スクエニ新作アイドルゲーム『青空アンダーガールズ!』は曲とダンスが織りなすライブ演出が熱い【独占インタビュー】

2017-04-26 15:30 投稿

アイドル大好きプロデューサーが放つ本気のアイドルゲーム

2017年2月にその存在が明らかになったスクウェア・エニックスのスマホ向けアプリ『青空アンダーガールズ!』(以下、『あおガル』)。

スクエニからアイドルゲームが出るということで大きな話題を呼んだ本作だが、今回はその詳細を聞くべく、プロデューサーの山口海渡氏にインタビューを行った。

アイドルを題材にしたゲームを作った理由、さらには山口氏が『あおガル』制作時にこだわったところまで、そのすべてを語ってもらった。

青空アンダーガールズロゴ
メインビジュアル

『青空アンダーガールズ!』とは?

本作は、青春×アイドル×ライブバトルをコンセプトに、総勢21名の個性豊かなアンダーガールズ(アイドルの卵たち)の活躍の物語を描いた”青春ドラマチックアイドルゲーム”。

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また、4月26日15時より、Android端末向けにクローズドβテストも行われている。いち早く本作の魅力を感じたい人は要チェックだ!

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【期間】4月26日15時〜5月2日15時まで

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『青空アンダーガールズ!』はプロデューサーのアイドル愛から生まれた!

──スクウェア・エニックスからアイドルゲームが出るという一報にはとても驚かされました。なぜアイドルゲームを作ろうと思われたのでしょうか?

山口 もともと僕がアイドルものが好きだったこともあって、「こんなアイドルゲームがあったらいいな」と思ったものを形にしてみました。

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▲『青空アンダーガールズ!』プロデューサー山口海渡氏。

──もともとアイドルがお好きだったのですね。

山口 遡ると、“おニャン子クラブ”のころから好きでしたね。姉の影響で小さいころから曲を聴かされていて、『夕やけニャンニャン』(※1は潜在的に植え付けられているレベルです(笑)

※1 夕やけニャンニャン:フジテレビ系列にて1985年から1987年にかけて放送されたテレビ番組。おニャン子クラブのメンバーを選出するコーナー“アイドルを探せ”が人気を博した。

──始まりは3次元アイドルだったのですね。

山口 3次元アイドルはいまでも好きですが、徐々に2次元アイドルにも惹かれていきましたね。2次元アイドルものに目覚めたのは、今敏(こんさとし)監督の映画『パーフェクトブルー』がきっかけです。アイドルをテーマにしたアニメ映画なんですが、それを見て「2次元ものでアイドルをやると、こういうことが起きるのか」と衝撃を受けました(笑)

──『パーフェクトブルー』以外ではどのようなものから影響を受けましたか?

山口 アイドルものではありませんが、より2次元のアイドルへの熱量が高まったきっかけは『けいおん!』のアニメです。ライブのリアルな空気感を描写されていて、まるでキャラクターが本当にいるかのような“実在感”を感じたんです。“聖地巡礼”をするくらい熱中しましたね。『けいおん!』の舞台になった旧豊郷小学校に行ったり、キャラクターの居たであろう風景にフィギュアをあわせて写真をとったりしました(笑)

──ちなみに、山口さんがいまいちばん推しているアイドルは誰ですか?

山口 実際に現場(※2)に行って振りコピ(※3)とかするのは、Wake Up,Girls!ですね。AKB48 Team8も推せます。

※2現場:コンサート会場や握手会など、実際にアイドルを見て楽しめる場所のこと。

※3 振りコピ:ライブ会場でアイドルのダンスの振り付けを真似して踊ること。

──Wake Up,Girls!にはキャラ名に声優さんの名前が入っていますが、もしや『あおガル』でもキャラの名前に声優さんの名前が入っているのはその影響でしょうか?

山口 じつはキャラクターの名前に声優さんの名前を1文字入れているのはそこから来ているんです(笑)。声優さんへのリスペクトを感じました。

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開発のきっかけは『アイカツ』!?

──山口さんがさまざまなアニメ作品やアイドルから受けた影響を詰め込んだ理想のアイドルゲームが『あおガル』なのですね。

山口 それに加えて、『アイカツ!』の影響も大きく受けています。当時アイドルもので音ゲーってほとんどなかったんですけど、じつは『アイカツ!』の登場がそのジャンルに火を付けたんです。

──たしかに『アイカツ!』の登場はセンセーショナルな出来事でしたね。

山口 『あおガル』も、最初は『アイカツ!』のような3D着せ替えリズムゲームとして考えていたんです。ただマネタイズに衣装のガチャを『あおガル』に導入するか検討したときに、「これはゲームキャラに自己を投影する女児向けの『アイカツ!』ならではの要素だな」と思ったんです。新キャラクターや新衣装以外で定期的に追加できるものを考えた結果、いちユーザーとしてやはりキャラカードがいいという結論に至りました。

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▲画面右下に表示されているのがキャラカード。

音ゲーではなくライブカードバトルにした真意とは?

