Perfume、きゃりーぱみゅぱみゅを生んだ中田ヤスタカ氏が全BGMを書き下ろし!スクエニ新作『DJノブナガ』インタビュー

2017-10-06 12:00 投稿

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DJノブナガ

世界的プロデューサーがスマホアプリに出陣!

スクウェア・エニックスが2017年秋リリース予定のスマホアプリ『戦国アクションパズルDJノブナガ』(以下、『DJノブナガ』)。本作では、中田ヤスタカ氏がサウンドプロデュースを担当し、全BGMを書き下ろしていることでも注目を集めている。

今回は、そんな中田氏にインタビューを敢行。『DJノブナガ』でゲーム音楽を手掛けることになった経緯や、ゲーム音楽に対するさまざまな思いについて話を伺った。

 
DJノブナガ事前メイン

中田氏はPerfumeやきゃりーぱみゅぱみゅを世に送り出し、日本の音楽シーンをリードする音楽プロデューサーとして知られる一方、「バーチャルボーイのソフトが残り1本でコンプリートできるのに、『バーチャルLAB』だけ持ってないんですよ」と語るなど、ディープなゲームファンとしての一面も持っている。

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 ゲーム音楽をやりたいという思いは以前からありました

――『DJノブナガ』で音楽プロデューサーを務めることになった背景や、きっかけについてお聞かせください。

中田ヤスタカ(以下、中田) ゲーム音楽をやりたいという思いは以前からあり、まわりのスタッフにも話していました。そこで去年、「ゲームでおもしろそうな話があるけど、どう?」と話をいただいて、やります! と即答しました。

――中田さんはふだん、どのようなゲームをプレイされていますか。

中田 音楽が好きなゲームと、ゲームとして好きなゲームはまたちょっと違うんですけど、プレイするのは手を離しても死なないゲームです(笑)。テンポの早いアクションゲームなどはあまりやらなくて、アドベンチャー要素のあるゲームをやることが多いですね。ストーリーがあって、寝落ちしてもそこから遊べるものが好きですね。

――テクニックを必要としないやつですね(笑)。ゲーム音楽としてはどんなジャンルが好きですか?

ゲーム音楽としていいなと思うことが多いのは、スピード感のあるもの。小さいころはシューティングゲームで、ポリゴンで表現されるようになってからはレースゲームとか。とくにレースゲームは、音楽聞きながらやることが多いじゃないですか。一種のサントラとして流れてるって感じで。

古い話になっちゃうんですけど、最初の『ワイプアウト』(※)はテクノの大御所を集めていて、一種のコンピレーションアルバムを聴きながらゲームが遊べる、みたいな要素がありましたよね。ゲームをやりながら知らないあいだにいい曲が聴けるというのはおもしろいし、すばらしいと思います。

※『ワイプアウト』は1995年に発売されたレースゲーム。ケミカル・ブラザーズ、レフトフィールド、オービタルなどが楽曲提供している。

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オススメは『ギャラクティックピンボール』と『定吉七番』

――過去にプレイされたゲームの中で、印象に残っているBGMがあれば教えてください。

中田 音楽がよくて有名なゲームはいっぱいあるし、みんな知ってるじゃないですか。いちばん知ってる人が少なそうでオススメしたいのは、バーチャルボーイの『ギャラクティックピンボール』で、タイトル画面の後ろで鳴ってる曲ですね。曲のタイトルはわからないし、サントラも出てないと思うんですけど(笑)。後はPCエンジンの『定吉七番 秀吉の黄金』のサントラも好きです。

――かなり古いゲームもプレイされているんですね。

中田 サントラ感のある音楽が好きなんですよ。サントラって、それ自体が主役になるために作られていないからこそおもしろい音楽だと思うんです。アプローチとしては、“セレクトショップで服を買うときに流れている音楽”ってあるじゃないですか。それと同じような効果があると思います。

――具体的にはどういうことなのでしょうか?

中田 たとえば“音楽は聞かないけどファッションが好きな子”がいたとして、自分の好きなセレクトショップに行ったときに、そこで流れている音楽も好きになったりしますよね。その音楽って、そのお店がセレクトして売っているアパレルアイテムと、同じセンスでセレクトされた音楽なわけです。

まず“センス”があって、その世界観を強調したり、一定の狙った効果をもたらしたりするのがサントラ的な音楽。そういうものは作るのも聞くのも楽しいですね。

ゲームじゃないとできない音楽

――ゲーム音楽を作るにあたって、中田さんが過去に担当されたような、ドラマや映画のBGMと共通するようなポイントはありましたか。

中田 ポップスの構造とまったく違う構造の音楽を作る機会という意味では、映画音楽と同じように、おもしろいチャンスだと思っています。

最近はゲームのサウンドトラックもよく出ていますが、もしこれがゲームの曲じゃなかったら、聞く人はかなり減ると思うんです。ゲームが聞く音楽の幅を増やす機会として貢献しているという意味では、映画と共通する部分もありますね。

