ゾンビナイトテロの概要

全人類ゾンビ化計画を始めよう

投与したら絶対にゾンビ化してしまう危険なドラッグ“ロメロ”を人間に投与。感染した人間が人間を襲い、片っ端からゾンビにしていっちゃう。

それが本記事で紹介する恐怖のシミュレーションゲーム『ゾンビナイトテロ』だ。

効率よくゾンビ化を拡散するにはどうすべきか、残酷だけど戦略性の高いゲームシステムがクセになるぞ。

ルートを指示して感染を拡大する悪の所業

本作は2016年7月20日にSteam向けゲームとして配信。その後、2019年5月9日にはNintendo Switchにも移植された話題のシミュレーションゲームである。

ゾンビ化するドラッグ“ロメロ”を使って感染を拡大していく過激な内容だが、ドアを打ち破って籠城する人々を襲ったり、銃火器で抵抗する人々を数で追い詰めて行くといったアプローチはゾンビ映画のワンシーンを見ているようで爽快感抜群だ。

感染させるにはいくつかの方法があるが、その基本となるのが画面下に並んでいる2系統のコマンドリストだ。

左下にある緑色のゲージを消費するダッシュや爆発といった特殊効果のほか、ステージ上に点在する装置から回収したエネルギーを使えば異型を生み出すこともできる。

ゾンビを爆破して閉ざされた壁を破壊したり、特定のルートに誘導する異型を配置して隠れている人間のもとに向かわせる、なんてこともできる。

階段の上下にある矢印マークで方向を指示すれば、ゾンビたちはその通りに屋内を進行。破壊したいドアをマークすれば、ドカドカを叩き始めるのもおもしろい。

過酷な終末世界を描くヒューマンドラマ

ゾンビ化するドラッグをキメてハイになっている男性と、その様子に興味津々の女性。映画館から出てきた男女は奇妙な会話で大盛り上がり。

生存者たちの愚かな言い争いやテレビから聞こえてくる世界情勢など、ステージのいたるところから終末世界の有り様が伝わってくる。

噛まれるその瞬間まで抗い銃を撃ち続けるものや彼女を置いて我先に逃げ出す彼氏など、会話だけでなく個々の行動から人間性が感じられるのものいい。

そうした側面を見せ付けられる状況で、我々プレイヤーは無慈悲に襲いかかって命を奪う。

ゾンビの群れができていく達成感と罪悪感。ふたつの感情が入り乱れる奇妙な体験も本作の特徴だ。

さて、本作に登場するドラッグの名前になっている“ロメロ”について少しだけ話しをしたい。

このロメロとはゾンビ映画の第一人者であり、77才（2017年7月16日）でこの世を去るまでに多くのゾンビ映画を世に生み出した巨匠ジョージ・アンドリュー・ロメロから名付けられている。

ゲームつながりで言うなら、1998年にカプコンからリリースされた『バイオハザード2』のテレビCMを手がけたことで当時話題になったことをいまも覚えている。

本作のデベロッパーがどんな意味を込めてこの名を選んだのかは不明。第一人者＝感染源ということなのか、ゾンビファンにはとても感慨深くユーモアを感じるタイトルなのだ。

P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら

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