『ディバインゲート零』インタビュー“零”から始まる新生『ディバゲ』のこれから──

2017-08-18 18:00 投稿

“零”の名を冠し、新たな物語が紡がれる

緻密な人間ドラマや爽快なパネルアクションが魅力のガンホーのスマホアプリ『ディバインゲート』が、2017年夏『ディバインゲート零』として新生!

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本作は、舞台、物語、登場人物などを一新。従来の魅力はそのままに、完全新作のようなワクワク感を味わえるのが特徴だ。

本記事では、週刊ファミ通(8/24・31合併号)に掲載された開発者インタビューを掲載。本作が大幅進化を遂げることになった経緯、 そして近年のガンホーに見られる“音楽”へのこだわりなどをお届けいたします。

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森下一喜氏(写真左)
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社取締役社長CEO。 数多くのゲームの開発や運営に携わり、 本作でもエグゼクティブプロデューサーとして指揮を執る。(文中は森下
ミスター☆ディバイン氏(写真中央)
プロレスラーのようなマスクを被りながら、『ディバゲ』の最新情報をユーザーに届ける四次元広報。宣伝活動はもちろん、ユニットとしてゲームにも登場している。(文中はMr.
山岡 晃氏(写真右)
『サイレントヒル』や『シャドウ・オブ・ザ・ダムド』といったビデオゲームを始め、 映画やテレビなど多彩な分野での活躍をしている音楽プロデューサー。(文中は山岡

“零”に戻してからの新たな
『ディバゲ』は“音楽”が鍵!?

──『ディバゲ』を『ディバゲ零』に進化させることになった、きっかけは何でしょう?

森下 『ディバゲ』をリリースしてから時間も経過してきて、新要素が増え、ゲームのシステム上の問題が積み上がり、改善するには作り直す必要がありました。『ディバゲ』自体、物語もちょうどひと区切りついているところだったので、新章をスタートさせるのがいいんじゃないかということになったんです。ただ、新章を始めるにあたり、これまでプレイしてくださっていたユーザーの方は、持っているユニットが使えるようになっています。また、山岡とは以前から、今後の音楽の楽しませかたや聴かせかたなど、音楽とゲームの融合の方向性について話し合っていたんですよ。そこから、その新しい形を『ディバゲ』でやってみようかという話になり、新章の主人公たちが、バンドという形で構成されているんです。

──それで今回の音楽フィーチャーという流れができたんですね。 これまで山岡さんは『ディバゲ』に関わっていなかったと思いますが、今回はどういった立ち位置での参加に?

山岡 オープニングの曲と、一部の曲に携わらせていただいています。僕はずっと音楽を作ってきましたが、やはり音楽というのは、ざっくり言うとすごく普遍的で、世界中の誰でもが楽しめるものだと思っているんです。今回も、“音楽”の新しい価値というか、新たな聴きかたや楽しみかたを、『ディバゲ』でできないかなと考えているところです。

──シーンに合わせて音楽が乗るだけではなく、深く作品と絡んでいるということですか?

山岡 はい。単に「ロックな感じの曲にしました!」といった話ではなく、作品にとって音楽をもっと大きなものにできないかな、と。

森下 ゲーム中のバンドの構成でいうと、各楽器の担当は決まっているのですが、ボーカルは基本的に決まっておらず、その都度誰かが歌う感じです。オープニングのイメージではボーカルがカズシなんですけれど、曲調を変えてシンクも歌ったり。あとは実際、この子たちが最終的には三次元世界を目指していけるようにしたいですね。ゲームの中でのバンド活動が注目されて、たとえば現実の音楽雑誌に、彼らの記事が載るような展開ができたらいいなと思っています。このゲームにはボイスが基本ついておらず、一方で演奏はプロの生音を録っています。じつは何気に、かなり有名なバンドの方に演奏していただいているんですよ。

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──彼らが演奏する音楽は、ゲーム中で聴けたりするんですか?

山岡 一応、バトルのBGMもバンドチックの曲ですし、ホーム画面のラウンジミュージックなんかも、ビートジャズのような曲にしていて、音楽性の高いものにしています。物語的にも“エクステ”という、武器っぽい楽器がありまして、楽器が出す音の魂のようなものでバトルを進めていくんです。

──そのバトルですが、仕組みがけっこう変わりましたよね?

森下 そうですね。今回は、“マスター”と呼ばれるリーダー的存在になれる6人――カズシたちがいて、自分のマスターを6人のバンドメンバーから選択するんです。たとえば、マスターにカズシを選び、あとのバトルメンバーは自分が好きなユニットを引き連れて戦う形ですね。カズシが好きな人はずっとカズシをマスターで使い続けられますし、リアンが好みならリアンをマスターにしてユニットを組むのもよしと、自由度が高くなっています。

──ちなみに、マスターになれる6人には、属性などの特徴はあるのでしょうか?

