【個人開発ゲームを斬る】2014年の脱出ゲーム最高傑作『脱出4コマ・アンタルチカ』

2014-09-22 13:00 投稿

笑って泣ける

今回ご紹介するゲームは“脱出ゲーム”です。怪しい所をタップしてアイテムを集めて、謎を解いて扉を開け脱出する、定番のアレです。

そんな脱出ゲームをやり飽きた人も、苦手な人も、このアプリは是非遊んでみてください。間違いなく2014年度最高傑作の脱出ゲームですから。

▲舞台は南極
▲冒頭のメッセージが意味するものは?

脱出の舞台は

“とある企業の南極支部”。吹雪の中、意味深なメッセージが流れます。一度クリアした後、もう一度このメッセージを確認すると、目ん玉飛び出します。

▲アメリカンな男
▲実は漫画でした。

シリアスな導入シーンとは打って変わって、軽い感じのアメリカンな男が舞台に登場。

この男の名は“ジョン・ホッパー”。

脱出ゲームの主人公であり、4コマ漫画の主人公。南極という設定は、実は漫画の中の世界の話。ビジネス誌の人気4コマ漫画の中で活躍するジョンは、最後の“オチ”でいつもヒドイ目にあわされ、読者に笑顔を届けるのがお仕事。日本的な言いかたをすると、リアクション芸人というやつです。

▲1コマ目:南極支部全景
▲2コマ目:南極支部にはジョン1人
▲3コマ目:トラブル発生!
▲4コマ目:ジョンin落とし穴

とある企業の南極支部でひとり働くジョンは、最後のオチでいつものように大きな穴に落とされてしまいました。

芸人的には“オイシイ”のですが、ジョンは最近自分の“方向性”に迷っているようです。少し可哀想になってきたので、ジョンを穴から助けてあげましょう。

1コマ目から4コマ目まで

▲ロープゲット!
▲こっちのロープは取れない!

1コマ目から4コマ目までスクロールで移動し、怪しい所をタップで拡大。使えそうなアイテムをかき集めましょう。

▲これであのロープを切って!
▲お待たせ、ジョン!

アイテムを組み合わせ、ロープをたらしてジョンを無事救助! ジョンも少し元気になったようです。よかった、よかった。

▲1コマ目:美味しいココアで一息
▲4コマ目:トリプル惨事!
▲1コマ目:外にでるジョン
▲4コマ目:地下に閉じ込められちゃった!

コマを移動してただアイテムを見つけるだけではなく、過去(1コマ〜3コマ)の出来事に手を加えて未来(4コマ)を変え、ジョンをトラブルから救う事もできます。

例えば、“器”が飛んで“ガラス”が割れるというオチ。

1コマ目〜3コマ目のどこかにある器を見つけ出し、アイテムを使って固定させます。するとオチで器が飛ばなくなり、ガラスが無事で万々歳。ジョンの運命を握るのはあなた。つまりあなたはこの世界の“神”なんです。

ストーリーの魅せかた

▲ジョンの休日
▲ジョンのお仕事の内容

4コマを使い、過去と未来を行き来するという設定だけでもとんでもない“化け物アプリ”なんですが、ストーリーの盛り上げかたがまた繊細でステキなんですよね。漫画と漫画の間に“コーヒーブレイク”が用意されておりまして、ジョンのプライベートなことや、ジョンが勤める企業のヒミツなどが、コミカル&シリアスに描かれます。ここの魅せかたがホントにうまいんです。必見!

▲ジョン!?
▲クリア後のお楽しみ

○ジョンと娘と妻との関係
○勤める企業の謎

全ての謎が明らかになったとき、ジョンはとんでもない事になってしまいます。アイテム“ハンカチ”をご用意のうえ、その時を迎えて下さい。クリアした後も楽しめるように、各話に隠されたアイテムを見つけ出す“ヤリコミ要素”が用意されている抜け目のなさ。

始めから終わりまで感動しまくりましたので、開発された“UnknownDeliveryの足立”さんに、イロイロ聞いてみました。

Q1.はじめまして! まずは簡単な自己紹介をよろしくお願いします!

’09年後半くらいからアプリのプログラマーをやってます。お仕事は“楽で儲かる案件に限り”募集中です。

Q2.筆者も楽で儲かるお仕事を募集しております! 『アンタルチカ』は何名のスタッフで作られたのですか?

