【大塚角満の熱血パズドラ部！】第481回『禁断の技』

禁断の技 木属性使いだけが行使することができる、恐るべき必殺技を発見してしまった……！ 神懸かった秩序のもとに保たれていたパズドラ世界のパワーバランスを、根底から覆してしまうかもしれない禁断の技を……！ もしやこれは、禁忌、忌み事、もしくは禁呪として長きにわたって封印されていたものかもしれない。それを、なんの気なしにモンスターボックスを眺めていた男（俺のことだが）が、そんなつもりはなかったのにパカリと蓋を開けてしまったのでは……。 まさに、パンドラの箱－－。 これを公開したら、俺の身は危険にさらされるかもしれない。いやそれどころか、当局（どこだ）に追われて消される可能性も－－！！ いや、しかし。 知ってしまったからには、パズドラジャーナリスト（なんだそりゃ）として、全世界に打電することが使命なのではなかろうか。 人の口に戸は立てられないのだ。 俺がやらなくてもいつの日か誰かに発見され、情報は野に放たれるに違いないのだから……。そうなったとき、発見者が危険に晒されるくらいなら……！ ｢よよよ、よし！ 書くぞ……！｣ 以下、決死のリポートである。 発端は、今回のゴッドフェスであった。 ｢新モンスターのスピカ欲すぃいいいいい！！！！ 乙女座のワシのもとに嫁に来るのが道理だろうスピカ！！！ いまのワシには封印耐性が必要なんじゃああああ！！！！｣ ひ さびさにガチャを回す前から大興奮状態に陥った俺は、新登場のモンスター“スピカ”を引く気満々だった。進化すれば、覚醒スキルで封印耐性がふたつもつく 彼女は、最近ベタ惚れで使っている覚醒フレイヤとの相性が抜群のはず……！ これはもう、俺が引くしかないではないか！！ ｢ここのところずっと、ガチャでロクなのが出ていない！！！ ぼちぼち目当てのモンスターを引き当てられるターンじゃ！！！｣ そ んなオカルト的な想いが、俺の心を根底で支えていたのもまた事実。実際、最近のレアガチャでの“当たり”は8月に引いた劉備くらいで、その前は…………な んと3月に当てたヴェルダンディまで遡らないと、ろろろ、ロクなのがいねえ！！！！（あ、セレスがいたけどｗ） この、草木1本も生えない永久凍土かサハ ラ砂漠のド真ん中みたいな俺のガチャ運はなんやねんッッッ！！！！！ ｢ここ、今回も不毛地帯ガチャだったら、俺は二度とゴッドフェスで回さないぞ！！！！！（怒）｣ 回し終わった瞬間に｢つぎのゴッドフェスでは絶対に当たりを出す！！｣って宣言することは目に見えていたが、俺は一応、気合のカタマリになったフリをしてガチャルームに入っていった。土曜日の自宅、平和な昼下がりのひと時でありました。 ｢よ、よし。いくぞ……！｣ まずは1回目。出てきたタマゴは……。 ｢いきなり銀タマゴきたああああああ！！！！！（驚）｣ ななななんと初っ端から呪いのタマゴ！！！ 中から何が出てこようが、見た瞬間に売り払いたくなる悲しみのタマゴ！！！＞＜ 果たして、銀タマゴを割って出てきたのは……。 クロネである。俺にとっては、毒にもクスリにもならない闇属性だ。 しかし、クロネを見た瞬間に思い出した。俺、傍らでイビキをかいて寝ていた黒ネコを無理矢理引き起こし、眠くてグニャグニャの身体を支えながら文字通りの猫なで声を出す。 ｢クロネさま……じゃなかったクロネコ様！！！ 1回でいいんです！！ ぜひともレアガチャを回してくださいませええええ！！！＞＜｣ そう！！ 忘れたころのネコ引き敢行！！！ とりあえず1回だけでも回してもらって、金タマゴを見て景気づけをしなくては！！ 俺は飼いネコのミュウの右手を強引にスマホに押し付け、その肉球でタップしてレアガチャルームに入った。そして、｢うにゃうにゃ！｣と暴れる身体をなだめながらどうにかレバーを下に下ろすと……！！ これが喜ばずにいられるものか。 ｢ききき、金タマゴ出たぁぁぁぁぁああああ！！！！ さすがミュウ！！！ さすが天才レアガチャネコ！！！！！｣ ポイっとネコを放り投げて画面に食い入っていると、金タマゴを割って出てきたのは……。 俺の頭の上から、｢？？？？？？？｣とクエスチョンマークが7個ほど飛び出した。｢だ、誰やアンタ？｣。 