家庭用ゲームに匹敵するグラフィックスを実現したスーパーチップセットTegra3を直撃取材
2011-12-30 13:41 投稿
●Tegra3の開発元のエヌビディアに突撃
スマートフォン業界で、今激アツ話題沸騰中のTegra3チップ。なんとなくスゴイということはわかるが、果たしてどんなものなのかは、イマイチよくわからない。ということで、Tegra3チップの開発元であるエヌビディアにお邪魔して、その詳細を伺った。
エヌビディアは、PCのパーツをはじめ、スーパーコンピューターのパーツをも開発している世界的半導体メーカー。Tegra3とは、エヌビディアが開発したモバイル端末用のチップセットのことで、アプリや動画再生時のコンピュータ処理、グラフィックスの描画計算などを行う、スマートフォンやタブレットの中核を担うパーツである。
●気になる性能は? どれだけスゴイの?
まず、チップセットとして最初に注目すべきポイントは処理・計算の速さ。その性能の目安となるのが、CPUコアの性能だ。Tegra3にはメインのCPUコアを4つに加え、コンパニオン・コアと呼ばれる5つめのCPUコアが搭載されている。クアッドコアと呼ばれる4コアCPUとは異なる、これまでにないCPU設計である。メインとなる4コアCPUは、単体で1.4GHz、4つが同時稼働したときでも1.3GHzのクロック周波数を叩き出す、ハイパフォーマンスなCPU。コンパニオン・コアは500MHzと、4コアと比べると劣るが、その理由は後述しよう。
さて、これはどれくらいスゴイことなのか? 簡単に説明すると、シリーズ前進となるTegra2の5倍の性能である。iPhone 4SおよびiPad2に搭載されたチップ、A5チップと比較すると、Webの読み込み速度はおよそ1.2~3.5倍、アプリの起動や動作にの速度に関しては、2倍強のパフォーマンス性能となっている。
また、Tegra3はグラフィックス描画にも強く同様にTegra2と比較すると、およそ3倍の性能を有している。これにより、従来スマートフォンでは描画が難しかった、水面や光の反射・照射なども美しく精細に描けるようになり、さらに画面上に配置できる可動オブジェクト数も数倍に跳ね上がっている。Tegraの高性能をゲームで実感してみたいという人は、Tegra搭載端末向けに最適化されたゲームを紹介しているアプリ『Tegra ZONE』を利用してみるといい。
▲Tegra3のテクニカルデモで使用されたアプリ。画面中央の光源から発せられる光や反射する光はリアルタイムで計算され描画されている。
動画再生についても、ブルーレイクオリティのビデオ、1080pのHD動画をサポート。オーディオも7.1chサラウンドに対応しており、最高の環境で動画を楽しむことができる。さらに、Tegra3には、映像を外部のモニタに出力するシステムも搭載しているため、美麗な動画を大画面に出力して楽しむことも可能。HDMI 1.4で外部モニタと接続すれば、3D映像出力できる。
▲画面写真は『SHADOWGUN』というTPS。上の写真がTegra2、下がTegra3で描画されたもの。Tegra3では、水面やダイナミックな光の表現が可能になり、キャラクターやオブジェクトの質感なども、よりリアルになっている。
●スゴイのは性能だけじゃない! 省電力性にも特化
これだけの高性能となってくると、気になってくるのが消費電力。高性能になればなるほど消費電力がかさむというのが、電子機器の常だが、そんな状況でTegra3は省電力性も持ち合わせている。どれだけ消費電力を抑えられたのかというと、Tegra2に比べ、ゲームや音楽の再生では15%、Webサイト閲覧では30%、そして動画再生においては61%もダウンさせている。これだけの性能を持ち合わせているのに、なぜこんなにも消費電力が抑えられたのか? それは、Tegra3発表時には隠されていた第5のコア、コンパニオン・コアに秘密が隠されている。
コンパニオン・コアは、メインとなる4つのコアと比較すると、性能は低めに設計されている。そのため、高い性能が求められる処理には不向きだが、Webページの描画など、簡単な処理ならば、コンパニオン・コアだけで足りてしまう。従来の4コアCPUは、簡単な動作でもフル稼働していたため、消費電力がかさんでしまっていた。その点Tegra3は、高い性能が必要な処理と、低い性能でも行える処理をそれぞれ別に担当することで、省電力を実現している。高画質動画の再生を例にすると、もっとも処理が忙しい、動画の読み込みを4コアが担当し、コンパニオン・コアは、読み込まれたデータを再生するだけといった具合だ。さらに、4コアCPUも、同時に4つすべてが動くわけではなく、必要に合わせて1コア、2コア、4コアと動作するコア数が変更される。この仕組みにより、消費電力が抑えられるわけだ。
▲高い処理能力が必要なとなる動作以外は、すべてコンパニオンコアで処理可能。
●Tegra3搭載端末を家庭用ゲーム機のように使うこともできる!?
Tegra3には、性能、省電力という以外にも注目すべき点がある。それは、ゲームコントローラーにも対応しているというところ。プレイステーション3、Xbox 360、Wiiリモコン、どれでも操作可能。まるでゲームハードのよう。これらを使用するには、アプリがゲームコントローラーに対応していなければならないが、多くのゲームメーカーが対応を検討しているとのこと。もしかしたら、今後のゲームのスタイルとして定着する可能性も。
▲Tegra3搭載端末では、モニタに映像を出力してゲームパッドで遊ぶことが可能。
2012年にはTegra3を搭載したスマートフォンやタブレットが数多く発売される予定。Tegra3対応ゲームも次第に増えていくことが予想される。2012年のスマホ、そしてタブレット選びは、“Tegra”がキーワードになりそうだ。
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