デザイナー2名(maremon)、プログラム/資金源/その他 1名(足立)、翻訳の方がおそらく1名で、計4名です。音楽は買いました。

Q3.『アンタルチカ』を作ろうと思ったキッカケは?

いわゆる“インディーゲーム”とみなされるようなゲームを一度作ろうと思っているのですが、その前哨戦としてやりました。

Q4.開発期間はどれぐらいでしょうか? 苦労した点は?

足立 期間は、2013年末〜2014年7月末です。プログラミング、その他は、おそらく3ヵ月+αくらいで、おもに仕事の合間(年末年始土日祝日GW)にやりました。時間を作るのに苦労しました。
maremon 4ヵ月と修正や追加等でプラス約2ヵ月で、約半年です。レンダリングの枚数が多かったので、クオリティを維持しつつスピードが出るような設定にするのに苦労しました。あとジョン君(主人公)の質感や、愛着をもってもらえるような表情のセットアップには苦労しました。

Q5.完成度がとんでもないんですが、作っている時に「これは売れる!」という手応えはありましたか?

マーケティング的な“正解”からは結構外れているものなので、売れる手応えはありませんでした。コアな人たちに納得させようと思ってやりました。

Q6.ライトゲーマーでも十分楽しめると思います! リリース後の反響はいかがでしょうか?

レビュー誘導なしで、たくさんの人にレビューをいただけたのと、脱出攻略サイトなどの“ヘビー脱出ゲーマー”の方に高い評価をいただけたのが嬉しかったです。DL数は、脱出ゲームの中で、真ん中より下くらいだと思います。

Q7.真ん中より下ですか。。。海外の反応はいかがでしょうか?

中国だけなぜか突出して1万DLです。ほかはとくにないので、海外向けに宣伝しようとは思っています。

Q8.うーん、ファンとしてはもっと売れてほしい! “4コマ漫画風”というのが斬新すぎるのですが、なぜこういった形になったのでしょうか?

ほかのゲームの模倣、および派生レベルのアイデアは避けようと思ったので、こういう形にしました。
もっと特異な形も考えましたが、入りやすさを考慮して基本的な脱出ゲームのほうに寄せました。

Q9.主人公のノリに“アメリカン”を感じたのですが、何か参考にしたキャラクターとかいますか?

足立 原型をとどめていないですが、俳優の“エドワード・ノートン”です。
maremon 挙げるとしたら“大人たばこ養成講座のホウサク君”、ちょっと情けない時の“エドワード・ノートン”でしょうか。世界観を含め、キャラ設定に関しては足立と深いところまで煮詰める事ができたので、そこからラフ案を大量に書きました。エドワードノートンの面影が無いくらい女々しくなってしまいましたが(笑)。

Q10.謎解きだけではなく、ストーリーもたまらなかったのですが、続編の予定は?

続編の予定は現在ありません。採算的な理由です。別の脱出ゲームは準備中です。

Q11.もっと売れて欲しい! そして別の脱出ゲームも楽しみです! ちなみにAndroid版のご予定はありますか?

Android版の予定は現在ありません。検索で有名なG社に垢BANされたので私怨があります。

Q12.G社さん、なんとかしてください! 最後に何かひと言よろしくお願いします!

『Million Onion Hotel』とローグライクな『上原ダンジョン』が楽しみです。

こんな素晴らしいアプリが雪とともに埋もれるなんてもったいない! Androidな皆さんは、iPhoneなお友達に是非教えてあげて、一緒にプレイしてみてください! そして筆者もローグライクな『上原ダンジョン』が出たらいいなと思います!

■あぷまがどっとねっと
(あぷまが)

「すべてのアプリにチャンスを!」との思いから、藤田武男氏が個人開発者が開発したアプリを中心に紹介している情報サイト。ほかでは見つからない“お宝アプリ”が“あぷまが”なら見つかるかも! ちなみにイラストは、あぷまがのマスコットキャラ、アイロニー。


※あぷまがへのアクセスはこちらから

脱出ゲーム 「脱出4コマ・アンタルチカ」

メーカー
UnknownDelivery
配信日
配信中
価格
無料
対応機種
iPhone、iPod touch、iPad、iOS7.0以上

この記事のタグ

Amazon人気商品ランキング 一覧を見る

関連記事

この記事に関連した記事一覧

最新記事

この記事と同じカテゴリの最新記事一覧