強気の”PCゲーマー向けMMORPG”『ZEEO-ジオ-』のこだわりと魅力をキーマン2名にインタビュー
2015-10-03 12:00 投稿
スマホでもPC開発者にウケがいい!
老舗PCゲームメーカーのハンビットユビキタスエンターテイメントから、参入第一弾となるスマホゲーム『ZEEO -ジオ-』が明日(2015年10月4日)配信される。
以前からキャラクターや世界観などが少しずつ公開されてきたが、何よりこのゲームの最大の特徴は“PC向けオンラインゲーマーも楽しめる”というコンセプト。
ジャンルはMMORPG(多人数参加型RPG)で、PCゲームメーカーならではのコア向けだが、UIやスタミナなどさまざまな点で、スマホゲーマーのこともよく考慮された作りとなっている。
本作の開発秘話や魅力、こだわりなどを開発のキーマンとなるオンライン事業本部 部長の中尾圭吾氏、プロジェクトマネージャーの上原弘靖氏のおふたりに伺った。
PCユーザー向けだけどPC専門のスタッフもいい反応
――本作を開発するにあたっての経緯などをお話していただけますか?
中尾圭吾(以下、中尾) 弊社も連携会社もPC向けMMORPGをガッツリ開発・運営を行っているスタッフたちなので、じつは始動当初は“携帯ゲーム=カードゲームオンリー”というイメージが強かったこともあって、社内でスタッフを集めること自体が困難なレベルだったんですよ(笑)。
これを打破するために、まずはコンセプトとなる「PC向けオンラインゲームユーザーも楽しめるスマートフォン向けMMORPGを作ろう」という話を地道に伝えていきました。そこからは「それならやってみよう」といった前向きな意見も聴けたからよかったですね。
――当初は前向きではなかった開発がやる気を取り戻す、そういった意味でもコンセプトは重要だったのですね。
中尾 そうですね。それに、やはりどんな物事でも“場馴れ”ってあると思うんですよね。そういう意味では、スマートフォン向けアプリの市場について、知識不足が否めなかったので……。PC向けオンラインゲームを作っているベテランたちが自分たち向けにスマートフォン向けMMORPGを開発したらどんな作品が出来上がるのか? そういった「挑戦」の部分もありました。
――なるほど。でもコアコアなゲームをスマホ市場に投入という点での懸念はなかったですか?
中尾 いまでも結構ありますね。PCでもコアな部類となる本格ハック&スラッシュはやはりやり過ぎだったかもです(笑)。課金でもガチャに挑戦して、もし気に入らなければ引き直しができるとオマケ券もあったりしますが、これが果たして成功するのか否なのか……その辺りも正直ノウハウがないのでわからないため自分が欲しい機能を適当に放り込んでいます。
あとは、グラフィックの問題ですね。スマートフォンだとかなり制限がありまして、クオリティーを上げたいけど、もう上げられない……そういった部分がしばしばありまして、高品質に作ったキャラやマップをスペックに合わせて削る作業になった事もあります。PC向けユーザー対象で考えると、もう一世代か二世代先が丁度良い感じかもですね。
――さきほど先行プレイさせていただきましたが、PCと遜色ないレベルのクオリティーだとは思います。思わずガッツリのめり込んでしまいました。
中尾 ありがとうございます。スタッフの中にも、PCゲームにあまり触れたことのない生粋のスマホアプリユーザーの若者がいるのですが、彼らの意見が思っていた以上にいい反応だったので、普通にスマホユーザーの方々にも楽しんで頂けるものに仕上がっているのではないのかなぁといい加減に推測しています。
ダークヒーローが活躍するハイファンタジー
――配信開始に先駆けて、数々の情報が公開されていましたが、その中でも世界観がとくに尖っている印象をうけました。まず世界観について改めてお伺いしてもよろしいですか?
中尾 ハイファンタジーな世界観です。神が作った世界で、神にとって都合のいい種族(神の奴隷ネベト)たちが世界を統一していたんですが、箱舟が表れて救世主たちが神に反旗を翻し大きな戦いが起きました。
その後、神と救世主は姿を消し、人間と神の奴隷ネベトの2種族が暮らす世界となっています。人間側は劣等感の塊で、ネベトたちの存在が邪魔と認識するようになっていき、人間たちがネベトに対して戦線布告を行った。ダークヒーローなプレイヤーが関与していくのはそこからの物語といった形です。
――なるほど。ダークヒーローとして5人のプレイアブルキャラクターが紹介されていますが、なぜダークヒーローでいこうと思ったのでしょうか?
