『シノアリス』現実篇に“グレーテル”と“かぐや姫”の新章が追加!“グレーテルTシャツ”が100名に当たるキャンペーン開始

2017-02-23 12:00 投稿
2010年にスクウェア・エニックスからリリースされ、壮大なストーリーとゲーム性から、いまなお多くのファンに支持されるアクションRPG『NieR Replicant(ニーア レプリカント)』(PS3向け)及び『NieR Gestalt(ニーア ゲシュタルト)』(Xbox 360向け)。
その続編であり待望の最新作『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』の発売が2017年2月23日に迫る中、同シリーズを手掛けるヨコオ タロウ氏が原作・クリエイティブディレクターを務めるスマートフォン向けダークファンタジー『SINoALICE(シノアリス)』が発表された。
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▲(写真左から)ポケラボのプロデューサー・前田翔悟氏、キャラクターデザイナーのジノ氏 原作・クリエイティブディレクターのヨコオ タロウ氏 スクウェア・エニックスのプロデューサー・藤本善也氏。
⇒『ニーア オートマタ』のヨコオタロウが手掛ける新作『シノアリス』最新PVでキャラ情報判明! |
──『SINoALICE(シノアリス)』プロジェクト立ち上げまでの経緯を教えていただけますか?
藤本善也氏(以下、藤本) 数年前、ヨコオさんに「ヨコオさんが描くアリスの世界が見てみたい」と相談したことがあるんです。その後ずいぶん時間が経ってしまい、ヨコオさんから「そろそろ動かないとほかでやっちゃうよ」って煽られまして(笑)。それで本腰を入れて動き出すようになりました。
──”ヨコオさんが描くアリス”とは、具体的にどのようなものを想像されていたのですか?
藤本 もともと何かがあったというよりは思いつきです。弊社にアリスをモチーフにしたゲームがなくて、料理のし甲斐がある題材だなと思っていましたので。ただ、多くの方が知っているモチーフとキャラクターをヨコオさんが手掛けることで、すばらしいものになるだろうというイメージはありました。
──スクエニさんからポケラボさんにお声掛けされたのはどういった経緯からでしょうか?
藤本 以前からポケラボさんとは「何かいっしょにやりたいね」って話をしていたんです。ちょうど今回のプロジェクトが本格始動したので、いい機会だと思ってお声掛けさせていただきました。
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──『シノアリス』の世界観をヨコオさんからご説明いただけますか?
ヨコオタロウ氏(以下、ヨコオ) ”ライブラリ”という、いろいろな童話の本で埋め尽くされた世界が舞台です。そこにいるキャラクターたちは、自分たちの作品の作者の復活を願っています。ですがそれを叶えるためには、ほかの童話のキャラクターたちを倒して最後のひとりにならなければならない。そこで生まれる、異なる想いがぶつかり合う戦いを描いています。
──アリスやシンデレラといった童話のキャラクターたちが登場しますが、ストーリーはどのように展開されるのでしょうか?
ヨコオ キャラクターごとにシナリオがあって、それぞれのお話が並列に並んでいます。ストーリーにはチャプターもあるのですが、ときには複数のキャラクターのチャプターが交差する場面もあります。たとえば、アリスのストーリーを3章まで進めていくとスノウ・ホワイトのお話とクロスする、といった感じです。この場合、アリスとスノウ・ホワイトの3章は同じお話になるので、スノウ・ホワイトのお話を進めていなくても、スノウ・ホワイトの3章を先に読める形になります……ちょっと言ってて自分でも混乱してきました。
──特殊なストーリーの読み進めかたですね。ちなみにタイトルの『SINoALICE(シノアリス)』には、どのような意味が込められているのでしょうか? SIN=罪、SINo=死の、と深読みしていたのですが?
ヨコオ 決める前日に『シン・ゴジラ』を観て、「これだっ!」って思いました。それ以上でもそれ以下でもありません(笑)。
──そうだったのですね(笑)。では続いて、バトルシステムについても教えていただけますか?
