【TGS2015】中国進出をサポートするKongZhong 日本支社の現状と今後の展望に迫る
2015-09-18 23:37 投稿
日本支社”KONGZHONG JP”のビジョンとは?
2002年に設立、2004年にはナスダックに上場した中国の大手オンラインゲーム会社”KongZhong”。
同社はPCオンラインゲーム事業、スマートフォンオンラインゲーム事業、モバイルサービス事業という3つの主要サービスを展開している。その3本柱のひとつであるスマートフォンオンラインゲーム事業を日本国内でも広く展開するという戦略のもと、2014年6月にKongZhongの日本支社をオープンさせた。
同社は昨年の東京ゲームショウ2014にブースを出展。その目的は、自社で展開するコンテンツを日本でも触ってもらうため、そして日本企業とのパートナーシップを求めてのことだった。
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※【TGS2014】中国大手メーカーKongZhongがノーコストで中国進出をサポートする理由とは?
あれから1年、東京ゲームショウ2015の会場で同社のブースを発見。日本支社誕生から今日に至るまで、日本での展開はどのような状況になっているのだろうか? ファミ通Appは同社ブースに足を運び、KONGZHONG JPの楊彬代表取締役、木村優執行役員に話を聞いた。
「ライセンスや日本開拓を含めた活動をしてまいりました。その中でさまざまなパートナー様とご相談させていただきました」と楊彬氏と木村氏は日本支社設立からこの1年を振り返る。当時はまだ国内での認知度は低かったものの、この夏に開催されたチャイナジョイ2015で大きなブースを出展した際に日本人も含めてかなりの来場者を集めたという。
また、日本での展開を本格的にスタートさせた昨年の東京ゲームショウ2014でも約400社がブースを訪問。「こんな会社があるんだなと興味を持っていただけた」(木村)と好感触だった。TGS2014以降、日本支社は中国への展開を考えるメーカーのタイトルの相談を受け、実際に中国で展開できるかを確認するスキームに入る。それだけではなく、「我々が興味を持ったタイトルについて、逆に”中国で出しませんか?”とアプローチする」(木村)ことも。
加えて、日本でもさまざまなメディアに取り上げられる機会が増えたことで同社の認知度も上がり、「ビジネスの取り組みの幅が広がった1年間でした」(楊彬)と振り返った。
中国展開第一弾タイトルは『ウチの姫さまがいちばんカワイイ』
では、実際にKongZhongとパートナーになった国内メーカーはあるのか? じつはすでにサイバーエージェントの『ウチの姫さまがいちばんカワイイ』の中国語版をKongZhongが手掛けている。中国で展開するタイトルは「長期的に丁寧に運用していきたい」(木村)とのことで、もちろん現在も運用中。
中国語版は、KongZhongの大規模な運用チーム(約20名)による円滑なローカライズ、カルチャライズなどの調整を行い、約4ヵ月をかけてじっくりと展開していったとのこと。
ちなみに、木村氏によると同社では中国展開で成功するポイントが6つある。それが以下の項目だ。
~中国展開成功のポイント~
①中国国内の出荷・流通しているスマートフォン端末状況等、現地の徹底したマーケティング情報を取得していること
②長期的な目線を持った開発組織を組成し、現地のユーザーの本質にあったネイティブかつ徹底的なローカライズ・カルチャライズを実施すること
③中国国内の通信環境状況やモバイルユーザーの考え方を熟知した上で現地の通信環境を考慮したタイトルの開発を実施すること
④中国国内のプラットフォーム事情を熟知した上で大規模に複数プラットフォームと連動し、面を取りにいく戦略を実施すること
⑤中国人ゲームユーザー向けの新経済システム VIPシステム等の導入を適切に行うこと
⑥中国国内の広告事情を理解した上で効率的な広告宣伝を行い、幅広い認知に務めること
