ゲームクリエイターたちの本音が見えた! 安藤武博氏率いるdots.ゲーム部始動
2016-06-30 10:00 投稿
モデレータは安藤武博氏!dots.ゲーム部始動
2016年6月28日、東京・渋谷にあるイベント&コミュニティスペース“dots.”主催の、ゲームクリエイターによるゲームクリエイターのための勉強会イベント“dots.ゲーム部”が催された。本記事では、そのリポートをお届けする。
今回のイベントは、シシララの安藤武博氏をモデレーターに迎え、ゲーム業界の最前線で活躍する登壇者6名が、ライトニングトーク(LT)形式と呼ばれる5~10分程度の短いプレゼンテーションを実施。その議題に対して安藤氏がコメントする形で進行した。
モデレーターと登壇者(登壇順に掲載)
シシララ 安藤武博氏 (モデレーター) | |
gumi 結城基氏
「プロデューサー」って一体なんなの?
トップバッターはgumiの結城基氏。『クリスタル オブ リユニオン』でプロデューサーを務めている自身の経験を交えながら、“プロデューサーという立場”に必要な心構えを語った。
会社やプロジェクトによっても求められる働きがガラリと変わる“プロデューサー”だが、大事なのは「あ、この人になら賭けてもいいかな」と思われるようになることだという。そのために自身が心がけているのが、“自分の強みを活かして最大化させる”、“とにかく何でもやってなんとかする”、“売るためのことしか考えない!”の3点。
これらすべてに“大丈夫!”をつけて周囲にコミットしていくことが、プロジェクトを円滑に進める上必要と、プロデューサーの傍らでタイトルロゴのデザインなどもしてしまう結城氏らしい持論を展開。
安藤氏は、「全部できるようになるようにこしたことはないけど、チームに上手く任せられるようにならないといけない面もある。“いざとなったときの切り札”になれるかどうかがプロデューサーとしてのカギではないでしょうか」締めくくり、会場に駆け付けたプロデュースを務める多くの参加者たちからも共感を呼んでいた。
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カプコン・モバイル 山田倫之氏
ゲームって作品なの?商品なの? ~クリエイティブとビジネスの両立を目指して~
カプコン・モバイル東京企画チームのリーダー山田氏がテーマとしたのは、ゲーム制作における“作品性と商品性の両立”。
ハードやソフトの進化はもちろん、スマホやゲーム機が生活の一部となっているデジタルネイティブ層の例を挙げ、ユーザーの進化にも言及。こういった数々の“進化”により、ゲームに求められるクオリティが年々上がってきているという。
そこで重要となるのが、自分がおもしろい、楽しいと感じることをどう形にするかという“作品性”と、ユーザーにきちんと楽しんでもらえるかという“商品性”を両立させること。
とはいえ、ゲーム制作はチームプレイ。個のクリエイターができることは、いま与えられた場所で「最大限の工夫と努力をし、信頼を勝ち取ること」が大切だという見解を語った。
2001年にコーエー(現コーエーテクモゲームス)に入社した氏は、オンラインゲーム『大航海時代 Online』に数年携わり、ユーザーの意見を取り入れる運営スタイルのビジネスに従事。
当時、ユーザーの評判を見て、自身が作ったものが受け入れられない限り、意味がないことを悟ったという。ことオンラインゲームの制作においては、「せっかく人生の大半を費やすのだから、その時間を楽しむべき」という発言には安藤氏も同意し、LTを終えた。
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グリー 西田将之氏
ゲーム運営 これだけは押さえておきたい3つの”E”
“スマホアプリのゲーム運営”をテーマにLTを行ったのが、2016年5月に5周年を迎えたスマホアプリでも屈指の長寿タイトル『探検ドリランド』の運営を担う、グリーの西田将之氏。ここまで長く運営を続けられた秘訣は、3つの“E”にあると西田氏は言う。
ゲーム運営に大切な3つの“E”
Everybody…みんなで楽しめる。“共闘感”を大切に。
Easy…操作も仕様もUIも、簡単シンプルでわかりやすく。
Exciting…盛り上がりポイントを作る。マンネリ化させない。
これらは「イベントなどで失敗して離れたユーザーは二度と戻ってこないので、失敗しない方程式を重視してチームで掲げているもの」と紹介された。ソロプレイで完結しない、みんなで楽しめるバランス設計、“遊びかた”を読む必要なくプレイできること、イベントをマンネリかさせないなど、当たり前に見えるが、つい忘れがちなことを大切にしていくことで失敗は減らせると西田氏が語り、約3分弱のLTを終えた。
