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『マーベル ウォー・オブ・ヒーローズ』魅力のヒミツとは? マーベルが誇る日本人アーティスト、タケダサナ氏に突撃インタビュー

2012-11-01 14:30 投稿

●コミックアーティストたちのさまざまな力作をカード化

Mobageでついに配信が開始されたディー・エヌ・エー(DeNA)とウォルト・ディズニー・ジャパンの『マーベル ウォー・オブ・ヒーローズ』。本作は、スパイダーマンやアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ウルヴァリンなどマーベル作品に登場する数多くのヒーローたちを仲間にし、敵組織と激しい戦いをくり広げていくカードゲームだ。世界中に熱烈なフリークを持つマーベルだが、ファンにとって何よりうれしいのは、マーベルが誇るコミックアーティストたちが軒並み参加している点だろう。ファンの胸を躍らせた美麗なカバーアートが多数カード化されているのはもちろん、描き下ろしイラストもふんだんに収録。垂涎の内容になっているのだ。そこで今回は、同作の配信を間近に控え、日本で3人しかいないというマーベルコミックアーティストのひとり、タケダサナ氏にインタビューを敢行。マーベルでの仕事ぶりや『マーベル ウォー・オブ・ヒーローズ』のために手掛けた描き下ろしカードイラストなどについて聞いてみた。マーベルファンは見逃し厳禁!

▲タケダサナ氏。

――そもそもタケダさんは、どのような経緯でマーベル作品を描かれることになったのですか?
タケダ じつは、もともと私はあまりマーベルには興味がなかったんですよ。

――あら、そうなのですか?
タケダ そうなんです。もともと私は、絵が好きでゲームも好き……ということで、セガでデザイナーをしていたんですね。で、ゲームキューブ版『F-ZERO GX』のキャラクターデザインを担当することになったのですが、デザインの方向性が“アメコミらしさを全面に押し出すように”というものだったんです。当時、私はアメコミに対する知識がほとんどなくて、「どうしよう」という感じだったのですが、それこそありとあらゆるアメコミを研究して、イメージを膨らませていきました。そのとき、アメコミというものの懐の深さを感じて、興味を抱いたんです。それが、アメコミとの実質的な出会いになりますね。

――アメコミの懐の深さですか?
タケダ はい。バリエーションの多様さと間口の広さに魅力を感じました。で、その後私はフリーになったのですが、そのころちょうど日本では萌え系のイラストが流行り始めたころでした。それで、当時私の描いていたイラストはテイストが相当濃かったこともあり、「日本で描いていくのはきびしいかも」との思いがあったんですね。それで、海外に出ることを決意しまして、懐の深いアメコミならば、私の絵柄も受け入れられるのでは……ということで、当時アーティストを募集していたマーベルの門戸を叩いたんです。

――当時の絵はそんなに濃かったのですか?
タケダ それはもう! 言葉で説明するのは難しいのですが、私が影響を受けたのが、江戸川乱歩原作によるポプラ社の『少年探偵』シリーズのイラストや1990年代の少年マンガだった……と言えば、ある程度想像していただけるのではないかと(笑)。

――(笑)。それで、実際にマーベルで仕事をしてみていかがでした?
タケダ 周りがうまい人ばかりだったことには驚きました。向こうの方々はデッサンから何から完璧にこなしていたので、「これは敵わないな」と正直思いました。一方で、しばらく仕事をするうちに、自分らしさが発揮できるかも……ということにも気づいたんです。それは、“表情”です。アメコミを読んでいると、表情から感情が伝わりづらいシーンが多い。そこで私は、キャラクターの表情からでも、読者に物語が伝わるようなイラストを描くことを心掛けることにしました。“表情”はいまでも私が注力しているポイントですね。

――なるほど。そのへんは、日本人らしい繊細な感性が活きているんですね。
タケダ あとは、締切までの時間がとにかく短いこと! 最初はついていくのだけで精一杯でした。

――イラストレーターさんやマンガ家さんが時間に追われるのは、洋の東西を問わないようですね。
タケダ そうみたいです(笑)。でも、これにはアメコミの制作スタイルの兼ね合いもありまして……。マーベルでは、脚本→下書き→色つけといった具合に制作が段階ごとにわかれており、それぞれのプロセスを各アーティストが担当して制作しているんですね。そのため、ひとつのプロセスが遅れると、つぎがどんどん遅れていってしまうんです。

――ああ! つまり脚本が仕上がらないと絵を描きようがないということですね?
タケダ そのとおりです。脚本家が仕上げてくれるシナリオをひたすら待つ、ということもよくあります。あまりに時間が足りなくて、1ページを複数のアーティストで描くということもありますよ。まぁ、それは極端な例ですが、アメコミは作画に時間がかかるので、月単位で描き手が異なるというのが標準です。だから、先月号と今月号とでは、キャラクターの顔が微妙に違ったりします。私もまだ慣れないのですが……。アメコミでは、何よりも物語を第一に楽しむという傾向があるので、キャラクターのイラストが変わってもあまり気にならないみたいです。まあ、マーベルファンの方の中には、好きなアーティストが描いているコミックだけを収集しているなんて方もいますけど。ちなみに、さきほど分業体制と言いましたが、私の場合はすこし特殊で、イラストに関するプロセスをひとりで担当させてもらっています。

