国産Androidアプリを中国市場へ投入可能に アクセスポートが中国大手ネット企業と事業提携
2012-02-24 20:40 投稿
●アクセスポートとQihoo 360がAndroid用共同プラットフォームを開設
▲Qihoo 360 のCEOのZhou Hongyi氏(中央)、アクセスポート代表取締役翁 永飆氏(左)。
2012年2月24日、アクセスポートは、中国のインターネット企業第2位のQihoo 360と事業提携することを発表。都内にて会見を行った。
今回の事業提携は、2012年は中国がアメリカを抜き、世界最大のコンテンツ市場となるという背景を受け、日本から中国へのコンテンツ流通を容易に実現させることを目的としたもの。コンテンツホルダーは、アクセスポートが運営するAndroid端末用マーケット“Tapnow ”にコンテンツを登録することで、Qihoo 360が運営する中国のマーケット“360”でも配信可能になる。ただし、コンテンツの翻訳や中国でコンテンツ配信を行うために必要なICPライセンスの取得は、コンテンツホルダーごとに必要になる場合があるとのこと。共同コンテンツプラットフォームは、2012年6月より提供予定となる。
中国では、googleのAndroid Marketが公式にサービスされておらず、サードパーティーによるマーケットが強い。Qihoo 360のマーケット“360”では、185000本のアプリが配信されており、15億ダウンロードを達成しているという。また、日本と違い、3G通信が十分に普及しておらず、パケット使い放題といったサービスもないため、アプリのダウンロードはPC、またはWi-Fi経由が主流となっている。そのため、モバイル端末用のアプリでもPC用ウェブサイトでのプロモーションがおもてだっており、システム的にもワンクリックでPCからモバイル端末にコンテンツをダウンロード可能になっている。以前は、海賊版が出回ることも多かったようだが、現在は中国政府の働きかけにより、小額であれば正規品を購入するユーザーが増えてきているそうだ。
いっぽう、アクセスポートが運営する“Tapnow”は、PCクライアントとAndroid端末の両方でサービスが提供されている日本に特化したマーケット。現在のユーザー数は21600人、登録アプリ数1200本となる。本日2月24日より、有料アプリの販売、Tapnow壁紙ストアのサービスがスタートしており、今後は、ブックストア、ミュージックストア、ビデオストアを順次開設してコンテンツを拡充していき、2012年度には300万ユーザーを目指すという。決済手段も豊富に用意されており、現在はクレジットカードとウェブマネーの2種類だが、今後は月額決済、キャリア決済、ポイント決済、リワードポイントと決済方法を増やしていく予定になっている。なお、コンテンツ手数料は、ほかのプラットフォームと同様に30%前後になるとのこと。
事業提携により、“Tapnow”と“360”では共通のSDKを採用し、ひとつのSDKで日本と中国の両国でアプリ配信が可能になるという。デベロッパーにとって不安材料であるコンテンツコピーの対策としては、アクセスポートが独自に開発したDRMを両マーケットで共通化。DRMの仕様については、コンテンツのカテゴリーごとに最適化していくという。
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