中尾 人間だけの世界ではないので、人間の価値観から離れる必要があるんですよね。なので一度は光に照らされる人生を送っていた猛者たちだったのですが、元の地位から一気に転落し人間社会から弾かれます。それが引き金となり彼らの強い信念の形が変わり一般人とは違う価値観になる訳ですが、
たとえば、ファイターは元大隊指揮官だったのですが、とある事によって戦争自体が無意味と考えるようになります。「戦争を美談にしてはならい」ということを人々に伝えていくことを心に決めます。そのため、敢えて、殺された存在を見るのも嫌になるような残酷な戦い方をして、戦いを終えた立役者が美化されないように務めている……といった具合ですね。
ほかのプレイアブルキャラクターもいろいろな背景がありまして、そのおかげもあってか全員指名手配書が出回るようなダークな存在として扱われています。
他にも最初から派手な戦闘が楽しめるというこのゲームの趣旨がありまして、最初から強い者でないと達人のような剣筋や技を盛り込みにくかったという理由もあります。
――それぞれに深い過去がありますが、序盤から強いキャラクターで遊ぶという趣旨もあるんですね。
中尾 そうですね。冒険本編では個々の物語ではなく、舞台の物語に巻き込まれていきますので、個々の物語の捉え方はユーザーがキャラクターを決める嗜好の為にあると捉えて問題ありません。誰を使って冒険したいかだけを考え、好みでプレイキャラを決めるのがよさそうですね。
――キャラクターのボイスも有名声優が揃っているようですが、このあたりはどのように選定されたのですか?
上原弘靖(以下、上原) 作風に合わせ流行のアニメ声ではなく、映画の吹き替えなどもやられているようなベテランの声優さんにオファーさせていただきました。表現がエグい台詞も多数あるので、それらをプレイヤーにはっきりと伝えていただけるであろう方々にお願いしたかったというのが大きな理由です。アサシンだけは異なるコンセプトです。
もちろんキャラクターの設定などにもマッチしなければいけないので、その辺りも気を付けたうえで選定でした。皆さん、本作の収録になると、世界観に溶け込めるように一気に雰囲気を重くされるので、収録現場の空気も必然的に重くなってましたが(笑)。とにかく凄く大変だったということだけはお伝えさせていただきます。
――それだけ心がこもったダークな台詞……ぜひすべてのキャラクターを聞いてもらいたいですね。
上原 そうですね、ぜひ5人ともプレイしてみてほしい。ひとつのアカウントで5人全員を操作することができますので。
メンドクサイを取り払うことを重視
――システム面についてお伺いさせていただきます。本作で特にこれを重視したというシステム面での話はありますか?
中尾 まず重要視したのは、「メンドクサイ」を取り払うことです。
――といいますと?
中尾 PC向けオンラインゲームをプレイしてきたメンバーの癖に画面が小さいとPCでやってた仕様の大半が嫌だって言い出したんです「NPCでアイテム買うのがだるい」、「フィールドで敵を探すのがだるい」スマホでは、このひと手間が辛い……といった悩みを打ち明けてくれたので、そういったところをワンタッチで済ませられるようにしています。
ストーリーもクエスト進行のアイコンをタップすれば、オートで移動してくれますし、装備の売却や回復アイテムの購入は、いつでもUIから購入できます。PCユーザー向けですが、不思議な事にとにかく利便性を気遣い手間を減らすことが最重要課題でした。
――それはゲーム初心者もとっつきやすそうでいいですね。
上原 あとは、バトル関係も完全にスマホの操作に合わせました。3DタイプのMMORGになると仮想コントローラーを用いた作品が多い印象ですが、うちはタップやフリック操作でキャラの移動から、スキル発動が可能となっています。なので、仮想コントローラーの領域などを気にせず、遊びやすいと思います。このあたりも感覚で遊べてのめり込んでいただけるのではないかと思っています。
操作モードもマニュアル・セミオート、オートの3種類を用意しているんです。周回プレイでサクサク遊ぶならオート。細かい操作で敵との駆け引きを楽しむならマニュアル。先に紹介したふたつの中間位のプレイで楽しみたいならセミオートといったように、操作モードでも遊び方が変化するので、いろいろ試して頂きたいです。
――スキル攻撃などの演出を楽しめるのもいいですよね。仮想コントローラーがない分画面に没頭できそうですし。
上原 はい、スキルの演出時はカメラがキャラによっていくことで各アクションを見て楽しむことができるようになっています。ダークヒーローらしい残酷なアクションなど、とことんこだわった部分でもありますので、ぜひ注目していただきたいですね。
中尾 なぜ演出に力を注げたかと言いますと、バトルフィールドをMORPG仕様にしたからです。同時に戦うプレイアブルキャラクターが少ないので、その分は派手な演出にさくことができましたね。最初はMMORPGで企画されていたのですが、地味になりがちだったので戦闘部分はMOになりました。
無課金でもガッツリ遊べるトレジャーハンティング仕様
――このあたりで気になる課金要素についても紹介いただいてよろしいですか?
