
gumiがフランスへの進出を決めた本当の理由(わけ)
2013-05-01 18:00 投稿
●対仏投資庁の果たした大きな役割
『任侠道』や『騎士道』、『青春姫』などのソーシャルゲームで知られるgumiが、欧州初の拠点として、フランス・パリへ進出を決定した――という報道が流れたのは、2012年10月末のこと(⇒リリースはこちら)。
gumiのフランス進出に大きな役割を果たしたのが、対仏投資庁。フランスでは、古くから企業誘致に積極的に取り組んできたという歴史があるが、対仏投資庁は、フランスへの国際投資誘致や進出企業向け支援を担当している国の機関。2001年に設立以降、世界27ヵ国に在外事務所を設置し、フランスへの進出を考えている各国の企業をサポートしている。
そんな対仏投資庁による “プロジェクト報告会”が、2013年4月25日に都内にて実施され、gumi 取締役 三川剛氏をゲストに招いて、同社のフランス進出の進捗などが語られた。
“プロジェクト報告会”では、まずは在日フランス大使館 対仏投資庁 日本事務所 代表 対仏投資参事官 クリストフ・グリニョン氏が2012年における、フランスへの海外企業の進出状況をリポート。それによると、2012年だけで対仏投資庁は新たに693の投資プロジェクトをサポートし、それにより25908人の雇用が創出されたとのこと。国別の投資プロジェクト数では、1位がアメリカで156件、2位はドイツの113件となる。3位:イタリア、4位:スイス、5位:イギリスについで、日本は6位。業種でもっとも多いのは、“ソフトウェア・情報処理関連サービス”で、73件。“機械・機械設備”の63件と続く。以前は、自動車産業などが圧倒的な数を誇っていたというが、このへんは時代の趨勢と言えるだろう。日本単独で見ると、プロジェクト件数は34件で、雇用創出数は706人とのことだ。
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▲在日フランス大使館 対仏投資庁 日本事務所 代表 対仏投資参事官 クリストフ・グリニョン氏 |
ちなみに、対仏投資庁の調べによると、フランスに進出している日本企業は440を超えるとのことで、いかに多くの日本企業がフランスに進出しているかがわかる。先ほど述べた通り、対仏投資庁が設立されたのは2001年だが、海外企業の誘致は形を変え60年代から取り組んでいるとのことで、歴史の長さを感じさせるところだ。
クリストフ・グリニョン氏に続いて、三川剛氏がgumiのフランス進出の現状を報告。まず三川氏は、gumiが進出先にフランスを選んだ理由を説明した。ふつう、日本企業が海外進出をしようと思うと、アメリカかアジアの二択になるが、なぜgumiはフランスを選んだのか? その点に関して三川氏は、「先行企業の例を見てもアメリカ市場は難しそうだから、止めよう」という社内判断があったのだとコメント。たしかに、多くの企業が進出を果たしているが、あらゆる面で競争が激しく、成功を収めている企業はそんなに多くない。ならば……ということで、まずはアジアへの進出を決定。海外進出に関しては、通常1ヵ国ずつ展開していくのがセオリーだが、「ここがgumiらしいところで(笑)」(三川氏)とのことで、2012年4月より上海、シンガポール、台湾をほぼ同時展開。それぞれの市場で手応えをつかむに至る。そこで、シンガポールがフランス系の企業と仕事をしていることが多いことを知り、フランスに興味を持ったのだという。そこで現地でリサーチをした結果、「欧州のおもなゲーム消費国が交差する中心にフランスがあること」、「将来パートナーとなり得る制作会社が多いこと」などを理由に、フランスへの進出を決意する。
そして、フランス進出のさらに大きな要因となったのが、親日的であること。ご存じの通り、フランスではアニメやマンガなど、日本の“オタクカルチャー”がものすごい人気で、日本に対するシンパシーも並々ならぬものがある。そのため、日本語をしゃべるフランス人も多く、コミュニケーションが円滑に進むというのだ。「そこは、ヨーロッパのほかの地域にはない魅力ですね」と三川氏。
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▲gumi 取締役 三川剛氏 |
昨年10月にフランスへの拠点設立を発表したgumiだが、現在フランスにおけるスタッフは3名。それがこの5月からいよいよ本格始動し、フランス発のソーシャルゲームの開発に取り組むという。開発にあたっては、欧米人の嗜好を理解し切ったフランス人スタッフが、フランスや欧米マーケットのためにソーシャルゲームを開発する……という現地完結のスタイルを採用。日本人のクリエイターを派遣してノウハウを教える……というやりかたは取らないという。これは、フランスのソーシャルゲーム市場は、日本のソーシャルゲーム市場とは嗜好や動向が微妙に異なっており、日本のノウハウが必ずしも通用するわけではない、との判断からだ。「フランスには、モバイルゲームの豊富な開発歴を持つクリエイターも多く、なおかつ競合する外資系のゲームメーカーも多くない。そのため優秀な人材をしっかりと確保できるんです」と三川氏。優秀な人材をしっかりと確保できるという点も、拠点をフランスに選んだ理由のひとつとなる。
ちなみに、記者にとってはいささか意外な話だったのだが、フランスはスマートフォン向けソーシャルゲームの制作量では、アメリカについで世界第2位とのこと。市場自体もけっこう盛り上がっているようだ。今回せっかくの機会なので、フランスにおけるソーシャルゲームの人気ランキングを教えてもらえたので、参考までに掲載すると以下の通りとなる(2013年4月30日時点のApp Storeランキング)。残念ながら日本発のアプリはあまり楽しまれていないようだが、『Candy Crush Saga』や『Angry Birds Star Wars』など世界的に人気の高いゲームから、フランスオリジナルタイトルまで、バランスよくラインアップされているようだ。
<無料ゲーム>
1位『Iron Man 3 – Le jeu officiel』
2位『Le plus dur jeu jamais 2』
3位『Candy Crush Saga』
4位『Immortalis – Jeu de Cartes RPG』
5位『Doodle Jump Easter Special』
6位『Images 1 Mot』
7位『Ruzzle』
8位『Sonic Dash』
9位『Draw Something 2 Free』
10位『Fruit Blast Mania』
<有料ゲーム>
1位『Plague Inc.』
2位『Cut the Rope: Time Travel』
3位『LEGO Batman: DC Super Heroes』
4位『Angry Birds Star Wars』
5位『Fruit Ninja』
6位『Doodle Jump – ATTENTION: Jeu Incroyablement Addictif!』
7位『Fearless Wheels』
8位『Temple Run: Oz』
9位『Minecraft – Pocket Edition』
10位『Worms 2: Armageddon』
さて、gumiのフランス拠点発となるソーシャルゲームは、早ければ夏にもお目見えする予定とのこと。好評であれば、フランス本国はもちろんのこと、ヨーロッパや北米、そして日本に向けても配信する予定とのことだ。さらに、gumiでは、フランスオフィスのスタッフを、この3年間で100人規模まで増やす計画であるという。「IR上のリップサービスで言ってしまって……(笑)」と三川氏は頭を掻くが、シンガポールオフィスが9ヵ月でスタッフ90人にまで拡大したことを思うと、あながち実現性のないリップサービスでもないように思われる。ともあれ、gumiフランス拠点制作によるソーシャルゲームの成果を期待したいところだ。
※gumiの公式サイトはこちら
※対仏投資庁の公式サイトはこちら
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