Mr. カズシが光、リアンが炎という感じで、属性の設定があります。ただ、その6人の中でしたら属性を変えられるので、どんなデッキ編成にするかは、自分で決められますよ。

──たとえば、敵が闇だからカズシが有利だとか、マスターへの依存はないんですね?

森下 いまのところ、大きな依存はないです。ほかにもポイントとして、いままでは全体管理だったHPを個別管理にしています。“ネクストパネル”というつぎに出てくるパネルの表示もあるのですが、「仲間がやばい!」という状況になったとき、つぎのパネルを見てどういう風にカバーするか考えたり、スキルで味方をかばうような要素を入れ、戦術的に遊べる
ようにしています。

──物語についても教えていただけますか?

森下 いままでの『ディバゲ』のパラレルワールドが舞台となり、現実世界の現代に近い世界の中でのストーリーが展開されます。大筋的には、この世界が別の世界から侵食されていくのを、カズシたちが守る感じですね。ただ、彼らは、最初から出会っているのではなく、じつはみんな寄せ集めでできたバンドなんです。ちなみに、なぜパラレルワールドのユニット(『ディバゲ』の登場人物たち)が出てくるのかというと、バトルを行うためにはパラレルワールドの人物と協力する必要があるという設定のためです。ですので、『ディバゲ』のキャラクターが、バトル用の“幻影体”として使えるんですよ。とは言っても、 いままでの物語と接点がないわけでもなく、『ディバゲ』のお話に登場しているあの人気のキャラクターが、『ディバゲ零』の新章に絡んできたりもします

──なるほど。おもしろい設定ですね。

Mr. 音楽自体も、 どんどん新曲が追加されていきますし、 この子たち以外にも、 ライバルバンドを登場させていく予定になっています。

──山岡さんは、 音楽の全体的な監修をしつつ、 自身で曲も作るような立場ですか?

山岡 そうですね。本作においては、世界観やキャラクターに対する熱量を持っていただきたいです。カズシたちのバンドに興味を持って、「このゲームおもしろい!」だったり、「この人たちの音楽がいい!」と、双方向に好きになってもらいたいなと。「僕が音楽を担当しています」ではなく、音楽そのもので、ゲームに対して力になりたいと思っています

──公式サイトのPVの演奏は、どなたが?

Mr. さっき森下が言った、有名バンドの方です。PV上でチラっと映っているので、わかる人もいるかもしれませんね。ぜひ、どなたかを当ててみてほしいです(笑)。

──オープニング曲はカズシをイメージしているとのことですが、今後はココロちゃんをイメージした曲とかも出てくるんですか?

森下 そうしたいですね。でも、女の子の曲の詞って、難しいなって……(笑)。じつは、歌詞は、ガンホー・ミュージック・ファクトリーが担当しているんですよ。

──ガンホー・ミュージック・ファクトリー? それって、森下さんたちですよね?

森下 僕と山岡と、音響監督を含めて3人でやっているんですけどね。ゆくゆくは、全米チャートを狙っていきます!(笑)

──(笑)。再びゲームの部分となる、パネルアクションについてもお聞かせください。

森下 基本のパネルアクションは変えていませんので、遊びかたの触感が変わることはないです。従来あった探索パートは、バトル前の探索感を出したくて入れていたのですが、結果的にはゲームテンポが悪くなってしまい賛否ありました。ですので、もっとテンポ重視に、爽快感を楽しんでもらうということで、物語やアドベンチャーパートをしっかり見せつつ、バトルでのパネルアクションをより磨こうという形になりました。

──アドベンチャーパートは、どのような形で差し込まれるんですか?

Mr. クエストをクリアーしていくと、物語を読めるようになります。会話形式で進み、分岐はありません。大きなメインストーリーの柱がある中で、個々のキャラクターのエピソードも、その中で読めるという感じです。

──UI(ユーザーインターフェース)も改修を?

森下 はい。文字の大きさや見せかたも考慮して、最近老眼が進んでいる僕でも読めるように、かなりスッキリさせました(笑)。

──(笑)。リリース日はいつごろに? それと、コラボ展開がどうなるのかも気になります。

森下 ガンホーの夏は長いので……(苦笑)。細部をデバッグしながら鋭意開発中ですので、もうしばらくお待ちください。コラボは今後もやっていきます。アニメ以外にも音楽関係とか、多方面での展開を考えています。

──最後に、メッセージをお願いします。

森下 細かい変化はありますが、ゲームの遊びかたの根底が変わるわけではありません。いままでのユニットも使えますので、すでに遊んでくださっている方も安心してリリースをお待ちいただければ。新章のスタートとなりますので、新規の方も、始めるにはいい機会だと思います。よろしくお願いいたします。

Mr. 広報の僕も、立ち位置は変わりません。夏にリリースとなりますが、それまでも『ディバゲ』をしっかりと遊び続けてください。そうすれば、よりよい形で引き継ぎができると思いますので、よろしくお願いいたします!

ディバインゲート

メーカー
ガンホー・オンライン・エンターテイメント
配信日
配信中
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS/Android

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