アイデアを軸に人をつなぐ! 岸田崇志氏が提唱するMock-1 グランプリに潜入
2014-12-20 00:01 投稿
インターシップの学生も参加したガチンコゲームコンテスト!
2014年12月18日、グリーのGarage Studio部で実施している社員育成プログラム“Creative Innovation Program”(CIP)の一環として、社内ゲームコンテスト“Mock-1グランプリ”が行われた。
CIPとは、同社の岸田崇志氏(執行役員 JapanGame事業本部 Garage Studio部部長)が2014年1月に立ち上げたもの。“おもしろいゲームをユーザーに届けること”、“メンバーの持つ良いアイデアを拾い上げること”、“アイデアをいかに形にするか?”という目的を持つ、アイデアを軸に人をつなぐ企画だ。
この日行われたMock-1グランプリは過去にも開催され、そのときグランプリに輝いたのが“10日で150万ダウンロードされた”スマホ向けアプリ『Cubic Tour』だった。
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2回目の開催となる今回のMock-1グランプリは、さまざまな部署に所属する約60名のグリー社員に加えて、インターンシップ“GREE Camp”(※)に参加した学生の中からさらに選抜された7名も混ざってMock(自分たちのアイデアをカタチにしたゲーム)を発表する拡大版。
※CIPの良い所を凝縮させた学生向けプログラム。CIP同様、“役割を超えたものづくり”を軸に、業界内でもめずらしいエンジニア、クリエイター、ビジネスの3職種合同で開催。クリエイター、ビジネス職も開発技術について学び、エンジニアも企画の案出しから参加し、2日間かけてゲームのモックアップを創りあげるプログラムで、アドバイザーとして、グリーの現場社員も参加。
審査員は現場社員が務め、特別賞の選出には最高技術責任者の藤本真樹氏、そして岸田氏が参加。優秀作品は、来年開催されるGDC視察ツアーが賞品として贈られるほか、本リリースに向けて今後ブラッシュアップさせていく予定となっている。1チームに与えられるプレゼン時間は5分(+Q&A4分)。限られた時間の中で、作品の魅力を最大限に伝えるまさにガチバトルなゲームコンテストと言える。
出揃った個性豊かな7作品
ここからは、Mock-1グランプリで発表された7作品について、タイトル名及びゲーム概要をお届けしよう。まだMock段階ということで、ゲーム画面や詳細について掲載することはできないのが残念だが、キラリと光るアイデアが詰まった作品が出そろった。
■1チーム目 『Dodge&Chain』(学生作品)
別々の大学に通う学生3人が週1で集まりながら作ったという本作。砲台を指でタッチして、左右にスワイプさせてランダムに出現する敵を狙ってレーザーを撃つシューティングゲーム。レーザーが敵に当たると破片が飛び散り、周囲の的を破壊させる連鎖をつなぐことが可能。セールスポイントについては「大連鎖を狙うなら敵をすぐに倒さず画面上に溜めたほうがいいが、その分ダメージを受けるリスクもある。連鎖の爽快感と敵をためている最中に攻撃をかわすスリル感の両方が味わえる」(同チーム代表者)とのこと。
■2チーム目 『姫色サンカククル』(学生作品)
“三角形で囲んで消す”というコンセプトを持った新感覚のアクションパズルゲーム。ルールは、画面を指で3点タッチをして三角形を作り、動き回る“ウサ”という敵を囲んで消すというもの。作り出す三角形の大きさによってスコアが異なり、小さい三角形で消すほど高得点となる。また、ゲーム開始時に4人の姫から好きなキャラクターを選択することが可能。姫はそれぞれ異なるスキルを持っており、プレイヤーが自分のスタイルに合った姫を使えるとのこと。同チーム代表の学生は本作のポイントを、「小学生でも大人でも楽しめる、タップするだけの簡単ゲーム。狙い通りに三角形で囲んで高得点が出たときの爽快感や、操作は簡単だけど奥が深いゲームを目指しました」と説明。今後については、「ハイスコアを出すと新しい姫が出たり、姫自身を育成できるようにしたい」とのこと。
■3チーム目 『Magsorb』
敵の攻撃を避けながら、敵のパーツを奪うという異色作『Magsorb』を手掛けるのは、前回のMock-1グランプリで『Cubic Tour』を生み出したルオイ氏。プレイヤーは黄色い玉を動かしながら、赤色の敵に近づく。黄色い玉の周囲には緑色のサークルがあり、そのサークル範囲内に敵を入れて一定時間経つと黄色い玉が敵を吸収(合体)して大きくなっていくというもの。審査員からも「シューティングゲームは通常、敵や弾を避けるものなのに、みずから敵に近づいていくというアイデアが秀逸」と評価されていた。
