Aiming新作MMORPG『ZUNDA』はどんなゲーム? 発表当日のプロデューサーを直撃インタビュー!
2017-09-19 15:00 投稿
特徴的なキャラ、シームレスバトルなどが垣間見れた
“Aiming FES 2017”の催しのひとつとして、2017年9月17日に実施された生放送“第1回 Aiming Awwards”。この放送中に新作MMORPG『ZUNDA フクロウとよみがえる月』(以下、『ZUNDA』)が発表された。
タイトルやイメージビジュアルが公開されたものの、詳細についてはほとんど触れられることがなかった本作。いったいどんなタイトルとなるのか気になってしょうがない……ということで、生放送を終えたばかりの下川晶平プロデューサーを直撃したぞ。
▼『ZUNDA』の初報はこちら
【速報】“Aiming FES 2017”にてスマホ向け新作MMORPG『ZUNDA』を発表! 開発は『剣と魔法のログレス』チームが担当 |
※記事内の写真、スクリーンショットなどのゲーム画面は開発中のものです。
スマートフォン向けMMORPGの新しい可能性を目指して
――新作MMORPG『ZUNDA』発表おめでとうございます。さっそくですが、『ZUNDA』を開発するに至った経緯を教えてください。
下川 我々Aimingの大阪スタジオでは、昔からMMORPGを開発してきました。PC向けMMORPG『ブレイドクロニクル』、マーベラスさんとの協業タイトル『剣と魔法のログレス』(PCブラウザ版)、そしてスマートフォン向けタイトル『剣と魔法のログレス いにしえの女神』ですね。そうした開発、運営を続けていくうちにAimingも大きな会社へと成長を遂げてきましたので、これまで培ってきたノウハウを活かして、もう1本ぐらいMMORPGを大阪スタジオで作りたいな……という話が3~4年ほど前からありました。
――イラストやゲーム画面を拝見させてもらいましたが、本作のストーリーについて、触れられる範囲でお聞かせ願えますか?
下川 そうですね、本作には“ライマ”と呼ばれる女の子と、“ロウルス”と呼ばれる男の子が登場します。この子たちが現代社会でもありえそうなストレス、それぞれの立場、制限など、いろいろな障害をしんどいながらも乗り越え、成長していくファンタジーものということでフォーカスを当てていけたらいいなと思っております。
――ライマやロウルスにプレイヤーも共感できる部分があるということですかね?
下川 そう解釈していただいて大丈夫です。
個性豊かなキャラクターがまわりを固める
――では、現段階で発表されているキャラクターたちのことを教えてもらえますか?
下川 まずはライマとロウルスについて触れていきましょうかね。彼らはストーリー進行の主軸ともいえるキャラクターです。それこそ“ライマ編”、“ロウルス編”と表現しても問題ございません。光の主人公、闇の主人公といった対の関係性で物語が進む予定です。で、キャラクター性ですが、ライマは明るく快活な女の子ですね。こんな娘が居たらいいなぁっていう部分を意識しました。
――ライマちゃんはまさに見た目通りのキャラクターということになりますかね。
下川 そうですね。続いてロウルスですが、発表させていただいたイラストの通り格式高い家の出で、責任者たる態度や振る舞いを見せてくれます。ですが、本当はこのようなキャラではなく、本性は草食系男子です。
――えっ、そうなんですか!? イラストからはまったく想像できないのですが(汗)。
下川 じつはそうなんですよ、趣味も植物園でガーデニングですから(笑)。植物と触れ合っているときだけ素に戻りますね。つね日ごろ「自分がちゃんとしないと」と言い聞かせながらがんばっている健気な男の子です。
――まさにギャップ萌えですね。ほかにも数名キャラクターが公開されましたがそちらについてはどうでしょうか?
下川 カブリーという男性とアルテミシアという女性は、両陣営の“家族”ですね。カブリーがライマの父、アルテミシアがロウルスの姉です。光、闇の両陣営は構成も対になるように設定しています。
そして語り部ですが、これは物語に直接かかわりはないのですが、ライマたちの世界とプレイヤーの世界をつなぐ橋渡し的なキャラです。チュートリアルの説明などを担当してもらう予定です。
――それぞれのキャラクターの関係性が見えたように感じました。最後にズンダですね。ゲームのタイトルになるぐらいですからけっこう重要なキャラクターだと推察できますが……。
下川 今回は光にズンダ、闇にゼフィールという対となるフクロウを登場させています。ここは私的な部分なのですが、フクロウ=ファンタジーって感じがするのでフクロウを採用させてもらっています。
話を戻しますが、彼らフクロウはこのゲームの世界では“神々の使い”として認識されています。ただ、ズンダはほかのフクロウとはちょっと違います。その違う点については……今回は伏せさせてもらいますね。
――その伏せ方は気になっちゃいますね。
下川 今後の情報をお楽しみにしていただければと。そして、ゼフィールですがこちらは特殊なズンダとは違い、しっかり神の使いとしてロウルスのもとを訪れております。
――フクロウたちにも何かしら理由があって、ライマ、ロウルスのもとに来ているということですかね。
下川 そうなんです。神は世界の運命に関わるであろうキーマンのもとへフクロウたちを飛来させています。ですので、フクロウたちはまさに物語のキーバードですね。
――プレイヤーはライマやロウルスとどうかかわっていくのでしょうか?