──“アイドルゲーム=音ゲー”というイメージが強いですが、本作ではカードゲームの要素がメインになっていますよね。

山口 じつは僕、音ゲーがめちゃくちゃ好きなんですよ。『パラッパラッパー』から『BEMANI』、『Dance Dance Revolution』ですとか、スマホ向けのアイドル音ゲーもほぼプレイしています。

──それだとなおさら音ゲーを選ばなかったことが不思議なのですが、何か理由があるのでしょうか?

山口 音ゲー特有の2分間画面から目が離せないという、何かをしながら遊ぶという自分のスマホゲームのプレイスタイル的に長期間遊ぶにはどうしてもしっくりこなかったのが一点。それとアイドル好きのお客様を満足させられる要素をおさえておけば、必ずしも音ゲーである必要はないのではないか? という発想が根本にありますね。

──その答えになったのがライブのカードバトルというわけですね?

山口 オートでも手軽に遊べるということを念頭に置いていたので、最初はRPG風のコマンドバトルも考えていたんです(笑)。ただ、2分という曲の時間の制限がある中で、RPG的な駆け引きのおもしろさを再現するのは難しいことが実際に作ってみて分かりました。それで悩んでいたときに『フリースタイルダンジョン』(※4(テレビ朝日)というテレビ番組を見て、「これだ!」って確信したんです。

※4 『フリースタイルダンジョン』:2015年よりテレビ朝日で放送されているテレビ番組。ラッパーによる即興ラップバトルがメインコンテンツで、会場を盛り上げた方が勝利という斬新なルールが話題となっている。

──『フリースタイルダンジョン』ですか?

山口 あの即興ラップバトルの“観客を盛り上げた方が勝ち”という分かりやすさは、ライブで決着をつけるという『あおガル』と共通するものがあると思ったんです。曲が終わった時点でより盛りあげた方が勝ちというシンプルな決着方法が、いまのシステムのベースになっています。

ライブの現場を知っているからこそできた“音”と“ダンス”へのこだわり

──アイドルファンならではのこだわりは、そのほかにどのようなものがありますか?

山口 ライブ映像にもこだわっていて、ライブ中の音の響きや奥行き感も意識しています。『あおガル』にもステージがいくつかあるのですが、そこではステージごとに現実のイベントホールに似た音の響きで臨場感を再現しています。

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──なるほど。ダンス面でもこだわりがあるとお伺いしたのですが?

山口 ダンスはプロの振付師にお願いしています。難しいフォーメーションダンスも採り入れて、“いままでにない3Dアイドルもののダンスをやる”という点に力を入れました。

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──その振り付けをAnimeJapan2017の発表会で声優のみなさんも踊っていましたよね?

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▲『Karisome Irony』を披露するGE:NESiSの4人。

山口 彼女たちの頑張りあってこそだと思います。そもそもプロのダンサーさんでも難しいレベルの振り付けだったので、もう少し簡単な振り付けにしようともしたんです。ですが彼女たち自身が「やりたい!」と言ってくれたので、ゲーム内の難しいダンスを実際に踊ってもらっています。彼女たちがやる気を見せてくれたときは本当に嬉しかったですね。

──銀河歌劇団はとくに激しいダンスでしたね。

山口 そうなんです。もともと銀河歌劇団は、あれよりもっと難しいものが予定されていたんですよ(笑)

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▲『放課後くるーずっ!』を披露する銀河歌劇団。

──開発の段階から、このようなメディアミックスの構想はあったのでしょうか?

山口 やっぱりアイドルものですから、リアルのライブ活動がどれだけ重要かを僕自身理解しているつもりです。『けいおん!』で感じたような観客がキャラクターを感じられる実在感は、こういうジャンルをやるうえで必要になると思っていたので、メディアミックスは最初から意識していましたね。

アイドルファンを意識して設定した“21名”のキャラクター

──ゲームのキャラクターは21名(5ユニット)ですが、なぜこの人数に?

山口 理由はふたつあって、ひとつはキャラクターを固定化してひとりひとりへのこだわりを貫きたかったから。もうひとつが、少なすぎすぎると「推しメンはこの子!」っていう多様性を持たせることができないからです。推しのアイドルを選ぶことができて、ある程度ひとりひとりを深掘りできる人数がどれくらいか考えたときに、20~25人が適性かなという結論に至りました。

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──今後、21名のキャラクター(5ユニット)が増えることはあるのでしょうか?

山口 山口 メインとなるキャラクターは、最初の5ユニットの21名ですが、新キャラクターはライバルとして登場する展開を考えています。僕は、アイドルひとりひとりの背景や個性がしっかり見えなければ、新しいアイドルゲームを受け入れていただくのは難しいと思うんですよね。お客様ひとりひとりの感情を、プロデューサーである自分がわかっていることが大事だと思うので、『あおガル』のプロデューサー兼TO(※5)(※5)の姿勢は崩さずにいきたいです(笑)

※5 TO:トップオタクの略称。ファン歴の長いアイドルファンや、ライブへの参加頻度が高いアイドルファンのことを指す。

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▲設定資料とともに熱く語る山口氏。

アイドルの背景にこだわった詳細なストーリー

──同じアイドルファンのみなさんに注目してほしいポイントはどこですか?