中尾 本作の課金システムは非常に変わってまして、まずスマートフォン向けゲームにありがちなスタミナを購入することができません。
――それは意外!
中尾 そうですね、スタミナ回復は完全に時間経過のみです。時間経過を少し早めたり、少ないスタミナ消費で多くの経験値を獲得する方法などは用意していますが、お金があれば一気に進めるというのをあえて取っ払ってみました。それに、装備ガチャも1日10回までという形で制限させていただいております。
――制限があるんですか!?
中尾 これは、普通にダンジョンに挑戦し、クリアーした際に報酬のルーレットが行われるのですが、そこでも最高レア度の装備も獲得できるようになっているので、そちらで集めてほしいという思いからというのもありますね。トレハンゲームが全て課金で解決しちゃうとあまりにも勿体ないので補助に留めています。
――なんと!? 本当の意味で強力な装備もドロップするんですね。
中尾 ガチャだけで装備が揃うユーザーも0ではないと思いますが、100%ガチャだけで済まそうとしないで、トレジャーハンティングで手に入る装備も楽しみにして頂ければと思います。同じ装備が入手できたとしても、それらは付いている“ボーナス”次第で全く運用が変わってくる可能性もありますので。
――ボーナス次第で戦い方が大きく変わるんですね。
中尾 そうですね。武器には攻撃系のボーナス、防具には防御系のボーナス、アクセサリには攻・防が半々+アクセサリのみのボーナスが付くようになっています。これらを揃えれば、超攻撃型のキャラクターになったり、耐久型を作ったりといった形で同じプレイアブルキャラクターでもまったく運用方法が異なるので、ぜひ色々なバージョンのキャラクターを作って楽しんで頂きたいですね。
――なるほど。話は戻りますが、課金の仕組みがかなり変化しそうなまさに“挑戦”といっても過言ではない仕組みですね。
中尾 1番大きいのは、モンスターが課金ポイントと同等の効果のものをドロップする事でしょうね。装備が中々ドロップしなかったときや先に進めなくなったとき、貯めておいたのでガチャに挑戦。いい装備を獲得できれば、それを装備して負けたダンジョンに再度挑む。もちろん、クリアできるダンジョンでスタミナを消費し、周回を重ねて装備を揃える。どちらでも楽しめるので、そこはユーザーに楽しみ方を選んでいただければいいなと思っています。
アップデートでさらによい作品へ
――それでは最後にユーザーの皆さんへコメントなどあればお願いします。
上原 PCゲームをプレイしているユーザーの皆さん。またはPCゲーム遊んでたけど、最近遊べてない一度離れてしまったユーザーの皆さんに改めてプレイして頂きたいです。もちろん、スマートフォン向けアプリをガッツリ楽しんでいただいてるユーザーの皆様にも遊んでいただけると嬉しい限りです。
配信開始後も新たな遊び、ユーザーの意見に耳を傾けた改善を含むアップデートを実施していく予定です。一ヶ月後には新エリアおよびPVPなどの新規コンテンツを今後のアプデで予定しております。それらを楽しく遊んでいただくためにもぜひ本作をプレイして、いろんな意見をいただければ幸いです。
ZEEO-ジオ-
- メーカー
- ハンビットユビキタスエンターテイメント
- 価格
- 無料(アプリ内課金あり)
- 対応機種
- iOS、Android
- コピーライト
- (C) 2015 Knetp Co., Ltd all rights reserved.Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.
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