【新作レビュー】ジャングル奥地の廃墟に潜む異常気象の謎を解き明かせ

2014-04-26 17:00 投稿

謎解きこそキング・オブ・ゲームス!

いまも昔も、エンターテイメントの花形と言えば“謎解き”である。

ゲームでもこれまで洋の東西を問わず、数多くの名作が輩出されてきた。かの名作『ファミコン探偵倶楽部』シリーズや、『EVE burst error』『御神楽少女探偵団』シリーズ、『アナザーコード』シリーズなど、ハードやジャンルは違えど、現在でも毎年のようにさまざまな謎解きゲームが登場している。

本作『失われた寺院の謎』は、脱出ゲーム系のアプリでもおなじみの、いわゆる“ポイント&クリック方式”と呼ばれるシステムを使ったアドベンチャーゲーム(※1)。画面内の気になるポイントをクリックして手掛かりを探しながら進めていく作品となっているのだ。ちなみに価格はiPhone版が100円、Android版が150円。

※1 家庭用ゲームでの代表的な作品には、『ウィッシュルーム』(ニンテンドーDS)などがある。

この手の作品の何がいいかというと、進めかたがわからなくなったら、とにかく行けるところの画面をしらみ潰しにクリックしまくれば何か手掛かりが見つかるというところ。ローラー作戦(※2)というやつである。攻略サイトや動画を見るのはプライドが許さなくても、これで進めるぶんにはそれほど気にならない。警察もよく採用している手法だというしね(笑)。

※2 調査などの際に、ローラーをかけるようにしらみつぶしに当たるやりかた。

ジャングルとピラミッドとUFO、謎すぎる三角関係!?

主人公は、アマゾンのジャングルの奥地で「夜空に奇妙な光が走った」というアバウトな報告を受けて調査にやってきた“異常気象の専門家”。なぜかお供も連れずに、たったひとりで3つの“寺院(ピラミッド)”を調査することになる。

ゲームを始めると、いきなり森林の中に放り込まれる。何をしたらいいか、どこへ行けばいいのか、まったくわからないが、とりあえず適当に画面をタッチしていけば何となく状況やゲームのやりかたもわかるようになるので、問題ない。

▲森林の中にそびえ立つ、3つの寺院(ピラミッド)。この違和感満点の光景の中に待つ、思いもよらぬ展開とは……?

本作の特徴は、ゲームオーバーになったり、取り返しの付かない事態に陥ることは一切ないというところ。変なところをタッチすると、いきなりモンスターに襲われる……なんて心臓に悪いドッキリもない。映像も音も、最初から最後まで文字通り“美しい”ままで終わってくれるので安心してほしい。

基本的な流れとしては、寺院の内外を回ってアイテムや手掛かりを集めながら、各所のギミックを解除して進める場所を増やし、さらなる謎を発見していく。ギミックそのものはわかりやすくヒントが出てくるのでそれほど難しくないが、そこにたどり着くまでに必要なアイテムや手掛かりを探すのがやや難度が高い

一応、ヒントや攻略動画がゲーム内のヘルプに用意されており、いつでも参照することができるが、すべて英語表記なので辞書もしくは翻訳サイトの準備を忘れずに。

▲気になるポイントを調べたり、入手したアイテムを使いながらさまざまなギミックを解いていく。
▲攻略ガイドや動画も、ゲームから参照することができる。ただし、ある程度の英語力(もしくは、翻訳サイトのアテ)が必要だ。

探索を進めていくうちに明らかになっていくのが、“謎の文明”の存在。アマゾンの奥地にピラミッド……という意外な組み合わせに加え、なんと“テレポート”できる台座や、謎の“未確認飛行物体(※3)”といった、現代文明ではありえないものも登場する。

それらの謎を解くカギを握るのが、各所に恋人への手紙を残す“飛行機乗りのジョージ”だ。1944年にこの地を訪れ、主人公と同じように寺院の謎に挑んだ彼がどうなったかも、物語の進行とともに明かされる。

※3 Unidentified Flying Object(U.F.O.)とも言う。

▲かつてこの地に墜落したジョージの飛行機。彼が恋人に残した手紙は、後にゲームに大きな影響を与えることに……。
▲謎の未確認飛行物体。あまりにイメージそのままでビックリした。

ちなみに、筆者は攻略ガイドなどを使わずに約3時間かけてクリアー。途中、何回か苦戦する箇所があったが、得意のローラー作戦でそれらも自力で克服した(※4)

100円[税込]のアプリとしては、十分なボリュームが楽しめたうえ、出色のデキと言える美しいビジュアルと、適度な難度の謎解きも味わえたので、コストパフォーマンス的には大満足だったと言っていい。

※4 謎解き好きなわりには力技に頼りがちである。

ネタバレ注意! 前半戦の難所をワンポイント攻略

最後に、詰まりやすいゲーム前半の難所の解きかたを紹介しよう。自力で何とかしたい人は、読まずに飛ばしてほしい。

太陽の像に入れる“羽”の入手方法について

太陽と月の台座の奥にいる巨大なオウムから入手することになる。オウムを捕まえることはできないが、飛び立った後に寺院外の左側の木に穴を空けると入手できる“ネバネバの樹液”をバルコニーに塗ってもう一度訪れ、オウムを逃すと“羽”が残るようになる。

▲オウムがいなくなった隙に樹液を塗っておくと、羽が入手できるようになる。

笛のギミックについて

赤の寺院の右奥にある、6つ吊るされた笛のギミックは、じつは並んでいる順番は関係なく、吊るされた高さによる音階が問題となる。黄色の寺院にある巨大なハープから入手したメモにある音階をもとに、タッチしていこう。ちなみに、一番上にある音階の笛は使わないぞ。

▲右から2番目の笛が最初で、以降→右から3番目→一番右→右から3番目→左から2番目→1番左の順番で笛をタッチすればオーケーだ。

失われた寺院の謎

メーカー
Paul Banks
配信日
配信中
価格
iOS版は100円、Android版は150円
対応機種
iOS 5.0 以降。iPhone、iPad および iPod touch 対応。 iPhone 5 用に最適化済み

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