下川 まだ詳しいことは言えないのですが、光と闇、対になっているという点はプレイヤーにも関わってくる要素と言えるかもしれません。
――プレイヤーの話に切り替わりましたので、“ジョブ”についてお聞かせ願えますでしょうか?
下川 “ジョブ”というものはプレイヤーの役割ですね。イラストで掲載させていただいた戦士(アタッカー)、魔法使い(ヒーラー)のほかにもイラスト未公開の騎士(タンク)というものを用意しております。そしてこれらのジョブには上位互換をひとつずつ用意する予定です。
――いわゆるロールプレイのためのものということですね。続報でさまざまなジョブが解禁されるのを楽しみにしております。
最大100名のプレイヤーキャラが入り乱れるフィールドを開発中
――本作はフィールドの表現が3Dですけれども、キャラクターは2Dで描かれていますよね?
下川 やっぱりそう見えますか? そういうご質問をいただけた時点で、こちらとしてはしてやったりと言ったところです。
――えっ? あれ2Dじゃないのですか?
下川 はい、あれはすべて3Dで表現しています。プレイヤーキャラ、エネミーに関しては2Dに見えるように工夫した3Dモデルです。
――本当ですか!? だとしたら私は完全に騙されました、スゴいですね。
下川 ありがとうございます。2Dと3Dって比較すると3Dのほうが目に入ってくる情報量って明らかに多いんですね。つまりやれることの幅が広がるわけなんですよ。でも個人的にはスマートフォンゲームはシンプルであればあるほうが好みでして、ほかの開発メンバーと意見が食い違っちゃったんですね。
その中で、あーでもないこーでもないと話を重ねていった結果、2Dっぽく見える3Dモデルにたどり着いたというわけです。3DなのでX軸、Y軸だけではなく、Z軸への動きも表現できるので戦闘アクションの派手さにもつながると思います。
――ちなみに先ほどお話にも出てきましたが、本作には、ここがシンプルと推せる部分はあるのでしょうか?
下川 本作を横スクロールにしたという点はシンプルという意味でも推せますね。何故かといわれると、横スクロールがいちばん親しみやすいと思ったからです。子どものお絵描きを見れば一目瞭然なのですが、クルマの絵とかを横から見た状態で書く子がもっともポピュラーじゃないですか。右にいくか、左にいくか、この点がまずゲームの難しさの解消につながる部分かなと。奥行も存在していますが、マップ全体の構成を見てもらうと左から右へ進むというのがわかる形には仕上げてあります。
――シンプルなマップに作りこまれた風景が折り合わされば景色を楽しむという点にもつながりそうですね。
下川 そういう楽しみかたもしていただけたらうれしいですね。
――話は変わりまして、資料の中にかなり大勢のプレイヤーが映し出されている画像がありましたが、同じマップでの同時接続はどのくらいを目標にしているのでしょうか?
