【ポケモンGO日記#403】“GOFest2024:グローバル”2日目の個人的な立ち回りを考える / 合体ネクロズマのフィールド効果はどう活かす?(ケチャップ山もり男編)
2024-07-15 10:00
ナイアンティック社(以下、NIA)、任天堂、ポケモンの3社が手を組み、2016年内のリリースに向けて開発が進められている期待のスマホアプリ『Pokémon GO』。
今回は、本作を手掛けるNIAのCEOジョン・ハンケ氏を直撃。『Pokémon GO』に込めた想いと未来予想図をライターの深津庵が聞いてきた。
今回の取材は、NIA本社にお邪魔して、海外にいるジョン・ハンケ氏とビデオチャットを使って行われた。
──『Pokémon GO』開発のきっかけは?
ジョン・ハンケ氏(以下、ハンケ) そもそもの始まりは2014年にポケモンと行ったエイプリルフールのときでした。
──Google マップアプリを起動するとさまざまなポケモンが地図上に現れる企画でしたね。
ハンケ あの試みには大きな反響がありまして、その映像の再生数は1500万回以上に達しました。これをきっかけに両社が興味を持ち、その後、拡張現実を舞台に外に出てさまざまな発見を楽しむ『Ingress』の開発が進みました。一方で、このコンセプトをより多くの方に伝えたいという想いから、我々がポケモンにコンタクトを取ったのです。
──いま、当時の映像を見直してみるとまさに『Pokémon GO』のひな型とも思える内容ですが、当初からそのイメージはあったのですか?
ハンケ そう言って差し支えないと思います。『Ingress』が持つユニークなテーマである、新しい地域を冒険し、エクササイズにもなり、多くのユーザーとのつながりも増えていく。そうしたコンセプトを残しつつ、現実世界とポケモンとの共存体験を実現させようという構想は、このときから動き出したのです。
(ここでハンケ氏は、同席してくれたポケモンの専務執行役員である宇都宮崇人氏に話を振る)
宇都宮崇人氏 外にゲームを持ち出して遊んでもらう、これは我々にとっても理想でした。だからこそ、これまでの『ポケットモンスター』シリーズでも多くのイベントを開催してきました。そうした経緯からも、「これはおもしろいことになるぞ」と思いました。
──それぞれの想いが合致したと。実際、確かな手応えを感じていますか?
ハンケ 現在フィールドテスト中ではありますが、すでに近隣のジムでは激しいバトルが起きています。こうした様子を見るととてもうれしく思いますし、大きな手応えを感じます。また、私が気に入っている機能にカメラモードというものがあるんですね。
──どのような機能なのでしょう?
ハンケ これはポケモンといっしょに写真が撮れるもので、出会った記念に撮影したり、友だちと共有したりすることで、お互いのポケモンを自慢して盛り上がれる。今後、そんな光景も多くなると思っています。
──以前、ハンケ氏のお子さんが家で遊んでばかりで、外に出るきっかけを作りたかったことも『Ingress』制作のヒントになっていると伺いました。本作でもそのような想いはあるのでしょうか?
ハンケ どちらのタイトルも、そうしたモチベーションを強く与えるものだと思います。もしかすると、『Pokémon GO』のほうがその力は強いのではないか、とも感じているところなんです。
──それはなぜ?
ハンケ ポケモンを探して街中を歩き回ることになるので、『Ingress』とも違ったスポットに気づき、学ぶことができるからです。
──なるほど。スキャナ上で視覚化されたものを目指す『Ingress』とか異なり、どこにいるか探し求めるからこその発見があるというわけですね。
ハンケ その通りです。また、『Pokémon GO』では家族で楽しむユーザーが多くなると考えています。たとえば、住み慣れた場所での親子の散歩も、『Pokémon GO』を通じればその景色が違ったものに見えてきますし、それが会話のきっかけ作りにもなる。そうして新たな思い出を共有してくれることを我々は望んでいます。
──端末を下に向けるとスリープ状態になる機能を先日のプレスデモツアーで拝見しました。これも親御さんがお子さんと安心して歩くため、そして新たな発見のチャンスを増やす重要なものだと感じました。
→ついに手の届く距離にポケモンが現れたプレスデモツアーに潜入!
