で結婚の報告をしたエージェントに関する写真を見ながらすばらしいことだと語る川島氏。『Ingress Prime』では新規プレイヤーが参入しやすくなる機能も開発中ということ、従来の課題であった成熟したゲームに対する入りにくそうというイメージを改善し、より多くの人に体験してほしいと想いを明かした。

アニメ制作の発表で期待される『Ingress』の拡散

『Ingress Prime』の公開に合わせて発表されたアニメ作品の制作情報。いま現在明かされているのは数秒のティザームービーのみだが、川島氏によれば非常にいいものになっているとのこと。

また、須賀氏はティザームービーに色がついていない部分があるが、それは手抜きではなく意味があるのだと教えてくれた。

わずか数秒のムービーでは、ポータルと思われるビルに攻撃が仕掛けられ、激しくXM(エキゾチックマター)が弾けるほうなシーンが描かれている。

『Ingress Prime』を軸としたストーリーになるのか、それともこれまでの5年で描いてきたものをなぞるのか。「アニメがきっかけでエージェントになりました」という方に出会う日を期待しつつ、今後の情報に注目していきたい!!

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P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら

Ingress Prime(イングレス プライム)

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
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ジャンルその他
メーカーナイアンティック
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