『イングレス』の楽しさを世界規模のイベント “ペルセポリス”(仙台)を例に解説(前編)

2015-06-29 12:24 投稿

小難しい話は割愛!

スマホのGPS情報による位置情報を駆使したリアルタイム・オンラインゲーム『Ingress(イングレス)』。Androidアプリは2013年11月から、iPhoneアプリが2014年7月に提供を開始し、世界中で注目を集めている。

ゲームの基本は、

・謎のエネルギー“エキゾチックマター”(XM)を巡り、世界中のプレイヤーが青の“レジスタンス”緑の“エンライテンド”のふたつの陣営に分かれる。

・地図上に存在する“ポータル”と呼ばれる拠点を両陣営どうしが奪い合い、“コントロールフィールド”(CF)という陣地を獲得して得られるポイントを競う。

となる。

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簡単に言えば、“位置情報を使った陣取りゲーム”って感じで、実際の地図に本作の情報を重ね合わせて遊ぶってわけです(ちなみにオレは、レジスタンス陣営所属)。

さて、そんな『Ingress』には世界規模の大型イベントがある。

日本では過去に東京、京都で行われ、3回目の今回、2015年6月20日には宮城県仙台市を舞台に、“ペルセポリス”というイベント名で開催されたのだ。

すでに多くのイベントリポート記事が公開されているが、規模の大きな戦術や専門用語の羅列が多く、慣れない人にはちょっと敷居を高く感じてしまうはず。

そこで本記事では、細かいことは言いっこないし

誰もがいますぐ始められる『Ingress』の間口の広さと魅力が少しでも伝わるよう、ひとりのエージェントであるオレ、ライターの深津庵の目線から見て感じた“ペルセポリス”の攻防をリポートするぞ。

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ペルセポリス:第1クラスタへ

仙台駅の隣、長町駅近くにあるゼビオアリーナ仙台で、『Ingress』を開発、運営するナイアンテック・ラボのUX/Visual Artistの川島優志氏、アジア統括マーケティングマネージャーの須賀健人氏、そして伝統芸能代表で落語家の立川こしら氏らによるオープニングセレモニーが開催。

終了後、昼食を済ませて第1戦目の舞台となる同地区へ。

 
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さて、ここで豆知識。

このイベントと言う名の戦いは4ラウンド制で特定の場所、時間に行われる。

第1回計測/午後1時半~10分間
第2回計測/午後2時半~10分間
第3回計測/午後3時半~10分間
第4回計測/午後4時半~10分間

“クラスタ”と呼ばれる該当地域内のポータルを巡って、CFを構築したり、特定のアクションを達成することで点数が加算。

4回の計測とその集計の点数で勝敗を決めるってわけだ。

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オレが担当する第1クラスタ、仙台市長町周辺は住宅街なイメージで、“仙台長町教会”という名前のポータルの死守を任命された。

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1個のポータルには8つのレゾネーターと呼ばれる杭のようなものがあり、それをバースターやウルトラストライクなどの攻撃アイテムで破壊。

すべて破壊して中立化したポータルを両陣営が奪い合い、死守するために防御に関するアイテムを駆使して守っていく。

簡単に言えば、これが戦いの流れだ。

開始序盤はオレらが守る側で優勢かと思われたのだけど、相手の攻撃に耐え切れず、あっという間に奪われてしまった結果、それ以降、1度も取り返すことができないまま第1クラスタは終了

地元の方から「なにをしているの?」と聞かれるエージェント。

自転車で元気に走る子どもたちからは、「ゲーム?」と興味を持たれたが、綺麗な教会に見向きもせず、スマホを操作する両陣営の光景は異様なものだったに違いない。

ペルセポリス:第2クラスタへ

完敗だった第1クラスタの反省会を終え、向かったのは仙台市青葉区一番町。

土地勘もない仙台の地をオレが迷わず移動できたのは、同陣営のメンバーと行動をともにしているからってこともあるけど、埼玉から参加しているチームが作成してくれた“旅のしおり”的な資料が大いに役立った。

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各クラスタごとにページを設けて、各陣の担当と住所、徒歩移動の場合は写真付きでルートをガイド。事前の作戦会議などに参加できなかったオレには、とっても頼れるアイテムとなった。

作ってくれたエージェントさん、本当に助かりましたよ! この場を借りて、お礼申し上げます!!

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さぁ、2戦目。

今度は、立派なアーケードのある商店街にあるポータル“Fountain”がオレらの担当だ。

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現地に到着するころには雨が降り出したけど、まぁ、アーケード街だし問題ないだろう。軽く安心しきっていたら……

オレの想像していたアーケードと違う!!

なんとも開放的な設計で傘なしには歩けない状況。

急きょコンビニで傘を購入して、降り注ぐ雨から本皮製のスマホカバーを、そして該当ポータルを死守するという、2重の攻防に四苦八苦しながらも、両方を守り切ることに成功。

ふだんからもお世話になっているストイックなエージェントさんからも、「ナイスでした!」と、お褒めの言葉をいただき、なんだか、某アニメの寡黙なお父さんに「よくやったな、深津」と、褒められた14歳の少年のような気持ちを味わった。

そして、雨が上がり、戦いは怒涛の後半戦へと続く。

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追記
本気すぎる大人たち

ちなみに当日、エンライテンド陣営は第1クラスタ開始と同時に、

・北泉ヶ岳の北泉ヶ岳山頂板
・田代島の猫神社
・不忘山の不忘の碑

の3つのポータルを結んで巨大なCFを構築。以降、それを覆う計3重の巨大なCFで宮城県を包み込んだ。

そうすることで内側にあるポータルを使ったリンクや、CFの構築ができなくなる仕組みを利用し、レジスタンス陣営が得られる点数を未然に塞ぐっていう、簡単に言えばそんな作戦なのだ。

これの何が凄いかって、山頂や島のポータルがある現地までわざわざ足を運んで、リンクを結ぶために必要な“ポータルキー”を確保したエージェントたちがいるってこと。

もちろん、通常遊んでいるときはここまで手の込んだ駆け引きなんてしない。勝敗を決めるイベントだからこそ、エージェントたちが知恵を絞って本気で『Ingress』を楽しんでいるってわけ。

ちなみに昨年末、東京のイベントではグアム、北海道の襟裳岬、中国の青島で。今年の京都では八丈島台湾ロシアのポータルでそれぞれ巨大なCFを構築し、日本を埋め尽くした事例がある。

大人が本気で遊ぶとこーなるのか!

『Ingress』ってすげぇな、としみじみ感じる瞬間なのだ。

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これは第4クラスタ終了後のもの。巨大なCFが宮城県を覆い尽くしていたことがわかるよね。

(P.N.深津庵)

※後編はこちら

(イングレス)Ingress

メーカー
Niantic Labs
配信日
配信中
価格
無料
対応機種
iOS 7.0 以降。iPhone、iPad および iPod touch 対応。 この App は iPhone 5、iPhone 6 および iPhone 6 Plus に最適化されています。Android 2.3 以上

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