ハンケ まさにその通りです。我々は『Ingress』で、“目の前にせっかく美しい世界があるのにスキャナに夢中で見逃してしまう”といった問題に直面しました。それを解決するひとつのアイデアとして、Androidウエアラブルウォッチに対応したのですが‥‥。
──残念ながら浸透はしませんでしたね。
ハンケ はい。Androidウエアラブルウォッチを持っている方がとても少なく、大きな効果は得られませんでした。そこで考えたのが、スマートフォンを見る機会を最小限に抑える仕組みを作ることでした。その想いから、ウエアラブル端末の“Pokémon GO Plus”が誕生したのです。
──バッテリーをセーブするだけでなく、視線を現実世界に向けることができますね。
ハンケ ポケストップやジムに近づくと“Pokémon GO Plus”のアラート機能で知らせてくれますし、LEDのパターンやバイブでポケモンを捕まえることもできる。顔が前を向くことで、人とのコミュニケーションを取りやすくすることに貢献するツールになったと感じています。ぜひ、多くの方に活用してもらいたいですね!
──お子さんはもちろん、世界中の人たちがプレイすると思われます。言語の異なるユーザーどうしが、ゲーム内でどのようにコミュニケーションを取るのでしょうか。“いいね”ボタンのように感情を表現できるツールがあるとか?
ハンケ それはとてもいいアイデアですね。しかし、現時点では、プレイヤーどうしがプレイを通じてコミュニケーションを楽しんでもらうことを第一に考えています。将来的には、そうした機能はぜひ検討していきたいですね。
──コミュニケーション面で見ると、“Pokémon GO Plus”の存在はとても重要な位置づけになりそうですね。
ハンケ 『Ingress』ではアイテムをたくさん集める“ファーミング”と呼ばれる活動がありますが、これはルーチンワークですよね。『Pokémon GO』では“Pokémon GO Plus”だけで完結するような仕組みを考えています。それが叶えば通勤中でもアイテムを集め、ポケモンを捕まえることもできます。これでルーチンワークになりがちだった時間を友人と過ごす時間に生かしてもらえれば、とてもうれしいことですね。
──『Ingress』以上にカジュアルな遊びかたが可能になれば、より身近なものになっていきそうですね。とは言え、すべてが“Pokémon GO Plus”で実行できるわけではないですよね?
ハンケ プレイ全体ではなく、ポケモンの進化やバトルといったコアなプレイを助けるためのものが“Pokémon GO Plus”の役割を果たすと考えています。
──『Ingress』ではスマートフォンをゲームの世界観に合わせてスキャナと呼んでいますが、『Pokémon GO』でも、固有名称を考えているのでしょうか?
ハンケ 現段階でお話しすることはできませんが、もちろん考えています。いずれみなさんにお伝えできる日が来ると思いますので楽しみにしていてください。
──『ポケットモンスター』シリーズと言えば、これまで多くの伝説のポケモンが登場してきました。すでに公開されているプロモーションビデオでも、たくさんのプレイヤーが協力してミュウツーと戦うシーンがありますが、『Ingress』でたとえるならXMアノマリーのようなイベントが行われることになるのでしょうか?
ハンケ 『Ingress』のXMアノマリーには大きなポテンシャルがあり、そうした試みはとても重要なものだと考えています。伝説のポケモンに関しては、いつどんな場面で登場するのか、ユーザーにはたくさんの刺激と楽しみを感じてもらいたいのでぜひ、期待してお待ちください!
──朝晩の時間経過で出現するポケモンは変化しますか?
ハンケ まるで目の前にポケモンがいると感じてもらえることが『Pokémon GO』のコンセプトにあります。現実世界の環境、状況をなるべく反映してポケモンを配置することで、ユーザーがリアリティーを感じるものを目指しているところです。
──『ポケットモンスター』シリーズには多くの名曲がありますが、本作にも生かされるのでしょうか?
ハンケ 『Pokémon GO』向けのスペシャルな音楽をまさに制作しているところです。どんなものになるのか現段階では言えませんが、きっと気に入ってもらえるものだと思うので期待していてください!
──最後に、きっと多くのお子さんたちも興味を持って遊ぶと思います。そうした子どもを持つ親御さんにメッセージをお願いします。
ハンケ じつは私自身も、子どもに“Pokémon GO Plus”を身に着けてもらって、いまフィールドテストでいっしょに遊んでいるんです。すると、これまであたりまえだった道にポケモンが現れることに対して子どもは驚き、とても楽しんでくれています。親御さんとお子さんがしっかり前を向きて、現実世界の景色を楽しみながら、安全に『Pokémon GO』をプレイできる。そうした環境を作っているのでぜひ、いっしょに楽しんでもらいたいですね!!
P.N.深津庵
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