――逆に、映画音楽とゲーム音楽では異なる点もあるのでしょうか。

中田 映画とゲームが大きく違うのは、映画の場合、音楽のタイミングは見る人によって変わらないというところですね。絶対にそのシーンでその曲が決まった秒数だけ鳴ります。でもゲームの場合、ボタンを押すスピードが遅ければ聞いていた秒数も変わるし、じっくり聞いている人もいれば、そんな曲あったっけと思うようなプレイをしている人もいる。自分の操作が引き金となって鳴る音が変わってくる、というところにゲームにしかできないおもしろさがあると思っています。

――今回楽曲を手がけた『DJノブナガ』の音楽についてはいかがでしょうか。

中田 『DJノブナガ』は音楽をテーマとしたゲームなので、音楽とプレイが連動するおもしろさというのもあります。プレイによって音楽そのものの構成が変わってくるので、ここからここまでが1曲、という区切りがないんですよ。これはゲームじゃないとできない音楽ですね。こういうインタラクティブな部分がゲームの魅力のひとつだと思っています。

DJノブナガプレイDJノブナガバトル
▲『DJノブナガ』は、戦国武将が全員DJという“DJ戦国時代”を舞台に天下統一を目指していくゲームだ。

――プレイに合わせて音楽が変化するというのは、ゲーム制作側と音楽制作側、どちらからのアイデアなのでしょうか。

中田 それはもう、行ったり来たりする中からですね。最初はシステムも決まってなくて、ただ音楽が流れているだけじゃないゲームを作るという、すごくざっくりしたところから始まりました。それで曲を入れてみて、システムはもっとこう変えたほうがいいとか、音楽についてもこれはいる、いらないなど、それぞれの部分ですり合わせを行ううちに変わっていって、最終的にバランスのいいところに落ち着きました。

――今回はスマホアプリですが、アプリだららこそ気を使っている部分はありますか?

中田 「これで聞けばココがこうなってるのがすごくわかるんだけど」って言わなくていいように作りました(笑)。スマホという日常的に使うツールで遊ぶものなので、スマホのスピーカーや、ふつうのイヤホンで聞いた人に「この曲何をやってるかわかんない」って思われちゃうと、失敗だと思うんです。ふだんは、なるべくいいスピーカーとなるべくいいヘッドホンで環境を整えて聞いてほしいと思いながら曲を作るのですが、今回はどの環境で聞いても何をやっているかわかるようなルールを最初に決めて、それに沿った作りかたをしています。

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“世界観に合う音楽”と“そのまま感のある音楽”

――今後またゲーム音楽を担当される場合、曲を作ってみたいゲームジャンルはありますか。

中田 いろいろありますけど、超大作RPGを遊ぶときは、その世界観があるからこそ成り立つ音楽を考えながらプレイしています。映画の曲を作るときの気持ちに近いんですけど、「冬の湖のほとりをイメージした音楽もいいな」、「教会音楽風の声を入れてみてもいいな」みたいな感じでシーンに応じて音楽を想像してますね。

それから、自分のソロアルバムが1本丸ごと、全部の曲がハマるジャンルもあると思います。これはレースゲームなどになってくると思うのですが、そういう“そのまま感”っていうのもおもしろいし、どちらもやってみたいですね。

――“そのまま感”いいですね。ぜひゲームの中で聞いてみたいです!

中田 どうせやるなら、ゲーム音楽じゃないと成立しない音楽がいいですね。PVを撮るのが難しいような曲でも、ゲームはそれ自体が映像なんで、そこに合わせて音楽を作っているだけで、導かれていくと思うんですよね。ゲーム音楽を専門に作っている人たちが、ふだんどうやって曲を作っているかわからないのですが、キャラクターとか世界観とか、美術的な設定に導かれる部分も大きいと思うんです。それも一種のコラボレーションだと思うので、そういうのも体験してみたいと思っています。

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インタビューの中でもゲームへのこだわりを見せた中田氏。そんな中田氏がすべての楽曲を手掛けた、『DJノブナガ』のリリースは2017年秋とのことなので、中田氏こだわりのゲーム音楽が堪能できるそのときを楽しみに待とう。

DJノブナガ

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
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ジャンルアクションパズル
メーカースクウェア・エニックス
公式サイトhttp://dj-nobunaga.jp/
公式Twitterhttps://twitter.com/DJ__NOBUNAGA
配信日配信終了
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