前田翔悟氏(以下、前田) 簡単に操作できるコマンド式のRPGになっています。童話のキャラクターを育てていき、敵と戦っていく形になります。さらに世界観にあるような、童話のキャラクターどうしで殺し合うこともありますよ。
──キャラクターデザインにジノさんを起用されたのは、どなたのご意見だったのですか?
藤本 僕とヨコオさんでpixivを見ながら決めました。
ヨコオ 今回の制作に入るにあたって、「これだけはやりたくない!」っていうことがふたつありました。ひとつは、長く、量の多いシナリオを出したくないということです。そもそもソーシャルゲームのユーザーはシナリオをあまり読まないですし、わざわざ長いシナリオを書いても、ボタンを押して進めていくのがしんどいだけですから。もうひとつが、カードイラストごとでイラストレーターが変わることによって、統一感のないデザインにしたくないということです。
──ジノさんにお願いすることに決めた、決め手となる部分はどこだったのでしょうか?
ヨコオ 単純にキャラクターがかわいいんですよね。そこがいちばん大きかったです。
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──ジノさんはオファーを受けていかがでしたか?
ジノ いきなりスクエニさんからメールが来たので、これはコンセプトアートやポートフォリオを請求して商品にしちゃう詐欺だなって疑っていました(笑)
藤本 それ、ジノさんから直接言われましたよ(笑)
ジノ そうでしたね(笑)。ずっと疑っていたので、連絡をいただいてからしばらくのあいだは返事をせずにそのまま放置していたんです。そうしたら数日後に「返事をください!」と催促の連絡をいただいて。そこでようやく「これは詐欺じゃないかも?」と思えて、一度お話を聞いてみることになりました。
──ジノさんはもともとヨコオさんの作品をご存知でしたか?
ジノ はい。ただアクションゲームが得意なほうではなく、世間とゲーム機のブームもずれていたので、プレイをしたことはありませんでした。
ヨコオ 僕のゲームはやらないほうがいいです!(笑)
──(笑)。キャラクターイラストに関して、ヨコオさんからジノさんに対して何かオーダーは出されましたか?
ヨコオ 何もないとはじまらないので、”こういう武器を持っている”みたいな、ざっくりしたキーワードはお渡ししました。でも基本的なデザインはジノさんにお任せしています。「もうちょっと剣を大きく」みたいな、細部に関するディレクションも僕の方からはしていません。
──ジノさんがイラストを制作するうえで、とくに苦戦したキャラクターは誰でしたか?
ジノ 最初に手掛けたアリスですね。ゲーム全体のデザインの方向性を決めるキャラだったので、かなり慎重になりました。もちろんこれは、自分だけで考えたものではありません。ポケラボさんのアートディレクターさんにもご協力いただいて、いっしょに調整をしていったものになります。自分ひとりでできたかというと、そこは怪しいところですね。
■アリス(CV:M・A・O)
「もしこの世界が呪いで満ちているとしても、私は諦めたりはしない」
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──では、ジノさんお気に入りのキャラクターは誰でしょうか?
ジノ シンデレラです。じつはスクエニさんからお話をいただいたこともあって、『グリムノーツ』(※)は少なからず意識していて(笑)。『グリムノーツ』のシンデレラとは違う方向性で作っていった結果、いい意味でおかしい感じにできたかなと。
(※)『グリムノーツ』:スクウェア・エニックスが2016年1月より配信を開始したスマートフォン向けアクションRPG。童話の世界が題材となっており、シンデレラや桃太郎など、和洋問わず数多の童話のキャラクターが登場する。
■シンデレラ(CV: 喜多村英梨)
「一番嫌いなのは「私、汚れてません」って顔をしている奴かな。そういう奴に限って腹の中はどろどろで、何を考えているのか分からないからね」
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──2017年1月時点で、キャラクターは何体くらい描かれていますか?
