【新作】ドット感溢れる『Block Legend』は中毒性”強”のパズルRPGだった

唐突だが『さめがめ』というゲームをご存知だろうか。1992年にフリーソフトとして公開されたパズルゲームで、画面上に配置されているブロックの中で、縦か横に2つ以上繋がっているブロックを探し、消していくというものだ。今回紹介する『Block Legend』は、まさにこの『さめがめ』とRPG要素を融合させたパズルRPGといえる。

ブロックを消して攻撃、防御、回復

『Block Legend』は、DoT Warrior Gamesが開発したパズルRPG。ドット感溢れるグラフィックスが眩しい。

プレイヤーは特徴が異なる勇者達の中からひとりを選んで冒険の旅に出る。といっても普通のRPGのように広大な世界を自由に探検するわけではなく、一本道の世界をまっすぐと進んでいくだけだ。とはいえ、一本道ながらも、ところどころに街があり、NPCが登場し、アイテムや装備を買うことができる。この辺りはRPGらしい味付けだ。

勇者が冒険を続けていくと、ふつうのRPGのようにモンスターが出現し、戦闘になることがある。本作が従来のRPGと大きく異なるのは、戦闘はコマンド入力ではなく、すべてパズルで行うという点。

ルールは『さめがめ』とほぼ同じで、画面に配置されているブロックの中から縦か横に2個以上繋がっている部分をタッチするとブロックが消える。そして消えたブロックの種類にあわせた効果が発動。パズルのブロックは6種類で、“剣”のブロックを消せば攻撃を、“盾”のブロックを消せば防御、“ハート”のブロックを消せばヒットポイントを回復する……といった具合だ。

多くのブロックを一気に消したり、連続で同じ種類のブロックを消すとより効果が増していく。

先を見越してブロックを消すのがポイント

戦闘はターン制で、ブロックを消すと1ターンが経過する。モンスターによって異なるが、大体2ターンから4ターン程でモンスターが攻撃してくる。攻撃を受ける前にモンスターを倒しきるか、防御を固めておきたいが、ブロックの配置によっては思い通りにいかないことも多い。

上から降ってくるブロックは完全に運任せだが、既に画面内にあるブロックはある程度自分でコントロールできることが魅力のひとつ。慣れてきたら、先を見越してできるだけ多くのブロックを一気に消せるように考えて消していくのが楽しくなってくる。

じつは勇者の移動中にも、パズル部分をプレイすることができる。戦闘の前に“宝箱”や“ゴールド”といった、戦闘には使わないブロックを消しておき、万全の体制で戦闘に挑むといいだろう。

また、敵の攻撃を受けた直後にヒットポイントを回復できるよう、“ハート”のブロックを集めておくのも、ひとつのテクニック。さらに、大ダメージを与えられるよう、“剣”のブロックが繋がるように不要なブロックを消したり……と、やり込み要素も多い。パズルにRPG要素が加わることで、ふつうにパズルを解くよりも考えることが増えてくる。そこが本作の悩ましいところであり、おもしろいところでもある。

ちなみに消えた部分には上から新しいブロックが降ってくるので、適当にプレイしていても“詰み”になることはないので安心してほしい。こうしてモンスターを倒すと経験値が入り、経験値がたまるとレベルアップする。レベルアップすると攻撃力や防御力といったステータスを上げることができる。このあたりは通常のRPGと変わらない。

出現する雑魚モンスターを倒し、いくつかの街を通過すると、最後にボスモンスターが出現する。ボスモンスターはヒットポイントも多く、攻撃力も高い。はっきり言って雑魚モンスターとは比べ物にならないほど手強い存在だ。

正直なところ雑魚モンスターの場合は何も考えずにブロックを消していっても割りとクリアーできたのだが、ボスモンスターは別。雑魚モンスター以上にブロックの消しかたが重要になる。

こうしてボスを倒すことができればそのエリアはクリアー。つぎのエリアに進み、さらに冒険が続いていく。ゲームはこうしてエンドレスに続いていくが、奥のエリアに行くほど敵は強くなり、徐々に攻略が難しくなってくる。

そうして、ついに勇者が倒されてしまった時点でスコアが表示され、冒険は終了。それまでの冒険中に上げたステータスや、集めたゴールドはすべてリセットされ、つぎの冒険はまた1からのスタートになる。

なんとも潔く、かつ非常にシンプルなゲームが『Block Legend』。1プレイがそれほど長くないというのと、ブロックを消したときの快感が相まって、「悔しい、もう1回！」といった具合で何度もプレイしてしまい、やめどきが見つからない。

「今度はステータスの割り振りを変えてみよう」とか、「ブロックを消す順番を変えてみよう」と、プレイする度に工夫する余地があるのも、中毒性を高める要素のひとつ。

シンプルなルールですぐにプレイできるので気軽に始めて欲しい……が、ドップリとはまってしまって思わぬ時間泥棒になってしまう可能性もある。もしハマりすぎて電車で乗り過ごしたりしても筆者は責任を取れないので、あしからず。