――コマ割りや構図などもタケダさんが考えられているんですか?
タケダ 違います。脚本にコマ割りや構図も文字で記述されているので、その指示に沿って制作しています。そのため、けっこう無茶な指定もあったりするんですよ。たとえば、ヒトコマに対して、“パンチをしてから振り向く”なんて指示もあったりします。その場合は、「そんなのいっぺんに描けないよ!」と思いつつも、私のほうで適当にアレンジしています(笑)。

――マーベルコミックを手掛けられると、相当鍛えられそうですね(笑)。
タケダ そうですね(笑)……。きびしいスケジュールでも間に合わせられる技術と精神力は身に付きました(笑)。あとは、派手なシーンが描けるようになりましたね。ご存じのとおり、アメコミはダイナミックなシーンが多いんですが、自分は静かで繊細なイラストを描くことが好きなんですよ、だから、最初は恥ずかしさを我慢しながら描いていました。

――あはは。それは意外ですね。ちなみに、タケダさんが好きなキャラクターは?
タケダ 好きなキャラクターはハルクですね。1回担当させていただいたときにカワイイなと思うようになりました。表情もどちらかと言えば豊富なほうなので、私が描きたいキャラクター像にマッチしていましたし、自分の意志とは別の力によって変身してしまう……という、ヒーローらしくない設定にも好感が持てました。ただ、描くのはちょっとたいへんで、とくに顔と体のバランスには苦戦しました。

――たしかに、ハルクはマーベルヒーローの中でも異彩を放っていますね。
タケダ あとは、思い入れが深くなったキャラクターだと、今回も描き下ろしを担当させていただいたX-23ですね。彼女はウルヴァリンのクローンという設定なのですが、自分が何者なのかについて悩んでいるというキャラクターなんですね。そんなちょっと陰のあるところが好きです。X-23に関しては、1年近く連載を担当させていただいたこともあり、相当思い入れがあります。東日本大震災のさなかも、締切に追われて必死でX-23を描いていたのも、印象深いです。

――わかりました。では、『マーベル ウォー・オブ・ヒーローズ』の話を聞かせてください。ゲームでは描き下ろしも担当されたとのことですね。
タケダ はい。X-23とサイロックを描いています。今回、いくつかの女性キャラクターを候補として挙げていただいたのですが、選ばせていただいたのが、このふたりでした。とくに、今回初めてサイロックというキャラクターを描かせていただけたのはうれしかったです。私自身、マーベルで描くようになってからいつかは描いてみたいと思っていたキャラクターだったので、念願が叶いました。ファンの方々からいただく応援メールにも、「サイロックを描いてほしい」というお願いが数多くありましたので、描けてよかったです。

▲タケダサナ氏が描き下ろしたX-23(左側2枚)とサイロック(右側2枚)。

 

――では、描き下ろしイラストの注力ポイントを教えてください。
タケダ X-23に関しては雰囲気ですかね。キャラクターのイメージにあわせて孤独をうまく表現できたのではないかと思っていますので、そのあたりは見ていただきたいポイントになります。サイロックは、ほかの方が描くサイロックとは違う、私なりの彼女の強さというものをイメージして作り上げられたと思います。ぜひ、楽しみにしていただきたいです。

――描き下ろし以外にも、いままで描かれてきたカバーイラストやポスターなどが、カードイラストとして使用されているそうですね。
タケダ そうなんです。私が描いたものでも、ジーン・グレイとミズ・マーベルのイラストが採用されています。ジーン・グレイはファッション誌『VOGUE JAPAN』の別冊付録のために描かせていただいたものです。ミズ・マーベルのほうは、私が連載を担当したときに描いた、病院でのワンシーンが使われています。

▲カードイラストとして採用されたジーン・グレイ(左)とミズ・マーベル(右)

 

――マンガのワンシーンもカードイラストに使われているんですね。コアなファンなら「このイラストはあのシーンだ」とか「これはあの表紙に使われたやつだ」という発見もありそうですね。
タケダ そうですね、そういう楽しみかたもしていただけたらうれしいです。

――それでは最後に本作を楽しみにしているファンの方へのメッセージをお願いします。
タケダ ファンの方もそうでない方も、まずは本作を気軽に遊んでいただきたいです。そしてマーベルに登場するヒーローのことをもっと知っていただけたら……と思っています。そして、本作では伝えきれないヒーローたちの設定などが気になり始めましたら、マーベルコミックを手にとってほしいです。日本はマンガの文化が強いので、アメコミはなかなか浸透していないのが現状なのですが、どのヒーローもとても魅力的なので、どんどん興味を持っていただきたいです。私自身も世界中のファンの方々が感動できるイラスト作り続けていきますので、今後も応援していただければと思います。

【マーベル ウォー・オブ・ヒーローズ】
メーカー:ディー・エヌ・エー、ウォルト・ディズニー・ジャパン
プラットフォーム:Mobage
★ゲームへのアクセスはこちら
対応端末:スマートフォン
利用料金:アイテム課金制

TM & (C) 2012 Marvel & Subs.
(C)DeNA Co., Ltd.
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