【注目】都市育成の名作『SimCity』がスマホで登場! 街を手に取る操作感が新しい

2014-12-23 12:00 投稿

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スマホでも街作りがスタート

“都市育成シミュレーション”の元祖にして現在も根強い人気を誇る『SimCity(シムシティ)』シリーズ。筆者は91年と、93年のスーファミ版のプレイ経験がある。道路や線路の敷きかた、家や工場、発電所等の立地、税率の設定、そしてライフライン、など、など……。すべてが密接に絡み合いながら、住民(シム)の支持や地価、人口といった課題目標を達成しつつ街を発展させていくその斬新なシステムに衝撃を受けた。

「ここに工場を置いたら公害が起きてシムがうるさくなりそう」
「水場が少ない平地をさがそう」
「まだ始まったばっかなのに港とかつくってどーすんの」
「税率20%にしちゃえww」
「カネ、あと2円しかないんだけどwww」……。

子供どうしが集まって、意外と真剣に街づくりに没頭した。意見が衝突したこともあった。

そんな同作のスマホ版最新作が『SimCity Buildit』としてリリース。遊んでみた印象としては、かつて“人口の限界突破を目指す!”的に相当やりこみ、同シリーズにそれを求めている人からすると、少し拍子抜けする部分もあるかもしれない。逆にライトに長くやりこみたい人にとっては、かなりハマる逸品になっている。作品の紹介をしつつ、ライトユーザーに向けて基本的な考え方や序盤のポイントなどもざっくり記したい。

街を“手に取る”ような操作感!
回して拡大して自分だけの街を楽しもう

本作はスマホ特有のジェスチャーをフルに活かした、より直感的な操作が特徴。筆者の記憶に残る古い『シムシティ』は、同じ視点の街並みを十字キーで移動させつつ眺め、ボタンをニチニチ押しながら建物を設置したり税率を設定するというものだった(それもそれで大好き)。

本作の場合は、ドラッグによる建物や道路の設置、ロングタップによる各建物のステータスの確認など、基本的な部分の操作はもちろんスマホ風にカスタマイズ。加えて、スワイプやピンチ操作によって、街をグルグル回したり、虫眼鏡のように街を拡大・縮小することも自由自在。角度や大きさで、同じ街もまるっきり違った表情を見せるので、プレイをしていてハッと息を呑む場面もしばしばだ。

筆者の場合は、まだ住宅が3~4件と少ない時期に、画面を思いっきり拡大させ住宅密集地風にして、“盛った”スクショを撮るという謎の遊びを堪能したりした。ぜひひとつの遊び方として参考にしてほしい。

“住宅のアップグレード”で
効率的にシムオリオンをゲット

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さーて、マップは、と思ったが、マップは存在せず、チュートリアルから始まるためスタート地点も決まっている。

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また、本作において重要になってくるのが、“住宅をアップグレード”できるという点。“工場”で生産される、木材やネジ、プラスチックなどの材料を使用し、平屋→アパートメント→マンションといった具合に住宅をアップグレードさせることで、その都度人口やシムオリオン、さらに経験値が増加。一定の経験値を獲得すればレベルが上がり、それに応じて建てられるものや設置できるライフラインがアンロックされていくという流れだ。

過去の作品では“税率”を設定しそれに応じた税収を得られたが、本作では、シムの支持率に応じて税収が自動的に変動する仕組みになったので、よりシムへの“寄り添い”が重要になってくる。

相変わらず世話がやけるシムたち
かつての感覚がよみがえった

グラフィックは目を見張るほど美麗。グーッと近づけば、ミニチュアのようなクルマが確かに道路を走り、時間が経てば闇が包む。邪魔にならないコジャレたサウンドに、風や虫の鳴き声などの自然音といったデティールもこだわっており、どこかの定点カメラをぼーっと眺めている気分になる。

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道路を引き、そこに住宅、発電所、水道を設置。電線や水が通った瞬間の子供ながらに感じたときめきが、本作でもよみがえる。

「水が飲めて最高」
「煙がきてうっとうしい」

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さっそく、クレームと喜びという正反対の声。その全部を聞いていても仕方がないが、無視しすぎても支持率が減少していく。あえて住宅の近くに工場や発電所を置いてみたが、当然、

「うるさい」
「あの発電所うるさくて腹立つ……」

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の声。ドラッグ操作で、海沿いへと移動させる。本作は、建物の移動や取り壊しなどの操作が、費用がかからずに自由できる。

しばらくすると苦情もなくなり、支持率も上昇。こんな感じで、シムたちの吹いては消えるさまざまな声をやりすごしつつ、街を進化させていくという基本的な部分は、『SimCity』シリーズの王道を踏襲している。

リアルタイムで感じる
“街を育てる”感がプレイのやめどきを奪う

住宅を建ててしばらくすると、アップグレードのアイコンが表示されるのでタップ。アップグレードに必要な材料とその数をチェックできる。工場で材料を加工し、一定時間(材料によって異なる)経過後、タップで“収穫”。

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材料を平屋に投入すると、さっそく足場やクレーンが住宅を囲み、せっせと増改築の工事。派手な花火の祝福とともに見違えるほど豪華なアパートメントが完成し、各パラメータが上昇した。

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また、他の街から来るバイヤーに材料を売却したり、定期出港する貨物船に指定の材料を積むことでもシムオリオンを稼ぐことが可能。

