写真、電話、メッセージ、音楽など基本機能がもっと使いやすく! iOS 10の新機能まとめ

2016-06-14 05:15 投稿

Apple開発者向けカンファレンスレポート

日本時間6月14日午前2時、Appleの開発者向けカンファレンスWWDC 2016の基調講演が行われた。基調講演では、新型Macなどの発表と合わせて、次期iOSの仕様などが発表された。

ここでは、次期iOSの仕様を中心に、モバイル関連情報をまとめていく。

Watch OSも次のステージへ

まず発表されたのが、Watch OSの更新について。Apple Watchに搭載されるこのOSは、この更新でバージョン3へとアップする。

Watch OS3での主な変更点は、アプリ起動の高速化、ドックの搭載、ウォッチフェイスの拡張、手書き機能、緊急連絡、ヘルスアプリ追加となる。

アプリ起動の高速化は、従来の7倍の速度で起動できるようになったというもの。また、ドックは、iPhoneのドック機能と同様のもの、ヘルスアプリはユーザーに深呼吸を促すアプリとなっているので、詳細は省く。

Apple Watchのホーム画面でもある時計盤面のデザイン、ウォッチフェイスにミッキーマウス、ミニーマウスが登場することが明らかに。また、これに伴いそのほかのUIデザインもウォッチフェイスのものになぞらえるようなものになる機能も追加されるという。

手書き機能は、盤面に指で書いた文字を文字として認識、入力できるようになるというもの。これを使えば、Apple Watchひとつでメッセージの確認から返信までができるようになるという。この機能はリリース次点で中国語と英語のみの対応となっている。その後の対応言語拡張に関しては不明。

緊急連絡機能は、ユーザーにもしもの事態が訪れたときに役立つ機能。もしユーザーが事故に遭ってケガをしてしまったときに、Apple Watchのサイドボタンを長押しすることで、救急ダイアルを発信してくれるという。

ちなみに、この機能は各国に対応しており、アメリカで事故に遭ったときにこの機能を使えば、アメリカの救急ダイアルである911に、中国で事故に遭ったときにこの機能を使えば、中国の救急ダイアルである999にと、自動で判別して発信してくれるそうだ。

各国の救急ダイアルに対応しているとのことだが、日本でも対応しているかは明言されていない。

iOS 10でメッセージ機能が大幅進化

続いての情報は、お馴染みiOSについて。次期iOSとなるiOS 10には、大きく10個の変更点が加えられるという。ひとつずつ確認していこう。

・ロック画面の操作拡張

これまで、ロック画面では通知の確認とカメラの起動のみとなっていたが、これを拡張。まず、表示されている通知を3Dタッチすることで、そこからアクションを起こせるようになる。たとえば、メッセージが届いたという通知を3Dタッチすると、ロックを解除せずとも、そこから返信ができるという。

また、カメラやミュージックアプリへの移行がスムーズになったり、ホームボタンを押さずとも、横になった端末を起こすだけでスリープ状態を解除するという機能も追加される。

・Siriの機能拡張

音声によるデバイス操作サポートを行っていたSiriが、開発者向けに解放される。これにより、サードパーティでもSiriを使ったアプリケーション管理が可能になる。

Siriからサードパーティアプリを起動することはもちろん、Siriに「○○に、△△というアプリで××というメッセージを送って」と伝えると、外部メッセージアプリを通じてそのメッセージを送れるようになるとのこと。

なお、口語による曖昧な表現はすべてSiriがどういった指示なのかを判別してくれるため、サードパーティ側が細かなライブラリを作らなくても済むようになっているという。日本語の対応は不明。

・クイックタイプ

Siriのディープラーニング機能を活用することで、テキスト入力の予測入力サポートが強化される。また、学習からだけでなく、文脈やiPhoneから得られる情報(状況、場所)をもとに適切な候補言語を表示してくれるという。こちらも、日本語対応は不明。

・写真アプリ

写真に位置情報を紐付けることで、どこで撮った写真なのかを地図上でまとめ、それをiCloudを通じて共有することも可能になるという。また、誰が撮った写真なのかも確認できるとのこと。

メモリーというタブメニューも追加。このメモリーは位置情報やシチュエーションなどを自動で判別し、自動で同じカテゴリになるように写真をまとめてくれるという。また、ただまとめるだけでなく、それらの写真を使って、自動でアルバムを作ってくれたり、ムービーを作ってくれる機能も持ち合わせているとのこと。

位置情報を使って旅行などの写真をまとめ、自動でアルバムを作ったり、誕生日の写真と自動で認識させることで誕生日に起こったこと、そしてそこで撮った写真をムービーにしたりといった活用法が見込める。

・マップアプリの強化

マップアプリが、ユーザーにさまざまなことを提案してくれる機能を追加。たとえば、カレンダーに入れられたスケジュールや時間から、次に行うであろうユーザーの行動を推測。そこから使われるであろうスポットの検索などをして提案してくれるとのこと。