ジノ 9体ですね。いまちょうど10体目に取り掛かっているところです。
ヨコオ ジノさんは本当に時間をかけて丁寧にデザインしてくださるんですよ。赤ずきんひとつ取っても、そのイメージをつかむために図書館に通ったりしていて。
ジノ どうしても図書館に行かないと手に入らない資料もあるんですよね。もともとヨコオさんからいただいた指定がその……割とざっくりだったので(笑)。足りない部分は自分で埋めていかなきゃ、と。そこでまず、図書館に行って童話そのものを読むのはもちろん、それらのお話が書かれた時代背景なども調べていきました。
藤本 その蓄積があるから、ヨコオさんの細かいデザイン指定がなくてもこれだけの作品ができたんだと思いますよ。
──ヨコオさんがジノさんのイラストをはじめて見たとき、どのように感じられましたか?
ヨコオ いやぁ、すごくお金になりそうだなって(笑)。 とにかくお上手なので、依頼したことにとても満足しています。こちらが言わなかった部分まで丁寧に仕上げてくださったので、そういう面も含めてできる方なんだなと感じました。
──ヨコオさんからみたジノさん、ジノさんからみたヨコオさんのイメージはどうでしたか?
ヨコオ ジノさんはすごく作業が丁寧で、物静かな方ですね。文句とか言わないのかなぁと、いつも思っています。
ジノ ヨコオさんはとても尖ったデザインのゲームを作られている方なので、最初は怖い方なのかと思っていました。ですがミーティングをしていく中で、ゲームの操作感とかをとても大切にされる方だなぁという印象を強く受けましたね。あと、まつ毛がすごく長い(笑)。
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──今回、ヨコオさんの肩書きは”原作・クリエイティブディレクター”となっていますよね。具体的にどのような作業を担当されているのでしょうか?
ヨコオ ふわっとした肩書なんですけど、おもにゲーム全体の見た目や原作のディレクションですね。デザイン、キャラクターの方向性、色味といった雰囲気づくりも担当しています。
──シナリオもすべてヨコオさんが執筆されているのでしょうか?
ヨコオ シナリオライターさんが別でいらっしゃいます。僕は全体の構成とシナリオのサンプルを作って、監修している感じです。そういった意味でも、”シナリオ担当”ではなく、”原作担当”という肩書きになっているのでしょう。
──バトルシステムに関して、ヨコオさんからご意見を出されることも多かったのでしょうか?
ヨコオ ユーザーインターフェースの細かい部分については、いくつか調整をお願いしています。ただ、僕はソーシャルゲームがぜんぜんわからないので、基本的なつくりや、どうあるべきかといった部分はポケラボさんに丸投げしています。いまでも「このゲームでどうやって儲けるんだろう?」、「お客さんはどこに課金するんだろう?」って、不思議な気持ちで見ています(笑)。
──今回はヨコオさん初のスマートフォンゲームになります。これまでヨコオさんがスマートフォンゲーム全般に対して持ってきたイメージ、コンシューマーゲームとの違いなどを教えていただけますか?
ヨコオ なんかすごく儲かってそうだな、と(笑)。そもそもコンシューマーゲームとスマートフォンゲームは文化として違うものなんですよね。コンシューマーゲームでも、アドベンチャーゲームとシューティングゲームは同じに語れない。それと同じように、コンシューマーゲームとスマートフォンゲームを同じように見るのは間違っていると思うんです。
──門外漢だからこそ、あえて口を出さずにお任せしようと思われた、と?
ヨコオ そうですね。自分自身、いままでスマホゲームで課金をしたことがないので、課金をしたい人の気持ちがわからないんです。何をもって課金したいのか、あまりピンとこなかった。そこについては、いまも不思議な気持ちで作っています。
──ヨコオさんは、課金に対してどのようなイメージをお持ちですか?
