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【Unite 2016 Tokyo】キャラの魅力を引き出す『Fate/Grand Order』の演出技法

2016-04-12 16:37 投稿

『Fate/Grand Order』におけるUnity活用術

2016年4月4日、5日の2日間、東京・お台場にて開催された“Unite 2016 Tokyo”。ここでは、会期2日目に行われた“『Fate/Grand Order』におけるディライトワークス流Unity活用術”の模様をリポートする。

講演ではディライトワークスの安生真氏と荻野洋氏が登壇し、前半のデザイン編を安生氏、後半の実装編を荻野氏が解説を担当した。

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▲安生真氏(左)と荻野洋氏(右)。

モーションはヌルヌルよりメリハリ!

まずはデザイン編として、バトルシーンでのキャラクターとアニメーション制作について、安生氏が解説。本作のキャラクター制作は、安生氏が「特別、変わったことをしているわけではない」というように、設定から素材を起こし動きのあるバトルキャラに仕上げる、一般的な手法を取っている。

ただし、最初のコンテは原作であるTYPE-MOONに任せている。これは開発側でコンテを作ると、技術的なハードルを設けてしまい、表現の幅を狭める恐れがあるから。まずは技術的な制限を気にせず、キャラクターの魅力を最大限に引き出すコンテにしてもらおうという考えだ。

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できあがったモーションの修正には、アニメ制作のノウハウを取り入れられている。バトル実装にはPlayMakerやuSequencerを利用しているが、3DCG制作スキルやUnity開発経験があっても、アニメ制作経験を併せ持つ人材は極めて少ない。そのため、アニメ制作経験者が開発環境のハードルを意識せずに知識を発揮できるワークフローを確立。できあがったモーションをいったん動画に落とし込み、1コマずつ細かいチェックを受けながら修正しているという。

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ここでは、いわゆるゲーム的なヌルヌルした動きではなく、タメ、動き出し、ノビ、ノコシなど、メリハリのついた動きを意識。キャラクターが魅力的に映るモーションを目指し、地道な作業が行われているのだ。

また、一般的なゲーム制作では複数のキャラクターのモーションを共通化し、制作コストの低減や省メモリを図っており、本作も当初はその方針だった。しかし、のちに方針を転換し、モーションの非共通化を目指すようになり、この詳細は実装編にて語られた。

バトルキャラ制作の試行錯誤

ここからは荻野氏が登壇し、Unityを使った具体的なゲーム実装について講演が進められた。本作のキャラクター表現においては、開発当初からさまざまな問題に直面し、試行錯誤をくり返してきたという。

初期の構想段階でのバトル画面も披露され、この当時は多関節2Dキャラを動かせるSpineを使う考えもあった。しかし、槍を横に振り回すような立体的な動きを再現するにあたり、3D空間でのダイナミックさを表現できるMayaを使うことに決定。ちなみに、Mayaで作られたバトルキャラは、メッシュを重ねた平面的なものだが、槍などの立体的な動きをする武器は3Dで作られている。

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続いて直面したのが“インビジブルエア問題”。セイバーが使うインビジブルエアは、剣に空気の層を重ねて不可視化するものだが、デザイン側がMayaだけで表現するのは不可能だった。

これをプログラム側がエフェクトのプレハブを後乗せすることで解決し、さまざまなキャラのエフェクトにも対応できるようになったほか、表現力もアップしたとのことだ。

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つぎなる問題は、3段階もの進化段階への対応。カードの絵もバトルキャラも見た目が変わるが、データ量は極力増やさないというオーダーが舞い込んだという。この解決方法としては、キャラのテクスチャにすべての進化分を詰め込み、表示と非表示をプログラムで切り替える方法を取っている。

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3者分業によるモーションの非共通化

続いては、デザイン編で安生氏も触れていた、モーションの非共通化について説明が行われた。当初は武器ごとにアニメーションを使い回す仕様だったが、ユーザー数の多さとその熱量の高さを感じるに連れ、モーションやエフェクトをキャラごとにユニークなものにしようと方針転換。これをアプリ更新なしに実現するため、PlayMakerが導入された。

PlayMakerは状態遷移を細かく指定できるアセットだが、使いこなすには特殊技能ともいえるUnity環境への理解が必要だった。そこで、まずはデザイナーがMayaでバトルキャラを作成し、エフェクトも作ったうえで、プログラマにバトンタッチ。アニメや音声の再生など本作専用のPlayMakerのActionをプログラマが書いたら、最後にUnityエンジニアが動きをつけて仕上げるという、3者分業で取り組んでいる。

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ディライトワークスでは、PlayMakerが持つ柔軟さを引き出すことができる人材を、Unityエンジニアと呼んでいる。プランナーやデザイナー、プログラマとは異なる、Unity環境ならではのポジションは、今後のゲーム開発でさらに重要になっていくと荻野氏は語った。

ド派手な宝具演出も分業で実現

本作の魅力のひとつ、キャラクターがくり出すド派手な宝具演出もPlayMakerで制作するつもりだったが、PlayMakerを使いこなすUnityエンジニアが少ないため量産には向かないことが発覚した。

これはuSequencerを使うことで解決し、ここでもデザイナー、プログラマ、Unityエンジニアがフォローし合って対応したという。

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今回の講演では、本作のこだわりであるキャラクター制作のひとつに、Unityエンジニアの存在が重要であることが語られた。もっとも、とりわけ特徴的に感じたのは、運営スタート後にモーションの非共通化を実装するという、方針転換を決断できたことだ。

この方針転換には、制作コスト増加に対する新たな工夫が求められ、Unityエンジニアという特殊技能を持った人材も必要とされる。それもすべては、『Fate』を愛する熱心なファンの期待に応えるため。開発陣がこうした姿勢で取り組んでくれているのだから、本作のさらなる進化に期待せずにはいられない。

『Fate/Grand Order』 PV

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Fate/Grand Order

ジャンル
RPG
メーカー
TYPE-MOON
配信日
配信中
価格
無料(アイテム課金)
対応機種
iOS/Android

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