『魔法科高校の劣等生 LOST ZERO』開発現場に潜入! 企画当時のまやかは〇〇だった……
2015-01-17 12:00 投稿
貴重な情報盛りだくさん
スクウェア・エニックスから配信中の『魔法科高校の劣等生 LOST ZERO』(以下、『魔法科LZ』)。その高いゲーム性によって、原作ファンのみならず多くのゲームファンの心も掴み、現在も堅実にヒットを記録し続ける人気タイトルだ。
今回はなんと、そんな本作の開発現場へ潜入取材することに成功! その模様をお届けするぞ!
開発現場でTV番組の収録が!?
ある日の午後のこと。ファミ通App編集部宛に“巨乳好き宣伝担当Y”と呼ばれる人物から、一本のタレコミがあった。
その”巨乳好き”の話によると、「テレビ東京系列で放送中のバラエティ番組『センニュウ★感』で、『魔法科高校の劣等生 LOST ZERO』が取り上げられることが決定しており、開発現場に潜入取材をする」のだという。
なんともやらしくも丁寧なタレコミではあるが、もしこの話が本当ならば、撮影スタッフの振りをして、人気ゲームの開発現場に取材ができるまたとないチャンスでもある。(無茶な解釈)
記者は密告者である人物に「ありがとう、矢崎さん(※1)」と告げ、開発現場取材へと歩みを進めたのであった。
(※1)矢崎氏に関しては、『魔法科高校の劣等生LOST ZERO』のニコニコ生放送番組『ロストゼロ情報局』第2回放送の25分46秒近辺を参照。
『センニュウ★感』とは?
『センニュウ★感』とは、人間誰しもついもってしまう“先入”観が本当に正しいものなのか調査する、企業、ヒット商品情報バラエティ番組である。なお、『魔法科LZ』特集回は、2015年1月11日(日)深夜に放送された。
収録現場の横でこっそり取材をする巻
2014年12月某日。収録が行われるという某ビルの前で記者が張り込みをしていると、いかにも業界人が乗っていそうなミニバンが2台やって来た。
柱の影でアンパンとキンキンに冷えた牛乳を頬張りながら記者が身構えていると、『魔法科LZ』のプロデューサーである、スクウェア・エニックスの椎名崇徳氏がミニバンから降りてきた。
それに続く形で、『センニュウ★感』の番組でレポート担当をしているお笑い芸人・上々軍団(ボケ:さわやか五郎さん、ツッコミ:鈴木啓太さん)の姿もあった。
タレコミのとおり、『魔法科LZ』の開発会社である”ビサイド”社の前で張り込んでいて正解だったようだ。
ついに『魔法科LZ』開発現場を激写!!
屋外での収録を終えた一行は、そのままビサイド社の中へ。記者もさながらスタッフの一員のようなドヤ顔をキメ、なんなく社屋への潜入に成功した。
今回の番組では、プロデューサーの椎名氏と上々軍団のおふたりが『魔法科LZ』の開発現場に潜入。開発スタッフから裏話を聞き出したり、ゲームの今後を決める会議に立ち会ったりしていた。
開発キーマンにインタビュー!!
収録は順調に進行していったのだが、ほのぼの収録観覧をしている場合ではない!
わざわざ撮影スタッフに扮して開発現場に潜り込んだのだから、開発スタッフからこぼれ話を聞かなければ!
そんなわけで、本作の開発チームキーマンである、チーフプランナーの桜井昌美氏とチーフデザイナーの星 哲哉氏にもこっそり話を伺ってみた。
株式会社ビサイド 制作部 チーフプランナー 桜井昌美氏
――撮影中に失礼します。私、ファミ通Appの者なのですが。
桜井昌美氏(以下、桜井) え、あ……はい。はじめまして(てっきり撮影スタッフだと思ってた……)。
――撮影に紛れ込んでこっそり取材をしているのですが、少しお話をお伺いしてもよろしいでしょうか?
桜井 はい、大丈夫……です(あ、怪しい……)。
――桜井さんは、『魔法科LZ』の開発において、どのようなお仕事をされているのでしょうか?
桜井 『魔法科LZ』のプランナーを担当しています。あとプランナーの傍らで、シナリオライティングもやっています。『魔法科LZ』は『魔法科高校の劣等生』という原作の上に成り立つ作品でもありますので、原作者の佐島勤先生にもチェックをしていただきつつ、シナリオライティングをしています。
――原作がある作品で、ゲームオリジナルのシナリオを作る苦労などはありますか?
桜井 原作のイメージや世界観を崩さないよう、設定の面はかなり気を使っていますね。開発初期の頃なんかは、佐島先生サイドにチェックを出すと相当量の修正依頼が来ていましたね……。でも最近はその塩梅も理解できてきたので、割と自由にやらせてもらっています。
――小説や脚本とは違う、ゲームシナリオならではの難しいポイントなどはありますか?
桜井 『魔法科LZ』にはアドベンチャーパートもあるのですが、アドベンチャーゲームって選択肢や分岐が多いほど楽しくなっていくじゃないですか? 自分も分岐が多いほど楽しくなっていくと思っていて、ついつい分岐を増やしてしまうんです。その結果、自分の作業量もどんどん増えていくという(笑)
――それはアドベンチャーゲームの宿命のようなものですね(笑)
桜井 そうなんです(笑)。あとゲームはいたるところに制限があるんですが、”キャラクターの数”という点ではとくに苦労しますね。原則ゲームに登場するキャラクターしか出せないので、話を展開していく際に「通行人Aとかがここにいたらもっと話が膨らむのになぁ……」と、思うことは多々あります(笑)。ですが、人が少ない中で世界観やストーリーに広がりを持たせていくのも、シナリオライティングの面白い部分でもあります。
――シナリオのテーマなどは、どのようにして考えられているのですか?
