school-10~地下室~

2014-08-29 19:02 投稿

~地下室~

降りた先、ロウソクで飾られた地下室にはと同じ大きさのくぼみがあった。
をはめて回転すると、汚れと壁の映り込みとが合わさってHEAVENと書かれているように見えた。

壁のアルファベットが並ぶパネルに、HEAVENと入力すると、縄梯子が降りてきた。
そのまま登ってもよかったが、その下の木材が張られた床が気になった。
バールで剥がすと、菱形のくぼみと、パスワードロックが見つかった。
菱形のくぼみにブロックをはめ、写真の右隅のように色を並べ替えてみると、パスワードロックが反応するようになった。

しかし、ここに入力する数字の手がかりが思い浮かばない。
この地下室を作った人物は、何を考えてこんなものを作ったのだろうか。何かを隠すため? おそらく、その人物は日記の主と同一人物なのだろう。日記……。そういえば、人殺しという言葉を気に入っていたようだ。ヒトゴロシ……。1564……?
そう入力すると、ロックが解除された。

穴を覗いてみると、おびただしい数の骸骨がひしめいている。そのひとつに、RELIEFと刻まれている頭蓋骨があった。

穴から離れようとしたそのとき、少女の顔が飛び込んできた。渾身の力で退けたが、抵抗が及ばなかったら、命を落としていたかもしれない。その場合、私の体は【死因不明】として見つかるのだろうか。

先ほどのパネルに、RELIEFと入力した。すると、光の玉がふわりと浮かび、空へ昇っていく。地下に閉じ込められた少女たちの魂が、苦しみから解放されたのだろうか。

私も縄梯子を上っていく。その途中で、少女たちを想った。もし彼女らの魂を解放せずに地上を目指していたら……。私だけ脱出させまいと引き止めたかもしれない。それこそ、両手両足をつかみ、【転落死】させてでも。
私は差し込む光を目指し、1段1段を踏みしめる。そして、この廃校から脱出した。

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