そのうえで⑤について木村氏は言う。「収益、ビジネスの側面から見たとき、日本と中国では経済システムがまったく違います。日本ではガチャシステムが主流で、みんな300円で何が出るかなとワクワクするのが楽しい。しかし中国はどちらかというとお金を払ったらどういう状態になるか? お金を払う以上は”こうなる”というしっかりとした結果を求めている人たちが多いですね」と。木村氏によれば、中国では”VIPシステム”という独自のマネタイズが確立されており、プレイヤーの課金累計額により”ゲーム内での特権”(キャラの見た目の変化、ステージクリア時のボーナス、パラメーターの強化など)を得ることができ、一般VIPや中流VIPなどの段階ごとにランク分けされるというシステム。
つまり中国でタイトルを展開する場合は、そのVIPシステムの導入はもちろん上記の①~⑥のポイントを抑えることが重要というわけだ。
中国タイトルの日本展開も視野に
日本のゲームを中国へ展開するだけでなく、「来年度は三国志を題材にした自社タイトルを日本で展開したいと思っています」と両氏。いままでは日本のタイトルを中国へ”輸出”する関係だったが、逆に”輸入”も行い相互の関係で展開する形を取ることを考えているようだ。ちなみに気になるそのタイトルが下だ。
同タイトルは現在、中国、台湾、韓国で展開しており、アプリランキングも好調に推移しているという木村氏は「このタイトルを日本でも実現させたい」と語り、全体の取り組みの中で日本と中国の間でお互いに行き来できるような関係を構築していきたい」とした。
さらにKongZhong日本支社が目指しているのが「日本でもっとも信頼され、コミュニケーションが取れる中国企業」(木村)。中国人と日本人のスタッフの比率が50:50で構成されるような企業となり、日本と中国でビジネスを展開し、互いの強みを活かしてコミュニケーションロスがないようにして、「物事をひとつひとつ丁寧にやっていくことが大事です」と木村氏。日本のパートナーとさまざまな話をするなかで、「”日本語が話せて海外展開ができる会社はいいですよね”と言っていただけるので、我々もその期待に応えたいです」と木村氏はコメントした。
中国のスマホ事情について
中国ではどのようなジャンルのゲームが人気なのか? 楊彬氏曰く「中国人はコアなゲームが好きです。RPGなどが人気です」とのこと。日本のゲームは家庭用ゲームやスマートフォンゲームなどが人気だが中国ではPCゲームとスマートフォンゲームの人気が根強いそうだ。
いま中国では、「日本で言うニンテンドー3DSやPSvitaといった持ち運びができてコアなゲームが遊べる携帯ゲーム機のかわりに、スマホでコアなゲームを楽しむのも市場の特徴」だと木村氏。中国ではかなりの数の人たちがスマホを使っているだけでなく、「タクシー1台がスマホが常備されている」(木村)など、日本以上にスマホと生活が密接しているようだ。それだけにスマホゲームを遊ぶユーザーもかなりの数いるといった状況であり、それだけ普及しているからこそ中国市場への展開は大きなチャンスというわけだ。
今後の展開について
同社は日本タイトルの中国展開だけでなく、前述のとおり中国タイトルの日本展開も行う方針で、「第1弾としてアジア展開している三国志のゲームで日本にトライしていきたいですし、今後も第2弾、第3弾とやっていきたい」(木村)と今後も力を入れていくという。日本でも三国志を題材にしたゲームは人気ではあるがタイトル数も多く苦戦する可能性もある。しかし同社としては「競合する三国志のゲームは多いですが、我々としては”本場・中国の三国志ゲームが来たぞ!”と言われるものもお届けしたい」(木村)。もちろん「キャラクターをかわいくするなど、日本で受け入れられるように作り直している」(楊彬)そうだ。
さらに楊彬氏は「ここまでにお話したもののほかに、我々は日本のパートナーといっしょにものを作ってアジアで仕掛けたいと思っています」、「制作委員会などIPものをゼロから作るタイミングで参画していきたいと考えています。ゼロベースからやりとりして、しっかり育てていくことを考えてアジアに目を向けたコンテンツであれば中国を筆頭に対応させていただきたい」と今後の展望も明かしてくれた。
最後に楊彬氏は、「昨年は日本のタイトルを中国で展開してビジネスを成功させるというところをビジョンに持っていました。そして今年は日本に向けて我々の自社ゲームやパートナーゲームを日本のユーザーに喜んでもらえるように細かく作ってお届けすることをビジョンにしています。来年は……カルチャライズではなく、本当に日本向けの新しいタイトルを展開するかもしれません」とメッセージを送った。
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