LT後、「時代によってトレンドが変わるのが、ゲームの難しいところでもあり楽しいところ。『モンスターハンター』など決してイージーとは言えないゲームもトレンドになったりする。そうなったときに、この絶対方式に対する処方箋も用意しておきたいですね」という安藤氏のコメントも印象的だった。
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Aiming 小林俊仁氏
ゲーム業界で思う3つの大事なこと
続いて、安藤氏と同世代で昔から親交もあるという、Aimingの最高技術責任者、小林氏が登壇。
以下に示す“ゲーム業界で思う3つの大事なこと”をテーマにLTを行った。
【1】売れているゲームを遊ぶ
【2】組織の壁・個人の壁を壊す
【3】ゲーム業界の大きなサイクルを理解する
ディレクターにとって“売れているゲームを遊ぶ”ことは作品の進む方向を明確にし、開発チームの士気を上げるのにひと役買う。そしてどの役割であっても、具体的な作品名を例に出すことは、スタッフ間の意思疎通をスムーズにするメリットとなるという。
経営者にとってもそれは同様で、たとえば開発期間を延ばして新たな機能を実装するか否かを決める際に、予算だけではない正しい経営判断に繋がるだろうという考えだ。
また、ゲーム作りはあくまでコミュニケーション。“組織的な壁や個人的な壁を壊す”ことをしなければ、いいものは生まれない。チームで試行錯誤して改良していくプロセスにこそ価値があるとの見解を示した。
最後に氏が述べたのが、“ゲーム業界の大きなサイクルを理解する”こと。市場のサイクルがどの時期にあるのかを把握し、仕掛けるべき内容やタイミングを見定めるという、ゲーム制作における重要性を説き、LTを締めくくった。
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トランスリミット 相原昂平氏
『Brain Dots』にステージビルダー機能をつけた話
名だたる登壇メンバーの中に飛び込んできたのが、トランスリミットに2016年新卒入社したフレッシュな相原昴平氏。
社員約20名で9割がクリエイターというトランスリミットは、『Brain Wars』や『Brain Dots』といったカジュアルスマホアプリで、累計4000万ダウンロードのヒットを飛ばしてる設立3年目のゲームメーカーだ。今回は相原氏が制作に携わった『Brain Dots』のステージビルダー機能についてのLTが行われた。
『Brain Dots』とは物理演算を利用し、画面に自由に線や図形を描いてふたつのボールをぶつけるとクリアーできるというシンプルなルールが好評のパズルゲーム。
リリース当初は300ステージ、アップデート後に200ステージと大量のステージを用意したが、今回“ステージビルダー機能”を用意したことで、ユーザーの作るステージの予想もしなかったアイデアに新たなゲームの可能性を発見。さらにこれらの中からオススメステージをピックアップするなどの運営スタイルを確立し、運営コストの軽減も実現できたという。
LT後、安藤氏から「ほかに何か言いたいことある?」という問いかけに「社長にしっかり宣伝してこいって言われました」と相原氏。そのフレッシュな答えにファミ通Appもお手伝いしたい気持ちになったので、下にゲームのダウンロードボタンを置いておきます。未プレイの方はぜひダウンロードを!
Brain Dots(ブレインドッツ) | |
トランスミッション/無料 |
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グリー 長屋貴之氏
エンタテインメントする
最後に登壇したのが、グリーで『釣り★スタ』、『探検ドリランド』、『消滅都市』などを手掛けてきた長屋氏。
乙女ゲームの制作やオンラインゲームに携わったのち、グリーに入社した氏は、仕事をみずから楽しんでそれ自体を“エンタテインメント”と捉えることの重要性を語った。
そこには、ゲームでユーザーを楽しませるクリエイター陣が楽しまないでどうするという、個々のクリエイターがつい忘れがちな大事なことが集約されていた。
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終始笑いが絶えず、和やかな雰囲気で進められた今回のイベント。dots.ゲーム部では、7月28日を皮切りに、安藤氏によるゲーム開発者向けの寺子屋的な催しが継続的に実施される予定だという。今後の動向にも注目したい。
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