下川 もちろん目指せ無限……なのですがそれをやると速攻でサーバーが落ちちゃいますので(笑)。現段階ではまだまだとしか言いようがないですが、目標は100人ですね。その理由は事前の質問にもありましたが、コンテンツのひとつとしてGvGを作り、50人vs50人のコンテンツとかにしていきたいですね。
MMORPGといえばやっぱりシームレスバトル!乱入制限はいまのところなし
――本作の戦闘はシームレスタイプのバトルを採用されているようですが、それを選んだ理由を教えてください。
下川 そもそもの話をしてしまいますと、『剣と魔法のログレス』でも初期の企画ではシームレスかエンカウントで迷いっていた時期もありました。ただ、専用のバトルフィールドを用意するエンカウントだからこそできるやりかたもあるだろうと。あと途中から参戦できる仕組みができたということもあって、『剣と魔法のログレス』に関してはエンカウント方式に変わりましたね。でも、私自身としては、見知らぬ誰かが戦闘している横を素通りする際、「なんかピンチそう(汗)ピンチだから回復してあげよう」とか、「苦戦してたら戦闘を手伝ってあげよう」とか、エンカウント方式だと隠れてしまいがちな部分をある程度オープンにし、戦ってるさまが見えたほうが絶対おもしろいと思いました。
――PCのMMORPGではシームレスはよく見られますからね。ちょっと歳を重ねた世代には“懐かしさ”に繋がるのかもしれないですね。
下川 それはあると思います。それに、シームレスバトルだからこそ生まれるコミュニケーションというのもあると思います。「助けてくれてありがとう」、「いえいえ、がんばって」みたいなちょっとしたやり取りとかですよね。そういうのでつながっていくと、MMORPGの世界でほかのプレイヤーと遊ぶことが楽しくなりますからね。
――なるほど、そういう経緯でのシームレスバトルだったのですね。しかも2Dに見える3Dですからね。前にもZ軸の話とかありましたし、戦闘時の派手なアクションなどにももちろん……。
下川 期待していただければと思います! 後は、物語の都合上バトル参加者に縛りを設けているものとかもあります。エネミーと1vs1でやりあうしかない場面もあれば、5vs5、多数vs多数といった具合に、我々からいろいろ提供できればいいなと思っております。
コンテンツ、プレイ画面の向き、操作方法など気になる点も聞きました
――発表時のPV後半に、プレイヤーどうしの戦闘のようなシーンがありましたが、PvP、GvGといったコンテンツもいくつか提供されるのですか?
下川 そうですね、少し話をさかのぼっていただきますが、ふたりの対となるキャラクターがキーになっておりまして、彼らは激突してしまう運命なのかもしれない……という場面でチーム戦を行います。プレイヤーが両陣営に分かれて、勝利のためにぶつかりあうというものだったりは予定しております。後はレイドバトルと言われる巨大エネミーに対してみんなで挑む戦闘ですね。これ、じつは本作の戦闘システムにすでに紐づけしてしまっている部分だったりします。
――ほう、それはレイドバトルが多数行われるということでしょうか?
下川 そうではなく、フィールドにレイドボスと同等のエネミーが徘徊しているというほうがわかりやすいかもしれませんね。プレイヤーが20人、30人いないと負けちゃうかもしれないような相手がフィールドに陣取っていると思っていただければ。そういった敵に出くわしたときに積極的に人を集めて挑むのか? はたまた誰かが戦闘中に横を素通りして回避するのか? そういった駆け引きもMMORPGらしさかなって私は思っています。
――なるほどです。そういえばこれはもう見たままだと思うのですが、ゲームプレイ時のスマートフォンの向きは横画面でよね。
下川 いえ、PVの画面のことをおっしゃっているのではあれば、あれは開発中のもの広く見せるために画角を広げた特別性でして、ゲームプレイ時は縦持ちということで開発しております。
――本当ですか!? 今回のインタビューでいちばん驚きました、PVに完全に騙された勢です(汗)。
下川 私個人の話になるかもしれませんが、スマートフォンは縦持ちでないとチャットがしにくいと思っています。MMORPGというジャンルを開発していくうえでチャットは切っても切れない部分ですからね。横画面プレイでもチャットを快適にこなせるような研究を行うか、縦画面でMMORPGらしいタイトルを研究していくかという2択になったとき、私は縦画面でも遊べるほうを選びますからね。
――ではこの流れに乗りまして、ゲームの操作方法などをお聞きしてもいいでしょうか?
下川 本作はタップ操作で楽しめるように開発中です。クォータビューで見下ろした世界の大地をタップ、戦闘したい敵をタップ、戦闘中は各種アクションをタップ……みたいな流れでポンポン画面を触って進めてもらえるようにデザインしております。
――ありがとうございます。ほかにも本作はじつはこれを推しているとかいう要素があればお伝えしていただければと……。
下川 今回はキービジュアルでは世界を重視し、その世界でキャラクターたちも生きているんだよという情景を描いたものに仕上げています。これは最近だとよく見られるキャラクター推しとは違いますよというアピールのひとつですという点ですかね。
――話を聞けば聞くほどシステムが濃く、設定などの細かい部分にもこだわったMMORPGだなって実感しております。
下川 そうですね。もちろんこれまでの発言をすべて100%達成できるかと言えば難しい点もあるかもしれませんが、そこは開発者として自分も願望を形にしていきたいというのがあるので、『ZUNDA』ではそういった遊びができると今後ご報告できるようにがんばります。
――最後にこのインタビューを見ている読者にコメントをお願いします。
下川 『剣と魔法のログレス』も変わらず全力で行っていきますが、『ZUNDA』はこれまでとはいい意味で違う新しいMMORPGになると思います。その点に期待していただきつつ、完成、そしてリリースをお待ちいただければと思います。
――ありがとうございました。
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