山口 気軽に遊べるゲームシステムはもちろんですが、「スマホでもここまでできるのか!」というようなグラフィックライブのクオリティにも注目していただきたいですね。

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──ストーリーを構成する上でこだわった部分はありますか?

山口 ストーリーもよくできていて、ほんとにおもしろいものになったと思っています。キャラクターを敢えて絞ることで、アイドルひとりひとりの背景にこだわることができたのが大きいですね。

──ユニットのストーリーというよりは、アイドルひとりひとりのストーリーがしっかり設定されているのでしょうか?

山口 メインストーリーはユニット単位でお話が展開するのですが、その中でアイドルひとりひとりに焦点を当てながらストーリーが進行します。たとえば、主人公の“櫻花ひなた”は国民的なトップアイドルの姉と比較されたくないため、自分のことを“オンリーワンアイドル”と表現していたりします。お話を進めてくと、そういったキャラクターそれぞれに内包された伏線が回収されていくのですが、とても奥行きがあるものになっています。

──楽しみですね。

山口 ちなみに、“アンダーガールズ”というタイトルにも特別な意味が込められています。そもそも“アンダーガールズ”には“代役”という意味があり、ストーリー上でもじつは重要な意味を持っています。彼女たちがトップアイドルを目指して、アンダーガールズとしての意地やプライドを見せつけていくお話は、本当に読み応えがあると思います。

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▲『Twinkle Stars』のセンターにいるのが、櫻花ひなた。

あらゆるアイドルを見てきたからわかる“曲”の大切さ

──ほかに見どころとなるポイントを教えていただけますか?

山口 よく言われる“アイドルものはキャラと曲が命!”というのは強く意識していて、とくに曲はかなりこだわっています。「全曲A面でお願いします」ってお願いしたり、「とにかくキャッチーでライブが盛り上がる曲にしてくれ」っていう熱い要望を出しましたね。

▲明るくポップで、王道感溢れる曲調の『トキメキサマー』。ライブでの定番曲になること間違いなし!

──ユニットごとで曲調もかなり違いますよね。

山口 昨今のアイドル業界の事情を汲んでいるところはありますね。たとえば、AKB48みたく王道を行くアイドルグループもあれば、BABYMETALのような、アイドルとヘビーメタルのギャップで観客の心を掴んでいるグループもある。その辺も漏れなく『あおガル』に盛り込むようにしています。

▲クールでロックなナンバーであるGE:NESiSの『Karisome Irony』。

──どのジャンルのアイドルが好きな人でも楽しめるということですね。

山口 アイドル好きと言っても、いろいろな属性のお客様がいると思うんです。なので、『あおガル』はジャンルの違う5つのアイドルユニットをプロデュースできるようにしました。そういう個性がバラバラな5つのユニットが、最終的にはひとつのグループとして活動していくところも魅力なんです!

▲ユニット全員で歌い上げる『STAR☆TING!』。

絶対に外せない“スポ根”感溢れる王道の展開

──『あおガル』のアイドルたちがユニットの枠を超えてつながることはあるのでしょうか?

山口 あります。最後はみんなひとつになって学園代表として戦うような、熱くて泣ける“スポ根”(スポーツ根性もの)的なストーリーを作るのにこだわっています。

──スポ根ですか。

山口 じつは、いちばん最初に外さないようにしようと決めていたのが“王道にこだわる”ということだったんです。先ほどもお話した実在感とか、聖地巡礼をなぜお客様はするのかを考えたときに、奇をてらっていない王道な世界観や設定でないと身近なものに感じづらくなると思ったんです。

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──実在感を出すにはやはり王道が大事で、それがスポ根につながるということですね。

山口 王道のスポ根感を出すために“学園”をテーマにしているんですけど、設定も現実味のあるものになっています。たとえばライブバトルなどは、言い換えれば”部活で試合をしているようなもの”なんです。軽音部があるくらいですから、将来こういった部活ができたらおもしろいですよね。

──貴重なお話をしていただきありがとうございました。最後にユーザーに向けて何か一言お願いします。

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山口 『青空アンダーガールズ!』は音ゲーではなく、ライブバトルカードゲームとして、手軽にプレイしてもらうことにこだわって作りました。音ゲー好きの僕が自分の実体験をもとに“ひとりのアイドルファンとして、こういうゲームがあってもいいな”という視点で『あおガル』は作っているので、アイドルゲームが好きな方にはぜひ一度プレイしてみていただきたいなと思います。それも含め、メインストーリーやキャクターのストーリーも楽しみながら、21名のキャストによるライブやイベントの活動も応援していただけたらと思います!

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『青空アンダーガールズ!』公式サイト

『青空アンダーガールズ!』公式Twitter

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青空アンダーガールズ!

ジャンル
青春ドラマチックアイドルゲーム
メーカー
スクウェア・エニックス
公式サイト
http://www.jp.square-enix.com/aozora/
配信日
2017年夏配信予定
対応機種
iOS、Android

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