【新作】殺人儀式“黄泉忌みの宴”が予想以上に怖かった 『レイジングループ』

人狼ゲームをベースにしたホラー・サスペンス

昨年12月3日(木)にKEMCO(ケムコ)からリリースされた、“人狼村”で発生する殺人儀式に挑むホラー・サスペンスアドベンチャー『レイジングループ』。

本作は、『人狼ゲーム（汝は人狼なりや？）』を、『鈍色のバタフライ』、『トガビトノセンリツ』などを手掛けたシナリオライターが不気味&リアルにアレンジしたものとして、多くの注目を集めたタイトルだ。

そんな話題作に興味津々だったのが、ビビリのくせにホラーゲームが大好物な俺。

あ、どうも、ライターの深津庵です。

この『レイジングループ』は、メインルート1本＋αを無料で遊ぶことが可能で本編が1080円。5つの追加シナリオを各240円(全編まとまったプレミアムセットあり)で購入できる大ボリューム。

ふんふん、なかなか強気なスタイルじゃないか！

っというわけで、無料で遊べるメインルート1本を実際にプレイ。本編を買いたくなるほど魅力のあるものなのかをリポートするぞ。

巻き込まれ系男子・陽明の憂鬱

バイク旅行者・房石陽明はとにかく運がない。

暗い山道で道に迷っただけでも嫌だっていうのに、やっとの思いで見つけたコンビニでは、とんでもなく無愛想な店員が塩対応。

それでもなんとか道を聞き出したと思った矢先、山中の崖をバイクもろとも落っこちてしまう……。

そこで出会うのが、本作のヒロイン・芹沢千枝実だ。

千枝実に助けられた陽明はここまでの経緯を伝え、彼女の家で翌朝まで過ごすことになったのだけど……。

彼女はとってもノリがよく、出会って間もないけどとってもいい感じなのだ。

「なんだかイケけそうな気がするぅ」

これ、ワンチャンあるんじゃないのとドキドキする俺。いやしかし、これはホラー・サスペンスアドベンチャーだぞ。

きっと死亡フラグに違いない。
それにこれは無料で遊べるメインルート。

たしかにアドベンチャー的な要素だけど、そんな都合のいい選択肢なんてあるはずがないのさ。

まぁ、迷わず3番目を選ぶよね。

そうして迎えた訳アリの翌朝、同じアパートに住む住民たちとエンカウント。

改めて話を聞くと、陽明が落ちたのは“皿永の瀬”っていう川で、死人“よみびと”が帰ってくるという伝説があるらしい。

感のいい人ならもうおわかりだよね。

そう、どこに行っても陽明は不吉なもの、招かれざる客って扱いなのだ！

“死に戻り”から抜け出すシナリオチャート

このとき陽明はすでに、“死に戻り”というループ現象にとらわれている。

その後始まる“宴”のなかで死ぬたび、断片的な記憶を保ったまま“ふりだし”に戻され、それを継続していくことで選択肢の幅が広がっていくのだ。

こうした要素はノベルゲームだと当たりまえのシステムで、周回プレイに飽きが来ちゃう人も多いよね。

しかし、“死に戻り”という本作の世界観にマッチさせたことで、作業感をあまり感じることもなく、くり返し楽しめるってわけだ。

もちろん、過去を振り返れば、同様のアプローチを使ったゲームも多いけど、それでもあえて「これはいいな」と素直に感じることができたぞ。

始まりの宴と衝撃の結末

さて、お話を本編に戻そう。

陽明は明らかに歓迎されていない。

せめて、千枝実ちゃんと春ちゃん、ふたりの連絡先をゲットしたいところだけど、のんびりしてると厄介事に巻き込まれそうだ。

さっそくバイクの修理に取り掛かると、墓石に囲まれた大きな木の近くから不気味な歌声が……。

この村は少々不気味だけどかわいい子が多いようで、ちょっとくらいの厄介事なら巻き込まれちゃってもいいかも知れない。

ほら、住めば都って言うしね。

陽明の意思とは裏腹に前向きに考え始める俺だったけど、つぎの瞬間に怪現象が始まってしまう。

意識がもうろうとする陽明を呼び覚ましたのは、俺らの頼れるヒロイン千枝実ちゃんだった。

千枝実「もうダメ間に合わない、隠れて！」

さっぱり意味がわからないけど、何かが始まっているようだ。

千枝実「今晩を、生き延びて」

別れ際に彼女が残した言葉が気になるも、いまはそれを信じるのが最善だと俺は判断した。

俺「生き延びたらLINEを交換しようね！」

しかし、好奇心に負けた陽明は、あることがきっかけで外に出てしまう。そこで彼が見たものは、目を疑う非現実だったのだ。

総勢18キャラにボイス付き！

公式サイトにも明記されている通り、本作はドワンゴクリエイティブスクール所属の声優たちが、全18体のキャラクターに魂を吹き込んでくれている。

とはいっても声優の卵が多く、ボイスがあることで違和感を感じる場面も正直あった。

ただ、それを含めて『レイジングループ』の個性。どことなくぎこちないやり取りも本作の味なのだ。

そんなわけで今度の活躍を期待、応援する想いも詰め込んで本編を購入したぞ。

なお、本作は“人狼ゲーム”を独自の視点で描いている。

ファンによっては受け入れ難いかも知れないけど、あくまでも“ひとつの解釈”で描いた作品。そう理解することで楽しむことができるはずだ。

俺自身の“死に戻り”はまだ3回。

今後も継続してこの惨劇に挑んで、あるかも知れない千枝実ちゃんとのハッピーエンドを掴んでやろうと企んでます！

P.N.深津庵
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