■4チーム目 『勇者ツケノスケと不思議なたる』
漬物RPGというキャッチーなジャンルの本作。魔王が人間に勇者という職を与えるために働いているという独特の世界観を持つ本作の主人公は、勇者になるつもりなどない漬物屋の息子。漬物屋の息子ということで、漬物を付けることができるのがこのゲームのウリ。たる(ぬかどこ)にアイテムを入れると新しいアイテムが生成され、それを装備して冒険に出発。モンスターを倒して得たアイテムで新たなアイテムを生成してまた冒険に出るというのが基本的なサイクルだ。また、通常のアイテム生成のゲームとは異なり、“ぬかは生きている”という漬物ならではのこだわりから、同じアイテムをたるに入れても効果が下がったり、はたまた武器ばかりを付けていると武器が強くなるたるになるなど、プレイヤーによって生成アイテムの効果に違いが出てくるところがおもしろい作品だ。
■5チーム目 『ブロックフェアリー』
邪魔なブロックをピッケルで壊して堀り進み、ステージ内に閉じ込められているすべての妖精を時間内に助けていくゲーム。ブロックも色によって壊れやすい、壊れにくいものが存在。色の濃いブロックほど壊れにくいが、ピッケル自体もゲーム内で集めたコインで強化することが可能だ。また、妖精を救い出すのが目的ながら裏の目的として、強いボスを倒すといいアイテムが手に入るといったやり込み要素も用意されているという。今後は、壊したブロックを集めて、オリジナルマップを作るエディット機能やマルチプレイの要素を取り入れていきたいとのことだ。
■6チーム目 『Stone Skipping』
ゲームとしてのルールにはあまりこだわらず、アート方面に寄せて作られたという本作。“グリコちゃん”というキャラを水面に向かって放り投げ、水面に着水したときに音が出たり、エフェクトが表示されるという、“表現を感じるアプリ”と言える。基本操作は画面を上フリックしてグリコちゃんを放り投げ、着水からジャンプしたときに横フリックすると軌道を変えられるという直感的なもの。複雑な操作を必要とせず、音とエフェクトを楽しむアプリと言えよう。
■7チーム目 『all white』
すべてのパネルを白にシロ! 3×3のパネルの色を制限時間内、回数制限がある中ですべて白にしていくパズルゲーム。ほかのパズルゲームと異なる点としては、制限時間に加えて手数制限があること。プレイする前に、プレイヤーが手数と時間を考えられるところが楽しみのポイントとなっている。また、3×3マスだけでなく、5×5マス、マスの色が増えるといった汎用モードも用意されている。
岸田氏の総括
皆さん、本日はお疲れ様でした。第2回と言うことですが、1回目が終わったあとに「2回目をどうすればいいか? どう進めていけばレベルが上がるのか?」などいろいろ考えていましたが、今回は前回よりも相当作品のレベルが上がっていて驚きました。改めて、参加した皆さん、審査員の皆さん、ありがとうございます。
この企画は、もともと1年まえにCIPの活動として、“思いついたものをカタチにしてみんなで見せ合えたら楽しい”と思って始めたものです。まだ1年ですが、これだけ質の高い作品がたくさんできて、それらを発表する場ができてうれしいです。また、今回のチームは一期一会というか、作る過程でいろいろと悩んだり協力したりといい関係性を築けるキッカケになったのではないでしょうか。また、そういった人と人とのつながりや関係性という部分はモノづくりの魅力でもありますし、人生においていもいい経験になったと思います。
今回は社員だけではなく、学生の皆さんも参加してくれました。正直、学生だからどういった作品が出てくるのかなと思いましたが、すごくレベルの高い作品で僕自身も刺激を受けました。また、社員の皆さんも業務外でこれだけのものを作って大変だったと思いますが、参加してくれて感謝しています。
こういった企画から、モノづくりをキッカケとした人と人とのつながりを広げていって、信頼できるメンバーをたくさん作ってもらいたいです。そして、こういった活動はこれからもどんどん広げていきたい。今後も第3回、第4回と開催して、会社全体を盛り上げていければいいなと思います。(岸田)
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