調 べてみるとこの御仁は“闇騎士・クレーゼ”を名乗るモンスターで、残念なことに闇属性である。これで“闇騎士”を謳いつつ木属性だったら加齢臭を噴き出すほど笑うのだが（どんだけ）、無論そんなことはない。嗚呼……ミュウの力を持ってしても、欲しいモンスターを手に入れることはできないのか……！ しかも ガチャを引いたあとに放り投げたことを怒ってか、ミュウはどこかに消えてしまった。となれば、もう自力で回すしかない。 ここで引き返すのも、ひとつの方法だった。しかし、これほど｢欲しい！！｣と思えるモンスターが現れてくれたのだから、ここはもうちょっとお布施をするのが礼儀なのではなかろうか！！ ｢よし！！！ あと1回だけ回そう！！！ それで恨みっこなしや！！！！｣ すべてはこの1回のために……！！ 俺は颯爽とレアガチャルームに入り直し、｢ナムサン！！！＞＜｣と叫んでそのレバーを下ろした。そ、そしたら……！ 俺は確実に2秒ほど幽体離脱し、魂の抜け殻となった自分の身体を天上付近から見下ろしていた。ま、また銀タマゴ……！！ ゴッドフェスなのに、3回中2個が銀タマゴ……！！！！ ｢も、もうやだあああああああ！！！！！＞＜｣ そして、中から出てきたのは……。 デタ。忘れたころの精霊シリーズ。 このシルフ、先日の断捨離の折に売りまくってモンスターボックスには残っていなかったのだが、いったいコレまでに何度、ゴッドフェスで当ててきたことか。……全部売ったのに！！ なんでこのタイミングで、また戻ってきやがったんだ！！！ ｢くっそ……。速攻で売ってやる……！！！｣ モンスター売却のために、シルフをタップする俺。でもそのとき、いままで一度たりとも気に止めたことのなかったこのモンスターのスキルが、いきなり目に飛び込んできた。 スキル名、大地の結界－－。 その効果は……少しのあいだ水属性ダメージを無効化＋木ドロップの攻撃力を強化……。 ひとつのフレーズが、俺の脳ミソでリフレインを起こす。 水属性無効化……水属性無効化……水属性無効化……水属性無効化……！！ これはもしや……！！ あああ、あのモンスターと組み合わせたら、スゴいことが起こるのでは！！！！ ｢はぁはぁはぁ！！！！｣ コーフンでおぼつかない指でどうにか操作し、テキトーな素材を食わせてシルフをレベルアップ。そして進化させ、自由と風の精霊・シルフを作った。まだまだぜんぜん弱っちいモンスターだが、居ても立ってもいられないので、俺は“ある戦略”を元にパーティーを作った。 そして力試しのダンジョン、“星空の神域 神々の王”に入ってゆき、ボスのゼウスでその必殺技を炸裂させたのである！！ その技とは……↓これだぁぁぁぁあああ！！！ ……もうおわかりですね！！ クラジュ＝マキナのエレメンタルジャマー・水で敵を水属性に変え、すかさずシルフの大地の結界を発動させてその攻撃を無効化してやったのだ！！！！ なんとこれで3ターンのあいだ、いっさいの攻撃を受けることなく殴り放題になるわけだ！！！ これが冒頭で書いた、パズドラ界のパワーバランスをひっくり返す可能性を秘めた必殺技のあらましである。もしもこれが世界に知れたら、俺は………………って、え！！！！？？？ みみみ、みんな知ってた！！！！！！？？？？？？ 長々と書いてきた努力が水泡に帰す瞬間を目の当たりにし、俺は仕事に戻る……。 大塚角満Twitterアカウント→＠otsuka_kadoman 大塚角満（おおつか・かどまん）…… 週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。編集業務のかたわら、執筆活動を精力的にこなしており、多数の連載記事を持つ。著書に、『モ ンスターハンター』シリーズのプレイ日記をまとめた『逆鱗日和』シリーズが9作、『ダークソウル』のプレイ日記をまとめた『折れてたまるか！』シリーズな ど。ファミ通Appでは、“熱血パズドラ部！”を始めとするスマホゲームの執筆活動も行っている。 [関連記事] 【パズドラ攻略まとめ】TOPページへ 【パズドラW攻略まとめ】TOPページへ 大塚角満の熱血パズドラ部 ～本日も斜め移動日和～ バックナンバー

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