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規定レベルに達するたびに、警察・消防といったライフラインに公園、教育・行政機関、シンボルタワー、カジノなどの娯楽施設など、多様な建物・施設がアンロックされていく。と同時に、

「家から煙が……!」
「夜の街なんかぶっそうで歩けたものではない」

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といった具合に、シムの苦情も多様にアンロックされていく。例えばカジノなどを設置すれば地価が上がる反面、犯罪率も上がる。逆に公園を置けば、犯罪率が下がる。といった具合に、単に景観や一つの数値だけに着目するのではなく、それがもたらす影響などを総合的にかんがみた上で設置することが重要な点も変わらない。

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大分夜景が綺麗になってきた。百万ドル……とまではいかないにしても、五千ドルぐらいにはなっただろうか。ここまでだいたい一週間ちょっと。スキマ時間のほとんどを本作のプレイに費やしてきたが、それでもレベルはようやく12で、人口は3万人超。まだまだ発展の余地は無限に広がっており、本作とはかなり長期間に渡る付き合いができそうだ。高層ビルの上から“この夜景は全部オレのモノ”と言いながらグラスを揺らせる日を目指したい。

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といった感じで、初期のシムシティの経験しかない筆者にとっては、豪華で壮麗なグラフィックにまず圧倒された。システム面では、レベルに応じた設置可能な建物の制限、収入を得る手段の多様さ、建物の移動・取り壊しが自由な点など、かなりライトユーザーを意識した印象。材料を用いた建物のアップグレードというシステムも、ユーザーによって思うところは異なるだろうが、“スマホゲーム”として見るとよく合ったシステムだと感じた。

いずれにしても、“自分の手で自分だけの街を育てていく”ことの喜びや達成感というものは、本作においても変わらず実感することができた。

プレイ前に“どんな街にするか”
イメージを持っておこう

本作を長くプレイするのにとくに重要なことは、最初に、“どんな街にするか”ということを、多少なりともイメージしておくこと。好きなように道路を敷き、そこに闇雲に住宅を始め様々な施設・建築物を埋めていくというのは最初のうちはいいが、街がある程度開発されていくときに困る。

警察や消防は、その効力を発揮できる範囲が限られている。例えば住宅を密集させすぎたがために中心部に建てられず、やむなく端っこの方につくった場合、その効力が及ばない住宅が出てきて、火事を鎮火できず廃屋に、犯罪は野放しに……といった事態がおきかねない。そうすると支持率が落ち、退去者が増え、税収は減りといいことがない。

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確かに建物を自由に移動、道路も好きに破壊・作りなおすこともできるが、行き当たりばったり的にそれを続けても、最終的に同じ問題にたどりつく。中途半端な空きスペースも目立つようになり、景観的にもよくない。

簡単な図を書くでも、頭の中でイメージするでもいいので、漠然とイメージを持つといい。面倒なら、各住宅があるブロックごとに、警察署や消防、病院などをつくるスペースを残しつつ、街づくりをするというだけでも、よっぽどやりやすくなる。

シムオリオンを
効率的に稼ぐキーワードは“材料”

街を発展させるのに必要不可欠なのが、通貨である“シムオリオン”。序盤は広範囲に住宅を乱立するよりも、“狭く深く”住宅をアップグレードしていく方が効率よくシムオリオンを稼げる。

あまり広範囲にわたって住宅を乱立させすぎると、その分、多くの箇所で警察や消防などの箱を建てる必要が出てくる。かかるシムオリオンも当然増え資金難となり、野放しに状態の住宅があちこちに……。うまく住宅を密集させることができるならいいが、序盤は住宅の数を少なくおさえ、アップグレードで縦に伸ばしていくのもひとつの手だ。

前述のとおり、アップグレードでもシムオリオンは稼げることができ、住宅が大きくなるにつれてその額も増える。なので、極力出費はおさえつつアップグレードによりシムオリオンを稼ぎ、街がある程度発展したところで、より広範囲に効果が及ぶ大規模なライフラインを建てるというのも、ひとつのかしこいやり方だ。

その他、アップグレードの用事がなくとも、いつくるか分からないバイヤーに備えて、材料はつねに貯蔵庫にストックしておきたい。加工により時間がかかったものほど、高額で売却することができる。プレイを中断する前は、その時点で加工に一番手間のかかる材料の加工指示を工場に出すクセをつけるといいだろう。

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上記のように、4000シムオリオンを超える売買もしばしばある。シムの支持率に応じた日毎の税収は、序盤ではせいぜい3000前後なので、それを考えるとかなり大きい。上記の住宅のアップグレードとあわせて抑えておきたいところだ。

ほかにも、渋滞をおさえるために道路に多くのT字路をつくるといいとか、工場と住宅の比率はどうしたらいいとか、細かなテクニックを挙げればキリがないだろう。しかし、上記のような基本的な部分や効率的なシムミリオンの稼ぎかたなどをおさえておけば、街の成長を長期にわたって楽しむことができるはずだ。

そのうちに、大都市として発展させるか景観重視でいくか、自分なりの方向性や楽しみ方を見出していくのもいいかもしれない。

(斎藤えいこう)

SimCity BuildIt

メーカー
Electronic Arts
配信日
配信中
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS 7.0 以降。iPhone、iPad および iPod touch 対応。 この App は iPhone 5、iPhone 6 および iPhone 6 Plus に最適化されています。Android 2.3.3 以上

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