ヨコオ 課金をする場面に直面したときに毎回思うんですが、一度課金をしたら、また課金する機会が必ず訪れるだろうなって。毎回課金するのもいいんですけど、自分自身、どこがゴールか分からないものに対して頑張れないんですよ。エンディングがあって、そこで必ず終わる、とか。何かが見えていればいいんですけど。向かえばいい場所が分からないものに対して、お金を使う気にはなれないんですよね。
──『シノアリス』では、どのようなサービス形態を採られているのでしょうか?
前田 基本無料で、キャラクターの育成や装備の部分で課金をしていただく設計になっています。
──先ほどのお話の流れから察するに、エンディングも用意されているのでしょうか?
ヨコオ キャラクターやシナリオは追加されていきますが、エンディングは用意しています。
藤本 リリース後のあるタイミングで、エンディングを出せるように用意をしています。エンディングについてはいろいろなパターンを用意しているので、そこはお楽しみに、ということで。
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──今回、M・A・Oさんや内田真礼さんなど人気声優さんが多く起用されているほか、楽曲も『ニーア』シリーズから引き続き、岡部啓一さんが手掛けられていますね。
ヨコオ ヘッドフォンをつけてやりたくなるような作りになっていますよね。
藤本 そうですね。でも、じつはまだ楽曲ができてないんです。ちょうどさっきも岡部さんと打ち合わせをやっていたんですが、「これからがんばるぞ!」って言ってました(笑)。
──岡部さんのBGMがどんなものになるのか、いまから楽しみですね。
ヨコオ じつはゲーム中に長時間BGMを聴くことになる場面があって、ふつうのゲームのいわゆるリズム感とは違うものがそこにはあるんです。そこにどう音楽を合わせるか、従来のやりかたとは違った試みに取り組んでいるところです。
──前田さんから見る、今回の作品の肝、売りの部分を教えてください。
前田 ヨコオさん、ジノさん、岡部さんなど、優秀なクリエイターの皆さんが作り出す世界観ですね。毎日プレイするものなので、そうした世界を楽しんでもらえたらと思います。
──たしかに座組みの部分から、コンシューマーゲームファンに刺さるメンバーが揃っていますよね。
藤本 以前ヨコオさんが「フリートゥープレイのゲームだから、途中でプレイしなくなってしまうお客さんも出てくると思う。だけど、たとえゲームをやめてしまっても、大切なものとしてアンインストールせずにスマホに残してもらえて、ときどき立ちあげてもらえるような、愛でていただけるものにしたい」とおっしゃっていました。『シノアリス』では、それが実現できていると感じています。
──世界観が作りこまれた作品だからこそ、きっといい意味で長く愛される作品になる気がします。
藤本 ヨコオさんが手掛ける世界観もそうですし、ポケラボの皆さんも精魂込めて作ってくださった”工芸品”とでも言いましょうか。こだわりを持って作ってもらえたタイトルになっています。チーム一丸となって、「その世界観を活かすんだ」、「表現するんだ」、という想いで制作しているタイトルです。
──ちなみに配信時期はいつごろでしょうか?
前田 2017年の春を予定しています。
──ということは、ヨコオさん担当分はほぼほぼ終わっているのでしょうか?
ヨコオ まだいろいろと残っています。ソーシャルゲームでは継続した運営もありますので。
──発売されたばかりの『ニーア オートマタ』とのコラボも期待してしまいます。
前田 『ニーア オートマタ』もヨコオさんが手掛けられている作品なので、何かしらできればと考えています。ぜひ期待していてください!!
タイトルの由来がまさかのアレでびっくり展開だった今回のインタビュー。
個性派揃いのクリエイターが集まりどんな化学反応を起こすのか。『ニーア』シリーズのファンはもちろん、これをきっかけに彼らの世界観をひとりでも多くのユーザーに知ってもらえることを期待している。
【『シノアリス(SINoALICE)』事前登録】 |
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