たとえば、昼時であったら周囲のレストランなどを勝手に検索して表示してくれるそうだ。この機能も日本対応は明らかにされていない。

また、マップアプリのAPIを公開することも明らかに。これを利用すれば、マップアプリの拡張機能をサードパーティが開発できるようになる。たとえば、マップアプリ上にレンタカーが借りられる店舗を表示し、そこをタップするだけで車の予約ができるようにといったことが可能になるそうだ。

・ミュージックアプリ刷新

ミュージックアプリのデザインが新しくなる。これまで以上にシンプルでわかりやすく、美しいデザインになるとのこと。また、楽曲配信者が、楽曲データに歌詞を付随させれば、ミュージックアプリ中に歌詞を表示させられるようにもなるという。

For Youの拡張。これは、Appleのキュレーターが日によってオススメの曲をキュレーションしてくれるというもの。また、ユーザーの好みの楽曲を端末が推察し、それを元にしたオススメのアーティスト紹介なども行ってくれるという。

・ニュースアプリの拡張

まだ日本ではリリースされていないオフィシャルアプリ『News』の機能拡張も行われる。こちらも、キュレーションに対応するほか、定期購読機能、ブレイキングニュースの通知機能が追加されるという。

・『Home』アプリリリース

iOSデバイス上で、家庭内のさまざまな機器を管理するプラットフォーム『Homekit』が『Home』というスタンドアロンアプリになる。

これにより、『Home』対応の家電を導入すれば、『Home』アプリから遠隔操作で照明、エアコン、ドアロック、湯沸かしなどができるようになるほか、インターホンと連携すれば受話をiPhoneで行えるようにもなるそうだ。

さらに、『Home』はSiriにも対応。Siriに「おはよう」と伝えるだけで、あらかじめ設定しておいた朝専用の家電の動作がまとめて行われるという。

しかし、現時点で『Homekit』、『Home』に対応している家電製品が少ないのが現状。Appleは中国やアメリカの住宅会社などと連携して対応グッズを増やしているという。

・電話アプリも進歩

大きな機能として、Siriが留守番電話を文字に起こして残してくれるという機能が追加されるという。

また、VoIPアプリのためのAPIも公開。VoIPアプリをわざわざ立ち上げて通話を選択しなくとも、電話アプリから電話をかける際に「電話回線を使ったものを発信するのか、VoIPアプリで発信するのか」という選択ができるようになるそうだ。

・iMessageが大幅進化

メッセージアプリが大幅に強化される。まず発表されたのが、メッセージとしてURLを受け取ると、そのサムネイルを表示してくれたり、ムービーへのリンクが貼られたら、メッセージアプリ内でそれを再生できたりといった機能。

これによって、メッセージアプリを起点として起こりうる数々のアクションを、メッセージアプリ内で完結できるようになる。

続いて強化されるのは、表現について。これまでメッセージアプリは非常にシンプルで淡泊なアプリだった。これを刷新し、文字表現では伝えにくい感情表現をサポートしてくれるものになる。具体的にどのような機能が追加されたのか見ていこう。

まずもっとも大きな追加点は、吹き出しなどにエフェクトが付加できるようになったとい点。ただ吹き出しにメッセージの載せるのではなく、吹き出しを大きくしたり、動きを付けたりが可能になる。中には、吹き出しを画面に叩きつけ、発信済みのメッセージすべてを振るわせるような派手なアクションもあるようだ。

さらに、メッセージそのものにモヤをかけ、相手がそのメッセージを指でぬぐうような操作をしないと、メッセージが表示されない機能もあり、かなり動きのあるメッセージアプリに変化したことが伺える。ちなみに、このモヤをかける機能は画像送信の際にも使えるという。

また、吹き出しだけでなく、画面全体に表示できるエフェクトもサポート。メッセージと同時に、画面いっぱい花火を打ち上げたり、風船を飛ばしたりと行ったド派手なエフェクトを相手方に送れるようになる。

続いての追加点は、絵文字入力のサポート。これまでは絵文字を使おうとするたびに一覧から、探し出すといった作業が必要だったが、これをショートカット。文脈中にある絵文字に置き換えられるワードをハイライト表示し、それをタップするだけで絵文字入力ができるようになるという。

最後の追加点は、開発者向けAPIの公開。これにより、メッセージアプリがサードパーティアプリと連携が取れるようになる。デモでは、外部アプリが提供しているスタンプを貼り付けたりはもちろん、外部アプリで注文したデリバリーの注文票をメッセージアプリに貼り付け、Apple Payと連携したユーザーがメッセージアプリ内で支払いを済ませたりといったことも可能になるという。

このほかにも、複数ユーザーでメモ帳編集を行えるよういになったり、サファリを画面分割させ同時にふたつのサイトを閲覧できるようになったりといった機能も追加されるとのこと。

iOS 10は一般ユーザー向けに今秋中の無料アップデートが予定されている。

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