桜井 ちょっとしたワンシーンや、断片的に浮かんだアイディアを繋ぎ合わせることで構築しています。ただ、見せ方や演出を詰めていく点ではちょっと時間がかかりますね。
――――『魔法科LZ』といえば、オリジナルキャラクターの”零乃まやか”がいますよね。彼女の設定も桜井さんが考案されたのでしょうか?
桜井 まやかは『魔法科LZ』の開発スタッフがアイディアを出して、佐島先生とともに作り上げたキャラクターです。口癖の「零(ぜろ)る」などは、プロデューサーの椎名と相談して考えたんですよ。
――あのセリフは凄いインパクトがありますよね。
桜井 ありがとうございます(笑)。”まやからしさが伝わる口癖”を考えていくなかで、あのセリフは生まれました。聴くだけでまやかだと一発で分かる、インパクトのあるものにしたかったんです。
桜井氏から話を伺った後は、『魔法科LZ』の3Dキャラのモデリングを担う、星 哲哉氏に話を伺った。
株式会社ビサイド 制作部 チーフデザイナー 星 哲哉氏
――撮影中に失礼します。私、ファミ通App(以下略)
星 哲哉氏(以下、星) は、はぁ(なんだこの人……)。
――撮影に紛れ込んでこっそり取材を(以下略)
星 ……大丈夫ですよ。(自分でこっそりって言っちゃったよこの人)
――星さんは『魔法科LZ』の開発において、どのようなお仕事をされているのでしょうか?
星 キャラクターの3DCGモデリングの作成を担当しています。簡単に言うと、アニメからいただいた絵をもとに、平面のイラストを立体にする作業ですね。
――3Dモデリングはどのようにして作られているのでしょうか?
星 コンピューターのモデルは、元々立方体の箱のようなものになっています。そこに頂点の長さなどを変更する軸である”ポリンゴン”を打つことで、線を変形させて隆起などを形成していきます。この写真(下記の深雪の画像)は、約1万3000個のポリゴンで構成されていますよ。
――人型の3Dモデルを作る上で、とくに制作が大変な部位はどこですか?
星 おもに顔ですね。キャラクターで一番大事なところですし、細かなところまで作り込みが必要な部分でもあります。
――作業にかかる時間は、1体につきどれくらいなのでしょうか?
星 最初に作った深雪は2週間ほどかかりましたが、基本1体につき1週間ほどですね。
――3Dモデルを制作する上で、工夫しているポイントなどはありますか?
星 ただ3D化させるだけでなく、アニメーションを付ける際にキャラクターの衣服の袖や髪の毛など、細かい部分の”揺れ”については気をつけています。女性がイヤリングを付ける理由のひとつに、”揺れる物で男性の気を引く”という話もあるくらいなので、そこは大切な部分かなと(笑)。
――そのほかにも工夫されているポイントはありますか?
星 キャラクターをより可愛く、かっこよく見せるために”ポージング”の研究はつねにしています。もちろん参考書などの本で勉強することはありますが、それだけですとバリエーションが増えないので、同僚にポーズを取ってもらって参考にすることもありますよ(笑)。
企画会議にも潜入!!
開発キーマンのおふたりに話を伺った後は、『魔法科LZ』の新イベントの打ち合わせにも潜り込んできたぞ!
どうやら椎名氏を交えた打ち合わせは週1ペースで行われ、おもにそこで今後のイベント内容を固めているようだ。
しこたま『魔法科LZ』の開発秘話を仕入れた記者は、ほくほく顔で帰路に就こうとしていた。
そんなとき……
上々軍団・さわやか五郎さん「撮影お疲れ様でし……あれ? 撮影スタッフさんじゃないですよね?」
記者「え?」
椎名崇徳氏(以下、椎名)「あー! ファミ通Appさんじゃないですか? こんなところで何してるんですか?」
記者「ぎ、ギクッ!! いや~ちょっと近くのフォトスタジオで写真でも撮ろうかな~(※2)と」
(※2)ビサイド社と同じビル内には、フォトスタジオが入っている。
椎名「なるほど~って、そんなわけないでしょ! こっそり撮影の取材をしてましたね!」
記者「は、はい……。じつはかくかくしかじかで……」
椎名「なるほど。宣伝担当には後でキツく言っておくとして……もし取材の内容をバッチリ記事にしてくださるなら、今回の件は不問にしましょう!」
記者「あ、ありがとうございます!」
……という茶番があったような~なかったような~気はしつつ、今回の取材は終了した。
人気タイトルの開発現場を拝見でき、取材後も記者は興奮冷めやらぬ状態だった。
磐石の体制で開発されている『魔法科LZ』のさらなる躍進が楽しみだ。
魔法科高校の劣等生 LOST ZERO
- メーカー
- スクウェア・エニックス
- 配信日
- 配信中
- 価格
- 無料(アプリ内課金あり)
- 対応機種
- iOS 7.0 以降。iPhone、iPad および iPod touch 対応。 この App は iPhone 5 に最適化されています。 Android 4.0.3 以上
- コピーライト
- (C)2013 佐島 勤/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/魔法科高校製作委員会(C)2014,2015 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Developed by BeXide,Inc.
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