【新作】前妻に妻子をさらわれた男の奇妙な心霊体験 『The Fear』

精神病院で自殺したはずの彼女が迫り来る

愛する妻と子どもを連れて出かけた帰り道、突如目の前に現れたのは長い髪の女。急ハンドルを切った男が目覚めたそのとき、隣りにいたはずの妻子が……。

過去に生活をともにしていた女性の行動が、家族にさまざまな恐怖をもたらすホラーアドベンチャー『The Fear』。

ストーリー設定は少々物悲しい部分があるけど、ゲームのノリはお化け屋敷を探索しているようなあの感覚。

自分の心が折れなければ必ずゴールにたどり着く、ちょっとの勇気と気力が試される本作の魅力をリポートしていくぞ。

OPがもう怖い!!　抜群の掴みと事の始まり

主人公である夫には、前妻にマータという女性がいた。

しかし、どういう訳か徐々に様子がおかしくなり、自身を傷付けるようになっていく。手に負えなくなってしまった主人公はマータを精神病院に入れ、関係を断ち切った後、いまの妻であるセレナと出会ったのだ。

そんなある日、前妻が自殺した夢を見る。何かがおかしい、家路を急いだ主人公だったのだが……。

時を同じくして精神病院にいたマータは自殺。死んだはずの彼女が主人公ら家族の前に現れたっていうんだから、これはもうただごとでないない。

隣りにいたはずの妻子が消え、家族に危険が迫っていると察した主人公。その無事を確認するために、どうしてそう感じたのか、まっすぐ自宅を目指すのだった。

ってなわけで、こうして始まる本作には当然タイトル画面がある。もうね、それを見ているだけで鳥肌ものなのだ。

「あぁ、これはヤバイやつだ」
そんな気分を味わえるタイトル画面、ぜひ動画でみてほしい!!

『The Fear』タイトル画面がもう怖い

カギを探して行方不明の家族を探せ

本作の目的は姿を消してしまった妻子を探すこと。謎解き要素はいっさいなく、各フロアごとにカギを集めながら、家を隅々まで探索していくことになる。

やることはシンプルなんだけど、真っ暗闇な家を懐中電灯ひとつで歩くことへの恐怖心からか判断力は低下。カギを探すどころか、屋内を直視するのもままならない。

主人公にとっては住み慣れた我が家だけど、プレイヤーにとってはもはやホラーハウス。

「そこにいるのはわかってるんだぞ!!」と、威嚇をしながらちょっと大げさに扉を開けたり、廊下の角を曲がったりと、少しでも気持ちを大きく保ちたくなるには理由がある。

何もないのかと油断させて近づいた瞬間、あるいはここに何かありそうだと興味を持たせたとき、時には懐中電灯のわずかな灯りに集中しているところに、待ってましたと言わんばかりの勢いでマータが飛び出してくるのだ。

基本的にはお化け屋敷、決まった場所にくり返し出てくるので、改めてじっくり確認してみるとスタンバってる姿も見えて微笑ましくもなるけど、やっぱりあの表情はいつみても怖いんだよね。

攻めのマータをやっつけろ!!

驚かせるだけの単純なやつだと思ったら大間違い。

探索中の主人公に襲いかかり、命を奪う危険なマータも存在する。

対処法は画面の左右を連打とシンプルだけど、少しでも判断が遅れると撃退できずにゲームオーバーと言う気の抜けない状況だ。

ちょっと広告の出る頻度が多くてアレだけど、そこはご愛嬌。

精神病院に入れられてしまった本当の理由はなんなのか。マーサと主人公のあいだに起こった過去の出来事、そして行方不明になってしまった妻子を無事取り戻すことができるのか。

徐々に明かされるストーリーに注目しながら楽しんでもらいたい。

P.N.深津庵
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