【新作】怪事件再び!!　架空の街で発見された溺死体の謎を解け 『烏菜木市奇譚（うなぎしきたん）-陸橋水難-』

双子の姉妹が挑む陸橋から始まる物語

奇妙な事案が絶えない架空の街“架空の街、C県の烏菜木市（うなぎし）を舞台にした、脱出ゲーム形式のアドベンチャーゲーム第2弾『烏菜木市奇譚（うなぎしきたん）-陸橋水難-』が、ついにリリースされた。

舞台こそ同じだが、独立した物語なので今作からプレイしても大丈夫。

ひとつの事件をきっかけに、双子の姉妹が想像を絶する出来事に巻き込まれていく。

命との向き合いかたを問い考えさせられる物語

車道にはクルマが1台、それ以外の車両や歩行者もいない夜道を走っていた。

よくある深夜の光景を照らすライトは、突如浮かびあがる異物を捉え、急ブレーキを踏み込ませる。

しかし、それは間に合わず、鈍い衝突音を響かせて停止したのち、そのまま走り去ってしまう。

その翌日、事件現場となった烏菜木の県道9号線には、タイヤのブレーキ跡と無残な姿で横たわる被害者の遺体だけが残されていた。

主人公の主南（すなみ）ヒトミは双子であり、姉のケイには見えざるものを見て、感じる特別な“才能”がある。

ひき逃げ事件の被害者でありながら、死因は溺死という奇妙な話から始まる本作は、尾鰭（おびれ）神社の姉妹を中心に描かれる小さな世界での物語だ。

しかし、そこに潜むのは単純な恐怖などではなく、被害者と同じ死が、我々にいつ起こってもおかしくない、当たり前の日常に潜んでいる恐怖を伝える内容なのだ。

血痕から浮き出た無数の目は、彼女に何を訴えようとしていたのか。

謎に包まれた事件の発端が明かされたとき、恐怖を上回る複雑な想いが沸きあがる。

双子の姉ケイと妹のヒトミ、ふたりの関係性にも注目しながら、不可解な事件を追いかけてもらいたい!!

みずから事件に介入していく没入感ある謎解きパート

本作の基本は、気になるポイントをタップし、集めたアイテムを組み合わせるなどしながら、さらなる変化を探していく王道の脱出ゲームだ。

注目すべきは、陸橋で巻き込まれる“とある事態”をきっかけに、ヒトミの頼れる相棒となってくれる折り紙“古奈羽火（こうなか）”の存在だ。

メッセージウィンドーを長押しし、キーパッドを使ってプレイヤーが折り紙に名を、ときには特別なワードを入力することで、さまざまな効果を発揮する。

簡単なギミックではあるが、このプロセスが発生することで、ストーリーに自分が介入していると感じることができる。

また、ただのプロフィールに思えるキャラクター画面にもちょっとした仕掛けがあり、窮地に立たされるヒトミを救い出す、重要な役割を果たしてくれるのだ。

……些細な好奇心をきっかけに崩壊していく日常。

ゆっくりと歩み寄る命の危険を、ヒトミと同じ目線から追体験していく感覚は、とても臨場感があって飽きさせない。

なお、本作を含む『烏菜木市奇譚』シリーズは、脱出ホラーアドベンチャーゲームとして、PCゲームでリリースされている『人食い掲示板の噂』の関連作品であることが、公式Twitterなどでも明記されている。

著者自身は未プレイだが、これを期に『人食い掲示板の噂』にチャレンジしてみたい!!

P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら

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